黙示録戦争後に残された世界でたった一人冷凍睡眠から蘇ったオレが超科学のチート人工知能の超美女とともに文芸復興を目指す物語。

あっちゅまん

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幕間1

第45話 幕間1 『各国の動き』

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※世界の国家・概略図


 ****

 『カーズ法国』は法治国家であり、執政院が行政を執り行っている。

 この執政院のトップに君臨してるのが執政大統領であるゼウス・オリュンポスである。

 この日、ゼウスは、首都アーカム・シティにあるオリュンポス山頂にある天球神殿で、執務を行っていた。




 「ガニュメデスよ。感じたか?」

 「はい。ゼウス様。何か巨大な魔力爆発が起きましたね。方向は・・・、『エルフ国』方面かと。」

 「うむ。・・・であるな。何者か?」

 「はい。まだ詳細は不明・・・ではありますが、バビロン地方にアテナ様が派遣されているとヘルメス様より報告がありました。」

 「何? アテナが!? むぅ。心配だのぉ・・・。」



 パラス・アテナはゼウスの娘である。

 「相変わらず、アテナ様には甘いですね。ゼウス様。」

 そばに控えていた侍女のイーオーがゼウスに声をかける。

 「だってさ・・・。アテナってまっすぐじゃからな。何か危なっかしいんじゃもん。」

 「ええ・・・。過保護すぎますよ。アテナ様をなんとかできる存在ってなかなかいないですよ。」

 「まあ。さぐりを入れておけよ。」



 ガニュメデスは美少年で、その美しい顔をしかめながら、答えた。

 「じゃあ、カリストとエウロパを調査に向かわせます。」

 「ああ。それがよかろうの。」

 「また、自分が行くって言い出すよりマシですからね。」

 「おお! その手があったか!」

 「ダメですよ!」



 ゼウスは髭を撫でながら、こうつぶやいた。

 「また戦争が起こる前触れでなければよいのじゃが・・・。」




 ◇◇◇◇

 同時刻―。

 『法国』の首都アーカム・シティの都市警備隊の隊長を務める妖精種族の王の一人でもある、オベロン・アーサー・ペンドラゴンは自宅でお茶を飲んでいた。

 エルフ種族らしく、髪は輝かんばかりの金髪で背は高く、耳の長い色白の非常にハンサムな男性だ。

 「むっ! この魔力の波動は!! 魔力爆発か!」




 「そのようですね。あなた。方角は私たちの故郷、『エルフ国』方面ですわね。」

 オベロンに声をかけたのはオベロンの妻、ティターニア・グィネヴィア・ペンドラゴンだった。

 彼女もエルフ種族の特徴を如実に表しており、髪はシルクのようになめらかで輝く黄金のようで、肌の色は透き通るような白、そして、美女であった。

 「そうだな。ふむ。『ユグドラシルの十長老』たちを集める必要もあるかも知れないな。」

 「あなた。その前に私たちの娘、ベッキーに連絡を取ってみましょう。あの子、今はたしか『エルフ国』近郊の『円柱都市イラム』で冒険者の真似事をしていたはず。」



 「おお! そうだな。ベッキーのやつ、冒険者に憧れて我が家を出ていって今は『イラム』にいたのだったな。
お目付け役のトム・サムはうまくやっておるかの?」

 「そうねぇ。なにか事件に巻き込まれてなければよいのですが。」

 「では、『首なし騎士』エレオーレス・デュラハンのやつをさっそく向かわせよう。ヤツも息子のカラドックに家督を譲り、隠居してるから暇であろう。」

 「ああ。よいですね。エレオーレスなら早馬ですからね。湖の婦人、マダム・レイク・ヴィヴィアンもお供させましょう。」



 「念のために、『ユグドラシルの十長老』たちにもマダム・レイク・ヴィヴィアンに言伝をしてもらうとするか。」

 「それは良いですね。あとは・・・。『法国』のゼウス様に伺いを立ててみましょう。」

 「おお! そうであるな。さすがは我が妻ティターニア。美しい上に、その頭脳明晰さは相変わらず敬服するなぁ。」

 「まあ。褒めても何も出ませんよ。あなた。」

 「いやいや。本心であるからな。」

 「まあ。あなたったら。」



