1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

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事件の多い日

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 朝食を食べて、お祈りしてから街に行こうとしたら教会勢に止められた。
 それでも行こうとしたら、誰かが呼んで来たのだろうダレーン司教に止められた。
 どうやらダレーン司教の手回しのようだ。

「使徒様! 街へ行くなどダメです! 危ないですよ」

「にゃじぇだめにゃのでちゅか? わたちはじゆうでしゅ! しょうじょうしんしゃまも、いってくりぇましゅた」

 届いた書状に神託の内容が書いてあったのだろう。
 ダレーン司教が悔しそうな顔をした。

「うっ、くっ、ぐぅ。危ない事はなさいませんように。早いお帰りをお待ちしております」

 ダレーン司教は何かを我慢するように硬い言葉で言った。
 教会勢ものく。
 その中をサチ達一行は通る。

 今日はカイザーの行きたい場所に行くのだ。
 だから先頭はもちろんカイザーだ。
 サチは飛んで行く。
 斜め後ろにラズとエレナが護衛だ。

 実は3人のお給料はサチが出している。
 月、金貨1枚だ。
 日本円で100万円。
 ほぼ四六時中の護衛とお世話係なので給料設定は高めだ。
 籍はモルートの教会にあるが。

 カイザーはそこらの店の人に聞いて酒屋に行った。
 さりげなくお酒が好きなようだ。
 あまり飲んだ所を見たことは無いが。

 サチは飛んでいる所を見られるとやっぱり驚かれるが、こればかりは仕方ない。
 周りに慣れろ! とばかりに諦めている。

 カイザーは今日はお酒を買えると浮かれているので、護衛のエレナの目が光る。

 沢山の酒が並んだ店に来た。
 カイザーが荷物をくれと言うので、預かっているカイザーの荷物を収納から出してサチが渡した。

 サチを守る、カイザー、エレナ、ラズは手が塞がっていてはサチに何があった時、守れないのでサチに荷物をマジックバッグを預かってもらっている。

 何か・・は無い方がいいが。

 酒屋に入るとカイザーが店主と話をしてお酒を選んでいる。

 サチは良いお酒って何だろな~と考えながら酒樽を見渡すと、その中の1つの酒樽が光って見えた。
 サチはその酒樽に飛んで近づき鑑定する。

 【キラー酒】
 神が好きな酒。祭壇に供えると何かいい事があるかも。12年もの。

「りゃず、こりぇ、かいましゅ」

 サチは考える前に口に出していた。

「は? サチ様がですか?」

 まさかラズは小さなサチが酒を買うとは思ってもみなかった。

「そうでしゅ」

「分かりました。店主と交渉してきます。エレナ、頼みましたよ」

 主君の頼みなのでラズは切り替えて酒を購入すべく店主の元へと行った。

「はい!」

 返事をしたエレナは油断無く警戒してサチの側にいる。
 そんなエレナにサチは酒に興味が無いのか聞く。

「えりぇにゃは、かわにゃいにょ?」

「私は酒は嗜む程度ですので」

「そう」

 ラズが店主とカイザーの間に割り込み酒樽の交渉を始めた。
 サチの酒を買うという事でカイザーも援護しているようだ。
 ラズは値切りに慣れていなさそうだからなぁ。

 あ、決まったみたい。

「サチ様、大銀貨5枚と銀貨3枚です。はい、お預かりしました。支払いに行って参ります」

 サチは宝石の売り上げで結構お金を持っているので、不足無くラズにお金を渡す。
 ラズはそれを持って代金を払いに行ってくれた。
 店主も即金でお金を支払ってもらい笑顔だ。
 サチは知らなかったが、酒屋は個人で購入しにくる人と店などで大量買いしに来る人がいて、樽1個でも大量買いになる為、配達が普通なので、無事に酒を樽のまま壊さずに配達してお金を支払う人がほとんどだ。
 だから樽1個を配達せずに即金で購入したサチは上客と言える。

 カイザーが交渉して試飲をさせてもらっている。
 嬉しそうだ。
 酔っ払わなければいいけど。

 買った酒樽をサチは収納にしまう。
 ラズがお釣りを持って来てくれた。
 今日、おうちに帰ったら買ったお酒をラズに神様にお供えしてもらおう。
 サチは小さいので祭壇にお供えをするのは無理なのだ。

 カイザーも購入する酒を決めたようだ。
 店主に酒を小樽に移して貰っている。
 何種類買ったんだろうか? 購入した酒をマジックバッグに入れて店主を驚かせている。
 あ、店主と手を振りあっている。
 仲良しだな。

