46 / 116
第一章 隠遁生活
第四十四話 帰還からの仕官交渉
しおりを挟む
水場での問題解決後、ストーカーされることになったのだが、本当に家までついてきてしまった。
しかも三体とももれなく巨体で、内二体はどちらかというと苦手の部類の魔物だ。
ラビくんが言うには、三体とも上位種だから正確には魔獣と呼ぶらしいが、今の俺にはどうでもいいことだ。
できることなら元々の住処に帰って欲しい。そのために浄化が必要なら叶えてあげようと思っている。だから、俺を三方向から見つめないでくれたまえ。
「……君たちの思いは伝わった。だから安心してお帰り? さぁ、ほら! 森の方へ!」
「ゲコッ!」「シュルルッ!」「…………!」
微妙に違うけど、俺の前には異世界版三竦みが鎮座している。彼女たちは必死に交渉をしているつもりらしい。
ネゴシエーターはご存知、ラビくん。本来は無理だけど、魔獣であるならば知能も高いから会話ができるんだって。俺にとっては不運でしかない。
「彼女たちは役に立つから一緒にいたいと言っています!」
「別に役に立たなくてもいいんだよ。それに恩を感じなくてもいいんです。ラビくんのお願いだったんだからさ!」
ラビくんは俺の方を向いたままだ。さっきからそうなんだけど、もしかして俺が言っていることを伝えてないとかないよね?
「ラビくん、伝えないの?」
「彼女たちは理解しています!」
マジか……。
ちなみに、さっきから彼女たちと言っているが、三体とも全てメスらしい。二体は納得できるけど、スライムに性別なんかあるのかという疑問がないわけではない。ただ質問するのは地雷の気がするのと、興味を持ってくれたと誤解されるのも困る。
「ゲコッ! ゲコッ!」
「ふむふむ……なるほど!」
巨大な蛙とリムくんの背に乗って交渉するラビくんを端から見たら、命乞い交渉に思えなくもない姿なのだが、必死に交渉しているのは蛙側である。
この蛙も強いということは女王ワニと同居していたことから判断でき、だからこそ近くにいて欲しくない。安心して眠れる施設を造ったのに、何故もっと強い存在を近くに置かなければならないのか。
「……ねぇ、ラビくん……」
「ん? どうしたの?」
交渉中のラビくんに悪いなと思いながら、どうしても気になっていることを聞くことにする。
「彼女は先ほどのハイドラさんで合っているのかな? 顔が少し違うみたいだけど?」
「そうだよ。ハイドラなんて珍しい魔獣は滅多にいないから間違えようがないよ! 顔が違う理由は回復魔術を受けたからじゃないかな? 少し龍っぽくなってるね!」
「ついでに聞くけど、龍はどの種族に当てはまるの?」
「幻獣種だよ。竜と違うところは群れず、人化スキルを持っている者が少ないなどかな。体も違うけどね」
「ふーん。そうなのか。それとラビくんはどうやって帰ってもらうように説得してるの?」
「してないよ」
――はぁ? 今なんて言った?
「ぼくは中立のネゴシエーターだからね! 片方にだけ有利な交渉はしないよ!」
「俺に雇われているネゴシエーターじゃなかったの!?」
「うん! 交渉人兼通訳だと思ってもらえればいいかな!」
「……ラビくんは姿形に好き嫌いはないのかな?」
「そんな酷いことしないよ! 見た目や種族で差別はしない。敵か味方かで判断してるんだ! 彼女たちは理性的で知性もあるし、敵対行動は取ってないもん!」
グサグサとラビくんの言葉の棘が俺の心に刺さる。見た目と種族で判断してすみません……。
でも最後まで足掻かせてもらう!
