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第二章
第117話 浴槽作り
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裏庭に移動した私は浴槽作りに取り掛かる。
「土台となる土は粘土質のものが良いわね」
鑑定のスキルを発動して土の状態を鑑定する。
しかし、そう簡単に粘土質の土が見つかるわけがない。
鑑定をすること三十分。
裏庭の前の開けた土地に粘土質の土が見つかった。
誰かの私有地かもしれないが、今は何も建っていないし裏庭の土で埋めてしまえば大丈夫だろう。
浴槽分の土を土魔法で掘り起こしこねていく。
私の後を追って来ていたヒデさんは、段々と形を形成していく様子を見て、私が何を作ろうとしているのか理解したみたい。
「あっ。もしかして、お風呂?」
そう尋ねられた私は笑顔で答えた。
「うん。いくら魔法で清潔に保てるといっても、やっぱりお湯に浸かりたいもん。それに水と火魔法でお湯を作れるから水汲みする必要もないでしょう?だったらお風呂を作っておこうかなって」
「なるほど。それなら僕に任せて。僕の属性は土と風だから適任だと思う」
そう言えばヒデさんの属性は土と風だった。
私は全属性を持っているのだけど、どうしても苦手分野になると避けてしまう傾向があった。
とりわけ土魔法は、攻防以外覚えていなかった。
「じゃあ、ヒデさんに任せる。私、土魔法が上手く扱えないんだよね。ありがとう」
「へへ。ユーリさんの役に立てるならいくらでも頼って。それで、どんな形にしたいの?」
ヒデさんにそう問いかけられて、私は思考を巡らせる。
普通の浴槽も良いけれど、以前から憧れていた猫足の浴槽はどうだろうか。
清潔感のある真っ白い猫足の浴槽をお湯で満たして足を伸ばして肩まで浸かる自身を想像すると、自然と口角が上がっていた。
「ふふ。真っ白い浴槽で猫足が付いているのが良いな」
「……猫足。……うん、とりあえず挑戦してみるよ」
そう返事をしたヒデさんは、小さく丸めた粘土質の土に手をかざすと魔力を流し始めた。
手のひらサイズの浴槽を手にしたヒデさんは、手触りや形を確認して私に視線を向けると、浴槽を見せて言った。
「形はこれでいい?あとは防水のコーティングをすれば使えそうだけど」
そう言って見せてくれた手のひらサイズの浴槽は、見事な曲線美をした理想的な浴槽だった。
ご丁寧に猫足まで付いている。
でも、コーティング?
土魔法にそんな物あったっけ?
それともスキル?
「……コーティング?それってスキルか何かなの?」
そう尋ねた私にヒデさんは言い難そうに答えた。
「あ、うん。生産スキルの一つみたい。……僕の趣味がスキルに反映したのかも」
ヒデさんの趣味か。
言い難そうにしているみたいだし、ここは突っ込んで聞いちゃ駄目なやつかも。
だけど、ヒデさんのおかげで猫足のお風呂に入れるのはありがたい。
私は素直な気持ちをヒデさんに伝えた。
「すごい!すごいよ、ヒデさん!これからヒデさんを頼る事が増えるかもしれないけど大丈夫?」
すると、ヒデさんは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「うん!僕でお役に立てるならどんどん頼って」
そう答えたヒデさんは、ようやく自分の居場所を見つけたように嬉々として浴槽作りに取り掛かった。
コツを掴んだのか、その後の作業はスムーズに進んでいく。
猫足の浴槽を完成させたヒデさんは、ついでとばかりに脱衣場と風呂場を勢いで作ってしまった。
荷物置き場にと考えていたが、二階の窓から眺める景色が気に入ったので文句はない。
ヒデさんの説明によると水漏れ対策もバッチリだそう。
そんなこんなで生まれ変わった風呂場を眺めていたら、いつの間にか姿を現したメイスが琥珀色の瞳をまん丸にして室内を見渡していた。
『……この部屋は何だ?』
「風呂場だよ」
メイスの問いかけに答えたのだが、猫に風呂場と言っても伝わるだろうか?
