深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

文字の大きさ
110 / 113
終章

最強の魔将

しおりを挟む
 俺達はビッグ王国の王都でゆっくり休んだ。
 連戦が続き、皆疲れていたのだ。

 イツキが出かけて6日目でボロボロになりながら帰ってきた。
 イツキは崩れ落ちるように倒れ、魔王を倒したが、呪いを受けた事。
 そして最強の魔将がいる事を伝えて眠りについた。

「大変です!デーモンが現れました!」

 皆が外に出て雪が降る空を見上げる。
 灰色の曇った空から、125体のデーモンと、明らかに大きい3メートルほどある痩せたデーモンが飛んで王都に迫って来る。

「デーモンよ!蹂躙せよ!」

 でかくて痩せたデーモンの号令を受けて125体のデーモンが降下して乱戦が始まる。
 デーモンが爪を振り下ろすたびに人が死んでいく。

「まずい!デーモンのレベルは50だ。早く倒さないと被害が大きくなる!」

 魔将が真っすぐに俺を見つめた。
 俺のレベルを一瞬で感知したのか!?
 こいつの魔力、動き、今までの魔将とは違う!

「我は最強の魔将、トランス!貴様を殺す!」

 トランスは背中に背負った槍5本を俺に投げつけた。
 1本が俺の近くに来ると大爆発を引き起こし、周りにいた者が倒れる。

 く、まるで誘導ミサイルだ。

「俺は飛んでくる槍を引き付ける!デーモンは皆に任せた!」

 俺が王都の外に走り槍を誘導する!

 俺の後から音速を超える槍が迫ってきた。



【グレス視点】

「デーモンの魔将よ!私と勝負してもらおう!」
「ぐふふ、よかろう」

「皆はデーモンを倒すのだ!トランスは私がひきつける」

 私の前に魔将が降り立つ。
 3メートルほどの巨体を見上げる。
 見た目はデーモンだが、ガリガリに痩せている。
 右手には剣、左手には杖を構えている。

 周りから歓声を浴びる。

「グレス様が来てくれたわ!」
「もう大丈夫だ!俺達は助かったんだ」

「避難しろ!ここは危険だ!」

 魔将の魔力を浴び、トランスとの格の違いを思い知る。

「私の名はグレスだ!」
「ぐふふ、我の名はトランス!」


 トランスの動きを見ても分かる。
 私は、トランスに勝てないだろう。
 いや、勝てなくてもいい。
 今はデーモンを皆に倒してもらう。

 私はただ、死ぬまでトランスを引き付ければいい。
 出来るだけ、立って、立ち続け、そして死のう。



 ◇



【ウサット視点】

 私は必至で奇襲してきたデーモンをクワで倒していった。

 グレス殿殿に目をやると、血まみれで立っている。
 トランスの剣で吹き飛ばされ、それでもなお、立ち上がろうとしている。
 グレス殿を死なせてはいけない。

「グレス殿!交代するのです!」

 私はトランスの前に立ちはだかるように立った。

「我もいるのであーる!」
「俺もいるぜえ!」

 私と、マッスル卿、そして旦那もいる。

「まさか、魔将を相手に私達3人だけで共闘する時が来るとは、心が躍りますなあ!」
「うむ、行くのであーる!」
「へへへ!グレスは周りの兵士に預けたぜえ!」

「次は貴様らか。雑魚一人だけでは、本気で戦うことも出来ん。我を楽しませて見せろ。そして死ね」

 3人で一斉にトランスに襲い掛かった。

「ふぉおおおおおお!」
「うおおおおおおお!」
「ぐぬうううううう!」

 3人の攻撃でトランスを後ろに吹き飛ばした。

 トランスが後ろの建物にぶつかり、建物が倒壊する。

「ほう?力だけはあるようだな。だが、これでどうだ?」

 トランスが持つ左手の杖が光って、黒い重力波を撃ち出した。
 私達3人が地面にめり込んでいく。

「面白いおもちゃだろう?言っておくが我の魔力は一切使っていない。この魔道具の力を引き出しただけだ」

「負けませんぞ!筋肉の扉第二門!解放!」
「切り札を使うぜ!マッスルディスティニー!」
「本気を出すのであーる!筋肉道!修羅!」

 私達3人の筋肉が隆起し、躍動する。
 私達3人は重力に逆らうように立ち上がり、一歩、そして一歩と前に出る。

「ふむ、出力全開!ゴミはゴミらしく、這いつくばれ!」

 私達は更に地面にめり込む。
 地面が陥没し、轟音が響く。

「筋肉の扉!完全開放!」
「マッスルディスティニー2!」
「筋肉の扉・極!」

 我ら3人の志は同じ。
 皆が限界を超え、後先考えず筋肉道を貫こうとしている。

 筋肉に嘘はつけない。

 筋肉に偽ることは自分を偽る事と同義。

 今ここで筋肉と対話し、限界を超えたままトランスに向かい走っていく。

「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「ぐぬうううううううううううううううううう!」

「無駄だ」

 トランスに向かって走る私達を、重力が遮る。
 何度も重力波で後ろに吹き飛ばされ、それでも諦めずに何度も前に出ようとする。

 その時、トランスの持つ杖にヒビが入った。
 ヒビが大きくなり、杖が砕けていく。

「はあ、はあ、これで、重力波は使えませんぞ!」
「それがどうしたというのだ?邪魔な荷物が無くなって動きやすくなったわ」

 トランスは両手で剣を構えた。

 飛び込むマッスル卿と旦那が剣で吹き飛ばされ、その隙をつくようにトランスのすねにクワをヒットさせた。
 クワがトランスのすねに突き刺さるが、トランスは私ごと地面を蹴るようにして私を蹴り潰そうとする。

 私は血を流しながら、トランスの足を押し返した。

「俺もいるぜえ!」

 旦那が攻撃する瞬間にトランスのすねを掴んで引っ張る。
 更に死角からマッスル卿が攻撃を繰り出し、トランスを攻撃していった。

 3人でトランスを囲み、轟音を打ち鳴らしながらトランスを攻撃し続けた。

「みんな離れるです!」

 ラビイの合図で3人が後ろに飛んだ瞬間にエルルの氷の矢が突き刺さる。

 ラビイ・マナ・リースのゴーレムとシャドーがトランスを攻撃し、マナが植物のツタでトランスを拘束する。

「効かんわ!」

 植物のツタを引きちぎる瞬間に皆がトランスを集中攻撃する。

 トランスが倒れる。

 
「た、倒したのです!」
「へへ、やったぜえ!」

 皆が喜ぶ中、私は異変に気付いた。

「まだですぞ!」

 トランスの体がが光って逆再生するように起き上がる。
 そして体が膨れあがった。
 トランスの体がマッチョに変わった。

「ふ、ふはははははははは!言い忘れていたが、我を倒しても二段階目がある。二段階目に移行した我は、最強だ」
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

処理中です...