――《カスタマーサポート》――
「……はーい……。呼んだー?」
「呼びました! というか何してたんですか!?」
「……仕事よ。今は中抜けしているだけなのよ。それでどうしたの?」
少しの間が気になったが、とりあえず任務完了がら今の状況を簡単に説明した。特にストーカーの件については助言が欲しいと。
「なによ、簡単じゃない」
「本当に!?」
ラビくんがタマさんのことを三竦みに伝えたため、全員固唾をのんでタマさんの答えを待っている。
「えぇ。住まわせてあげればいいじゃない」
「――だって!」
「ゲコォォーー!」
「シャァァァーー!」
「…………!(ポヨヨーン)」
喜びの声を上げる三体をよそに俺はその場で崩れ落ちた。呼ばなければ良かった……。
「仕事をするペットだと思えばいいのよ。それに毎日採れる魔物が多すぎて消費が追いつかないって言ってたでしょ? その子たちは何でも食べるから、自分たちで食べたり売ったりする分を確保したら、他は食べてもらえばいいじゃない。それに大きいスライムがいるなら、ゴミ処理も早いし堀もきれいにしてくれるわよ」
……ペットかぁ。モフモフが良かったなぁ。脅威度が高い魔獣が三体とか、心が安まらないペットだな。
「しかもその子たちよりも北側にいるトレントの方が脅威度は上よ。トレントとは交渉してたじゃない。その子たちにも同じようにしてあげるべきよ!」
「……トレントは俺が洞窟に来るより前からいたので、俺が交渉させてもらった側です。それにしても珍しいことを言いますね。お酒以外に興味がないと思ってたのですが……」
「……天使のくせに鬼畜と言わないなら教えてあげる!」
「……言いません」
「本当ね? 言ったらドロンのフルコースだからね!」
どんだけあくどいことしようとしてるんだ?
「構いませんよ」
「蛙さんの子どもの目玉を加工すると貴重な宝石になるのよ。お金が稼げるでしょ?」
「…………」
絶句だ。クソ野郎すぎて言葉がない。
誰が加工をすると思っているんだ? 母親の前で解体して加工するようなことはしたくない。だから、さっさと帰ってもらおう。
スライムのことは惜しいと思っているけど。
何故なら、スライムの有用性は俺も知っているからだ。鬼の住処時代からお世話になっているし、それにゴミの量とスライムの処理速度に格差が合って、ゴミを収納することにしている現状の改善にもなる。
姿形もスライムなら抵抗はない。
だが、スライムを受け入れた場合、残り二体も受け入れなくてはならない可能性が高いのだ。何故か三体は仲良しで、一人だけ受け入れますというのは俺にはできない。
だからといって他の二体にしてもらうことがないし、さっき役に立たなくてもいいって言った手前、役に立たないから帰ってとも言えない。
まさに八方ふさがりというわけだ。
結局、スライムも含めて全員に御帰宅願う以外の選択肢はない。
「ゲコゲコ、ゲコォーー!」
「なるほどね! 彼女は言っています。卵から孵った子どものほとんどは理性のない魔物だから、育てる予定の子ども以外は好きにしてくれとのことです!」
俺が帰るように促す前に、交渉人兼通訳がタマさんの計画を伝えてしまった。
それは言っちゃダメだろ! と突っ込もうと思ったのだが、まさかの許可が出されてしまい、鬼の所業に巻き込まれないうちに帰宅なさいという良心作戦が実行前に終了。
でも俺の気持ちは伝えさせてもらうよ! 伝わって欲しいな!
「……母親の前で解体するのは気が引けるんですけど……」
「ゲコ?」
「何で? と言っています」
今のは分かった。悲しいけど、少しずつ分かってきているのは心話スキルのせいだろう。
「逆に気にしないの?」
「ゲコ!」
「どうせ全部は育てられません! と言っています」
音の長さが合っていない……。ゲコにそれだけの意味が詰まっているとは……。
「ちなみにラビくん情報を一つ。蛙さんの子どもの素材はどれも高価です」
あまり蛙さんの子どもって言わないで欲しい……。
「……シュルル……」
ハイドラさんが悲しそうな声を出しているのは何でだ? 悲しそうって分かってしまうのも嫌だけど……。
「そうか……。できることがないから追い出されると思っているんだね?」
追い出されるって……。まだ住んですらいないはずだが?
「でも子ども産めるでしょ?」
やめて。それだけはやめて……。龍っぽい顔だから堪えられているのに、蛇がうじゃうじゃしているのは無理だよ?
