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第二十一章 世界旅行
ここはどこ?私は……
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――???
「クッ、何が余程のことがない限り安全だ! 一体、何がどうなった?」
転送装置から飛び散った稲妻を体に受けた瞬間、エクアたちの姿は霞消えて視界は暗転。
次には激しい光が目に飛び込んできた。
私は何度か瞬きを繰り返してゆっくりと瞳を光に慣らしていく。
そうして最初に瞳に映ったのは…………トーワ城だった。
「あれは……トーワ? いや、だが、様子がおかしい」
今いる場所は森の手前。
ここは小高い坂の上になっているため、トーワの城や防壁などが見渡せるが、人は一人もおらず無人。
城も様相がおかしく、私の知るモノよりも整備がされていない。
第一の防壁は半端に修繕されて、途中から放置された様子。
城の方も整備が途中のまま。
私はトーワから視線を外し、背後に向けた。
先に広がるのは、トーワと港町アルリナを結ぶマッキンドーの森の道。
道は私が訪れた時のように荒れていて、短めの雑草などがはびこっている。
この様子からトーワへと続く道は使われていないようだ。
「どういうことだ? とにかく、城の方へ向かってみるか」
と、一歩足を踏み出そうとしてところで、森の中から白い煙が上がっているのが見えた。
煙はさほど奥からではないようだ。
視線を煙から近くの森へ向ける。
するとそこには、私の知らぬ森の中に続く道らしきものがあった。
それは煙が上がっている場所へと繋がっているようだ。
「道? 煙は火事のようには見えない。誰かが森に住んでいる? 少なくとも、私の知るトーワ近くの森には誰も住んでいなかったが……」
私はトーワ城と煙にちらりちらりと瞳を動かして悩んだ末に、無人の城よりも誰かがいる可能性のある森の道を進んでみることに決めた。
――森の道
道はよく整備されており、幅もそこそこ。荷馬車程度なら通れるほどであった。
それを道なりに進んでいくと、開けた場所へ出た。
そこには井戸があり、大きな納屋付きの木造の民家が見えた。
民家の煙突からは煙が昇っている。
「誰かが住んでいるみたいだな。とりあえず、その方と話をしてみよう。トーワ城に何が起こったのかを……」
民家へ足を向ける。
すると、タイミングよく古びた木製の玄関が開き、老婆が出てきた。
彼女の腰は少し曲がり、桶を手にしている。
どうやら井戸から水を汲もうとしているようだ。
その老婆に近づき、話しかける。
「失礼、尋ねたいことがあるんだが?」
「え、誰?」
老婆はこちらに瞳を向けた。
瞳の色は薄い青色に紫が溶け込むもの。髪は長く、白髪と薄いサファイア色の髪が交差している。
老婆は私を瞳に宿した途端、持っていた桶を地面に落とした。
そして、驚きの声を跳ね上げる。
「ケ、ケントっ? ど、どうして!? 嘘!?」
「ん、どこかでお会いしましたかな?」
私は驚く老婆をよく観察する。
手や顔に深い皺が刻まれた老婆は、くすんだ赤色の外套を纏い、上下には落ち着いたブラウンの服を着用しているが……肩から腰に掛けて、見覚えのある帯をしていた。
帯には色とりどりの試験管が納められてある。
あれは……フィナがいつも着用していた試験管型属性爆弾だ!
私は瞳を激しく動かし、老婆の顔をじっくり観察する。
紫の溶け込む青い瞳に、白髪は混ざっているが元は蒼髪だったと思われる髪。
彼女を目にしながら、ありえないと思いつつ尋ねる。
「まさかと思うが……フィナか?」
「え、ええ、そうだけど……どうしてあんたがこんなところにいるのっ? それもあの時の姿のままで!?」
「あの時の姿のまま?」
「あ、あんたはあの時、遺跡の探索中に浄化されてっ。どういうこと? 私は幻を見ているの? それとも、ぼけてしまったの?」
「遺跡の探索中に浄化? それはまさか、あのバイオハザードの研究室での出来事か?」
「そ、そうよ、あんたは研究室に閉じ込められ、私は助けることができなくて、あんたをっ!」
「待て! 落ち着いてくれっ。こっちは何となく事情が飲み込めてきた。とりあえず、私の話を聞いてくれないか?」
「え? ええ、わかった。聞かせてちょうだい」
私は未来からの手紙によって研究所から生還できたこと・転送装置の不具合によって、ここへ飛ばされたことを話す。
年老いたフィナはそれを受け取り、一端の落ち着きを見せた。
「そう、なんだ。そっか、私たちは成功したのね!」
「その言葉。やはり君が、私に手紙をくれたフィナなんだな?」
フィナはこくりと頷く。
「ええ、そうよ。そう、私たちがあんたを……六十年の歳月は無駄じゃなかったっ。エクアを犠牲にしたことはむだじゃ……」
彼女は途中で言葉を詰まらせ、大粒の涙を零し始めた。
その彼女を私は無言で支える。
