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本編
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ピヨピヨピヨ、、、
まさに日の出る直前、気の早い野鳥が鳴き声を聞きながら私は昨夜の客を見送る。
今夜の客も相当額を支払ってくれた。おおよそ借金の100分の1くらいだろうか。
このままいけば半年後にはここを出ていくことができるだろう。
「男っていいわね。」
あであでとした顔で女は微笑んだ。
この女、レイチェルは、つい最近まで邪悪な公爵令嬢だった。
だがしかし、贅沢に溺れ、努力を怠るだけでなく、努力家で才能ある妹に嫉妬し暴言を吐いていたと言われている。
そのような暮らしの終わりは半年前のことだった。
「このような愚か者だからこそ長く苦しむべきだろう。」
あの女の一言で私はここに送られた。
何の罪も犯していなかったのに。いや、ずっと前から結婚するでもない男として金品を得ていたのだ。いかなる理由であれ公爵令嬢ではいられないだろう。
とにかく宗教的権威を持つ人物の鶴の一声で私は借金返済生活を送ることになった。よほどの愚か者でない限り私の現状に気がついていたからだと後になって気がついた。思い返せばだれもが悲壮な顔をしていた。ただ、王子を筆頭としたクラスメイト達を除いて。私のかつての悲鳴は確かに届いていた。
それに気がついたとき、故国の現状が気になった。いままで、生まれ育ったあの国のことで心残りは妹だけだったのに。
「あんたに教えられることは何もない。」
どうして、と意味のない問いを返した私に女主人はこういった。
「なにかやり返すつもりだろう。分かってなかったみたいだけど客に聞くのも禁止だよ。やったら一週間洗濯係だからね。もちろん魔法は禁止だよ。見張りもつけるからね。」
この寒い地域で洗濯係はきつい。いまは諦めるべきだろう。私はうなだれた。
「分かればいいんだよ、レイチェル、やっぱりあんたは物覚えが悪いわね。あとでリズにもう一度ここのおきてを説明させるよ。今度からは気を付けるのよ。」
「はい、申し訳ありません。ありがとうございます。」
これができるようになるまで何度しつけられたことか。
「いいんだよ、こっちに甘える分にはね。」
くしゃりと頭をなでる意図が読めず。とりあえず微笑んだ。
ほかのお姉さま方よりも少し早くおやつ時に起き出したレイチェル。
新入りには雑用をさせる慣例がある。しかし、魔法が使えるとなると話は別だ。
いつしかお金をもらったお風呂を入れるようになった。
潤沢なマナを用いてたっぷりの湯を沸かす。むかしからこういう細かいことは得意だ。
それに対して、どうにも攻撃魔法はうまくゆかない。
もう一つ得意なのは清潔魔法だ。
所詮は生活魔法だが同僚には好評だ。
どんなに脂ぎったおやじも清潔になると。
いろいろできていないことがあるみたいだがこれのおかげで見逃されている。
だからって旦那を娼館におくりこむのはどうなんですか奥様。
なぜ奥様が身請けにきたのですか
結局お金をいただいで文字通り『お風呂に入れる』お仕事が増えた。
今日は一日その仕事をすることになる。夜寝れるのが非常にありがたい。
ここをでてからは美容クリニックをするのも楽しそうだ。
彼らのいない生活のなかで徐々に私は魂の傷を癒していった。
まさに日の出る直前、気の早い野鳥が鳴き声を聞きながら私は昨夜の客を見送る。
今夜の客も相当額を支払ってくれた。おおよそ借金の100分の1くらいだろうか。
このままいけば半年後にはここを出ていくことができるだろう。
「男っていいわね。」
あであでとした顔で女は微笑んだ。
この女、レイチェルは、つい最近まで邪悪な公爵令嬢だった。
だがしかし、贅沢に溺れ、努力を怠るだけでなく、努力家で才能ある妹に嫉妬し暴言を吐いていたと言われている。
そのような暮らしの終わりは半年前のことだった。
「このような愚か者だからこそ長く苦しむべきだろう。」
あの女の一言で私はここに送られた。
何の罪も犯していなかったのに。いや、ずっと前から結婚するでもない男として金品を得ていたのだ。いかなる理由であれ公爵令嬢ではいられないだろう。
とにかく宗教的権威を持つ人物の鶴の一声で私は借金返済生活を送ることになった。よほどの愚か者でない限り私の現状に気がついていたからだと後になって気がついた。思い返せばだれもが悲壮な顔をしていた。ただ、王子を筆頭としたクラスメイト達を除いて。私のかつての悲鳴は確かに届いていた。
それに気がついたとき、故国の現状が気になった。いままで、生まれ育ったあの国のことで心残りは妹だけだったのに。
「あんたに教えられることは何もない。」
どうして、と意味のない問いを返した私に女主人はこういった。
「なにかやり返すつもりだろう。分かってなかったみたいだけど客に聞くのも禁止だよ。やったら一週間洗濯係だからね。もちろん魔法は禁止だよ。見張りもつけるからね。」
この寒い地域で洗濯係はきつい。いまは諦めるべきだろう。私はうなだれた。
「分かればいいんだよ、レイチェル、やっぱりあんたは物覚えが悪いわね。あとでリズにもう一度ここのおきてを説明させるよ。今度からは気を付けるのよ。」
「はい、申し訳ありません。ありがとうございます。」
これができるようになるまで何度しつけられたことか。
「いいんだよ、こっちに甘える分にはね。」
くしゃりと頭をなでる意図が読めず。とりあえず微笑んだ。
ほかのお姉さま方よりも少し早くおやつ時に起き出したレイチェル。
新入りには雑用をさせる慣例がある。しかし、魔法が使えるとなると話は別だ。
いつしかお金をもらったお風呂を入れるようになった。
潤沢なマナを用いてたっぷりの湯を沸かす。むかしからこういう細かいことは得意だ。
それに対して、どうにも攻撃魔法はうまくゆかない。
もう一つ得意なのは清潔魔法だ。
所詮は生活魔法だが同僚には好評だ。
どんなに脂ぎったおやじも清潔になると。
いろいろできていないことがあるみたいだがこれのおかげで見逃されている。
だからって旦那を娼館におくりこむのはどうなんですか奥様。
なぜ奥様が身請けにきたのですか
結局お金をいただいで文字通り『お風呂に入れる』お仕事が増えた。
今日は一日その仕事をすることになる。夜寝れるのが非常にありがたい。
ここをでてからは美容クリニックをするのも楽しそうだ。
彼らのいない生活のなかで徐々に私は魂の傷を癒していった。
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