「……シュルル……」
「半分格が上がっちゃったからできなくなっちゃったのか……。どうしよっか?」
チラチラと俺の顔色をうかがうラビくん。
「ゲコー! ゲコゲコ!」
「ふむふむ! 彼女が頑張るからハイドラさんも一緒にいさせて欲しいと言っています!」
そもそも何で蛙と蛇が仲良しなんだろうか。不思議な光景だ。
「どうでしょう!?」
ラビくん……中立って言ったじゃん……。
六対一での論争は勝てないよ。今日はもう疲れているし。期待しているラビくんを裏切れるはずもなく根負けし、役割分担と寝床について説明して用意する。
「ハイドラさんは探知能力が高そうだから警備員をやってくれればいいよ。洞窟の西側に蛙さんの出産場所兼寝床の巨大貯水槽を造って、南側を拡張してスライムさんとハイドラさんの寝床を造るから、魔物が襲って来たら東側と西側に誘導して欲しいな」
「西側の堀はどうするの?」
「洞窟に近い部分に蛙さんの出産場所兼寝床を造って、その外側に堀を作る予定だよ。そうすれば蛙さんの子どもが逃亡しても周囲に迷惑がかからないかなって思ってる。北側にはトレントさんがいるしね!」
北側はトレントさんの領域まですぐだから、堀の幅は広げられない。深くして溢れないようにする予定だ。
東側は訓練場だから、こちらも深くするだけに留める。
そうなると西側と南側しかないのだが、西側は異様な雰囲気の森があるため森から距離を取っていたし、南側はゴミ処理施設だから魔物用の罠は設置していなかった。
今後も拡張の予定はなかったけど、今回の女王ワニのせいで流れてきた魔物が西側の森を荒らし、図らずとも森を開墾してしまったのだ。
南側は言わなくても分かるだろう。三体の巨大魔獣が通って来たせいで、大規模な開墾の跡みたいになっている。
もちろん、あとで素材や木材は回収させていただきます。前世から続くもったいない精神は自身の美徳だと思っている。決して、ケチではないのだ。
果たして、西側と南側を拡張して蛙さんとハイドラさんとスライムさんの寝床を確保。ゴミ処理施設は東側に寄せて、スライムさんにチビスライムごと任せる。南西の角に蛙さんが陣取り、ハイドラさんは真ん中で寝るようだ。
蛙さんは産卵するときだけ南側と繋がった西側の貯水槽に行くようで、近いうち貯水槽は卵で溢れることになるらしい。蛙掬い用に階段もつけたけど、内心複雑だ……。
ちなみに今回は南側のゴミ処理施設の外側にも堀をつけた。柵はなしで、跳び越えてもハイドラさんが叩き落としてくれるらしい。
仕上げに水場で生活してきた三体のために特濃魔力水の水を貯水槽に注いであげて、ようやく寝床が完成した。そして俺は気絶した。
しかも三体とももれなく巨体で、内二体はどちらかというと苦手の部類の魔物だ。
ラビくんが言うには、三体とも上位種だから正確には魔獣と呼ぶらしいが、今の俺にはどうでもいいことだ。
できることなら元々の住処に帰って欲しい。そのために浄化が必要なら叶えてあげようと思っている。だから、俺を三方向から見つめないでくれたまえ。
「……君たちの思いは伝わった。だから安心してお帰り? さぁ、ほら! 森の方へ!」
「ゲコッ!」「シュルルッ!」「…………!」
微妙に違うけど、俺の前には異世界版三竦みが鎮座している。彼女たちは必死に交渉をしているつもりらしい。
ネゴシエーターはご存知、ラビくん。本来は無理だけど、魔獣であるならば知能も高いから会話ができるんだって。俺にとっては不運でしかない。
「彼女たちは役に立つから一緒にいたいと言っています!」
「別に役に立たなくてもいいんだよ。それに恩を感じなくてもいいんです。ラビくんのお願いだったんだからさ!」
ラビくんは俺の方を向いたままだ。さっきからそうなんだけど、もしかして俺が言っていることを伝えてないとかないよね?
「ラビくん、伝えないの?」
「彼女たちは理解しています!」
マジか……。
ちなみに、さっきから彼女たちと言っているが、三体とも全てメスらしい。二体は納得できるけど、スライムに性別なんかあるのかという疑問がないわけではない。ただ質問するのは地雷の気がするのと、興味を持ってくれたと誤解されるのも困る。
「ゲコッ! ゲコッ!」
「ふむふむ……なるほど!」
巨大な蛙とリムくんの背に乗って交渉するラビくんを端から見たら、命乞い交渉に思えなくもない姿なのだが、必死に交渉しているのは蛙側である。
この蛙も強いということは女王ワニと同居していたことから判断でき、だからこそ近くにいて欲しくない。安心して眠れる施設を造ったのに、何故もっと強い存在を近くに置かなければならないのか。
「……ねぇ、ラビくん……」
「ん? どうしたの?」
交渉中のラビくんに悪いなと思いながら、どうしても気になっていることを聞くことにする。
「彼女は先ほどのハイドラさんで合っているのかな? 顔が少し違うみたいだけど?」
「そうだよ。ハイドラなんて珍しい魔獣は滅多にいないから間違えようがないよ! 顔が違う理由は回復魔術を受けたからじゃないかな? 少し龍っぽくなってるね!」
「ついでに聞くけど、龍はどの種族に当てはまるの?」
「幻獣種だよ。竜と違うところは群れず、人化スキルを持っている者が少ないなどかな。体も違うけどね」
「ふーん。そうなのか。それとラビくんはどうやって帰ってもらうように説得してるの?」
「してないよ」
――はぁ? 今なんて言った?
