1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

文字の大きさ
50 / 70

ハグ好き

しおりを挟む
 突然だが、幸子は人と『ハグ』するのが大好きだ。
 前世でも母親と父親とハグをしまくっていたし、同級生の女の子ともハグをして幸せに浸っていた。
 幸子にとって『ハグ』とは愛情を確かめる手段であり、同時に自分を癒す行動だったのだ。
 だからお付き合いする理想の相手は抱擁力(物理)がある男性が好ましかった。

 幸子が選んだ旦那は顔と性格で選んだが、すっぽりと幸子を包み込んでくれるハグもポイントが高かった。

 こうして幸子は夫に恵まれて子供も授かり順風満帆に思えたが、夫が事故で帰らぬ人になった時に、夫の親族から財産と家を取られて女手一つで長女を育てた。

 もちろん『ハグ』の洗脳、ゴホンッ、愛情を確かめながら子供を育てた。

 つまり幸子=サチは『ハグ』が大好きである。
 幼児の姿になってしまった今でも抱っこをされると幸せを感じる。

 こうして、ますます幸子、いやサチは自分で歩かなくなった。

 ◇◇◇

 お風呂に、サチのエキスが出た頃に上がった。
 トモモの果汁ジュースを大司教様に出したら「おいしい!」って飲んでくれた。
 美味しいよね!

 地球と違い完璧100%果汁のジュース。
 まあ、探せば地球にもあるんだろうけど、添加物がねぇ、嫌なイメージあるんだ。
 健康被害とかさ。
 確かパーム油。
 あれやばいね。
 発ガン率が高いらしい。
 日本人は年間4kgも身体に取り入れているらしいよ。
 食べるなら無添加の物をおすすめする。
 加工されたりんごジュースもヤバいって聞いたことある。
 ラクトアイスの闇とか動画で見たら食べられなくなる。

 今の日本は添加物大国さ。
 無いのを探す方が難しい。

 この世界はそういうのが無いように発展してほしいね。
 まだ、技術が追いついてないけど。

 ラズに夕食はモルートで食べると伝えてある。
 大司教様とスクリナと食べる夕食は和やかに進んだ。
 両手に花だわ、おほほっ、なんてやってみる。
 花じゃないと思った君? 某歌では花屋でいろんな人がいるんだぜ? キメてみた!キラン!幼児で格好つかないけど。
 ちびっこギャングだぜー! ぱるぱる!

 その実態は、大司教様に抱っこされる私だけれど。
 はい、ただの幼児(天使)です。

 今日も大司教様のお部屋でお世話になります。
 昨日は緊急だったけど、今日はちょっとドキッとするね。
 寝ると大司教様、色気たれるから~。
 長い髪が乱れたりすると分かります? 目に毒よね~(おばちゃん風)

 その前に大司教様とスクリナで人生ゲーム! 貴族版! 作ったよ! 前のも面白かったけどね。
 創造便利!

 大司教様なんて元貴族だから、なんかぶちぶち言ってたけど、ゲームだから! 現実では無いから! 玉の輿とか、逆玉もあるから! 上手くいけば王族と結婚出来るから! 現実は夢が無いのは分かりましたから。

 でも、楽しみ方は分かったみたい。
 これなら前の庶民編を出したらよかったかな?

 いい時間になっておやすみ。
 照明を消しちゃえばなんのその。
 一緒のお布団に入っているだけだよ。
 寝息とか聞こえるけど、大司教様にひっついているけど。
 お昼寝しなかったから眠い。
 さらばだ、現世よ。ぐぅ。

 ◇◇◇

 ーーさま、おきてください。

「サチ様」

 ふあ~~あ。
 よく眠れた。
 自慢のくりんくりん頭は大丈夫か?

 サチを大事にその腕で囲いながら大司教様がサチを起こしてくれた。

 良い朝だ。

「だいしきょしゃま、おはようごじゃいましゅ」

「サチ様、おはようございます」

 寝起きの大司教様に甘えてみる。

 ふふふっと笑い声が聞こえた。
 赤ちゃんみたいに抱っこされて起こされた。
 心地いい。

「今日はお帰りになるんでしょう? 早く起きなくては」

「ふあい。おきてましゅよ」

「あくびしてます、サチ様」

「にぇおきでしゅ。あくびもちましゅ」

「そうですか。お見送りします」

 靴を履かせてくれて、抱っこでドアまで運ばれる。

「また、きましゅ」

「はい、お待ちしております」

 大司教様の胸に顔を埋めてからドアを潜った。
 またです、大司教様。

 扉を通ると、当たり前のようにラズが待っていた。

「おはようございます、サチ様」

「おはようごじゃいましゅ、りゃず」

「顔を洗いに参りましょう」

 飛んで後をついて行く。
 昨日はみんなゆっくり出来たかな? お休みもないとね。



 顔を綺麗にして、礼拝堂に行くと庭でカイザーとエレナが自主鍛錬をしていた。
 運動不足だったかな?

