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第三十七話 空地
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「なあ、母さん」
Yさんが、近所の空き地のことを思い出したのはたまたまだった。
「タバコ屋の時田さんちの傍の空き地、あそこずっと放置されてるよね?」
Yさんの母親は、しばらくは洗い物をつづけていたが不意に思い出したようで手を止めた。
「そうねぇ。確か…あんたが生まれるころからあのままだったはずよ」
その言葉にYさんはちょっと驚いた。
確かに思い出してみればずっと放置されている、がまさかそこまで筋金入りの放置プレイだとは思いもしなかった。
土地の大きさは結構大きく、埋め立てれば車数台分置ける。
この近所には貸駐車場などは無いため、需要は確実に見込めるだろう。
何でそうしないんだろうと疑問を述べたところ、Yさんの母親は手をひらひら振って答えた。
「あんたは生れてなかったから知らないけど、あそこ一応何回か家が建ったことはあるのよ」
「へえ」
「けどねぇ……薄気味悪い出来事が続いてねぇ」
「どんなことがあったのさ?」
その問いに、Yさんの母親は思いっきり顔をしかめた。
「焼け落ちたのよ。住人が移り住んで、一年も経たないうちにね」
「あぁ、そういうことね」
Yさんは母親の言いたいことを得心した。
「事故物件で縁起が悪いんじゃ、買い手がつかないもんな」
しかし、Yさんの母はそうじゃないという。
「この世のなか、今更人が死んでないところなんてどこにもないわよ。過去に死人が出たとか言ってたら生きてけないっての」
「そらまーそうだけどさ…じゃあ、なんなのさ」
Yさんの母親は、鼻にくっきりとした横皺を作りながら教えてくれた。
「一つ、毎回顎の骨一つだけ残して住人が消えるのよ。おまけにその骨全部、虫歯の治療痕が同じだったって」
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ツギハ13ニチ19ジ
Yさんが、近所の空き地のことを思い出したのはたまたまだった。
「タバコ屋の時田さんちの傍の空き地、あそこずっと放置されてるよね?」
Yさんの母親は、しばらくは洗い物をつづけていたが不意に思い出したようで手を止めた。
「そうねぇ。確か…あんたが生まれるころからあのままだったはずよ」
その言葉にYさんはちょっと驚いた。
確かに思い出してみればずっと放置されている、がまさかそこまで筋金入りの放置プレイだとは思いもしなかった。
土地の大きさは結構大きく、埋め立てれば車数台分置ける。
この近所には貸駐車場などは無いため、需要は確実に見込めるだろう。
何でそうしないんだろうと疑問を述べたところ、Yさんの母親は手をひらひら振って答えた。
「あんたは生れてなかったから知らないけど、あそこ一応何回か家が建ったことはあるのよ」
「へえ」
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「一つ、毎回顎の骨一つだけ残して住人が消えるのよ。おまけにその骨全部、虫歯の治療痕が同じだったって」
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