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第1章
優しい笑顔
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浅い眠りを繰り返しようやく夜が明けた。先に起き上がったレイと顔を合わせづらく寝たふりをしていると、身支度を整えるためかレイの足音が遠ざかっていく。
(何だか、上手くいかないわ……)
師匠がいなくなっても何とかやっていけると思っていた。だけど結局は師匠の残してくれた家に引きこもり、師匠と縁のある人達に助けられていただけなのだろう。
こんな状態でヴィーを護れると思い込んでいた自分が恥ずかしい。
嫌われているからと積極的に人と関わることなく、狭い世界の中で暮らしていたから、経験値が足りないのだと思い知らされる。
レイがいなければとっくに捕まっていただろうし、最悪命も危なかったはずだ。レイに頼りきりである状態に不甲斐なさが募るものの、現状それ以外に手段はない。
(落ち込んでばかりいても仕方ないのだけど、気持ちを切り替えられない……)
そのことが更に気持ちを沈ませる。無力感と焦燥、不安が渦巻き鼻の奥がツンとしてぬいぐるみに手を伸ばす。
柔らかい感触と慣れ親しんだ匂いに心が少しずつ落ち着いてくる。ずっと一人でも大丈夫だと思っていたが、それは間違いだったようだ。
(前世の記憶があった私でもそうなら、ヴィーはもっと怖かったわよね)
辛い思い出がある分、きっと乗り越えられると思っていたがそうでなかった。だからこそ最後はお酒に逃げたのだし、あのまま急性アルコール中毒か何かで前世の自分は死んだのだと思う。
ヴィーのために強くあろうとしていたものの、きっとあれから成長していないのだ。
自分の弱さを認めたからか、少しだけ気が楽になる。
問題は何も片付いていないが、今後のことを考える上でも、きっと必要なことだったと思えた。
ぬいぐるみをひと撫でして鞄にしまってレイを待つ。顔を洗いに行きたいが、一人で行動しないよう注意されたばかりだ。
「おはよう、ヴィオ」
「おはようございます。昨晩は……気に掛けてくれて、ありがとうございます」
反射的に頭を下げかけて、別の言葉に言い直す。本当はヴィオラのせいで起こしてしまったのだろうが、起きていたというレイの気遣いを無駄にしないよう感謝を告げることにした。
「どういたしまして」
レイに付き添ってもらい顔を洗いに行き、朝食を済ませるとレイの表情が真剣なものに変わった。
「移動についてだが、二つのルートがある」
そのままルストールへ向かうことは可能だが、昨晩動きがなかったことで逆に待ち伏せされている可能性があるという。
トーラからルストールまでのルートは一つ、途中で分岐点がありそこからエセールという街に行くかのどちらかになる。その手前で待ち伏せていれば見逃すことはない。
「もう一つは山道を迂回しながら進む裏ルートだ。あまり知られていないし、険しい道だから好んで通る者はいない」
どちらもリスクがある話だ。自分の判断だけで選ぶこともできるのに、ヴィオラに共有してくれるのは正直嬉しい。
だからルートを選ぶ前に、ヴィオラはどうしても聞いておきたいことがあった。
「レイさんはどうしてそんなに助けてくれるんですか?」
ただ親切な人と片付けるには、あまりにも過分だった。帰国のついでに破格の料金で引き受けたにも関わらず、こんな面倒なことに巻き込まれても途中で放り出す様子もない。ましてや親子ほど年齢の離れたヴィオラに恋愛的な好意を持っているとは考えにくく、そんな雰囲気も皆無だ。
レイが悪人だと思っているわけではないが、お金でも好意でもない何か別の思惑があるのではと考えるのは当然だろう。
「ああ、そうだな。ヴィオラが怪しむのは尤もだ。怖がらせたくないと黙っていたが、これ以上言わないのはフェアじゃないだろうしな」
思惑があって当然だと思っていたのに、何故か胸がぎゅっと締め付けられる。他人の善意を、表裏のない答えを期待したのだと気づかされて何だかとても惨めな気分だ。
だがそんな気分も驚きであっという間に吹き飛ぶことになる。
「俺はロドリニア国出身なんだが、ヴィオに求婚したのはうちのカイル王太子だろう?」
「……な、何で分かった、の?」
レイと出会ったのは偶然だったはずだ。貴族に求婚された話はしたが、それだけでカイルだと分かるはずがない。
もしかしてずっと監視されていたのだろうかと思うとぞっとしたヴィオラを見て、レイが困ったように眉を下げた。
「手配書と同じく番の行方を求めるメッセージが出回っていたんだ。番を察知する能力は基本的に王族で、現在国外にいるのはカイル王太子しかいないからな」
