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2-3.湯煙る二人
11 *
しおりを挟む王輝の中はすんなりと遼自身を受け入れ、柔らかい内壁が絡みついて、奥へと誘うように蠢く。遼は腰を進めながら、うっすらと開いた口に舌を滑りこませた。王輝の口内を舌で味わい、舌や唇を食む。遼がゆっくりとしたストロークで出し入れし、丁寧に前立腺を押し上げると、王輝は吐息混じりで喘いだ。
「っあぁ、いい、っ…あ、んんっ…」
先ほどまでの激しさとは違い、優しくて甘やかすような快感に、王輝の身体も思考も蕩けていく。遼の眼差しは愛しむように柔らかく、肌に触れる手付きは優しい。
「あっ、佐季…っ…」
「今ヶ瀬、気持ちいい?」
「うんっ、もっと、して」
甘えるように縋りついた王輝の額に、遼はキスを落とす。柔らかい王輝の中を味わうように、腰を動かし、奥を突く。熱く絡みついてくる肉壁に、遼は腰が溶けそうだった。
「おくっ、いい、あっ、あっ」
「今ヶ瀬の中、気持ちいいよ」
「ほんと?っ嬉し、いっ、あ、っあ」
二人は見つめ合って、身体が一つに溶け合う快感に浸る。お互いが好きだと分かった上でするセックスに、二人は幸福感で満たされていた。好きという感情を言葉にはしないが、セックスに気持ちを込める。
「あ、あっ、佐季、っ、キスしてっ」
王輝の求めに応じ、遼は唇を重ねた。口内を舌で撫でると、中がきゅうと締まる。王輝が苦しくならないように気を付けながら、深いキスを続けた。
口内も後孔も遼でいっぱいになり、王輝は嬉しくて、遼に抱きついた。遼の体温が近くなり、鼓動が重なる。
「んっ、んぅ…、っんん」
王輝の嬌声は遼に飲みこまれていく。遼が腰を打ちつけるたびに、王輝自身は震え、先走りを流した。遼は王輝自身には触れず、後孔だけをがつがつと突き上げる。蠢く内壁に王輝の限界を悟った遼は、腰の動きを速める。ぐちゅぐちゅと水音が寝室に響く。
「んんっ、ん、んぅ…んんっ!」
遼の突き上げで、王輝は達し、精液を自身の腹に散らせた。ぐねぐねと搾り取るような中の動きに、遼は何度か腰を往復させた後、がつんと奥に入れ込んで射精した。ゴムの中に吐き出した白濁を塗りこむように、ゆるゆると腰を動かす。二人はそのままの状態で、キスを交わし、セックスの余韻に浸った。
「あー気持ちいいー」
王輝は緩んだ声を出しながら、肩までお湯に浸かった。遼はそれを横目に見ながら、両手で掬ったお湯で顔を洗う。二人は部屋に備え付けの露天風呂に浸かっていた。先ほどセックスを終えた後、せっかくなので露天風呂に入ろうという話になったのだった。
露店風呂のスペースの周囲は竹の柵で囲まれており、外からは見えないようになっている。檜づくりの風呂は大きく、二人が入ってもまだ余裕があった。少し肌寒さを感じるが、お湯は熱いので、その差が心地いいくらいだった。 二人は肩を並べて、のんびりと風呂を楽しむ。夜空には月が綺麗に浮いていた。
「今ヶ瀬はこの時間がずっと続けばいいのにって思うときある?」
突然の遼の質問に、王輝は首を傾げながら考えた。
「んー、二度寝してるときとか、映画観てるときとか、終わって欲しくないって思うけど」
自分で答えておいて、なんて単純な答えだろうと王輝は恥ずかしくなった。「ごめん、佐季が思ってるような答えじゃないかも」と慌てて付け加えた。遼は王輝の答えを微笑ましく思いながら、話を続ける。
「俺はメンバーとファンの人たちと一緒に過ごす時間が好きで、ライブとかイベントが終わるときは、いつも終わって欲しくないし、ずっとこの時間が続けばいいって感じてて……」
遼は一度言葉を区切って、王輝を見る。
「今もその時の同じ気持ちで、今ヶ瀬と過ごす時間も終わって欲しくないって思ってる。ずっと一緒に居れたらいいのにって」
遼のまっすぐな言葉と真剣な表情に、王輝はかぁっと顔が熱くなった。傍から聞けばプロポーズのような内容に、鼓動が速くなる。嬉しさと恥ずかしさに頬が緩み、隠すように遼から顔を逸らした。
王輝の異変に気付いた遼は、自分の言動を思い返す。揺蕩うような時間が心地よくて、明日現実に戻るのが嫌だと言いたかっただけなのに、とんでもないことを口走ったことに気づく。
「ごめん、そういう意味じゃなくて、今日が楽しくて、明日帰るの嫌だって意味で…!」
慌てて訂正するが、遼の言動はしどろもどろだ。王輝はそれがおもしろくて、ふっと笑いをもらす。そしていたずら心で、遼に尋ねた。
「さっきの言葉、忘れて欲しい?」
「忘れてくれるなら…」
「特別に忘れてあげる。けど、嬉しかったのは事実だから、それだけは覚えとけよ」
王輝は遼に言われた言葉をそっくり返した。遼はそのことに気づき、言葉を詰まらせた。あの時の王輝の気分を追体験する感覚に、思わず言葉がもれる。
「ずるい」
「俺はずるいよ」
にやりと笑った王輝は、遼にキスをした。ちゅっと音を立てて唇を離す。王輝が遼にすり寄ったため、ちゃぷちゃぷと水面が波立ち、風呂からお湯が溢れた。
「まだ時間あるし、足りないだろ」
王輝は遼を誘う。収まったはずの熱が再び燃え上がる感覚に、遼はぞわりと肌が粟立った。
月に照らされた二人の影が重なる。二人の熱い夜はまだ終わらない。
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