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第六章:ドドス共和国
6-22これからの予定
しおりを挟む「鉄板亭」はメリーサさんのお陰で快適に過ごせていた。
ここへ来て二日目だけど、昨日は晩御飯も食べないで眠ってしまった。
ルラはしっかりと一人で晩御飯を食べていたみたいだけど。
「流石にお腹すいたわね…… ルラじゃないけどご飯食べたいわ」
「お姉ちゃん、早く顔洗って朝ごはん行こうよ! 昨日ここの晩御飯美味しかったよ!」
朝から元気なルラ。
疲れでも溜まっていたのか、昨日ははぐっすり良くは眠れたのだけどお腹のすき方が凄い。
晩御飯を一食抜いただけなのに。
「そうだね、顔洗ってまずはご飯ね!」
私はそう言いながらルラと一緒に顔を洗いに行くのだった。
* * *
「お早う、リルさん、ルラさん」
下の食堂に行って朝ごはんを受け取ろうとしたら丁度メリーサさんが厨房から顔を出した。
「おはようございます、メリーサさん」
「おッはよぉ~」
私もルラも挨拶して朝ごはんをもらう。
そして近くのテーブルに腰かけてから食事を始める。
「ねぇねぇ、リルさんとルラさんはドドス初めてなんでしょ? 私が案内してあげようか?」
「はい? それは助かるのですけど、お店大丈夫ですか?
「大丈夫、大丈夫。どうせ今の時期はお客さん少ないし今うちに泊まっているのはリルさんとルラさんだけだからね」
いや、それ大丈夫なのこの宿……
思わずメリーサさんを見ながらそう思ってしまう私。
でもまあ、当人が大丈夫と言うならお願いしてみるのも悪くない。
「それじゃ、お願いしますね」
「うん、それじゃ早速ご飯食べ終わったら行こうか!」
メリーサさんはにっこりとほほ笑むのだった。
* * *
「それにしても朝からあちらこちらで鉄を打つ音がしますね?」
「ああ、ここドドスはドワーフ族との交易が多いし、彼らも結構この街に自分の工房を持っているからね。この街の人族の職人も多いから余計かな。近くの山から良質な鉱石も出て来るしね~」
街の中を歩きながらメリーサさんはそう言う。
朝から街中には煙があちらこちらから上っていてカーンカーンと鉄を打つ音が響いている。
レンガ造りの街並みが続くここはどことなくドイツの街並みっぽい。
「それとこのドドスは数年に一度偉業を成した人が女神様がいる天界へと行く事が出来るのよ!」
そう言いながらメリーサさんは昨日の神殿の方を指さす。
私は思わず聞き返してしまった。
「なんですかそれって?」
するとメリーサさんは得意気に話を始める。
「ここドドスはね、女神様が住まわれると言う『天界』に数年に一度偉業を成した人が女神様から招待を受けて呼ばれるのよ!」
メリーサさんはそう言って薄い胸を反らせて自慢げに言う。
女神様って、エルハイミさんの事だよね?
確か三人いるうちの一人で人々の前に出てくる時はコクさんのように大人の女性の姿だとか。
うーん、そのエルハイミさんも今はジルの村とかに行っているはずなんだけど……
「女神様ってどんなお姿なんだろうなぁ~? お会いできるのは皆凄い人ばかりだって話だし、肖像画なんかの女神様ってとっても美人で胸だって大きいしお優しいって話だしなぁ。私もお会いして胸を大きくしてもらいたいなぁ……」
うっとりとしながらそう言うメリーサさん。
実際の女神様って私たちと同じくらいの十五、六歳くらいの年齢に見えて、ちょっと天然ボケが入ったような人なんだけどなぁ……
しかもシェルさんやコクさんとそう言った関係の特殊な人……
あまり近寄りたくないのだけど、女神様やってるんだよなぁ。
「それでね、あの隣のお城がドドス共和国のお城なんだけど、私あの公王様って嫌い。税金ばっか取るんだもん!」
少し膨れながらそう言うメリーサさん。
税金沢山とられるなら誰だって不満も出るわよね。
「あと、ここはドワーフ族が多いから工芸品とかも安くて良い物が手に入るわ。そう言った物が外国に輸出されてここドドスは潤っているんだけどね~」
「なるほど、ドドスってそう言う街なんですね」
「女神様かぁ。今頃エルハイミさんたちどうしているのかなぁ~」
一通り説明を受けながらあちらこちらを見て回っている私たち。
こんな所でもエルハイミさんの影響って有るもんなんだね。
私たちはメリーサさんの案内のお礼としてお昼ご飯をご馳走する事にした。
そしてメリーサさんのおすすめのお店に入る。
「ドドスでは香辛料のたっぷりと効いた焼き肉をナンに挟んで食べるのだけど、リルさんたちはもう食べた?」
「はい、昨日『槌亭』ってところで食べましたよ」
「『槌亭』!? うわぁ、よくあんなお店に行ったわね。あそこ柄が悪いので有名だけど食事だけは良いってところなのよね。あそこのお客も店員もならず者みたいなのが多いから普通の女の子たちは行かないんだけどね~」
やっぱそうだったか……
メリーサさん含め「銭湯」でも応対はそんなに悪い物じゃなかった。
最初に入った店が失敗だったか。
「そうすると、ドワーフ族ってもの凄く威圧的じゃないのかな?」
「ドワーフ族は頑固だけど悪い人たちばかりじゃないよ? ああ、でも『槌亭』に出入りしているドワーフは口が悪い人が多いって聞くなぁ」
はい、知ってます。
おかげで散々私の胸を馬鹿にされました。
「ふっふっふっふっふっ、でもそれももうすぐ覆せる。何せ私には『育乳の女神様式マッサージ』があるのだから!! メリーサさん、午後はまた『銭湯』に行きませんか?」
「あら、リルさん奇遇ね。私もそう思っていたのよ」
私たち二人は顔を見合わせどちらともなく笑い始める。
「うーん、お風呂は気持ちいいけどあたしおっぱい揉まれるの嫌だなぁ。変な気持ちになっちゃうし 胸の先ジンジンするからやだぁ~。お姉ちゃんたちあんなの好きなの?」
食事が運ばれてきて食べながらルラはそう言ってくる。
「あれは必要不可欠よ! いいことルラ、はっきりと効果が出るまでこのドドスに留まるわよ! そしてあのドワーフを見返してやるんだから!!」
ぐっとこぶしを握ってそう言う私は当分ここドドスに留まる気満々だったのである。
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