 いや、カイザーが酒を大量買いしたので店主に上客だと認められただけだ。

「お待たせしました! サチ様様ですよ! あの酒を買ってくれたら店主の機嫌が良くなって、良い酒を安く買わせてもらいました! ありがとうございます!」

 趣味の酒を思う存分購入したカイザーはご機嫌だ。

「いいよ。ほかにはどこにいく?」

「武器屋で剣の整備してもらってもいいですか?」

「いいよ。いこう」

 サチはカイザーの荷物を預かって、また、みんなで歩いていく。
 サチは飛んでいるが。

 「きゃーっ」と声がして、人の波がサチ達に向かって押し寄せてきた。
 咄嗟にカイザーとエレナが囲って人の流れからサチとラズを守ってくれる。
 カイザーが人が逃げてきた進行方向を向いた。
 背の高いカイザーには見えるんだろう。

「あー、喧嘩ですよ。刃物ぬいてら。エレナ、俺は騒ぎを止めてくるから、ここでサチ様達を守っていてくれ」

「わかった!」

「サチ様、ちょっと行ってきます」

「いいよ。きをつけてにぇ」

「はい!」

 カイザーが走り出した。
 人が逃げて居なくなって騒ぎが見える。
 どうやら、チンピラ同士のいざこざのようだ。

 カイザーが剣を抜き相手の刃物をちょん切った。
 ん? 何を言ってるかって? そのままだよ。
 私があげた切れ味の良い剣で刃物を切断したのさ。
 あの剣コワッ!

 警備隊が来て、喧嘩してる奴等を捕まえた。
 早業だ。

 カイザーが事情を説明している。
 喧嘩してた奴等はしょっぴかれた。
 カイザーが剣をしまい、帰って来る。

「いやー。聖騎士の格好で来たから警備隊に警戒されずに感謝されましたよ。さあ、いきましょうか」

 人のいなくなった通りをサチは飛んでいく。
 民衆の見事な危険回避の集団行動だ。
 日常的に危険が身近にあるのかなぁ。
 それも嫌だな。

 お次は武器屋に到着だ。
 みんなで店の中に入る。
 私とラズは邪魔にならないように店の奥に移動する。
 カイザーとエレナの剣の手入れをしてもらうからね。

 店主がカイザーとエレナの剣を見て声を上げた。

「おっ! こいつはいい剣だね! 手入れも丁寧にされている。ちょっとだけ待ってな。すぐ仕上げを終わらせるからよ」

 カイザーとエレナは剣の手入れがいいらしい。
 私の専属護衛だぞと、ちょっと誇らしい。

 店の奥で待ってると、店内に賑やかな客が入ってた。
 カウンターに居る店主の奥さんにいちゃもんつけている。
 若くガラの悪い男だ。
 奥さんが口答えすると、剣で奥さんを刺した! 犯罪を目撃した! 男はカウンターの中にあるお金を漁っている! 強盗だ!

 エレナが飛び出して強盗のサチの創造した切れ味の良い剣で腕を切って取り押さえた!
 仲間は!? いるのか? いないのか? 逃げたか?
 カイザーが確かめに行っている。

 騒ぎに気がついて奥から旦那さんの店主が飛び出してきた。
 私とラズは奥さんの所に行く。

「おい! おまえ、ユタ! ユタ! 起きてくれよぅ」

 旦那さんが刺された奥さんの血を見て悲痛な声を出す。

 私は〈怪我よ治れ! ついでに病気も治れ!〉と祈った。

 服をめくって怪我を見ていた旦那さんが塞がる傷に辺りを見渡して、私達を見た。

「神官様ですか? 治してくれたのは?」

「そうです。こちらのサチ様のお力です」

「赤ちゃんが、ありがとう。ありがとうなぁ」

 店主は傷を見ていたからか、涙を浮かべてサチにお礼の言葉をくれた。

 そこに店の外に出ていたカイザーが片手に見た覚えのない男を捕まえて顔を覗かせた。
 男は逃げようとしているが逃げられないようで、汚い言葉を吐いている。

「店主すまん。仲間も捕まえたから警備隊を連れて来てはくれんか?」

「は、はい! わかりました!」

 エレナが腕を切った犯人の止血だけする。
 こんなやつの、無抵抗の人を刺すような奴の傷なんて治してやらない。

 サチはラズの胸元に抱きつく。
 ラズは何も言わずに首に縋りついている私を優しく撫でてくれた。

 その後は警備隊が来て、一部始終を話して店主に確認を取っていた。
 奥さんの血だらけの服と傷のない肌を見て「神官様がいてよかったです」と警備兵に言われて店主も嬉しそうにしていた。

 それから手入れの終わった剣の代金をタダにしてくれて、おまけに奥さんの傷を治した謝礼のお金もくれようとしたから、それは断った。

 「また、来てください!」と言われたけど、もう来ないと思う。
 すまんな店主。

 それより、この街、犯罪多すぎ!
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