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第1.5章
意地悪な姉
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『お姉ちゃんは悪い子だから、一緒には暮らせないんだよ』
ミラはずっとずっとお姉ちゃんが欲しかった。
だから、実はヴィオラという姉がいるということを知った時には、嬉しくてたまらなかったのに、お母さんから困ったように眉を顰めてそう告げられたのだ。
お姉ちゃんができたと思ったミラにとって、それは天国から地獄に落とされたような気分だった。
お母さんが悲しそうだったから、お姉ちゃんのことを聞いちゃいけないのかなと思って、他の人たちに聞いてみたけど、お姉ちゃんは悪い子で、ミラのことが嫌いだから近づいちゃいけないって言われてしまった。
しょんぼりと落ち込むミラを少し年上の子たちが、内緒だと言ってこっそり森に連れていってくれた。
草むらからのぞくと、ミラと同じような茶色の髪の女の子が地面に座り込んで、何やら手を動かしている。
あれがヴィオラだよ、と隣にいた男の子が小声で教えてくれる。わくわくしながら待っていたが、一向に顔を上げないことにミラは痺れを切らして飛び出して、お姉ちゃんの元へと駆け寄った。
突然現れたミラに驚いたように目を瞠るお姉ちゃんは、とてもきれいな緑色の瞳をしていて、ますますお姉ちゃんのことが好きになった。
「お姉ちゃん!」
「……ミラ、どうしてこんなところにいるの?一人で森に入るのは危ないと言われているんじゃない?」
せっかく会いに来たのにお姉ちゃんはちっとも嬉しそうではなく、困ったように眉を寄せているのを見て、ミラはとても悲しくなってしまった。
「うわああああああん!お姉ちゃんの意地悪!」
「ミラに何をした!お前みたいな悪い奴、やっつけてやる!」
わんわんとミラが泣いている間に、お姉ちゃんがいなくなって男の子たちが得意げな笑みを浮かべていた。
「ミラは俺たちが守ってやるからな」
「……うん、ありがと」
お姉ちゃんともっと話してみたかったけど、一緒に来てくれた子たちはミラを守ってくれたのだ。お礼を言うと嬉しそうな子たちを見て、ミラは自分が間違っていなかったのだと思った。
お姉ちゃんは意地悪だから仕方がない。
お姉ちゃんはミラのことが嫌いだけど、ミラはお姉ちゃんのことが好き。
だから、いつか仲良くできればいいな。
「お姉ちゃんが、貴族のお姫様の婚約者を横取りした……?」
伯爵家から使いを名乗る人が両親に話すのをこっそり聞いていたミラは、びっくりしてしまった。
お姉ちゃんの本当のお母さんは、お母さんからお父さんを奪った悪い人だ。だからお姉ちゃんは愛されて生まれてきたミラを憎んでいるのだと、13歳になったミラは知っている。
(きっとお姉ちゃんは寂しくて、他の人の婚約者に手を出したんだ……)
ミラを殺そうとしたのもお父さんとお母さんの愛情が欲しかったから。
「可哀想なお姉ちゃん……」
ミラはお姉ちゃんのこと、好きでいてあげているのに。
だからミラはお父さんとお母さんを説得したのだ。これ以上お姉ちゃんが他の人の迷惑になっちゃいけないし、私たちはそれでも家族なのだからお姉ちゃんを許してあげなくちゃいけない。
お姉ちゃんだってきっと分かってくれるはずだ。
そう信じていたのに――。
会いに来たミラにお姉ちゃんは困った顔をした。一緒にいる人は護衛だと聞いていたけど、お姉ちゃんが不安そうにその人を見ているのに、カチンときた。妹であるミラよりも護衛の人を信頼しているようで面白くない。
だからちゃんと教えてあげたのだ。お姉ちゃんはきっと王子様にも護衛の人にも嘘を吐いているに違いない。だって意地悪なお姉ちゃんを好きになるなんて思えなかったから。
