黙示録戦争後に残された世界でたった一人冷凍睡眠から蘇ったオレが超科学のチート人工知能の超美女とともに文芸復興を目指す物語。

あっちゅまん

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目指せ!Sランク!

第109話 目指せ!Sランク!『小さな恐るべき襲撃者』

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 エメラルドゴブリンバチ……このハチの恐るべき習性はその毒にありそうだ。

 決して刺されてはいけない……。

 ムカデ爺やはその毒にやられる前にその胃に飲み込んだため、お腹を壊しただけで済んだようだ。念のため、アイは毒物が残っていないかムカデ爺やにスキャンを開始していた。


 もちろん、目の前のハチの魔物に最大限の注意と監視を行いつつ……というのは言うまでもない。



 おっと、そのエメラルドゴブリンバチに動きがあるようだ。

 「キサマラ……。ドコノモノダ? エルフドモニシテハ、シュゾクガチガイスギル……。タダノニンゲンシュデハアルマイ……マサカ! ホウコクノ!?」

 何やら独り言を言っている様子だった。まあ、ハチの言葉をオレたちが理解しているとは思うまい……。




 「あのハチ……。動きが速いね……。逃がすと厄介だけど……。」

 「ジンのだんな。あれはやばいで。毒にやられたら終わりや。それに尋常やないスピードなんや……。あかんで。」

 「マスター。さきほど捕獲を試みましたが、包囲網をすり抜けられました。防御に徹すれば攻撃は防げるかと推測されますが、こちらの攻撃も当たるか微妙でございます。」



 そうか……。アイがそういうくらいだ。これは本当にやばいやつだな。スピード重視の敵で、しかも毒持ちか……。

 未知の毒だから、対応を誤るとまずいかもな……。


 (マスター。ワタクシが防御に徹しますゆえ、イシカとホノリにご明示ください。)

 (まあ、そうなるよな。イシカとホノリに毒は効くのか?)

 (ご安心ください。生体金属(ライブメタル製)に毒のたぐいは効果がありません。)

 (よし! それならそれが一番だな。)



 すると……!

 ハチの魔物は緑色の光をなおいっそう激しく輝かせ始めたのだ!


 「ジンのだんな……。あの緑の光は魔力が凝集し、結晶化したものと言われてるんや。ヤツは膨大な魔力を秘めているっちゅうことや……、ヤバいで!?」


 サルワタリが注意してくれる……。うん、さすがは情報屋だな。いろんなことを知っているんだな。



 「イシカ! ホノリ! あのエメラルドのハチを倒すんだ!」

 「「了解である! なのだ!」」

 二人は勢いよく返事をして、ハチの魔物に飛びかかっていく。



 「ムムムッ!? ムカッテクルトイウノカ……? コノマリョクヲマエニシテモ……。フン! オモシロイ! パワークラベトイウワケカ?」

 エメラルドゴブリンバチはそう言って、緑色に発光しながら、空中で静止した。


 「ロケット・ナックル・パァアアーーーーーッンチィーーーーッ!!」

 イシカがその腕を小型ロケットのように打ち出し、先手を取った。

 超高速でそのげんこつが空中で静止していたエメラルドバチに直撃する。



 ふっ飛ばされたか……!? ……いや、まったく微動だにしていない!


 ハチの魔物はそのままの姿勢で空中に静止していたのだ……。

 イシカのあのロケットナックルパンチは、あの頑強な肉体を持ったサタン・クロースでさえ、吹き飛ばした威力があるはずだ。

 それが、あの小さな身体のエメラルドバチに効かないというのか……?



 (マスター! イシカのロケットナックルパンチはMZ光子理論による飛行速度はマッハ2で誘導も可能なパンチなのです。あの威力に空中の支え無しで動かないとは……物理の理論に合いません! 計算による演算は不可でございます!)

 (なんだって!? アイでも不可能なことがあるのか……!?)

 (申し訳ありません。データ不足……でございます!)



 オレとアイが必死でいろいろ対策を考えている間も、イシカとホノリがエメラルドバチに攻撃を仕掛けていた。


 イシカがマッハ2にもなる速度で連射し、打ち続けるロケットナックルの嵐を叩きつける!

 あいかわらずそれを涼しい顔?をして、受け止める緑のハチ。

 そこに背後に一瞬で回り込んだホノリがスカートをファッサとたなびかせ、後ろ回し蹴りを決める!



 ……が、やはり微動だにしない。

 「ナックルパンチ・ラッシュであるっ!!」

 イシカが拳撃の連打を機関銃の弾幕のように打ち込む。

 ドドドドドドドドドドドドドドドドッー!!



