MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

文字の大きさ
61 / 117
【第五章:エデン第五区画/特殊物理学研究ラボ】

【第61話】

しおりを挟む
『随分広い所に出たブウ……』
 上位管理者アンドロイド・キンカク&ギンカクのアンドロイド用特殊戦闘機工と思しき光の輪でエデン第五区画・特殊物理技術研究施設に到着したサン博士と3体の戦闘用アンドロイド達。
 指定順路の行き止まりにあったエレべーターに乗って下り、開いた扉の向こうにあったのは遥か頭上のドーム天窓から光が注ぐ無機質な金属の大広間だ。
「ここで何をしろというのかしら?」
 電撃銃を構えたまま慎重に広間中央に向かうサン博士。
『どうやらここはコロッセオのようだぜ、博士。
 カッパマンとピッグマンも気を抜くな……あいつらは強いぞ』
「あいつら?」
『上ですぞ、サン殿!!』
「!!」
 頭上から音もなく落ちて来た何かに気づき、すぐに華麗なバク転3連バックジャンプを決めるサン博士。
 4人の目の前に着弾して大きく広がるのは汎用型捕縛兵器・メタルネット弾だ。
『ピッグマン、お前運だけはいいんだな』
『そうみたいだ……ブウ』
 黒いピチピチ全身ボディスーツのサン博士が新体操オリンピック級の華麗なバク転3連バックジャンプを決めるスタイリッシュさに見惚れてしまったとは言え、立ち位置的に被弾を免れたピッグマン。
『ほほほ、運も実力の内ですからな同士よ。
 それよりも、そこの御三方……いつまでそこにいるつもりですか? メタルネットバズーカーだけで我々を倒せると思ったら大間違いですぞ?』
 博士達のいる位置から見て中2階に立つ3体のアンドロイドを晩むカッパマン。
 ゆったりとした白いフード付きローブを羽織った攻撃者は無言ながらもそれに応じるかのように腰を低くし、そこから飛び降りて来る。
『久しぶりだな、モンキーマン……我が名はSYK-044・コリキセン!!
 キンカク&ギンカク様をお守りする特殊物理学研究ラボ警護部隊・サンタイセン、リーダーである!!』
 中腰テレマークポーズで着地し、すぐに立ち上がる3人。
 自己紹介しつつ最初にフードを下ろした中央の人型アンドロイドは虎の頭部を見せる。
『俺はサンタイセンが1人、SYK-045・ロクリキセン!!
 あの時の恨み……忘れたとは言わせないシカ!!』
 続いて自己紹介と共にフードを下ろす右側の人型アンドロイドは鹿の頭部。
『俺はサンタイセンが1人、SYK-046・ヨウリキセン!!
 キンカク&ギンカク様の力でアップグレードされたオレ達……ここがお前らの墓場だメエ!!』
 最後にフードを下ろしつつ自己紹介をする左側の人型アンドロイドは羊の頭部。
 サンタイセンと名乗る人型アンドロイド達はサン博士と3体の戦闘用アンドロイドを前に身構える。

(モンキーマン殿、あやつらと知り合いなのですか?)
 ヒラヒラとしたローブを羽織った未知の敵が中に何を仕込み隠しているのかは予測困難であるが故に先制攻撃を仕掛けるべきでないと判断し、敵の動きを見守るサン博士達。
 そんな中でカッパマンは隣のモンキーマンに小声で尋ねる。
(いや、知らねえ……カッパマンはどうなんだ?)
(私もあのような知り合いはおりませぬ、ピッグマン殿は?)
(オイラも知らんブウ、ハカセはどうなんだ?)
(おそらくだけど……あいつらは私達と交戦したアンドロイドの人工知能データバックアップを新しい戦闘アンドロイド用ボディに移植した物である可能性が高いわ。
 外見は異質ながらも奴らの中身はあのコウガイジのコピーでほぼ確定ね)
 全容は明らかにされていないものの、断片的に分かって来たミクラ・ブレインの人類救済計画とそれを遂行するために実用化されていた技術の数々。
 3体の敵アンドロイドを前にサン博士は三方の護りを固める仲間に小声で答える。

『おいおい、そりゃねえよサン博士!!』
「はあ!?」
『あの戦いを忘れるなんて……なんのために俺たちは荒海に突き落とされたんだよ!!』
『モンキーマンと博士なら分かるだろ!! 俺らはエデン第一埠頭で、あんたらと激闘を繰り広げた……ほら、分かってくれよ!!』
 小声での会話を聞きつけ、いきなり謎のクレームを付けて来るコリキ・ロクリキ・ヨウリキのサンタイセン特殊警護部隊。
 その意図が理解できない4人はポカーンとしてしまう。

【MMS 第62話につづく】
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...