黙示録戦争後に残された世界でたった一人冷凍睡眠から蘇ったオレが超科学のチート人工知能の超美女とともに文芸復興を目指す物語。

あっちゅまん

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空中戦

第227話 空中戦『天地展開』

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 そりゃさ……。

 オレのいた時代は科学全盛の時代でさ、『魔力』はその存在さえなかったんだよ……。

 そんな時代から冷凍睡眠されてきたオレに『魔力』なんて、あるはずないだろ?

 魔力ゼロだよ!

 ゼーロ!!



 オレの周りでパタつく闇のカラスどもを払いのけようとするが、魔力の塊であるカラスに触れることさえできなかった……。


 (マスター! カラスどもの解析が完了いたしました!)

 (おお! アイ! ……解析完了はいいけどさ。こいつらがオレの魂とか生命エネルギーとかを吸い取るような魔物だったら、危なかったんじゃあないか?)

 (いいえ。マスター。魔力で他のエネルギーに変換されたものは物理防御か、電磁気バリアで防ぐことが可能です。それをすり抜けてくる時点で『魔力』そのものをぶつけてくる攻撃だということは確定しておりました。つまり、魔力は魔力に影響するもの……。マスターやワタクシたちのような旧世界の遺物たる者にはその攻撃は無効であります! ……ですが、それをお伝えする時間がなくてマスターを不安にさせてしまいましたね。申し訳ありません。)




 (いや……。まあ、いいんだよ。オレもちょっとびっくりしただけだから……。それにしても、こいつらをどうやって追っ払えばいいんだ?)

 (イエス! ダブルフォトン(二重光子)によるフォトンバリアを生成し、反発させれば、闇のカラスは99.9%の確率で消滅します!)

 (ダブルフォトン……って?)

 (はい。光の粒子、フォトンを強い力によって二重光子とした光エネルギーによる防御シールドを生成します。)

 (お……、おぉ……。)



 まあ、なんでもいいけど、フォトンバリア……だな。


 「フォトンバリアァーーーッ!!」

 オレがそう叫ぶと、オレの体全体が光の重粒子で作られたバリアに包まれた!



 「カァカァアアアーーーッ!?」

 「クァアアーーッ!!?」

 カラスたちが鳴き声を上げ、弾き飛ばされ、消滅していく……。

 そうか!

 闇の魔力は光に弱いのか……!?



 「なん……だと!?」

 アスワングが自分の闇の魔法が破られたことに驚いている。


 「おお! ジン殿! 聖なる魔力で光のシールドを張ったのだな! さすがだ!」

 「ジン殿……! あれはレベル6の光魔法『聖者の行進』か……!?」

 アテナさんとグラウコーピスさんも驚きを隠せない。


 「いや……。『聖者の行進』は私も使うが……。それとは威力が違うような……?」

 エリクトニオスも光魔法の使い手なのだ。



 「もしや……!? レベル7の光呪文・光の防御壁・バリアの上位呪文『イッツミーオオロード』なのでは!?」

 ニーケさんが思い出したように指摘する。

 「おお!? 『イッツミーオオロード』か!? そんな上級呪文……。さ……、さすがはジン殿……。」

 「本当ですね……。レベル7の光魔法……。英雄レベル……、まさにアテナ様と同じか、それ以上ということに……!」

 「ジン殿はやはり底が知れぬ御方ですなぁ……。」

 「すごっ! やっぱジンさん、すごっ!」


 アテナさんたちのオレへの評価が勝手にどんどん上がっていくぅ!

 いや……。

 魔力ゼロなんですけどっ!



 「なに……を、してくれたんあだぁーー!? 私の可愛いカラスたちを……。」

 アスワングが怒りに身を震わせ、オレのほうへ向かってきた。


 『鬼のパンツは いいパンツ! つよいぞ~! つよいぞ~! トラの毛皮で できている! つよいぞ~! つよいぞ~!!』

 アスワングが吸血鬼の強化呪文『鬼のパンツ』を唱えた。

 アスワングの身体が一回りも大きくなり、その手に翡翠の剣を握り締め、切りかかってきた。

 なんとも怪しげな妖気を放つ剣だ……。



 だが……! 

