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第59話 4強決定戦
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校長が大きな声で言った。
「4人でバトルをして貰う! しかし、誰と誰が戦うかは決めていない。意見はあるかな!?」
メイがしゅばっと手を挙げた。
「私はアキラより弱いです☆」
「ホウシさんはハンダ君、ツルギ君と戦った方がよさそうだね」
ツルギさんが手を挙げた。
「俺はアキラと戦いたい! 同じ剣士としてどちらが上か力を見極めたい!」
「最初はホウシさんとハンダ君で戦ってもらう、次はツルギ君とイナセ君で戦って貰おう、分かっていると思うけど、殺すような致命攻撃は禁止だよ!! いいね!!」
「「はい!!」」
メイとハンダのバトルが始まった。
「トリックスター!」
メイは二段ジャンプとステップでハンダに接近しようとする。
だが、
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
ガチャンカチャ!
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
ハンダはアサルトを素早く撃ち、リロードして更にメイを追い詰めた。
「ぎ、ギブアップです」
「勝負あり! 勝者ハンダ君!」
「ハンダ! お前鬼か!」
「調子に乗るなよ!」
「楽して勝って楽しいかおいごらあ!」
賭けに負けた生徒がハンダを怒鳴る。
ハンダは無視して後ろに下がった。
ハンダ、メイと戦う事になった時点でこうなるよな、どんまい。
銃は銃でデメリットもある。
銃弾に金がかかる。
銃を攻撃されると壊れやすいからサブの銃も必要。
更にマガジンを大量に持ち運ぶ必要があるしマガジンに弾を込める手間がある。
収納にも多くの銃弾をストックする必要がある。
そして攻撃力は戦士や魔法使いより弱い。
遠距離攻撃が出来るメリットがある分デメリットが多いんだよなあ。
「次は俺だな」
「2年最強のツルギがやる気だぜ」
「これはおもしれえ! イナセの化けの皮をはがせる! ゲーム動画で強く見せてはいるが、イナセは弱い」
「あの配信はリアルだろ?」
「いや、そうとも言い切れない。ファンタジーソウルのスタッフは小細工を使う、あの配信は作られたもんだ」
「ツルギは強い。イナセでは相手にならないだろう」
「だがどっちも同じソウルランクCだ」
「待て待て、イナセの闇魔法はツルギと相性が悪い、ツルギは攻撃を受けずに戦うのが得意だ。スティールソードもディフェンスダウンも当てられなきゃ意味が無い」
「そうだ、それにイナセは闇魔法と剣技の力を持っているが、ツルギは剣技に特化。剣だけでツルギに勝つのはきついだろ」
「アキラは相性的に不利か」
校長が俺とツルギ先輩の間に立った。
「ツルギ君、イナセ君、構えなさい!」
2人が剣を持って構えた。
「バトルスタート!!」
「イナセ、言っておくが手加減はしない。同じソウルランクC同士だ。油断は出来ない。スティールソードやディフェンスダウンを使えるのも分かっている。全力で行かせてもらおう」
「よろしくお願いします」
「来ないのか?」
「そちらからどうぞ」
「遠慮なく!」
ツルギ先輩が鋭い横一線を繰り出した。
俺はすっと後ろに下がって剣を躱した瞬間に突きを放った。
捕らえたと思った瞬間にツルギさんの剣が光った。
「ソニックソード!」
ツルギさんの間に合わないはずの剣が高速で俺の突きを弾いた。
「げ、弾かれた!」
俺は即座に後ろに下がった。
「アーツが無ければ危ない所だった。だが俺にはこのアーツがある。不利を一瞬で覆す高速の剣がな」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」
防戦一方の戦いを見たギャラリーが騒いだ。
「へっへへへ、ツルギに賭けた俺は間違っていなかったか」
「アキラはアーツスキルを持っていない。勝負あったな」
「くそ! アキラあああ! 意地でも勝て! 俺は今月分を全部お前につぎ込んでるんだ!」
「ぎゃはははははは! 負け乙~」
「ざまあ、賭けは俺の勝ちだな」
アーツが切れるとお互いに構えたまま俺はため息をついた。
「アーツか、俺は使えないからなー」
「次は攻撃の為にアーツを使う!」
「……本気で攻撃しても殺せないか、やりやすい!」
「は?」
ドン!
