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01 突然の婚約解消
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その日、カーリントン伯爵令嬢レイチェルは婚約者から婚約解消を宣告された。
場所は貴族子女が通う王立学園の食堂。
つまり、公衆の面前でのことだった。
「レイチェル、おまえとの婚約を今この場で解消させてもらう」
淡々と告げた婚約者に反し、レイチェルは両目をかっぴらいて驚いた。
婚約を解消されるなど、青天の霹靂だったからだ。
「ど、どど、どうしてですか?! 理由を聞かせて下さい!」
その問いを聞いた婚約者であるヒューゲル侯爵令息エックハルトは、蔑むような視線をレイチェルに向けた。
エックハルトのかたわらには、可憐で美しい令嬢が寄り添うように立っている。
その令嬢の腰に腕を回しながらエックハルトは言った。
「どうしてだと? それはおまえがヒューゲル家の次期当主夫人として相応しくないからだ。俺の伴侶には、この美しいノラン子爵令嬢シャルロッテこそが相応しい」
「ハルト様ったら、美しいだなんてそんな、わたし恥ずかしいですわ」
「なにを恥じらうことがある、本当のことではないか。まあ、そんな謙虚なところも愛らしいがな」
「まあ、うふふ」
いちゃつき始める二人を前に、レイチェルは唖然として手にしていたフォークを床に落としたのだった。
二年ほど前のことだ。
王立学園に入学して半年ほど経ったある日、レイチェルはクラスメートの令息から中庭に呼び出され、そこでいきなり愛の告白を受けた。
「カーリントン嬢、あなたのことが好きだ。俺と結婚を前提とした交際をして欲しい」
「ええっ?!」
突然のことに、恋愛に免疫のなかったレイチェルは顔を真っ赤にして動揺してしまう。
告白してきた相手はヒューゲル侯爵家令息のエックハルト。
レイチェルとはクラスが同じというだけで、禄に話したこともないような関係だった。
信じられなかった。
エックハルトは学園でも多くの令嬢から秋波を送られる人気の令息である。
長身で引き締まった肉体を持ち、金髪碧眼で目元涼やかな美麗な容姿をしているのだから、それも頷ける。
レイチェルにしても、なんて綺麗な顔をした令息だろうと、教室でうっかり見惚れてしまったことが何度もあるくらいだ。
そんな人が自分を好き?!
なんで??!!
レイチェルが驚くのも無理はない。
レイチェルの家、カーリントン伯爵家は建国時から続く名門ではあるが、中央政治に興味がなく、領地運営に尽力するばかりの野心なき家門である。
誰もが縁を繋ぎたいと切望するような、そんな家柄ではない。
レイチェル自身、そこそこに美しくはあっても取り立ててというほどでもなく、見かけを気にする暇があれば勉強をしていたいといった性格の持ち主であるため、恋愛という意味での異性からの人気はかなり低い。
空色の瞳は美しいが、読書に熱中するあまり夜更かしばかりするせいで、いつも目がしょぼしょぼしていて見っともない。
ホワイトブロンドの長い髪は侍女のおかげで艶々だが、邪魔だからと左側で三つ編みにして胸の前に垂れさせている。
色気も可憐さも庇護欲もゼロ、それがレイチェルだった。
学園の成績は良い。
特に大好きな薬草学の知識や薬を調合する腕には、自分でもかなりの自信を持っている。
しかし、それが貴族令嬢に必要な能力かと問われれば、誰もが否と答えるだろう。
貴族令嬢は美しく装い、より身分の高い令息と婚姻して後継ぎを産み、社交活動により夫を支えることが誉れとされる風潮が貴族社会にはあるからだ。
頭のいい職業婦人など、その能力がよほど突出していない限り、お呼びではないのである。
飾らない性格と持ち前の明るさで、レイチェルには男女共に友人は多い。
というか、老若男女に人気があるタイプだ。
しかし、恋愛的な意味において、レイチェルは男性にまったくモテなかった。
あくまでも友人としてのみ、レイチェルは人気者なのである。
レイチェルもそれは分かっている。
だからこそ、エックハルトからの告白に驚いた。
人気の侯爵令息エックハルトに好意を持たれる要素など、自分にはなにもないと分かっているからだ。
