昨日 あなたと夢を見た

菊池昭仁

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第2話

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 大学病院の医局。  
 医局員たちがぼやいている。


 「昨夜は術後の患者の容態が急変して最悪、結局持たなかった。
 死亡診断書を書いて遺族への説明で高校生の息子から「お父さんを返せ!」と怒鳴られるわでヘトヘトだよー」
 「そしてまた8時半から外来って訳だ」
 「夕方からは夜勤当直のバイトだぜ? こっちが過労死しそうだよ」


 そこに瑠衣がやって来る。
 すぐにみんなが一斉に立ち上がる。


 「教授、おはようございます!」
 「そんなに大変なら別の病院紹介してあげる。どう? きりたんぽ鍋なんか? 秋田は少し寒いけど、秋田美人も多いわよ?」


 嫌味に微笑む瑠衣。 


 「私はこの病院が大好きです!」
 「期待していいのかしら? 吉村君?」
 「ハイ! 粉骨砕身、蓼科教授の元で勉強させて頂きます!」
 「外科医は切って切って切りまくるしかないわ、それが嫌なら美容整形の医者にでもなりなさい、その方がお金になるわよ」



 教授室でフラペチーノを飲みながらパソコンでメールをチェックする瑠衣。
 同期の女医、聡子がドアを3回ノックする。


 「どうぞー」
 「おはよう瑠衣、ご機嫌いかが
 ?」 
 

 メールを見ながら返事をする瑠衣。


 「アンタは?」
 「昨日は彼とプロレスだったからお化粧のノリもバッチリよ」
 「まだ付き合ってるの? あの妻子持ちと?」
 「まあねえ、私たち奥さん公認の付き合いだから」
 「結婚するの?」
 「するわけないでしょう、ただのセックスフレンド、セ、フ、レよ。
 結婚して縛られる生活なんてごめんよ」


 パソコンの画面から目を離し、聡子を見る瑠衣。


 「アンタにお願いがあるんだけど」
 「男? いいわよ、私のお古でもいいならいつでも紹介してあげる」
 「一緒に食事に付き合って欲しいの」
 「合コン?」
 「野島先生に食事に誘われているのよ、何度も」
 「野島綜合病院のプリンス? 別に行けばいいじゃないの、イケメンでカネ持ちなんだから」
 「そういう面倒が嫌いなのよー」 
 「別にいいけど、ヒマだから」
 「それじゃ今度の金曜日、空けておいてね」
 「わかった」


 微笑み合うふたりだった。

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