「虚言癖があるのはどっちだ。ヴィオを傷つけることは許さない」
本性を知られてしまったことで逃げ出したというのに、護衛の人は怖い顔で言い放つと、お姉ちゃんの後を追って出ていってしまった。
心配してやってきたお父さんに話すとミラは悪くないと言ってくれたのだから、やっぱりお姉ちゃんのせいだろう。
きっとミラたち家族のことを悪く言って同情を引いたに違いない。
お姉ちゃんなのに困ったものだ。
荷物がなければ戻ってくるだろうとお姉ちゃんの部屋に通してもらったが、大した荷物はない。乾燥した植物、ノート、財布や僅かな着替えの中に一つだけ違うもの――ボロボロだが丁寧に繕ったぬいぐるみがあった。
見たことはないが、年季の入ったぬいぐるみはきっとお姉ちゃんの大事な物なのだと分かった。
伯爵様がお姉ちゃんのいる場所に案内してくれるというので、それを持っていくことにしたのは、大事な物なら保管してあげようと思ったからだ。お姉ちゃんもきっとミラを褒めてくれるに違いない。
そんなミラの期待はあっけなく破られることになった。
「――お前が言うことを聞かないなら、もう二度と家族として受け入れられない」
お父さんにも反抗的な態度を取り続けるお姉ちゃんに、お父さんも我慢の限界だったようだ。その言葉にミラも驚いたが、お姉ちゃんが不安と焦りを浮かべているのを見てようやく気付いたのだと思った。
家族なのだからと遠慮せずに時には厳しいことを言うほうがお姉ちゃんには効果的だったのだろう。
それなのに王子様が変なことを言いだしたせいで、お姉ちゃんはあっさりと家族を捨てた。そればかりか、護衛の人が新しいお父さんになると言い出してそれを受け入れたのだ。
意味が分からない。
(……お姉ちゃんは私を、私たちを捨てるの?)
お姉ちゃんが意地悪しなかったら一緒にいられたのに。
どうして王子様も護衛の人もお姉ちゃんばかりを庇うのだろう。お姉ちゃんのことを何も知らないくせに。
お父さんは押し黙ってしまい、この国の王子様まで出てきてお姉ちゃんが別の家族になる手続きがどんどん進んでしまう。
(……お姉ちゃんも私の気持ちなんてどうでもいいんだ)
そう思ったら悲しくて悔しくて、どうしようもなく腹立たしい気分になってぬいぐるみを見せると、必死な表情で返してほしいと訴える。
ミラには見せたことのない表情――ただのぬいぐるみがミラよりも大事にされているという事実に苛々した気持ちが爆発した。
お姉ちゃんも少しは思い知ればいい、そんな気持ちで放り投げたぬいぐるみを王子様が追いかけて視界から消えた時は、息が止まりそうなほどびっくりしたが、何事もなかったかのように戻ってきたのだから、大したことではなかったのだろう。
それなのにお姉ちゃんはミラばかりを責めて、突き放した。
「お父さん、どうしてお姉ちゃんを叱らないの?!勝手なことして迷惑を掛けてばかりなのに、どうして大切にされるの?他の家族になっちゃうの?」
「ミラ、やめなさい!ヴィオラは……いや、間違っていたのは私たちだったのかもしれない。あの子の話を聞かずに、遠ざけた……」
お父さんは青ざめた顔でぼそぼそと後悔の言葉を口にしたが、ミラは納得できない。
悪いことをしてなければ、そう言えばいい。意地悪じゃなければミラのことだって受け入れて優しくしてくれたはずだ。
村の人たちも薬師がいなくなったとお母さんとお父さんを責めているが、あんなにお姉ちゃんのことを嫌っていたのにミラたちのせいにするのは間違っている。
悪いのはお姉ちゃんだ。
「そうね。貴女は悪くないわ。教えてくれてありがとう」
お父さんもお母さんも最近はミラがお姉ちゃんの話をすると叱ったり窘めてばかりなので、ミラは少しだけ得意げな気分になった。