「わ、わたしのどこを気に入ったんですか? 正直言って、思い当たることが一つもないんですけど……」
だから率直に質問すると、エックハルトはすぐに答えてくれた。
「あなたは尊敬のできる素晴らしい人だよ。なにをするにも一生懸命で、努力することの大切さと必要性をしっかり理解し、それを実行できている。学園での成績はどの教科も優秀だし、あなたが調合する薬は他の薬剤師が作るものよりも高い効能があると聞いている」
「え、ええ、まあ、はい。成績はともかく、確かに薬草作りは得意ですけど……」
「きっと血の滲むような努力をした結果だろう。どうしてそこまでして薬を作ろうと? 貴族令嬢であるあなたには必要のないことなのに」
「それは……一人でも多くの人の怪我や病気を治したいと思うからです。わたしの努力くらいのことでたくさんの人を助けることができるなら、数日徹夜することくらいなんでもありませんから」
それを聞いたエックハルトが美しく微笑んだ。
「ほらね、あなたは優しくて慈悲深く、とても素敵な人だ」
エックハルトはレイチェルに近付くと、プラチナブロンドの長い三つ編みをそっと手に取った。
そして、そこに口付けたのである。
ひえっ、とレイチェルは真っ赤になった。
男性から女性として見られ、ロマンティックに愛情を表現されたのは初めてのことだった。
「カーリントン嬢、いや、レイチェル嬢、心美しきあなたを愛している。さっきは交際の申し込みだったが訂正しよう。ぜひ俺と婚約してくれないだろうか」
レイチェルの胸の鼓動が早鐘のように激しく鳴った。
まさに恋に落ちた瞬間だった。
赤面したレイチェルが瞳をポヤンとさせながら頷くと、エックハルトはとても嬉しそうに目を細めた。
数日後、ヒューゲル侯爵家からカーリントン伯爵家に婚約申し込みの書簡が届いた。
驚く両親や兄姉たちにエックハルトとの会話を話し、自分も婚約を望んでいると伝えると、家族は大喜びで溺愛する末っ子レイチェルの恋を祝ってくれた。
初めての恋にレイチェルは浮かれた。
しかし、婚約したからといって、日々の暮らしはほとんど変わらなかった。
勉強や薬草作りの邪魔をしてはいけないと遠慮するエックハルトは、滅多なことではレイチェルをお茶にもデートにも誘ってくれなかったからだ。
たまに手土産を持って屋敷に会いにきてくることもあるが、短時間ですぐに帰宅してしまう。
レイチェルとしては、もっと一緒にいたい、たくさん話がしたいと思っていた。
と同時に、自分の婚約者はなんて気遣いのできる素敵な人なんだろうとも思っていた。
あんな情熱的な告白をしてくれたくらいだ。
エックハルトだって本当はもっと頻繁に会いたいと思っているに決まっている。
それなのに相手を慮って遠慮し、会いたい気持ちを抑えてくれる思慮深く麗しい婚約者のことを、レイチェルは心の底から慕っていた。
もうメロメロだった。
一年ほど前から、エックハルトが美しい子爵家の令嬢と懇意にしているという噂が学園中を駆け巡り始めた。
噂を聞いた多くの友人たちがレイチェルを心配してくれた。
特に、薬草学が好きな者同士で気の合う友人となった男爵令息のティモは、婚約者と一度きちんと話をした方がいいと、何度もレイチェルに助言してくれた。
けれど、レイチェルは噂など笑い飛ばしていた。
あの人格者のエックハルトが、努力するレイチェルが素晴らしいからと告白して婚約を申し入れてきたエックハルトが、浮気だなどと不道徳なことをするはずがない。
ありえない。
そう思ったからだ。
「噂では例の子爵令嬢は庶子の元平民で、貴族としての生活に慣れていないって聞いたわ。きっとエックハルト様はその子爵令嬢に同情して、貴族として常識を教えるなどして手を貸しているのよ。優しい人だもの、きっとそうに違いないわ」
「……レイチェル、君がそう言うのなら、僕にはこれ以上言えることはないけど」
「うん、心配してくれてありがとね、ティモ。でもわたしは平気。エックハルト様を信じてるもの」
「そう……」
満面の笑顔でレイチェルがそう言うと、まだなにか言いたげだったティモも、やがては口を閉じた。
しかし。
今日、レイチェルは婚約解消を突きつけられた。