俺は全力で前に出た。
そして剣を振る。
「く、ソニックソード!」
キンキンキンキン! ドカ!
4回打ち合って5回目に剣のガードに思いっきり剣を叩きつけた。
ツルギさんが後ろに飛ぶ。
ソニックソードが切れたツルギさんに追い打ちをかける。
「ソニックソード!」
「おりゃあああああああああああああああああああああああ!」
全力ラッシュで何度も何度もツルギさんを斬りつける。
何度も剣で防がれるが、1撃がツルギさんの肩に入った瞬間に一気に均衡が崩れた。
俺は4回ツルギさんを斬りつけて剣をしまった。
「くう、まだまだ」
俺は無言で3回斬りつけるとツルギさんが倒れた。
「勝者イナセ君!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
「2年最強のツルギにアーツ無しで勝ちやがった! イナセは本物だぜ!」
「だれだよ、配信が嘘だとか言った奴!」
「あいつ、4強で決まりじゃね?」
「これは、俺の配信がバズっちまうか」
「俺も配信するわ。賭けの負けを取り返す!」
「俺も俺も!」
「次は元気そうなイナセ君とハンダ君、前へ」
「待て! まだ賭けが決まってない!」
「少し待ってやれよ! 賭けが決まってからだ!」
「そうだそうだ!」
「学校で賭け事を推奨していない、イナセ君とハンダ君、前へ」
生徒からブーイングが起きるが校長は無視して進行する。
「それではバトルスタート!」
ハンダがアサルト銃を構えるが俺は構わず前に出た。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
サイドにステップを踏みながら前に出るがハンダの銃撃を躱しきれない、それでも前に出た。
魔法弾が数発当たっても倒れることは無い。
ハンダの弾丸が切れてリロードをしながら後ろに下がった、その瞬間に俺は距離を詰めた。
リロードが終わるハンダと斬りかかる俺。
間に合え!
「おりゃあああ!」
ハンダの銃を剣で斬る。
「や、やばいべ!」
ハンダがハンドガンとナイフを持つが、ハンドガンを剣で叩き落した。
更にナイフを持つ腕を剣で斬りつける。
そしてすり抜けつつ腹に剣を叩きこんだ。
「そこまで! 勝者イナセ君!」
その後、ツルギさんとメイが戦ってツルギさんが勝ち、ツルギさんとハンダが戦ってハンダが勝った。
4強は俺とハンダに決まり前に出ると校長がハンダにマイクを向けた。
「ハンダ君、今の気持ちをどうぞ」
「おいらは、たまたま運が良かった、それだけだべ」
「うん、うん、素晴らしい努力にもかかわらず、運で済ませるその心が君を強くした、次はイナセ君、今の気持ちをどうぞ」
「僕が4強になれたのは兄さんのおかげです! 芽が出なかった僕の為に兄さんが制服を揃え、武器を買い、食べ物を与えて、スキルの訓練をする道場にまで通わせてくれました! 僕は兄さんの足元にも及びません! 以上です!」
校長と兄さんが泣きだした。
校長が兄さんにマイクを向けた。
「きあああああい! ぐああああああう! 立派になったなああ、これで、私は安心して卒業できる」
その言葉を聞いて心が温かくなった。
今まで兄さんの足を引っ張っている感覚があった。
でも、クラックの魂が憑依するまで芽が出なかった。
必死で勉強した、でも、それは強くなれず、能力を上げられないからそうしていただけだった。
兄さんが無理をして俺を食べさせてくれた。
『これで、私は安心して卒業できる』
色々動き回った。
ライカさんと兄さんをくっ付けようとした。
兄さんを4強にしたかった。
そうか、
俺は、
本当は、
俺が一番欲しかったのは、
兄さんのこの言葉だ。
「4人でバトルをして貰う! しかし、誰と誰が戦うかは決めていない。意見はあるかな!?」
メイがしゅばっと手を挙げた。
「私はアキラより弱いです☆」
「ホウシさんはハンダ君、ツルギ君と戦った方がよさそうだね」
ツルギさんが手を挙げた。
「俺はアキラと戦いたい! 同じ剣士としてどちらが上か力を見極めたい!」
「最初はホウシさんとハンダ君で戦ってもらう、次はツルギ君とイナセ君で戦って貰おう、分かっていると思うけど、殺すような致命攻撃は禁止だよ!! いいね!!」
「「はい!!」」
メイとハンダのバトルが始まった。
「トリックスター!」
メイは二段ジャンプとステップでハンダに接近しようとする。
だが、
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
ガチャンカチャ!