 「クゥウウウ……! オノレ! シツコイ!」

 エメラルドバチは急に真一文字に静から動へ一瞬にしてイシカに襲いかかった!


 シュィ…………ンッー!!



 イシカの制服の上から胸部を一撃……!!

 まさに蜂の一刺し!


 「ぬぬっ!?」

 イシカが声を発する。

 衝撃で後ろに少しイシカの身体がずれた。



 だが、まったく気にならないかのように平然と、イシカはハチを両の手で挟み込むように叩き潰そうとした。

 ハチは瞬間にイシカの元から離れ、後ろの空中にハチだけどとんぼ返りするかのように宙へ舞った。


 そこへ、ホノリの攻撃が追い打ちをかける。

 きれいな円を描く回転でハチの背後から踵落としをする!

 ハチが高速で身体をぶらし、すんでのところでそれをかわした。



 そこをホノリの攻撃の連撃が止まらず襲いかかった。

 青の制服姿の女子高生がスカートがまくれて、下着が見えるのも気にせず、足蹴りの攻撃を体操選手が回転するかのように円運動をしながら次々と繰り出していく姿は美しくもあった。


 スパンッ! シュンッ! シュパパパッ! シュウィン!!

 風を切る音が心地よいくらいだ。




 しかし、ハチはそれを上回る超スピードで数センチ単位で攻撃をかわしたかと思うと、また一瞬で真一文字に空中へ舞い上がったところから急下降し、ホノリにもハチの一撃を刺した。

 それを左の腕でガードするホノリ。ホノリの格闘センスは超スピードにも対応していた。

 瞬間で見切って、ガードし、その腕で受けたハチの本体に、真下の死角からのありえない角度での足の動きで蹴り上げた!


 関節の角度がおかしい……!

 まあ、ホノリはアンドロイドだ。関節の可動域はヒトのそれと比べてとんでもない変化が可能なのだ。

 これにはハチも見えなかったようで、初めて空中へ吹き飛ばされた……。



 「ギィイイイ……!! ギチギチ……。ナンダト? ニンゲンシュ……デハナイノカ……?」

 空中高くに飛ばされたハチはまた体制を立て直し、はるか下の地面にいるオレたちを見た。


 ハチの複眼にこのとき見えたのは、オレ、ミニ・アイ、サルワタリ、ムカデ爺や、……そしてたった今、おのれを蹴り上げた青の制服のホノリの姿……。

 赤色の制服姿のイシカの姿が見えない。



 「アカイロノオンナ……。ドコヘイッタ!?」

 複眼には映っていたが、意識を地面の方へ向けたために見えていたが見てはいなかった真上に赤い物体の影が動いた。


 「ウエカッ……!?」



 「ウワッ!!」

 上空のイシカが蹴りを繰り出した……かと思うと、その足が超高速で打ち出され飛んでハチに命中した。


 「ロケット・キィイイイーーーーーーーッッックゥウウウウッ!!」



 ジェット噴射にて超高速で全推進力をエネルギーに変え、食らわせた蹴りの威力は、その重力方向をも利用した一撃となった。

 「グバァッ……!!」

 ハチごと地面に激突したイシカ。



 イシカのほうにダメージはなさそう。

 イシカの足元に衝撃でできた小型のクレーターがあり、土煙が舞い上がった。

 足を上げたイシカが驚いた表情を浮かべ、後ろを振り返る!



 足の下にハチはいなかった。

 真後ろから緑の小さな塊が、イシカのうなじのあたりを、その針で削り取るかのようにすばやく左から右へ流れた。

 普通のヒトや生物ならば、即死だっただろう……。



 だが、イシカは一瞬、体制を崩しただけで、その攻撃の後の静止したハチに再び、ロケット・ナックル・パンチを打ち込んだ。

 「イクウカンコテイ!!『故郷を離るる歌』ダッ!!」

 『園の小百合、撫子(なでしこ)、垣根の千草。今日は汝(なれ)をながむる最終(おわり)の日なり。』

 エメラルドバチが呪文を唱えた。



 イシカの攻撃で後方に弾き飛ばされていたエメラルドバチがその空間にぴたりと固定された。

 そして、再び、こちらに向けて警戒態勢に移り、ボソリとつぶやいたー。



 「コイツハ、ホネガオレソウダ……。イヤ、ガイコッカクがオレソウダナ。」



~続く~

©「故郷を離るる歌」(曲/ドイツ民謡 詞/吉丸一昌)

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