夫婦喧嘩、轢かれる

頭フェアリータイプ

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本編

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「ジェーンてめえとは離婚だ!」
「あんたなんかこっちから願い下げよ!今すぐ消えなさい!!」
「お前が俺の前から消えろ!お前は邪魔なんだ!このブス!!」

何度も繰り返された小競り合いが今日とうとう大喧嘩に発展した。その様子は店の前まで伝わっていたようで。

「ちょっとあなた達、いくらなんでも言い過ぎです!」

なんて、声をかけられる。とはいえそんなんで冷静になるくらいなら大喧嘩なんてしていないわけで。

「うるさいわねえ、黙っててくれる!?」
「うるせえ黙れ」

そう言って向いた先に居たのは明らかにお貴族様。真っ青になった私達は頭を地面にすり付ける。
なんで、こんな町外れの平民向けの雑貨屋にいるんだよ。ダンジョンは真逆だぞ。とは言えない。
雲の上の存在にとんでもないことを言ってしまった。殺されても文句は言えない。

「お嬢様、平民とはこういうものでございます。」

護衛と思しき男がこんなことを薬包紙に何度も包んだ表現で取り成してくれたおかげで事なきを得た。
向こうの体面もあったのかもしれない。お貴族様にも掟と言うやつが有るらしいから。

お貴族様がいなくなって、力尽きたように寝転がるそばにはジャックもいた。随分と時間が経った後、どちらともなく言い出した。

「離婚、やめるか。」
「離婚、やめよーか。」

さっきまで天地がひっくり返るくらい大事だと思っていたことがどうでも良くなった。
今日はお金は稼げなかったけど、もっといいものを手に入れた気がする秋の夕暮れだった。
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