話のお礼にと銀貨をくれた女性は、お姉ちゃんに似た緑色の瞳を細めて微笑んだ。
ミラはずっとずっとお姉ちゃんが欲しかった。
だから、実はヴィオラという姉がいるということを知った時には、嬉しくてたまらなかったのに、お母さんから困ったように眉を顰めてそう告げられたのだ。
お姉ちゃんができたと思ったミラにとって、それは天国から地獄に落とされたような気分だった。
お母さんが悲しそうだったから、お姉ちゃんのことを聞いちゃいけないのかなと思って、他の人たちに聞いてみたけど、お姉ちゃんは悪い子で、ミラのことが嫌いだから近づいちゃいけないって言われてしまった。
しょんぼりと落ち込むミラを少し年上の子たちが、内緒だと言ってこっそり森に連れていってくれた。
草むらからのぞくと、ミラと同じような茶色の髪の女の子が地面に座り込んで、何やら手を動かしている。
あれがヴィオラだよ、と隣にいた男の子が小声で教えてくれる。わくわくしながら待っていたが、一向に顔を上げないことにミラは痺れを切らして飛び出して、お姉ちゃんの元へと駆け寄った。
突然現れたミラに驚いたように目を瞠るお姉ちゃんは、とてもきれいな緑色の瞳をしていて、ますますお姉ちゃんのことが好きになった。
「お姉ちゃん!」
「……ミラ、どうしてこんなところにいるの?一人で森に入るのは危ないと言われているんじゃない?」
せっかく会いに来たのにお姉ちゃんはちっとも嬉しそうではなく、困ったように眉を寄せているのを見て、ミラはとても悲しくなってしまった。
「うわああああああん!お姉ちゃんの意地悪!」
「ミラに何をした!お前みたいな悪い奴、やっつけてやる!」
わんわんとミラが泣いている間に、お姉ちゃんがいなくなって男の子たちが得意げな笑みを浮かべていた。
「ミラは俺たちが守ってやるからな」
「……うん、ありがと」
お姉ちゃんともっと話してみたかったけど、一緒に来てくれた子たちはミラを守ってくれたのだ。お礼を言うと嬉しそうな子たちを見て、ミラは自分が間違っていなかったのだと思った。
お姉ちゃんは意地悪だから仕方がない。
お姉ちゃんはミラのことが嫌いだけど、ミラはお姉ちゃんのことが好き。
だから、いつか仲良くできればいいな。
「お姉ちゃんが、貴族のお姫様の婚約者を横取りした……?」
伯爵家から使いを名乗る人が両親に話すのをこっそり聞いていたミラは、びっくりしてしまった。
お姉ちゃんの本当のお母さんは、お母さんからお父さんを奪った悪い人だ。だからお姉ちゃんは愛されて生まれてきたミラを憎んでいるのだと、13歳になったミラは知っている。
(きっとお姉ちゃんは寂しくて、他の人の婚約者に手を出したんだ……)
ミラを殺そうとしたのもお父さんとお母さんの愛情が欲しかったから。
「可哀想なお姉ちゃん……」
ミラはお姉ちゃんのこと、好きでいてあげているのに。
だからミラはお父さんとお母さんを説得したのだ。これ以上お姉ちゃんが他の人の迷惑になっちゃいけないし、私たちはそれでも家族なのだからお姉ちゃんを許してあげなくちゃいけない。
お姉ちゃんだってきっと分かってくれるはずだ。
そう信じていたのに――。
会いに来たミラにお姉ちゃんは困った顔をした。一緒にいる人は護衛だと聞いていたけど、お姉ちゃんが不安そうにその人を見ているのに、カチンときた。妹であるミラよりも護衛の人を信頼しているようで面白くない。
だからちゃんと教えてあげたのだ。お姉ちゃんはきっと王子様にも護衛の人にも嘘を吐いているに違いない。だって意地悪なお姉ちゃんを好きになるなんて思えなかったから。
「虚言癖があるのはどっちだ。ヴィオを傷つけることは許さない」
