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初恋の終わり
16.義母マルガリータ---04
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それは、イリューリアの母エマリアが亡くなってしばらくたった頃の事である。
マルガリータは同じ学園に通っていた友人としてエマリアの死を悼むフリをし、再びカルムに近づいた。
公爵家とつながりを持ちたいという実家もなにかと応援してくれてまんまと後添いに収まった。
カルム様の妻に!
ようやくマルガリータの望みは果たせたかとおもったのに、カルムの愛情は明らかに当時三歳のエマリアの娘イリューリア一筋に注がれていた。
それがマルガリータには許せなかった。
日々、マルガリータは小さなイリューリアに囁いた。
「イリューリア、これから言うことはお父様や召使たちに言ってはだめよ?これはお母様と貴女の内緒のお話よ」
まだ幼いイリューリアには新しいお母様が普通に優しいお母様だと思っていた。
イリューリアには生みの親のエマリアの記憶はほとんどないのだから無条件にマルガリータになついていた。
「はい、おかあさま、おかあさまといりゅーのひみつね?」
「そうよ、イリューリア、お母様は、貴女の事が心配だから本当の事を教えてあげるのだけど、これを貴女に教えた事が皆に知られると皆にお母様が怒られてしまうから、内緒にしてね?」
「うん、いりゅー、おかあさま、しゅきだからないしょ、するの」
「イリューリア、良い子ね。お母様は貴女の事が本当に心配。皆、貴女に気にいられようとおべっかばかり…このままでは、貴女がはなもちならない高慢ちきな姫になってしまうのではと心配なのよ」
「いりゅ、はなもち?きらわれゆの?」悲しそうに聞き返すイリューリアにマルガリータはひるむことなく言葉を返す。
「そうよ、イリューリア、お母様は貴女の事が本当に心配。皆が美しいと褒めるのを鵜呑みにしてはダメよ?皆、貴女を喜ばせようと思って言っているだけ…鵜呑みにしては貴女が後で恥をかいて困ってしまうから教えてあげるの」
「イリューリア、お母様は貴女の事が本当に心配。お父様も貴女をほめるけれど、それは親ばかというもので、自分と血のつながった娘が愛しすぎて冷静な目でみれていないだけなのよ。決して自分が可愛いとか美しいとか思いあがってはいけませんよ」
「イリューリア、お母様は貴女の事を心から大切に思っているからこそ、他の者が言わない忠告を心を鬼にして伝えているのですよ。賢い貴女にはわかるわね?甘やかすだけでは貴女がダメになるから、本当の事を教えてあげているのよ」
毎日毎日、夜ごと、イリューリアが寝付く頃、マルガリータは寝物語のように囁いた。
最初の頃でこそ毎晩、イリューリアを寝かしつけに一緒に部屋にさがるマルガリータに良い後添いが来たと感心していた家令やメイドたちだったが、ある日、その内容に聞き耳をたてて、背筋が凍りついた。
そのことはメイドから家令に家令からカルムに伝えられたが、何故か賢い筈のカルムは、マルガリータは、イリューリアの行く末を心配しての事だと言い張った。
そんな訳ないだろうと召使の誰もが、そう思ったが、この時のカルムは正常な判断が出来て居ないようだった。
思えばエマリアが亡くなってから…マルガリータを後妻に迎えてからのカルムはいつも青い顔をして原因不明の頭痛に悩まされることが多かった。
それも屋敷に帰って来ては頭痛が酷くなるようだった。
登城して仕事をする分には差し支えなかった事もあり、自然と屋敷を空ける事が多くなったのは仕方がなかったのかもしれない。
そして、イリューリアと王子の一件の後、学園にすら通わせなかったマルガリータの対応に、さすがに召使たちの進言を受け入れたカルムは、有無を言わさずマルガリータとイリューリアを引き離したのだった。
マルガリータは同じ学園に通っていた友人としてエマリアの死を悼むフリをし、再びカルムに近づいた。
公爵家とつながりを持ちたいという実家もなにかと応援してくれてまんまと後添いに収まった。
カルム様の妻に!
ようやくマルガリータの望みは果たせたかとおもったのに、カルムの愛情は明らかに当時三歳のエマリアの娘イリューリア一筋に注がれていた。
それがマルガリータには許せなかった。
日々、マルガリータは小さなイリューリアに囁いた。
「イリューリア、これから言うことはお父様や召使たちに言ってはだめよ?これはお母様と貴女の内緒のお話よ」
まだ幼いイリューリアには新しいお母様が普通に優しいお母様だと思っていた。
イリューリアには生みの親のエマリアの記憶はほとんどないのだから無条件にマルガリータになついていた。
「はい、おかあさま、おかあさまといりゅーのひみつね?」
「そうよ、イリューリア、お母様は、貴女の事が心配だから本当の事を教えてあげるのだけど、これを貴女に教えた事が皆に知られると皆にお母様が怒られてしまうから、内緒にしてね?」
「うん、いりゅー、おかあさま、しゅきだからないしょ、するの」
「イリューリア、良い子ね。お母様は貴女の事が本当に心配。皆、貴女に気にいられようとおべっかばかり…このままでは、貴女がはなもちならない高慢ちきな姫になってしまうのではと心配なのよ」
「いりゅ、はなもち?きらわれゆの?」悲しそうに聞き返すイリューリアにマルガリータはひるむことなく言葉を返す。
「そうよ、イリューリア、お母様は貴女の事が本当に心配。皆が美しいと褒めるのを鵜呑みにしてはダメよ?皆、貴女を喜ばせようと思って言っているだけ…鵜呑みにしては貴女が後で恥をかいて困ってしまうから教えてあげるの」
「イリューリア、お母様は貴女の事が本当に心配。お父様も貴女をほめるけれど、それは親ばかというもので、自分と血のつながった娘が愛しすぎて冷静な目でみれていないだけなのよ。決して自分が可愛いとか美しいとか思いあがってはいけませんよ」
「イリューリア、お母様は貴女の事を心から大切に思っているからこそ、他の者が言わない忠告を心を鬼にして伝えているのですよ。賢い貴女にはわかるわね?甘やかすだけでは貴女がダメになるから、本当の事を教えてあげているのよ」
毎日毎日、夜ごと、イリューリアが寝付く頃、マルガリータは寝物語のように囁いた。
最初の頃でこそ毎晩、イリューリアを寝かしつけに一緒に部屋にさがるマルガリータに良い後添いが来たと感心していた家令やメイドたちだったが、ある日、その内容に聞き耳をたてて、背筋が凍りついた。
そのことはメイドから家令に家令からカルムに伝えられたが、何故か賢い筈のカルムは、マルガリータは、イリューリアの行く末を心配しての事だと言い張った。
そんな訳ないだろうと召使の誰もが、そう思ったが、この時のカルムは正常な判断が出来て居ないようだった。
思えばエマリアが亡くなってから…マルガリータを後妻に迎えてからのカルムはいつも青い顔をして原因不明の頭痛に悩まされることが多かった。
それも屋敷に帰って来ては頭痛が酷くなるようだった。
登城して仕事をする分には差し支えなかった事もあり、自然と屋敷を空ける事が多くなったのは仕方がなかったのかもしれない。
そして、イリューリアと王子の一件の後、学園にすら通わせなかったマルガリータの対応に、さすがに召使たちの進言を受け入れたカルムは、有無を言わさずマルガリータとイリューリアを引き離したのだった。
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