噂の子爵令嬢シャルロッテの腰を抱くエックハルトから、である。
やはり、火のない所に煙は立たないものらしい。
場所は貴族子女が通う王立学園の食堂。
つまり、公衆の面前でのことだった。
「レイチェル、おまえとの婚約を今この場で解消させてもらう」
淡々と告げた婚約者に反し、レイチェルは両目をかっぴらいて驚いた。
婚約を解消されるなど、青天の霹靂だったからだ。
「ど、どど、どうしてですか?! 理由を聞かせて下さい!」
その問いを聞いた婚約者であるヒューゲル侯爵令息エックハルトは、蔑むような視線をレイチェルに向けた。
エックハルトのかたわらには、可憐で美しい令嬢が寄り添うように立っている。
その令嬢の腰に腕を回しながらエックハルトは言った。
「どうしてだと? それはおまえがヒューゲル家の次期当主夫人として相応しくないからだ。俺の伴侶には、この美しいノラン子爵令嬢シャルロッテこそが相応しい」
「ハルト様ったら、美しいだなんてそんな、わたし恥ずかしいですわ」
「なにを恥じらうことがある、本当のことではないか。まあ、そんな謙虚なところも愛らしいがな」
「まあ、うふふ」
いちゃつき始める二人を前に、レイチェルは唖然として手にしていたフォークを床に落としたのだった。
二年ほど前のことだ。
王立学園に入学して半年ほど経ったある日、レイチェルはクラスメートの令息から中庭に呼び出され、そこでいきなり愛の告白を受けた。
「カーリントン嬢、あなたのことが好きだ。俺と結婚を前提とした交際をして欲しい」
「ええっ?!」
突然のことに、恋愛に免疫のなかったレイチェルは顔を真っ赤にして動揺してしまう。
告白してきた相手はヒューゲル侯爵家令息のエックハルト。
レイチェルとはクラスが同じというだけで、禄に話したこともないような関係だった。
信じられなかった。
エックハルトは学園でも多くの令嬢から秋波を送られる人気の令息である。
長身で引き締まった肉体を持ち、金髪碧眼で目元涼やかな美麗な容姿をしているのだから、それも頷ける。
レイチェルにしても、なんて綺麗な顔をした令息だろうと、教室でうっかり見惚れてしまったことが何度もあるくらいだ。
そんな人が自分を好き?!
なんで??!!
レイチェルが驚くのも無理はない。
レイチェルの家、カーリントン伯爵家は建国時から続く名門ではあるが、中央政治に興味がなく、領地運営に尽力するばかりの野心なき家門である。
誰もが縁を繋ぎたいと切望するような、そんな家柄ではない。
レイチェル自身、そこそこに美しくはあっても取り立ててというほどでもなく、見かけを気にする暇があれば勉強をしていたいといった性格の持ち主であるため、恋愛という意味での異性からの人気はかなり低い。
空色の瞳は美しいが、読書に熱中するあまり夜更かしばかりするせいで、いつも目がしょぼしょぼしていて見っともない。
ホワイトブロンドの長い髪は侍女のおかげで艶々だが、邪魔だからと左側で三つ編みにして胸の前に垂れさせている。
色気も可憐さも庇護欲もゼロ、それがレイチェルだった。
学園の成績は良い。
特に大好きな薬草学の知識や薬を調合する腕には、自分でもかなりの自信を持っている。
しかし、それが貴族令嬢に必要な能力かと問われれば、誰もが否と答えるだろう。
貴族令嬢は美しく装い、より身分の高い令息と婚姻して後継ぎを産み、社交活動により夫を支えることが誉れとされる風潮が貴族社会にはあるからだ。
頭のいい職業婦人など、その能力がよほど突出していない限り、お呼びではないのである。
飾らない性格と持ち前の明るさで、レイチェルには男女共に友人は多い。
というか、老若男女に人気があるタイプだ。
しかし、恋愛的な意味において、レイチェルは男性にまったくモテなかった。
あくまでも友人としてのみ、レイチェルは人気者なのである。
レイチェルもそれは分かっている。
だからこそ、エックハルトからの告白に驚いた。
人気の侯爵令息エックハルトに好意を持たれる要素など、自分にはなにもないと分かっているからだ。
「わ、わたしのどこを気に入ったんですか? 正直言って、思い当たることが一つもないんですけど……」
だから率直に質問すると、エックハルトはすぐに答えてくれた。