「ぼくは中立のネゴシエーターだからね! 片方にだけ有利な交渉はしないよ!」
「俺に雇われているネゴシエーターじゃなかったの!?」
「うん! 交渉人兼通訳だと思ってもらえればいいかな!」
「……ラビくんは姿形に好き嫌いはないのかな?」
「そんな酷いことしないよ! 見た目や種族で差別はしない。敵か味方かで判断してるんだ! 彼女たちは理性的で知性もあるし、敵対行動は取ってないもん!」
グサグサとラビくんの言葉の棘が俺の心に刺さる。見た目と種族で判断してすみません……。
でも最後まで足掻かせてもらう!
――《カスタマーサポート》――
「……はーい……。呼んだー?」
「呼びました! というか何してたんですか!?」
「……仕事よ。今は中抜けしているだけなのよ。それでどうしたの?」
少しの間が気になったが、とりあえず任務完了がら今の状況を簡単に説明した。特にストーカーの件については助言が欲しいと。
「なによ、簡単じゃない」
「本当に!?」
ラビくんがタマさんのことを三竦みに伝えたため、全員固唾をのんでタマさんの答えを待っている。
「えぇ。住まわせてあげればいいじゃない」
「――だって!」
「ゲコォォーー!」
「シャァァァーー!」
「…………!(ポヨヨーン)」
喜びの声を上げる三体をよそに俺はその場で崩れ落ちた。呼ばなければ良かった……。
「仕事をするペットだと思えばいいのよ。それに毎日採れる魔物が多すぎて消費が追いつかないって言ってたでしょ? その子たちは何でも食べるから、自分たちで食べたり売ったりする分を確保したら、他は食べてもらえばいいじゃない。それに大きいスライムがいるなら、ゴミ処理も早いし堀もきれいにしてくれるわよ」
……ペットかぁ。モフモフが良かったなぁ。脅威度が高い魔獣が三体とか、心が安まらないペットだな。
「しかもその子たちよりも北側にいるトレントの方が脅威度は上よ。トレントとは交渉してたじゃない。その子たちにも同じようにしてあげるべきよ!」
「……トレントは俺が洞窟に来るより前からいたので、俺が交渉させてもらった側です。それにしても珍しいことを言いますね。お酒以外に興味がないと思ってたのですが……」
「……天使のくせに鬼畜と言わないなら教えてあげる!」
「……言いません」
「本当ね? 言ったらドロンのフルコースだからね!」
どんだけあくどいことしようとしてるんだ?
「構いませんよ」
「蛙さんの子どもの目玉を加工すると貴重な宝石になるのよ。お金が稼げるでしょ?」
「…………」
絶句だ。クソ野郎すぎて言葉がない。
誰が加工をすると思っているんだ? 母親の前で解体して加工するようなことはしたくない。だから、さっさと帰ってもらおう。
スライムのことは惜しいと思っているけど。
何故なら、スライムの有用性は俺も知っているからだ。鬼の住処時代からお世話になっているし、それにゴミの量とスライムの処理速度に格差が合って、ゴミを収納することにしている現状の改善にもなる。
姿形もスライムなら抵抗はない。
だが、スライムを受け入れた場合、残り二体も受け入れなくてはならない可能性が高いのだ。何故か三体は仲良しで、一人だけ受け入れますというのは俺にはできない。
だからといって他の二体にしてもらうことがないし、さっき役に立たなくてもいいって言った手前、役に立たないから帰ってとも言えない。
まさに八方ふさがりというわけだ。
結局、スライムも含めて全員に御帰宅願う以外の選択肢はない。
「ゲコゲコ、ゲコォーー!」
「なるほどね! 彼女は言っています。卵から孵った子どものほとんどは理性のない魔物だから、育てる予定の子ども以外は好きにしてくれとのことです!」
俺が帰るように促す前に、交渉人兼通訳がタマさんの計画を伝えてしまった。
それは言っちゃダメだろ! と突っ込もうと思ったのだが、まさかの許可が出されてしまい、鬼の所業に巻き込まれないうちに帰宅なさいという良心作戦が実行前に終了。
でも俺の気持ちは伝えさせてもらうよ! 伝わって欲しいな!