そう思ったのも束の間、メイスは驚きつつも納得したように答えた。
『……なるほど。そう言えばアイツもフロフロ煩かったな。随分とこぢんまりとしているが、これがフロか』
アイツとはきっとご先祖様のことだろう。
私は小さく頷き返すと、メイスに尋ねた。
「それより、寝具は?そろそろ夕食にしたいし早く片づけてしまおう」
『先に部屋に設置しておいたぞ。部屋が狭いから大きい物が置けなくて選ぶのに苦労したがな』
その言葉の意味を理解したのは夕食後のことだった。
「土台となる土は粘土質のものが良いわね」
鑑定のスキルを発動して土の状態を鑑定する。
しかし、そう簡単に粘土質の土が見つかるわけがない。
鑑定をすること三十分。
裏庭の前の開けた土地に粘土質の土が見つかった。
誰かの私有地かもしれないが、今は何も建っていないし裏庭の土で埋めてしまえば大丈夫だろう。
浴槽分の土を土魔法で掘り起こしこねていく。
私の後を追って来ていたヒデさんは、段々と形を形成していく様子を見て、私が何を作ろうとしているのか理解したみたい。
「あっ。もしかして、お風呂?」
そう尋ねられた私は笑顔で答えた。
「うん。いくら魔法で清潔に保てるといっても、やっぱりお湯に浸かりたいもん。それに水と火魔法でお湯を作れるから水汲みする必要もないでしょう?だったらお風呂を作っておこうかなって」
「なるほど。それなら僕に任せて。僕の属性は土と風だから適任だと思う」
そう言えばヒデさんの属性は土と風だった。
私は全属性を持っているのだけど、どうしても苦手分野になると避けてしまう傾向があった。
とりわけ土魔法は、攻防以外覚えていなかった。
「じゃあ、ヒデさんに任せる。私、土魔法が上手く扱えないんだよね。ありがとう」
「へへ。ユーリさんの役に立てるならいくらでも頼って。それで、どんな形にしたいの?」
ヒデさんにそう問いかけられて、私は思考を巡らせる。
普通の浴槽も良いけれど、以前から憧れていた猫足の浴槽はどうだろうか。
清潔感のある真っ白い猫足の浴槽をお湯で満たして足を伸ばして肩まで浸かる自身を想像すると、自然と口角が上がっていた。
「ふふ。真っ白い浴槽で猫足が付いているのが良いな」
「……猫足。……うん、とりあえず挑戦してみるよ」
そう返事をしたヒデさんは、小さく丸めた粘土質の土に手をかざすと魔力を流し始めた。
手のひらサイズの浴槽を手にしたヒデさんは、手触りや形を確認して私に視線を向けると、浴槽を見せて言った。
「形はこれでいい?あとは防水のコーティングをすれば使えそうだけど」
そう言って見せてくれた手のひらサイズの浴槽は、見事な曲線美をした理想的な浴槽だった。
ご丁寧に猫足まで付いている。
でも、コーティング?
土魔法にそんな物あったっけ?
それともスキル?
「……コーティング?それってスキルか何かなの?」
そう尋ねた私にヒデさんは言い難そうに答えた。
「あ、うん。生産スキルの一つみたい。……僕の趣味がスキルに反映したのかも」
ヒデさんの趣味か。
言い難そうにしているみたいだし、ここは突っ込んで聞いちゃ駄目なやつかも。
だけど、ヒデさんのおかげで猫足のお風呂に入れるのはありがたい。
私は素直な気持ちをヒデさんに伝えた。
「すごい!すごいよ、ヒデさん!これからヒデさんを頼る事が増えるかもしれないけど大丈夫?」
すると、ヒデさんは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「うん!僕でお役に立てるならどんどん頼って」
そう答えたヒデさんは、ようやく自分の居場所を見つけたように嬉々として浴槽作りに取り掛かった。
コツを掴んだのか、その後の作業はスムーズに進んでいく。
猫足の浴槽を完成させたヒデさんは、ついでとばかりに脱衣場と風呂場を勢いで作ってしまった。
荷物置き場にと考えていたが、二階の窓から眺める景色が気に入ったので文句はない。
ヒデさんの説明によると水漏れ対策もバッチリだそう。
そんなこんなで生まれ変わった風呂場を眺めていたら、いつの間にか姿を現したメイスが琥珀色の瞳をまん丸にして室内を見渡していた。
『……この部屋は何だ?』
「風呂場だよ」
メイスの問いかけに答えたのだが、猫に風呂場と言っても伝わるだろうか?
そう思ったのも束の間、メイスは驚きつつも納得したように答えた。
『……なるほど。そう言えばアイツもフロフロ煩かったな。随分とこぢんまりとしているが、これがフロか』
アイツとはきっとご先祖様のことだろう。
私は小さく頷き返すと、メイスに尋ねた。
「それより、寝具は?そろそろ夕食にしたいし早く片づけてしまおう」
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その言葉の意味を理解したのは夕食後のことだった。
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