「あなたは尊敬のできる素晴らしい人だよ。なにをするにも一生懸命で、努力することの大切さと必要性をしっかり理解し、それを実行できている。学園での成績はどの教科も優秀だし、あなたが調合する薬は他の薬剤師が作るものよりも高い効能があると聞いている」
「え、ええ、まあ、はい。成績はともかく、確かに薬草作りは得意ですけど……」
「きっと血の滲むような努力をした結果だろう。どうしてそこまでして薬を作ろうと? 貴族令嬢であるあなたには必要のないことなのに」
「それは……一人でも多くの人の怪我や病気を治したいと思うからです。わたしの努力くらいのことでたくさんの人を助けることができるなら、数日徹夜することくらいなんでもありませんから」
それを聞いたエックハルトが美しく微笑んだ。
「ほらね、あなたは優しくて慈悲深く、とても素敵な人だ」
エックハルトはレイチェルに近付くと、プラチナブロンドの長い三つ編みをそっと手に取った。
そして、そこに口付けたのである。
ひえっ、とレイチェルは真っ赤になった。
男性から女性として見られ、ロマンティックに愛情を表現されたのは初めてのことだった。
「カーリントン嬢、いや、レイチェル嬢、心美しきあなたを愛している。さっきは交際の申し込みだったが訂正しよう。ぜひ俺と婚約してくれないだろうか」
レイチェルの胸の鼓動が早鐘のように激しく鳴った。
まさに恋に落ちた瞬間だった。
赤面したレイチェルが瞳をポヤンとさせながら頷くと、エックハルトはとても嬉しそうに目を細めた。
数日後、ヒューゲル侯爵家からカーリントン伯爵家に婚約申し込みの書簡が届いた。
驚く両親や兄姉たちにエックハルトとの会話を話し、自分も婚約を望んでいると伝えると、家族は大喜びで溺愛する末っ子レイチェルの恋を祝ってくれた。
初めての恋にレイチェルは浮かれた。
しかし、婚約したからといって、日々の暮らしはほとんど変わらなかった。
勉強や薬草作りの邪魔をしてはいけないと遠慮するエックハルトは、滅多なことではレイチェルをお茶にもデートにも誘ってくれなかったからだ。
たまに手土産を持って屋敷に会いにきてくることもあるが、短時間ですぐに帰宅してしまう。
レイチェルとしては、もっと一緒にいたい、たくさん話がしたいと思っていた。
と同時に、自分の婚約者はなんて気遣いのできる素敵な人なんだろうとも思っていた。
あんな情熱的な告白をしてくれたくらいだ。
エックハルトだって本当はもっと頻繁に会いたいと思っているに決まっている。
それなのに相手を慮って遠慮し、会いたい気持ちを抑えてくれる思慮深く麗しい婚約者のことを、レイチェルは心の底から慕っていた。
もうメロメロだった。
一年ほど前から、エックハルトが美しい子爵家の令嬢と懇意にしているという噂が学園中を駆け巡り始めた。
噂を聞いた多くの友人たちがレイチェルを心配してくれた。
特に、薬草学が好きな者同士で気の合う友人となった男爵令息のティモは、婚約者と一度きちんと話をした方がいいと、何度もレイチェルに助言してくれた。
けれど、レイチェルは噂など笑い飛ばしていた。
あの人格者のエックハルトが、努力するレイチェルが素晴らしいからと告白して婚約を申し入れてきたエックハルトが、浮気だなどと不道徳なことをするはずがない。
ありえない。
そう思ったからだ。
「噂では例の子爵令嬢は庶子の元平民で、貴族としての生活に慣れていないって聞いたわ。きっとエックハルト様はその子爵令嬢に同情して、貴族として常識を教えるなどして手を貸しているのよ。優しい人だもの、きっとそうに違いないわ」
「……レイチェル、君がそう言うのなら、僕にはこれ以上言えることはないけど」
「うん、心配してくれてありがとね、ティモ。でもわたしは平気。エックハルト様を信じてるもの」
「そう……」
満面の笑顔でレイチェルがそう言うと、まだなにか言いたげだったティモも、やがては口を閉じた。
しかし。
今日、レイチェルは婚約解消を突きつけられた。
噂の子爵令嬢シャルロッテの腰を抱くエックハルトから、である。
やはり、火のない所に煙は立たないものらしい。
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