 オレにもアダマンタイト・ソードがある……。

 そして、この剣の刀身にダブルフォトンを集中させ……。


 「ダブルフォトンソードォォォーーーーーッ!!」

 オレはその剣を一閃した!



 オレとアスワングが空中で交差して双方が反対へ行きすぎ、停止した……。

 そして……。

 アスワングが振り返る。


 「き……、きさま……! とんでもないヤツだ……ったわ……。ぐはぁっ……っ!!」

 アスワングの身体が真っ二つに裂けていく……。



 「こ……、こうなったら、きさまも道連れじゃあぁああああああーーーっ!!」

 アスワングが最後の魔力を振り絞り、オレ目がけて突っ込んできた!




 「こ……、このドぐされがぁーーああああああっ!!! よくもワタクシの大事な御方に!! マスターに向かってとんでもないことをしてくれたわね!?」

 すると、そのアスワングとオレの前にアイが割り込んできたのだ!

 そして、アスワングを超ナノテクマシンの巨大シャドウアームで掴むと、一瞬にしてシャドウアームの両手で握りつぶした……!


 「ぷぎゃ……!!」


 ドグシャッ……

 シュゥゥウウウ……




 アスワングをアイが葬り去ったときとほぼ同時期、猿に似た吸血コウモリ・ラングスウィルと人の顔をした巨大なコウモリ・ウプイリが、体勢を立て直し、イシカとホノリに向かって再度、突っ込んできたところだった。

 だが……。


 「「ワーン……パァーーーーンッチィーーーッ!!」」

 二人が揃って吸血鬼どもの魔核のある心臓を貫くパンチを繰り出し、一撃で消滅させたのだ。


 「ぐぎゃはははぁっはぁ~~~んっ!!」

 「くぅっふふふふぅううーーーん!!」

 二匹はなぜか嬉しそうに断末魔をあげて消滅していった……。



 オレたちはその勢いのまま、『トゥオネラ』の街の地上へ降り立った。

 上空ではアテナさんたちがまだ吸血鬼どもと乱戦になっているのが見える。


 「ジン殿! 卿らはそのまま『トゥオネラ』のトゥオニ王らを探索してくれ! 私たちはこのまま空中で吸血鬼たちを足止めします!!」

 「アテナさん! わかりました! では、空の戦いはおまかせします! アテナさんたちもお気をつけて!!」

 「ああ! ジン殿らも……、ご武運を!!」

 アテナさんたちは空中でそのまま戦って地上のオレたちを後追いしようとする吸血鬼どもを足止めしてくれるというのだ。

 たしかに……、この死の街『トゥオネラ』の中心はこの街の王トゥオニ王その人というわけだからな。

 天をアテナさんたちのパーティーが……、地をオレたちがそれぞれ分かれてそのボスを倒す……ということになるな。



 *****




 一方、その頃……。

 はるか上空をものすごい速さで飛んでいる蛾の化け物がいた。

 吸血蛾・モスマンである。



 「もうすぐ……。『ジュラシック・シティ』に着く……はずで?」

 モスマンがつぶやいた。

 だが、モスマンの行く先に見えてきたのは……。

 とてつもなく巨大なクレーター……、『チクシュルーブ・クレーター』であったのだ。



 「こ……、これは!? いったい、どういうことなんでぇ……?」

 モスマンは眼前の光景を見て、自身の目を疑ってしまったくらいだった……。



 「ジュラシック・シティはいったいどうなったというのでぇ……!?」

 「ふふふ……。あの恐竜種どもは我が主が滅ぼされたのだ……。街ごとな……。」

 モスマンの背後から声がした。

 驚いたモスマンが振り返ると、そこには巨大なフクロウが大空に静止してモスマンをじっと覗き込んでいたのだった……。




 「な……!? おまえは……!?」

 「貴様は『不死国』の者だな……? 生きて帰すわけにはいかないな……。」

 「なんだと!? 魔獣ごときがあっしを? てやんでえ! ばーろーめ!!」




 モスマンがその目をギラギラと赤く輝かせたのだったー。




~続く~

©「聖者の行進」(曲/アメリカ民謡 詞/アメリカ民謡)
©「イッツミーオオロード」(曲:黒人霊歌/ 詞:黒人霊歌)
©「鬼のパンツ」作詞者不詳・L.デンツァ作曲





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