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
ハンダはアサルトを素早く撃ち、リロードして更にメイを追い詰めた。
「ぎ、ギブアップです」
「勝負あり! 勝者ハンダ君!」
「ハンダ! お前鬼か!」
「調子に乗るなよ!」
「楽して勝って楽しいかおいごらあ!」
賭けに負けた生徒がハンダを怒鳴る。
ハンダは無視して後ろに下がった。
ハンダ、メイと戦う事になった時点でこうなるよな、どんまい。
銃は銃でデメリットもある。
銃弾に金がかかる。
銃を攻撃されると壊れやすいからサブの銃も必要。
更にマガジンを大量に持ち運ぶ必要があるしマガジンに弾を込める手間がある。
収納にも多くの銃弾をストックする必要がある。
そして攻撃力は戦士や魔法使いより弱い。
遠距離攻撃が出来るメリットがある分デメリットが多いんだよなあ。
「次は俺だな」
「2年最強のツルギがやる気だぜ」
「これはおもしれえ! イナセの化けの皮をはがせる! ゲーム動画で強く見せてはいるが、イナセは弱い」
「あの配信はリアルだろ?」
「いや、そうとも言い切れない。ファンタジーソウルのスタッフは小細工を使う、あの配信は作られたもんだ」
「ツルギは強い。イナセでは相手にならないだろう」
「だがどっちも同じソウルランクCだ」
「待て待て、イナセの闇魔法はツルギと相性が悪い、ツルギは攻撃を受けずに戦うのが得意だ。スティールソードもディフェンスダウンも当てられなきゃ意味が無い」
「そうだ、それにイナセは闇魔法と剣技の力を持っているが、ツルギは剣技に特化。剣だけでツルギに勝つのはきついだろ」
「アキラは相性的に不利か」
校長が俺とツルギ先輩の間に立った。
「ツルギ君、イナセ君、構えなさい!」
2人が剣を持って構えた。
「バトルスタート!!」
「イナセ、言っておくが手加減はしない。同じソウルランクC同士だ。油断は出来ない。スティールソードやディフェンスダウンを使えるのも分かっている。全力で行かせてもらおう」
「よろしくお願いします」
「来ないのか?」
「そちらからどうぞ」
「遠慮なく!」
ツルギ先輩が鋭い横一線を繰り出した。
俺はすっと後ろに下がって剣を躱した瞬間に突きを放った。
捕らえたと思った瞬間にツルギさんの剣が光った。
「ソニックソード!」
ツルギさんの間に合わないはずの剣が高速で俺の突きを弾いた。
「げ、弾かれた!」
俺は即座に後ろに下がった。
「アーツが無ければ危ない所だった。だが俺にはこのアーツがある。不利を一瞬で覆す高速の剣がな」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」
防戦一方の戦いを見たギャラリーが騒いだ。
「へっへへへ、ツルギに賭けた俺は間違っていなかったか」
「アキラはアーツスキルを持っていない。勝負あったな」
「くそ! アキラあああ! 意地でも勝て! 俺は今月分を全部お前につぎ込んでるんだ!」
「ぎゃはははははは! 負け乙~」
「ざまあ、賭けは俺の勝ちだな」
アーツが切れるとお互いに構えたまま俺はため息をついた。
「アーツか、俺は使えないからなー」
「次は攻撃の為にアーツを使う!」
「……本気で攻撃しても殺せないか、やりやすい!」
「は?」
ドン!
