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第22話 闇と光
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俺はまた剣を地面に突き立てた。
キュインキュインキュインキュイン!
「兄さんを信じる!」
『兄様を信じろ!』
「きああああああああああい!」
兄さんが気合を使った。
一瞬だけ俺に目を合わせるあの動きで最後の魔力を使い切ったのが分かる。
兄さんは凄い。
10メートル級を刀で押し返している。
強力な連撃で前足が斬り刻んでいく。
それでも10メートル級は前足を引きずって3本脚で走ってきた。
「ファイア!」
「回し蹴り!」
「私も援護するわ! 全部撃ち尽くす!」
ボウ!
バキン!
パンパンパンパンパンパンパン!
「きあああああい!」
兄さんが無理をして俺への突進を食い止めてくれている。
あと少し、あと少しなんだ!
兄さんが攻撃を受けて吹き飛ばされた。
チャージが完了した。
「ダークソード!」
黒い闇の魔法剣が剣から伸びる。
闇魔法で出来た魔法剣が10メートルほどに伸びた。
振りかぶって叩きつけるように10メートル級に振り落とした。
ドッコーン!
10メートル級が大量のドロップ品に変わり、噴水のように地面に落ちた。
「はあ、はあ、まだか」
『そうだ、だがアキラなら倒せる、今度はアキラが兄様を守る番だ』
兄さんがガクっと膝を曲げて刀を杖のようにしてしがみついた。
もう兄さんは限界だ。
無理に無理を重ねて兄さんが俺を守ってくれた。
『今度はアキラが兄様を守る番だ!』
ゲートにいたウサギが突撃を始めた。
こっちに向かってくる。
ドドドドドドドドドドドドドドドド!
キュインキュイン!
俺は前に出る。
そして走った。
「みんな! 兄さんを守ってくれ!」
キュインキュイン!
「スティールソード!」
『スティールソード!』
俺は迫って来る雑魚を斬り倒した。
5体、8体、12体!
「ウサギが300か、吸い取り放題だな!」
『くっくっく、分かってきたようだな!』
「こっちに来いよ雑魚共があああ!」
『殲滅してやる! 全部まとめてかかってこい!』
ウサギを倒しながら包囲されていく。
後ろから攻撃を受けても構わず前に進んだ。
蹴られた分以上に斬って回復してやる!
『今まで兄様に守られてきた!』
「そうだ! 俺は兄さんに守られてきた!」
迫る3メートル級を斬ってから周りにいる雑魚を斬る。
厄介なのは3メートル級と5メートル級、だが、攻撃を受けてもそれを上回るだけ攻撃して吸いつくす!
回復しながら攻撃し続ける!
兄さんの言葉で今の俺はある!
兄さんの悲しそうな顔はもう見たくない!
ライカさんの事が好きなのに俺がいるから告白できないのが嫌だ!
俺は自分で出来る!
お金も稼げる!
兄さんの前でそれを証明する!
全部倒せばいい!
全滅させればいい!
俺が出来る事を証明する!
「うるあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
『欠けた魂でここまで努力したのだろう、自信を持て、胸を張れ!』
クラックが心の中で叫ぶ。
『お前の努力は無駄ではない、今この瞬間もお前は成長している!』
俺は3メートル級を連撃で一気に倒した。
『お前なら出来る! 兄様が見ていて安心できるお前に変わればいい!』
迫って来る雑魚を剣で倒し続けた。
どんどん迫ってこい!
俺が全部叩き落す!
ザン! ザンザンザンザンザンザンザンザン!
『今ならそれが出来る! お前の魂は、もう欠けていない!』
俺は剣を振り続けた。
5メートル級のジャンプキックと交差するように剣で斬りつけ、雑魚を1撃で倒す。
「す、凄すぎます!」
「これが、アキラの力」
「アキラは、素晴らしい、げほ、げほ!」
「回復のカードを使うわ。じっとしてて」
景色が色を失い、時間がゆっくり流れる。
どう動けばいいのかが分かって自然に体が動く。
3メートル級も、5メートル級も余裕で倒せる感覚があった。
雑魚も、3メートル級も剣ですべて倒した。
バキン!
剣が折れた。
関係ない、その分何度も何度でも叩きこんでやる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
最後に残った5メートル級1体に連撃を叩きこむと5メートル級が魔石と肉に変わった。
俺は地面に大の字に寝ころんだ。
「は、ははははは、やった、やったぞ」
『自分を誇れ、胸を張れ!』
「ああ、また栄養失調か」
兄さんが歩いてくる。
言いたいことがいっぱいあった。
ライカさんに告白して欲しい。
俺はもう大丈夫だ。
兄さんなら簡単にソウルアップ出来る。
自分の人生を生きて欲しい。
今ならそう言える自信を持つんだ!
……感情がこみあげて言葉が出ない。
兄さんが俺を抱きしめた。
「アキラ、自信を持て、お前は素晴らしいんだから」
「はあ、はあ、に、兄さん」
後に続く言葉が出てこない。
俺は兄さんに抱き着いた。
これからは前に進む。
中二病になってごまかすのはもうやめだ。
制服は自分で買えばいい!
剣も自分で買う!
嘘はつかず、本当の意味で兄さんを安心させる。
中二病になっている場合じゃねえ!
