1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

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酪農する町 カウッド 4

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 サチが目をキラキラさせて宝石で趣味の時間を満喫していると、毎日お風呂に入る時間が近づいていた。

 見守っていたラズが優しくサチに声をかける。

「サチ様、お風呂に入りましょう?」

「はい、いきましゅ」

 お片付けをしたサチは靴をラズに履かせてもらってから飛びあがると、ラズに素早くキャッチされる。
 抱っこだ。
 ラズの過保護っぷりに磨きがかかっている。
 抱っこは嬉しいからサチはそれでもいいのだけど。

 お風呂にいくとカイザーが風呂の前のソファに座っていた。
 今日は早く風呂に入ったのだろう。

「よう、サチ様達は今から風呂か?」

「そうでしゅ」

「カイザーがいないお風呂はサチ様がゆっくりと入れそうでいいですね」

「ひっでー!」

 ラズの揶揄うような皮肉を笑い飛ばしたカイザーが、機嫌良くわははっ!と声を出して笑っているのを後ろに聞いてお風呂場の中に入る。

 ラズは今だに好奇心に任せて湯船でサチを溺れさせたカイザーに少なからず怒っている。

「カイザーは反省という言葉を知っているのか疑問です」

「しょうでしゅにぇ」

 それにはサチも同意だ。
 陽気な所は長所だけども。

 サチはラズに、すぽーんと服を脱がされて、お風呂に入る。
 あわあわに洗われて、まるっと綺麗になったら湯船に浸かる。
 ふう、今日はカイザーがいないから警戒しなくて良いぞ。

 目をとろんとさせながら湯船に浸かっているとラズも入ってきた。
 近くに行く。
 サチはハグが好きだが、人肌と触れ合うのも好きなのだ。

 何気なくサチはお湯を鑑定してみた。
 そして、ふあ! と驚く。

 【天使サチの浸かった湯】
 慢性疲労・病気・傷を癒し、身体と肌を若返らせる効果がある。この湯を使う限り効果は永続。飲んでも塗っても効果あり。


 ラズ達の美肌はこの湯が原因、いや理由だったのだ。
 理解したサチはちょっと天使な自分が怖くなった。
 悪い人に狙われたりしないかな?
 あ! だから大司教様が今日は男湯、次の日は女湯って言ってた訳だ! 知ってたなー! 大司教様ー!
 飲んでも塗ってもって、私の入ったお湯を飲むの? ちょっとイヤー!

 心の中で思う存分叫んで、湯船でジタバタしていたサチは少し落ち着いた。

 ふーむ、知ったからには、このお湯が排水溝に流れるのが勿体無いな。
 明日から1番風呂に入ってお湯を回収するか。
 朝風呂だな! 贅沢ー!

「りゃずはおゆのこうかを、しってましたか?」

 サチの奇行を微笑ましく見守っていたラズは素直に答えた。

「? 美肌の湯ですよね?」

 サチは翼で湯船に浮いたまま、顔だけ真剣にラズを見つめる。
 小さなお尻がまるだしだけどね。

「わたちのはいったゆは、まんしぇいひろう、びょうき、きじゅをいやし、かりゃだとはだを、わかがえりゃしぇりゅ、こうかがありましゅ」

 とても噛み噛みでラズにお湯の効能を説明したサチだ。
 まあ、効果は鑑定どおりである。

「凄いじゃないですか! サチ様、凄いです」

 純粋なラズはサチの凄さに胸を打たれた!

「えっ、しゅごい? わたち、しゅごいでしゅか?」

「凄いです! サチ様は凄いです!」

 はたから見たらコントのようだが本人達は真面目だ。

 サチはそんなに力強く言われると照れるなぁ、と照れ照れしているとラズがはっとしたように言う。

「これは商売になりますよ! サチ様! 商業ギルド証を持ってたじゃないですか!?」

 サチもハッとした!

「しょうでしゅね! しょうばいになりましゅ!」

 湯船の中で2人で興奮していた。

 2人は仲良くお風呂から出て、カイザーとエレナにお湯の効能を話したら反対された。

 エレナは真剣な顔でサチに告げる。

「鑑定にサチ様の名前が出るなんて危険だわ。私は反対ね」

「そうだな。サチ様の危険が増す。俺達2人じゃ守りきれなくなる」

 護衛2人の意見に、むーんとサチは考えた。
 要はサチの名前が調べた時に出なくすれば良いんだ。
 能力で出来そうな気がする。
 今し方出て来た、お風呂に飛んで入る。
 湯に向かって「鑑定のサチの名前を誤魔化せ!」とサチが念じたら鑑定結果が変わった。

 【特殊な温泉の湯】
 慢性疲労・病気・傷を癒し、身体と肌を若返らせる効果がある。この湯を使う限り効果は永続。飲んでも塗っても効果あり。


 【天使サチ】が【特殊】に変わり、この結果をカイザーとエレナに伝えると「それならいいかな」と言われた。
 ラズと2人で喜ぶ。

 サチの知らない所で、湯で回復する人が沢山いるかもしれない。
 金策にもなるし、良い。

 湯の入れ物は何がいいかな? 自然に優しい素材の物がいい。
 くり抜いた木の入れ物を創造するか。
 サンプルを出す。
 うん、いい。
 焼印で『特殊な温泉の湯』と入れる。
 良いんじゃないかな? 誰も真似出来ないように蓋を凝った作りに創造する。
 もちろん木だけど。
 入れ物の裏に『この中には乳白色の温泉の湯が入っています。体に害はありません』と焼印で押した風にする。
 それと、パチモン、偽物が出ないように入れ物の底に特殊な転移紋をつけてお金を入れると特殊な温泉の湯が補充されるようにする。
 乱用されて高額転売されるといけないから『これは1月に1回使えます』と焼印で入れる。
 実際にその能力もつける。
 あとは、鑑定の結果を記載する。

 これでいいかな?
 お風呂場にお金を入れる入れ物を作って置こう。
 簡易的な転移だ。

 それと、男女の湯の横に新たにお風呂場を創造して、販売用のサチだけが入る風呂場を想像して創る。
 これでよし!

「こにょ、おふりょばは、さちしぇんようでしゅ!」

「分かりました。そのようにします」

 ラズと護衛2人は納得した。

 夜はラズと一緒のお風呂に入るけどね。
 身体を洗われる爽快感には変えがたい。
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