本性を知られてしまったことで逃げ出したというのに、護衛の人は怖い顔で言い放つと、お姉ちゃんの後を追って出ていってしまった。
心配してやってきたお父さんに話すとミラは悪くないと言ってくれたのだから、やっぱりお姉ちゃんのせいだろう。
きっとミラたち家族のことを悪く言って同情を引いたに違いない。
お姉ちゃんなのに困ったものだ。
荷物がなければ戻ってくるだろうとお姉ちゃんの部屋に通してもらったが、大した荷物はない。乾燥した植物、ノート、財布や僅かな着替えの中に一つだけ違うもの――ボロボロだが丁寧に繕ったぬいぐるみがあった。
見たことはないが、年季の入ったぬいぐるみはきっとお姉ちゃんの大事な物なのだと分かった。
伯爵様がお姉ちゃんのいる場所に案内してくれるというので、それを持っていくことにしたのは、大事な物なら保管してあげようと思ったからだ。お姉ちゃんもきっとミラを褒めてくれるに違いない。
そんなミラの期待はあっけなく破られることになった。
「――お前が言うことを聞かないなら、もう二度と家族として受け入れられない」
お父さんにも反抗的な態度を取り続けるお姉ちゃんに、お父さんも我慢の限界だったようだ。その言葉にミラも驚いたが、お姉ちゃんが不安と焦りを浮かべているのを見てようやく気付いたのだと思った。
家族なのだからと遠慮せずに時には厳しいことを言うほうがお姉ちゃんには効果的だったのだろう。
それなのに王子様が変なことを言いだしたせいで、お姉ちゃんはあっさりと家族を捨てた。そればかりか、護衛の人が新しいお父さんになると言い出してそれを受け入れたのだ。
意味が分からない。
(……お姉ちゃんは私を、私たちを捨てるの?)
お姉ちゃんが意地悪しなかったら一緒にいられたのに。
どうして王子様も護衛の人もお姉ちゃんばかりを庇うのだろう。お姉ちゃんのことを何も知らないくせに。
お父さんは押し黙ってしまい、この国の王子様まで出てきてお姉ちゃんが別の家族になる手続きがどんどん進んでしまう。
(……お姉ちゃんも私の気持ちなんてどうでもいいんだ)
そう思ったら悲しくて悔しくて、どうしようもなく腹立たしい気分になってぬいぐるみを見せると、必死な表情で返してほしいと訴える。
ミラには見せたことのない表情――ただのぬいぐるみがミラよりも大事にされているという事実に苛々した気持ちが爆発した。
お姉ちゃんも少しは思い知ればいい、そんな気持ちで放り投げたぬいぐるみを王子様が追いかけて視界から消えた時は、息が止まりそうなほどびっくりしたが、何事もなかったかのように戻ってきたのだから、大したことではなかったのだろう。
それなのにお姉ちゃんはミラばかりを責めて、突き放した。
「お父さん、どうしてお姉ちゃんを叱らないの?!勝手なことして迷惑を掛けてばかりなのに、どうして大切にされるの?他の家族になっちゃうの?」
「ミラ、やめなさい!ヴィオラは……いや、間違っていたのは私たちだったのかもしれない。あの子の話を聞かずに、遠ざけた……」
お父さんは青ざめた顔でぼそぼそと後悔の言葉を口にしたが、ミラは納得できない。
悪いことをしてなければ、そう言えばいい。意地悪じゃなければミラのことだって受け入れて優しくしてくれたはずだ。
村の人たちも薬師がいなくなったとお母さんとお父さんを責めているが、あんなにお姉ちゃんのことを嫌っていたのにミラたちのせいにするのは間違っている。
悪いのはお姉ちゃんだ。
「そうね。貴女は悪くないわ。教えてくれてありがとう」
お父さんもお母さんも最近はミラがお姉ちゃんの話をすると叱ったり窘めてばかりなので、ミラは少しだけ得意げな気分になった。
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