 それから、イチャイチャする妖精王夫妻であった―。



 ◇◇◇◇


 死の火山の麓に広がる不死国『ラグナグ王国』、その首都にそびえ立つ悪魔城。

 そこにこの不死者の国の王、吸血鬼の真祖、ヴァン・パイア・シンが鎮座していた。



 「むぅ・・・。今、我が血に連なる者が息絶えたようだ。」

 「は! わたくしめも感じましたぞ。」

 「ヴラド竜公も感じたか。」



 「テウタテス、エスス、タラニスの3名だな・・・。ヤツラはたしか『バビロン地方』の侵略作戦を進めていたはず。」

 「はい。そのようでありますねぇ。妾の命に従い、着々と進んでいたはずでありますがねぇ。」

 そう答えたのは、『血の伯爵夫人』エリザベート・バートリであった。

 「エリザベート。作戦はどこまで進んでいたのだ?」

 ヴァン・パイア・シン王が尋ねる。



 「はい。エルフのレッドキャップ種族に取り入り、円柱都市イラムから生贄を調達しつつ、影から侵略の手を進めてたんですよねぇ。」

 「ふーむ。後任を決め、直ちに作戦を引き続き進めるのだ!」

 「了解でありまーす!」

 エリザベートはそう答えて、部屋から出ていった―。



 「エルフ国の奴らめ・・・。我らをこんな不毛の地へ押し込めようったって、そうはいかんのだ。」

 「偉大なるパイア陛下の名の下に!」



 ◇◇◇◇



 さて、どこかの暗い部屋ー。

 荘厳な装飾の部屋だが、異常なくらい蝿が無数に飛んでいる。

 その羽音がうるさいが、そこに集まっている者たちは誰も文句は言わない。



 その中に赤い衣服と王冠を身につけた騎士と、右手に毒蛇を持った天使ような翼を持つ黒白の色をした者が伏していた。

 「先刻の魔力爆発についてお気づきかと存じますが、ご報告致します。」

 すると、無数の蝿が一点に集まり、人の姿へと変わる。



 炎の帯を額に巻き頭には大きな角が二本、足はアヒル、尻尾は獅子、全身が真っ黒の豹の姿であった。

 偉大なる賢王は、指輪を一つ取り出し、自らの指にはめる。

 「さて、報告を聞こう。ベリトにアスタロトよ。」



 「は! 円柱都市イラムの北の地で、武力衝突があったものと思われます。」

 赤い衣服と王冠の騎士・ベリトはそう虚空に向かって返事をした。

 「さらに言えば・・・同士討ちもあったと聞いております。」

 右手の毒蛇が舌を出すのを制しながら、黒白の色の男・アスタロト大公爵がそう付け加えた。




 「なに・・・? どこの配下の者だ?」

 「ベリアル魔王様配下のデカラビアの69番隊の者だと聞いております。」

 「ぬぅ・・・。ベリアルのやつか。やつは『小国コルヌアイユ』へ侵略の手を進めていたのではないか?」

 「は! どうも手広く暗躍していらっしゃるようで・・・。ベリアル魔王様には、なんとも申せません。」



 賢王はその眉毛はつりあげ、目をぎらつかせた。

 「まあよい。作戦に影響はあるのか?」

 「いえ。作戦に影響はありません!」

 「なら、ベリアルのことは捨て置け。ベリアルについては余からそれとなく言っておこう。」

 「は! かしこまりました!」



 「では・・・。引き続き、作戦を潜行させよ!」

 「は! 皇帝陛下!」

 ベリトとアスタロトは去っていく。

 その後、またその賢王たる皇帝は、ひとりつぶやく。



 「ベリアルのやつめ。何考えてる? まさか!? 抜け駆けしようと言うのか・・・。

 このベルゼビュートこそが皇帝なのだ! だまって従っておけばよいものを・・・。

 だが、余は焦って動きはせぬ。サタンの二の舞は踏まんよ・・・。」


 この偉大なる蝿の賢王こそ、魔界の皇帝ベルゼビュート、その人であった。



 だが、魔界は連合王国でもあり、複数の魔王が支配しているのである。

 内部でも権力争いが激しく、かつての唯一魔王であった偉大なるグレート・サタンは失脚したのだった。

 「魔神王とやらも、どこぞで見ているやも知れぬ・・・。その正体も何もかも不明なのだ。慎重になりすぎて悪いことは何もない・・・。」


 その後、またその賢王たる皇帝は、無数の蝿に分かれ、散開するのだったー。



~続く~


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