それでも、呼吸を荒くして涙を止めることのできない彼女を落ち着かせるために、ひとまず家の中へとお邪魔し、休ませることにした。
「クッ、何が余程のことがない限り安全だ! 一体、何がどうなった?」
転送装置から飛び散った稲妻を体に受けた瞬間、エクアたちの姿は霞消えて視界は暗転。
次には激しい光が目に飛び込んできた。
私は何度か瞬きを繰り返してゆっくりと瞳を光に慣らしていく。
そうして最初に瞳に映ったのは…………トーワ城だった。
「あれは……トーワ? いや、だが、様子がおかしい」
今いる場所は森の手前。
ここは小高い坂の上になっているため、トーワの城や防壁などが見渡せるが、人は一人もおらず無人。
城も様相がおかしく、私の知るモノよりも整備がされていない。
第一の防壁は半端に修繕されて、途中から放置された様子。
城の方も整備が途中のまま。
私はトーワから視線を外し、背後に向けた。
先に広がるのは、トーワと港町アルリナを結ぶマッキンドーの森の道。
道は私が訪れた時のように荒れていて、短めの雑草などがはびこっている。
この様子からトーワへと続く道は使われていないようだ。
「どういうことだ? とにかく、城の方へ向かってみるか」
と、一歩足を踏み出そうとしてところで、森の中から白い煙が上がっているのが見えた。
煙はさほど奥からではないようだ。
視線を煙から近くの森へ向ける。
するとそこには、私の知らぬ森の中に続く道らしきものがあった。
それは煙が上がっている場所へと繋がっているようだ。
「道? 煙は火事のようには見えない。誰かが森に住んでいる? 少なくとも、私の知るトーワ近くの森には誰も住んでいなかったが……」
私はトーワ城と煙にちらりちらりと瞳を動かして悩んだ末に、無人の城よりも誰かがいる可能性のある森の道を進んでみることに決めた。
――森の道
道はよく整備されており、幅もそこそこ。荷馬車程度なら通れるほどであった。
それを道なりに進んでいくと、開けた場所へ出た。
そこには井戸があり、大きな納屋付きの木造の民家が見えた。
民家の煙突からは煙が昇っている。
「誰かが住んでいるみたいだな。とりあえず、その方と話をしてみよう。トーワ城に何が起こったのかを……」
民家へ足を向ける。
すると、タイミングよく古びた木製の玄関が開き、老婆が出てきた。
彼女の腰は少し曲がり、桶を手にしている。
どうやら井戸から水を汲もうとしているようだ。
その老婆に近づき、話しかける。
「失礼、尋ねたいことがあるんだが?」
「え、誰?」
老婆はこちらに瞳を向けた。
瞳の色は薄い青色に紫が溶け込むもの。髪は長く、白髪と薄いサファイア色の髪が交差している。
老婆は私を瞳に宿した途端、持っていた桶を地面に落とした。
そして、驚きの声を跳ね上げる。
「ケ、ケントっ? ど、どうして!? 嘘!?」
「ん、どこかでお会いしましたかな?」
私は驚く老婆をよく観察する。
手や顔に深い皺が刻まれた老婆は、くすんだ赤色の外套を纏い、上下には落ち着いたブラウンの服を着用しているが……肩から腰に掛けて、見覚えのある帯をしていた。
帯には色とりどりの試験管が納められてある。
あれは……フィナがいつも着用していた試験管型属性爆弾だ!
私は瞳を激しく動かし、老婆の顔をじっくり観察する。
紫の溶け込む青い瞳に、白髪は混ざっているが元は蒼髪だったと思われる髪。
彼女を目にしながら、ありえないと思いつつ尋ねる。
「まさかと思うが……フィナか?」
「え、ええ、そうだけど……どうしてあんたがこんなところにいるのっ? それもあの時の姿のままで!?」
「あの時の姿のまま?」
「あ、あんたはあの時、遺跡の探索中に浄化されてっ。どういうこと? 私は幻を見ているの? それとも、ぼけてしまったの?」
「遺跡の探索中に浄化? それはまさか、あのバイオハザードの研究室での出来事か?」
「そ、そうよ、あんたは研究室に閉じ込められ、私は助けることができなくて、あんたをっ!」
「待て! 落ち着いてくれっ。こっちは何となく事情が飲み込めてきた。とりあえず、私の話を聞いてくれないか?」
「え? ええ、わかった。聞かせてちょうだい」
私は未来からの手紙によって研究所から生還できたこと・転送装置の不具合によって、ここへ飛ばされたことを話す。
年老いたフィナはそれを受け取り、一端の落ち着きを見せた。
「そう、なんだ。そっか、私たちは成功したのね!」
「その言葉。やはり君が、私に手紙をくれたフィナなんだな?」
フィナはこくりと頷く。
「ええ、そうよ。そう、私たちがあんたを……六十年の歳月は無駄じゃなかったっ。エクアを犠牲にしたことはむだじゃ……」
彼女は途中で言葉を詰まらせ、大粒の涙を零し始めた。
その彼女を私は無言で支える。
それでも、呼吸を荒くして涙を止めることのできない彼女を落ち着かせるために、ひとまず家の中へとお邪魔し、休ませることにした。
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