俺は、兄さんにおんぶされながら、気を失った。
キュインキュインキュインキュイン!
「兄さんを信じる!」
『兄様を信じろ!』
「きああああああああああい!」
兄さんが気合を使った。
一瞬だけ俺に目を合わせるあの動きで最後の魔力を使い切ったのが分かる。
兄さんは凄い。
10メートル級を刀で押し返している。
強力な連撃で前足が斬り刻んでいく。
それでも10メートル級は前足を引きずって3本脚で走ってきた。
「ファイア!」
「回し蹴り!」
「私も援護するわ! 全部撃ち尽くす!」
ボウ!
バキン!
パンパンパンパンパンパンパン!
「きあああああい!」
兄さんが無理をして俺への突進を食い止めてくれている。
あと少し、あと少しなんだ!
兄さんが攻撃を受けて吹き飛ばされた。
チャージが完了した。
「ダークソード!」
黒い闇の魔法剣が剣から伸びる。
闇魔法で出来た魔法剣が10メートルほどに伸びた。
振りかぶって叩きつけるように10メートル級に振り落とした。
ドッコーン!
10メートル級が大量のドロップ品に変わり、噴水のように地面に落ちた。
「はあ、はあ、まだか」
『そうだ、だがアキラなら倒せる、今度はアキラが兄様を守る番だ』
兄さんがガクっと膝を曲げて刀を杖のようにしてしがみついた。
もう兄さんは限界だ。
無理に無理を重ねて兄さんが俺を守ってくれた。
『今度はアキラが兄様を守る番だ!』
ゲートにいたウサギが突撃を始めた。
こっちに向かってくる。
ドドドドドドドドドドドドドドドド!
キュインキュイン!
俺は前に出る。
そして走った。
「みんな! 兄さんを守ってくれ!」
キュインキュイン!
「スティールソード!」
『スティールソード!』
俺は迫って来る雑魚を斬り倒した。
5体、8体、12体!
「ウサギが300か、吸い取り放題だな!」
『くっくっく、分かってきたようだな!』
「こっちに来いよ雑魚共があああ!」
『殲滅してやる! 全部まとめてかかってこい!』
ウサギを倒しながら包囲されていく。
後ろから攻撃を受けても構わず前に進んだ。
蹴られた分以上に斬って回復してやる!
『今まで兄様に守られてきた!』
「そうだ! 俺は兄さんに守られてきた!」
迫る3メートル級を斬ってから周りにいる雑魚を斬る。
厄介なのは3メートル級と5メートル級、だが、攻撃を受けてもそれを上回るだけ攻撃して吸いつくす!
回復しながら攻撃し続ける!
兄さんの言葉で今の俺はある!
兄さんの悲しそうな顔はもう見たくない!
ライカさんの事が好きなのに俺がいるから告白できないのが嫌だ!
俺は自分で出来る!
お金も稼げる!
兄さんの前でそれを証明する!
全部倒せばいい!
全滅させればいい!
俺が出来る事を証明する!
「うるあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
『欠けた魂でここまで努力したのだろう、自信を持て、胸を張れ!』
クラックが心の中で叫ぶ。
『お前の努力は無駄ではない、今この瞬間もお前は成長している!』
俺は3メートル級を連撃で一気に倒した。
『お前なら出来る! 兄様が見ていて安心できるお前に変わればいい!』
迫って来る雑魚を剣で倒し続けた。
どんどん迫ってこい!
俺が全部叩き落す!
ザン! ザンザンザンザンザンザンザンザン!
『今ならそれが出来る! お前の魂は、もう欠けていない!』
俺は剣を振り続けた。
5メートル級のジャンプキックと交差するように剣で斬りつけ、雑魚を1撃で倒す。
「す、凄すぎます!」
「これが、アキラの力」
「アキラは、素晴らしい、げほ、げほ!」
「回復のカードを使うわ。じっとしてて」
景色が色を失い、時間がゆっくり流れる。
どう動けばいいのかが分かって自然に体が動く。
3メートル級も、5メートル級も余裕で倒せる感覚があった。
雑魚も、3メートル級も剣ですべて倒した。
バキン!
剣が折れた。
関係ない、その分何度も何度でも叩きこんでやる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
最後に残った5メートル級1体に連撃を叩きこむと5メートル級が魔石と肉に変わった。
俺は地面に大の字に寝ころんだ。
「は、ははははは、やった、やったぞ」
『自分を誇れ、胸を張れ!』
「ああ、また栄養失調か」
兄さんが歩いてくる。
言いたいことがいっぱいあった。
ライカさんに告白して欲しい。
俺はもう大丈夫だ。
兄さんなら簡単にソウルアップ出来る。
自分の人生を生きて欲しい。
今ならそう言える自信を持つんだ!
……感情がこみあげて言葉が出ない。
兄さんが俺を抱きしめた。
「アキラ、自信を持て、お前は素晴らしいんだから」
「はあ、はあ、に、兄さん」
後に続く言葉が出てこない。
俺は兄さんに抱き着いた。
これからは前に進む。
中二病になってごまかすのはもうやめだ。
制服は自分で買えばいい!
剣も自分で買う!
嘘はつかず、本当の意味で兄さんを安心させる。
中二病になっている場合じゃねえ!
俺は、兄さんにおんぶされながら、気を失った。
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