聖女ですが、大地の力を授かったので、先手を打って王族たちを国外追放したら、国がとってもスッキリしました。

冬吹せいら

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エピローグ

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「ローナ様、まだですか?」
「待って!あれ?どこに行ったんだろう」
「はぁ……。昨晩は、あんなに大事そうに抱えていたのに」

クレスがため息をついた。

今日は私たちの王政が始まって、十周年の記念式典がある。そこに付けていくはずの、クレスが作ってくれた花飾りが、どこを探しても見つからないのだ。

「食べちゃったのかな……。寝ぼけて」
「……ローナ様なら、ありえるかもしれません」
「ちょ、ちょっと。今のは冗談で」
「あ、そこにあるじゃないですか」
「あ~!あったあった!」

今日の式典で読むスピーチの原稿の下に、花飾りが紛れ込んでいた。

今度は失くさないように、きちんと身に着けておく。

「どう?クレス。似合う?」
「えぇ。とってもお似合いですよ……」
「……クレス」

クレスの綺麗な瞳と、目が合ってしまった。

一度合ってしまうと、簡単には逸らすことができない。じーっと見つめてしまう。

「……ろ、ローナ様。時間がありません。行きましょう」
「え~……」

残念。あと半日は、このままでもよかったのに。

クレスに手を引かれ、バルコニーへ急ぐ。王宮の外から、民たちの声が良く響いていた。

「クレス」
「どうしました?」
「私たち……。幸せだね」
「そうですね。とっても幸せだと思います」

バルコニーにたどり着いた私たち。民たちに向けて、手を振った。

みんな幸せそうな顔をしている。その顔を見ると、私も心が晴れやかになった。

「クレス、ちょっと耳をかして?」
「はい?あっ……」

クレスはこの十年で、私よりも背が伸びた。だから……。

頬にキスをする時は、こちらに頭を傾けてもらう必要があったのだ。

「……もう」

クレスが顔を真っ赤にして、俯いてしまった。民から歓声が上がる。

「大好きだよ。クレス」
「僕もです。ローナ様」

クレスが、お返しに、私の頬へもキスをしてくれた。今度は私が真っ赤になった。

「……大好き」
「……はい」

幸せの波に飲まれていると、鐘が鳴った。

――式典の、始まりだ。
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みんなの感想(1件)

ミグ
2020.10.11 ミグ
ネタバレ含む
2020.10.12 冬吹せいら

ご感想ありがとうございます!

初期の作品なので、穴が多いのはお許しください……。

解除

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