 私とラズに気がついて入って来た。

「おはようございます、サチ様」

「おはようございます、サチ様、ラズ」

「おはよう、かいじゃー、えりぇにゃ」

 返事を返したらカイザーが感激したように見てくる。
 昨日の夜で無視は終わりだからね。でも、これだけは言っておく。

「かいじゃー、こんどいたじゅりゃちたりゃ、くびでしゅかりゃね!」

 お風呂場でサチの翼を上から押さえ込んでサチを溺れさせたので当然の措置である。

「そんなぁ」

「カイザー、貴方、サチ様だったからよかったものの、普通の子供だったらどうします。死んでいますよ。貴方は聖騎士です。それにふさわしい行いをなさい。ちゃんと反省しましたか?」

「しました! しました! 無視はやめてくれ、心にくる。俺の腕が疼くんだ仕方ないんだ」

 カイザーが衝動的な子供のような事を言っている。
 よくそれで聖騎士になれたな。

「衝動を理性で止めなさい。そうしなければ、聖騎士としても、人としても失格です。今回の事は重く受け止めるように」

「はい……」

 カイザーが、また、しょぼんとしてる。歳何歳だっけ? 鑑定!

名前 カイザー
年齢 20
種族 人族
職業 聖騎士
能力 神聖魔法

 まだ、20歳か。
 子供だね。
 男の人は女性より子供っぽいことが多いから、ちょっとは大目に見るか。
 少しずつ成長していけばいいんだけど。

「さぁ! 食事に行きますよ!」

 カイザーとエレナが準備し終わったら、おうちから出る。
 おうちを収納にしまってから部屋から出て食堂に行く。

 この教会に来てからそんなに日が経っていないから、飛んでいるとまだ驚かれる。
 気にしない気にしない。
 街で飛んでいても注目を集めるから慣れてきてしまった。

 食堂に着いて、ラズとカイザーが食事を持って来てくれる。
 私とエレナは椅子に座る。
 その時、ダレーン司教が来た。

「おはようございます、使徒様。昨日はお部屋から出られなかったようで心配しておりました。お体は大丈夫ですかな?」

「おはようこじゃいましゅ、しきょう。わたちはげんきでしゅ」

「それはようございました。教会はいつでも使徒様の味方です。それでは私も食事をいただきます。御前、失礼いたします」

 司教はまた、長机のサチの前に座ってきた。
 こっそりとエレナと話す。

「えりぇにゃ、きょうかいに、かんしさりぇてましゅ」

「はい、そのようです。街で宿を取った方がいいかもしれません」

「かんがえましゅ」

 監視されるのは嫌だ。
 だが、ここは安全だ。
 多少のことには目を瞑るか? 干渉が酷いようなら宿を取ろう。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~

ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。 絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。 彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。 営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。 「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」 転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。 だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。 ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。 周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。 「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」 戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。 現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。 「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」 これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。

元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~

季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」 建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。 しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった! (激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!) 理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造! 隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。 辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。 さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。 「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」 冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!? 現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる! 爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!

夢で出会ったモブ令嬢を王太子は絶対に手放さない

恋愛
異世界に転生した元大学生のセレナは、病弱な伯爵令嬢として第二の人生を歩むことに。 もう目立ちたくない。結婚も社交もごめん。 ひっそりスローライフを送るはずが──なぜか王太子の夢に出ていたらしく、彼の執着対象に!? 平穏を望むモブ令嬢の、溺愛され系異世界ライフ。 小説家になろうにも投稿しています。

魔力食いの令嬢は魔力過多の公爵に執着される

三園 七詩
恋愛
この国は魔力がある世界、平民から貴族まで誰もが魔力を持って生まれる。 生活にも魔法はが使われていた。 特に貴族は魔力量が多かった。 単純に魔力が高いと戦力になる、戦場で功績をあげれば爵位が上がる。 こうして魔力量を維持して地位を維持していた。 そんな国で魔力量の少ない娘が生まれた。 しかし彼女は人の魔力を吸う力があった。

【完結保証】存在しないことにされていた管理ギフトの少女、王宮で真の家族に出会う 〜冷遇された日々は、王宮での溺愛で上書きします〜

小豆缶
恋愛
「願った結果を、ほんの少しだけ変えてしまう力」 私に与えられたギフトは、才能というにはあまりにも残酷な自分も人の運命も狂わせるギフトだった。 そのあまりの危うさと国からの管理を逃れるために、リリアーナは、生まれたことそのものが秘匿され、軟禁され、育てられる。 しかし、純粋な心が願うギフトは、ある出来事をきっかけに発動され、運命が動き出す。 二度とそのギフトを使わないと決めて生きてきたのよ だが、自分にせまる命の危機ーー 逃げていた力と再び向き合わなければならない状況は、ある日、突然訪れる。 残酷なギフトは、リリアーナを取り巻く人たちの、過去、未来に影響し、更には王宮の過去の闇も暴いていく。 私の愛する人がどうか幸せになりますように... そう、リリアーナが願ったギフトは、どう愛する人に届くのか? 孤独だったリリアーナのギフトが今、王宮で本当の幸せを見つけるために動き始める

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆1/19〜1/27まで、予約投稿を1話ずつ行います。 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...