「……母親の前で解体するのは気が引けるんですけど……」
「ゲコ?」
「何で? と言っています」
今のは分かった。悲しいけど、少しずつ分かってきているのは心話スキルのせいだろう。
「逆に気にしないの?」
「ゲコ!」
「どうせ全部は育てられません! と言っています」
音の長さが合っていない……。ゲコにそれだけの意味が詰まっているとは……。
「ちなみにラビくん情報を一つ。蛙さんの子どもの素材はどれも高価です」
あまり蛙さんの子どもって言わないで欲しい……。
「……シュルル……」
ハイドラさんが悲しそうな声を出しているのは何でだ? 悲しそうって分かってしまうのも嫌だけど……。
「そうか……。できることがないから追い出されると思っているんだね?」
追い出されるって……。まだ住んですらいないはずだが?
「でも子ども産めるでしょ?」
やめて。それだけはやめて……。龍っぽい顔だから堪えられているのに、蛇がうじゃうじゃしているのは無理だよ?
「……シュルル……」
「半分格が上がっちゃったからできなくなっちゃったのか……。どうしよっか?」
チラチラと俺の顔色をうかがうラビくん。
「ゲコー! ゲコゲコ!」
「ふむふむ! 彼女が頑張るからハイドラさんも一緒にいさせて欲しいと言っています!」
そもそも何で蛙と蛇が仲良しなんだろうか。不思議な光景だ。
「どうでしょう!?」
ラビくん……中立って言ったじゃん……。
六対一での論争は勝てないよ。今日はもう疲れているし。期待しているラビくんを裏切れるはずもなく根負けし、役割分担と寝床について説明して用意する。
「ハイドラさんは探知能力が高そうだから警備員をやってくれればいいよ。洞窟の西側に蛙さんの出産場所兼寝床の巨大貯水槽を造って、南側を拡張してスライムさんとハイドラさんの寝床を造るから、魔物が襲って来たら東側と西側に誘導して欲しいな」
「西側の堀はどうするの?」
「洞窟に近い部分に蛙さんの出産場所兼寝床を造って、その外側に堀を作る予定だよ。そうすれば蛙さんの子どもが逃亡しても周囲に迷惑がかからないかなって思ってる。北側にはトレントさんがいるしね!」
北側はトレントさんの領域まですぐだから、堀の幅は広げられない。深くして溢れないようにする予定だ。
東側は訓練場だから、こちらも深くするだけに留める。
そうなると西側と南側しかないのだが、西側は異様な雰囲気の森があるため森から距離を取っていたし、南側はゴミ処理施設だから魔物用の罠は設置していなかった。
今後も拡張の予定はなかったけど、今回の女王ワニのせいで流れてきた魔物が西側の森を荒らし、図らずとも森を開墾してしまったのだ。
南側は言わなくても分かるだろう。三体の巨大魔獣が通って来たせいで、大規模な開墾の跡みたいになっている。
もちろん、あとで素材や木材は回収させていただきます。前世から続くもったいない精神は自身の美徳だと思っている。決して、ケチではないのだ。
果たして、西側と南側を拡張して蛙さんとハイドラさんとスライムさんの寝床を確保。ゴミ処理施設は東側に寄せて、スライムさんにチビスライムごと任せる。南西の角に蛙さんが陣取り、ハイドラさんは真ん中で寝るようだ。
蛙さんは産卵するときだけ南側と繋がった西側の貯水槽に行くようで、近いうち貯水槽は卵で溢れることになるらしい。蛙掬い用に階段もつけたけど、内心複雑だ……。
ちなみに今回は南側のゴミ処理施設の外側にも堀をつけた。柵はなしで、跳び越えてもハイドラさんが叩き落としてくれるらしい。
仕上げに水場で生活してきた三体のために特濃魔力水の水を貯水槽に注いであげて、ようやく寝床が完成した。そして俺は気絶した。
10
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる