15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以

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2.知ってるよ?

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「さすがにお父さんはいるよねぇ、元カノ」

「いるよ」

「知ってるの?」

「知ってる」

「修羅場!?」

「なんで」

「略奪!」

「違うから!」

 タブレットを使用禁止にするべきかと、真剣に考える。

「どんな人?」

「え?」

「お父さんの元カノ」

「……」

 子供に教えることじゃない。

 いつもなら、適当に流す。

 だが、和輝と並ぶあの女性を見てしまった。

 あの頃より磨きがかかった大人の女性になった彼女は、夫ととてもお似合いだった。

「お父さんと同じ年で、バリバリのキャリアウーマンで、美人で痩せててハイヒールが似合って、和輝と並ぶとお似合いで――」

「――ただいまぁ」



 私、子供相手に何を言った!?



 弾かれるように立ち上がる。

「はい! お父さんと交代」

 そそくさと和輝の食事を温めて食卓に並べた。

 そして、前回同様、部屋を出て、聞き耳を立てる。

「お母さんと初めてデートした場所は?」

「…………」

「憶えてないの!? サイテー」



 和葉、もっと言っちゃえ!



「ご飯食べに行った……と思う」



 あら、知ってた?



「初めてもらったプレゼントは?」

「………………」

「マジ、サイテー」



 ははは……。



「あ――」

 和輝が何か言いかけたが、和葉には聞こえなかったようだ。あるいは、無視した。

「――お母さんて、お父さんの何番目の彼女?」

「はぁ!?」



 ふふっ。焦ってる。



「怒らないから正直に言ってごらん」



 いや、それはの台詞じゃぁ……。



「数えられないほどいるのっ!?」

「いない! けど、子供に言うようなことじゃ――」

「――お母さんは教えてくれたのに」

「はぁ?」

「お父さんの元カノ情報」

「え――?」

 二階から由輝が下りてくる足音に、私はそっとお風呂に向かった。

 和輝の様子からして、私が元カノのことを知っているなんて思いもしなかったのだろう。



 でもね、知ってるよ?

 知ってるんだよ……?



 また、惨めになった。

 夫が何か言いたげに私を見ても、知らん振りをした。

 いつもなら、私から声をかけるのに。



 だって、聞けるわけない。



『私があなたの元カノのことを知っていて、驚いた?』



 聞けるはずないじゃない……。



 それでも、私は知っている。

 知っているのだ。
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