ロドリニア国の王族に忠誠を誓う一部の人間にのみ理解できる暗号メッセージ。
『エスリャの自然に囲まれたヴェイラ湖に沈む宝玉の行方を求む』
どちらもロドリニア国の地名だが、有名な場所ではない。エスリャは肥沃な農業地帯で茶色を意味し、ヴェイラ湖は美しいエメラルドグリーンの水面で、宝玉は番を表わす隠語だ。上から順に番の特徴を表すメッセージとして、茶色の髪と緑色の瞳を持つ女性を示している。
「でも、それだけじゃ私だとは限らないじゃないですか」
「いくら一目惚れしたからと言って、婚約をすっ飛ばして結婚を申し込むような貴族令息は、我が国の王族しか考えられない。……普段は常識的な王子なんだが」
申し訳なさそうに付け加えるレイに、それもそうだと納得した。貴族と平民が結婚するなんて普通はあり得ないことなのだ。黙っていた罪悪感からかレイの眉は下がったままで、警戒していた気持ちが解けていく。
(もしかしたらレイさんは冒険者じゃなく騎士なのかもしれない)
カイル王子を知っているようだし、ヴィオラを護ろうとしてくれるのは王子への忠誠心からに違いない。未だ命を狙っているのが誰なのか分からないが、高潔な騎士ならばそう簡単に手の平を返すようなことはしないだろう。
「話してくれてありがとうございます。最初に聞いていたら多分、レイさんのことを信頼できなかったと思います」
わざと隠していたわけではなく機を見計らっていただけだろうと推察して言えば、レイの表情が和らいだ。
「王子に対して苦手意識を持っていたら嫌がられるだろうと思って、なかなか言い出せなくてな。ヴィオの前ではどうだったか分からないが、あれでも優秀だ。ヴィオの安全を最優先に動いているのは間違いない。そう警戒しないでやってくれると嬉しい」
優しい笑顔に思わず見惚れてしまった。大切な相手を語る時の柔和な表情が、眩しい。
「ヴィオ?」
「あ……なんでもないです。あの、ルートなんですけど裏ルートのほうでお願いします」
レイは通常ルートに関してあまり気乗りしない様子だった。体力が心配ではあるものの、安全を考えればそちらのほうがいいだろう。
「分かった。ヴィオ、そろそろ敬語は止めにしないか?危険が迫った時に丁寧な口調だと間に合わないかもしれないだろう?」
「……うん、分かった」
少し逡巡したものの、そう言われて敬語に拘泥するつもりはない。年長の相手に気安い口調で話すことはあまりなかったので違和感はあるが、身の安全のほうが大事だ。
差し出された手を自然に取って、ヴィオラは山を目指して出発した。
(何だか、上手くいかないわ……)
師匠がいなくなっても何とかやっていけると思っていた。だけど結局は師匠の残してくれた家に引きこもり、師匠と縁のある人達に助けられていただけなのだろう。
こんな状態でヴィーを護れると思い込んでいた自分が恥ずかしい。
嫌われているからと積極的に人と関わることなく、狭い世界の中で暮らしていたから、経験値が足りないのだと思い知らされる。
レイがいなければとっくに捕まっていただろうし、最悪命も危なかったはずだ。レイに頼りきりである状態に不甲斐なさが募るものの、現状それ以外に手段はない。
(落ち込んでばかりいても仕方ないのだけど、気持ちを切り替えられない……)
そのことが更に気持ちを沈ませる。無力感と焦燥、不安が渦巻き鼻の奥がツンとしてぬいぐるみに手を伸ばす。
柔らかい感触と慣れ親しんだ匂いに心が少しずつ落ち着いてくる。ずっと一人でも大丈夫だと思っていたが、それは間違いだったようだ。
(前世の記憶があった私でもそうなら、ヴィーはもっと怖かったわよね)
辛い思い出がある分、きっと乗り越えられると思っていたがそうでなかった。だからこそ最後はお酒に逃げたのだし、あのまま急性アルコール中毒か何かで前世の自分は死んだのだと思う。
ヴィーのために強くあろうとしていたものの、きっとあれから成長していないのだ。
自分の弱さを認めたからか、少しだけ気が楽になる。
問題は何も片付いていないが、今後のことを考える上でも、きっと必要なことだったと思えた。
ぬいぐるみをひと撫でして鞄にしまってレイを待つ。顔を洗いに行きたいが、一人で行動しないよう注意されたばかりだ。
「おはよう、ヴィオ」
「おはようございます。昨晩は……気に掛けてくれて、ありがとうございます」
反射的に頭を下げかけて、別の言葉に言い直す。本当はヴィオラのせいで起こしてしまったのだろうが、起きていたというレイの気遣いを無駄にしないよう感謝を告げることにした。
「どういたしまして」
レイに付き添ってもらい顔を洗いに行き、朝食を済ませるとレイの表情が真剣なものに変わった。
「移動についてだが、二つのルートがある」