俺は全力で前に出た。
そして剣を振る。
「く、ソニックソード!」
キンキンキンキン! ドカ!
4回打ち合って5回目に剣のガードに思いっきり剣を叩きつけた。
ツルギさんが後ろに飛ぶ。
ソニックソードが切れたツルギさんに追い打ちをかける。
「ソニックソード!」
「おりゃあああああああああああああああああああああああ!」
全力ラッシュで何度も何度もツルギさんを斬りつける。
何度も剣で防がれるが、1撃がツルギさんの肩に入った瞬間に一気に均衡が崩れた。
俺は4回ツルギさんを斬りつけて剣をしまった。
「くう、まだまだ」
俺は無言で3回斬りつけるとツルギさんが倒れた。
「勝者イナセ君!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
「2年最強のツルギにアーツ無しで勝ちやがった! イナセは本物だぜ!」
「だれだよ、配信が嘘だとか言った奴!」
「あいつ、4強で決まりじゃね?」
「これは、俺の配信がバズっちまうか」
「俺も配信するわ。賭けの負けを取り返す!」
「俺も俺も!」
「次は元気そうなイナセ君とハンダ君、前へ」
「待て! まだ賭けが決まってない!」
「少し待ってやれよ! 賭けが決まってからだ!」
「そうだそうだ!」
「学校で賭け事を推奨していない、イナセ君とハンダ君、前へ」
生徒からブーイングが起きるが校長は無視して進行する。
「それではバトルスタート!」
ハンダがアサルト銃を構えるが俺は構わず前に出た。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
サイドにステップを踏みながら前に出るがハンダの銃撃を躱しきれない、それでも前に出た。
魔法弾が数発当たっても倒れることは無い。
ハンダの弾丸が切れてリロードをしながら後ろに下がった、その瞬間に俺は距離を詰めた。
リロードが終わるハンダと斬りかかる俺。
間に合え!
「おりゃあああ!」
ハンダの銃を剣で斬る。
「や、やばいべ!」
ハンダがハンドガンとナイフを持つが、ハンドガンを剣で叩き落した。
更にナイフを持つ腕を剣で斬りつける。
そしてすり抜けつつ腹に剣を叩きこんだ。
「そこまで! 勝者イナセ君!」
その後、ツルギさんとメイが戦ってツルギさんが勝ち、ツルギさんとハンダが戦ってハンダが勝った。
4強は俺とハンダに決まり前に出ると校長がハンダにマイクを向けた。
「ハンダ君、今の気持ちをどうぞ」
「おいらは、たまたま運が良かった、それだけだべ」
「うん、うん、素晴らしい努力にもかかわらず、運で済ませるその心が君を強くした、次はイナセ君、今の気持ちをどうぞ」
「僕が4強になれたのは兄さんのおかげです! 芽が出なかった僕の為に兄さんが制服を揃え、武器を買い、食べ物を与えて、スキルの訓練をする道場にまで通わせてくれました! 僕は兄さんの足元にも及びません! 以上です!」
校長と兄さんが泣きだした。
校長が兄さんにマイクを向けた。
「きあああああい! ぐああああああう! 立派になったなああ、これで、私は安心して卒業できる」
その言葉を聞いて心が温かくなった。
今まで兄さんの足を引っ張っている感覚があった。
でも、クラックの魂が憑依するまで芽が出なかった。
必死で勉強した、でも、それは強くなれず、能力を上げられないからそうしていただけだった。
兄さんが無理をして俺を食べさせてくれた。
『これで、私は安心して卒業できる』
色々動き回った。
ライカさんと兄さんをくっ付けようとした。
兄さんを4強にしたかった。
そうか、
俺は、
本当は、
俺が一番欲しかったのは、
兄さんのこの言葉だ。
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