そのままルストールへ向かうことは可能だが、昨晩動きがなかったことで逆に待ち伏せされている可能性があるという。
トーラからルストールまでのルートは一つ、途中で分岐点がありそこからエセールという街に行くかのどちらかになる。その手前で待ち伏せていれば見逃すことはない。
「もう一つは山道を迂回しながら進む裏ルートだ。あまり知られていないし、険しい道だから好んで通る者はいない」
どちらもリスクがある話だ。自分の判断だけで選ぶこともできるのに、ヴィオラに共有してくれるのは正直嬉しい。
だからルートを選ぶ前に、ヴィオラはどうしても聞いておきたいことがあった。
「レイさんはどうしてそんなに助けてくれるんですか?」
ただ親切な人と片付けるには、あまりにも過分だった。帰国のついでに破格の料金で引き受けたにも関わらず、こんな面倒なことに巻き込まれても途中で放り出す様子もない。ましてや親子ほど年齢の離れたヴィオラに恋愛的な好意を持っているとは考えにくく、そんな雰囲気も皆無だ。
レイが悪人だと思っているわけではないが、お金でも好意でもない何か別の思惑があるのではと考えるのは当然だろう。
「ああ、そうだな。ヴィオラが怪しむのは尤もだ。怖がらせたくないと黙っていたが、これ以上言わないのはフェアじゃないだろうしな」
思惑があって当然だと思っていたのに、何故か胸がぎゅっと締め付けられる。他人の善意を、表裏のない答えを期待したのだと気づかされて何だかとても惨めな気分だ。
だがそんな気分も驚きであっという間に吹き飛ぶことになる。
「俺はロドリニア国出身なんだが、ヴィオに求婚したのはうちのカイル王太子だろう?」
「……な、何で分かった、の?」
レイと出会ったのは偶然だったはずだ。貴族に求婚された話はしたが、それだけでカイルだと分かるはずがない。
もしかしてずっと監視されていたのだろうかと思うとぞっとしたヴィオラを見て、レイが困ったように眉を下げた。
「手配書と同じく番の行方を求めるメッセージが出回っていたんだ。番を察知する能力は基本的に王族で、現在国外にいるのはカイル王太子しかいないからな」
ロドリニア国の王族に忠誠を誓う一部の人間にのみ理解できる暗号メッセージ。
『エスリャの自然に囲まれたヴェイラ湖に沈む宝玉の行方を求む』
どちらもロドリニア国の地名だが、有名な場所ではない。エスリャは肥沃な農業地帯で茶色を意味し、ヴェイラ湖は美しいエメラルドグリーンの水面で、宝玉は番を表わす隠語だ。上から順に番の特徴を表すメッセージとして、茶色の髪と緑色の瞳を持つ女性を示している。
「でも、それだけじゃ私だとは限らないじゃないですか」
「いくら一目惚れしたからと言って、婚約をすっ飛ばして結婚を申し込むような貴族令息は、我が国の王族しか考えられない。……普段は常識的な王子なんだが」
申し訳なさそうに付け加えるレイに、それもそうだと納得した。貴族と平民が結婚するなんて普通はあり得ないことなのだ。黙っていた罪悪感からかレイの眉は下がったままで、警戒していた気持ちが解けていく。
(もしかしたらレイさんは冒険者じゃなく騎士なのかもしれない)
カイル王子を知っているようだし、ヴィオラを護ろうとしてくれるのは王子への忠誠心からに違いない。未だ命を狙っているのが誰なのか分からないが、高潔な騎士ならばそう簡単に手の平を返すようなことはしないだろう。
「話してくれてありがとうございます。最初に聞いていたら多分、レイさんのことを信頼できなかったと思います」
わざと隠していたわけではなく機を見計らっていただけだろうと推察して言えば、レイの表情が和らいだ。
「王子に対して苦手意識を持っていたら嫌がられるだろうと思って、なかなか言い出せなくてな。ヴィオの前ではどうだったか分からないが、あれでも優秀だ。ヴィオの安全を最優先に動いているのは間違いない。そう警戒しないでやってくれると嬉しい」
優しい笑顔に思わず見惚れてしまった。大切な相手を語る時の柔和な表情が、眩しい。
「ヴィオ?」
「あ……なんでもないです。あの、ルートなんですけど裏ルートのほうでお願いします」
レイは通常ルートに関してあまり気乗りしない様子だった。体力が心配ではあるものの、安全を考えればそちらのほうがいいだろう。
「分かった。ヴィオ、そろそろ敬語は止めにしないか?危険が迫った時に丁寧な口調だと間に合わないかもしれないだろう?」
「……うん、分かった」
少し逡巡したものの、そう言われて敬語に拘泥するつもりはない。年長の相手に気安い口調で話すことはあまりなかったので違和感はあるが、身の安全のほうが大事だ。
差し出された手を自然に取って、ヴィオラは山を目指して出発した。
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