黙示録戦争後に残された世界でたった一人冷凍睡眠から蘇ったオレが超科学のチート人工知能の超美女とともに文芸復興を目指す物語。

あっちゅまん

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空中戦

第228話 空中戦『天空飛翔』

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 コタンコロはモスマンを見て、こう思う。

 「ご主人様に以前、お話していただいた物語にあったような……。こんなモンスターが実際に存在するとは、まさに都市伝説だな……。」

 コタンコロは思い出す。



 『這い寄る吸血蛾 』モスマン……。

 1966年ごろアメリカ合衆国ウェストバージニア州ポイント・プレザント一帯を脅かした謎の未確認動物(UMA)である。

 宇宙人のペットであるとの説(エイリアン・ペット説)もある。

 そんなモスマンが、目の前のフクロウの魔獣に向かって、敵意をランランと示している。



 「喰らえぇ! 吸血エナジードレイン! 『ニーナの死』だっ!!」

 『二日経れどもニーナは目ざめず、日かげ眉を照れど覚めず。わが笛に覚めずや。目覚めずやニーナ、目覚めずやニーナ、覚めて再び笑まずやニーナ。覚めなばいかにうれしからまし。覚めよやニーナ、覚めよやニーナ!!』

 レベル4の闇魔法、エナジードレインの魔法だ。

 闇の黒い霧がコタンコロを覆い隠す……!





 だが……! 

 コタンコロは平然としている!

 魔力を源とするこの世界の生物はこの呪文によって、その生気を吸われて力を失うはずだったが、コタンコロは旧世界の遺物なのだ。


 「超電磁砲ぉーーーーーッ!!」

 コタンコロがそのクチバシを開け、超絶攻撃をモスマンにお見舞いした!



 「な……っ!? なんだってぇえええええええーーーーっ!?」

 モスマンが断末魔をあげ、消滅していった。


 「さて……。我が主のもとへ早く帰りたい……が、あそこで争っているヤツラも気になるところではあるな……。」

 コタンコロが視線を向けた方向は、『ウシュマル』の街がある方向だった……。


 ****





 「マスター! あそこに地下への入り口があります! おそらく中に『トゥオネラ』の王たちがいるかと思われます!」

 「アイ! でかした!」

 地下への扉があるほうへオレたちはすかさず向かう。

 そんなオレたちに空中から、白鳥の魔物たちが無数に襲いかかってくる!



 ビシッ!

 バシュッ!

 バキ……


 「ここはイシカのまかせるのであるゾ!」

 「ここはホノリにまかせて先に行くのだっ!」

 イシカとホノリがその白鳥たちを乱舞して払い落としていく!



 「イシカ! ホノリ! 後からついて来るんだぞ!」

 「イシカもホノリもありがとうねー!」

 「イシカ! ホノリ! 頃合いを見て地下へ来るのですよ!」

 オレとアイ、ヒルコは先へ急ぐ。

 地下への扉をヒルコが浸蝕させて溶かして、穴を空けた。



 「ほーい! じゃあ、行くよー!」

 「よし! オレたちも行こう! アイ!」

 「イエス! マスター! イシカとホノリ以外が接触したら警報を鳴らすようにセンサーを仕掛けていきましょう! これで後顧の憂いを断ちます!」

 「おお! さすがはアイだな!」

 「くっふぅ!! マスター! 嬉しきお言葉です!」

 アイがその頬を赤らめて嬉しそうに言う。



 ****





 大空では、アテナたちが吸血鬼どもと攻防を繰り返していた。

 「ミューゼスたちよ! 上級バフを!」

 「「アテナ様! かしこまりましたわ!!」」


 アテナの影でもある『聖なる工芸の九柱神(ミューゼス)』たちが、一斉に呪文を合唱する。

 「レベル6の上級バフ呪文『仰げば尊し』を唱えます!」

 名前の意味は「多くの讃歌」であるポリュムニアーが応える。



 『仰げば 尊し 我が師の恩! 教えの庭にも はや幾年! 思えば いと疾とし この年月! 今こそ 別れめ いざさらば!!』

 複数メンバーで重ねがけする上級バフ(全味方の精神・魔力・肉体強化)呪文で、威力は『歓喜の歌』に匹敵するのだ。

 『歓喜の歌』はニーケの得意呪文だ。

 アテナやエリクトニオスらに、強化の効力が包み込む。



 「いざ行かん! ピグチェン竜公よ! 覚悟ぉ!」

 「アテナ様に続けぇ!!」

 「うおおおーーーっ!」




 そこに空を切って立ちふさがったのは、

 空飛ぶ吸血ガエル Vampire Flying Frog(ヴァンパイア・フライング・フロッグ)。

 フィリピンの神話に登場する妖怪で、胎児の血を吸ったりするというマナナンガル。

 フィリピンの土着伝承で鳥のような姿をした吸血鬼ワクワク・ティクティック。

 巨大な鳥やコウモリに化けて胎児を殺してその血液を吸うというエケクたちである。

 「グァッグァッ……!!」

 「ふふっふっふ……。」

 「ワクワクすっぞぉ!!」

 「エック、エック、エック!!」

 恐ろしい吸血鬼たちが一斉にアテナたちに襲いかかる……!



 「お任せあれ! アテナ様!」

 フクロウの騎士グラウコーピスが、その翼を広げ大空を翔けていく!

 翼を広げ滑空して斬りつける。
 

 「そこのカエルよ! アテナ様に仇なす者は我が……!」

 「なんだグァッグァッ!? このフライング・フロッグ様の舌の攻撃を喰らえっ!」

 フライング・フロッグがそのカエルの顔から、巨大な長い舌を伸ばし、グラウコーピスに襲いかかった!



 「斬る!!」

 グラウコーピスの目にも留まらぬ剣閃がその舌を切り飛ばし、切断された舌が地面へ落ちていく……。

 「グァァアアアアアアアーーーーーッ!! な……、なにをしやがるるるる……ふしゅるるるぅ……!」

 グラウコーピスにその舌を切られ、血を吹き出しながらフライング・フロッグが叫ぶ。


 「ふん……。吸血カエル風情が……! 何をするだと? その肉の一片も残さず消し飛ばしてやろう!」

 「グァッ! グァッ! 俺はかの邪神バイアティス様の血に連なる眷属ぞ!? フクロウごときにやられる俺様ではないわ!」

 グラウコーピスはさらに剣を構え、こう言い放った。

 「死の象徴・知恵の象徴・闇の象徴たるフクロウの剣技・『ミネルヴァ法剣』ーーーーーっ!!」




 どぐわっ……

 ぶしゅぅーーーーっ!!

 ヴァンパイア・フライング・フロッグがあわれカエルのミンチになって、地上へバラバラと落ちていく……。

 その魔核も粉々に切り裂かれ、二度と復活できないように……。

 まさに『死の象徴』の剣であった。



 それと同時に、マナナンガル、ワクワク・ティクティック、エケクたちが、一直線にアテナのほうへ襲いかかってきた。

 「うふふふふ!! さあ、死になさい!!」

 「おら、ワクワクすっぞぉおおおおおおるるっるるぅっ!!」

 「エック、エック、エケケケケケケッ!!」

 アテナが吸血鬼たちに狙われ、取り囲まれ……たかに見えたが、一定の距離から近寄ることができない……?



 「え……? え?」

 「どういうことだ? おら、わっかんねぇぞぉ?」

 「エケケケ……?」



 「レベル5の土魔法・砂嵐呪文だ! 『海は荒海、向こうは佐渡よ、すずめ啼け啼け、もう日は暮れた、みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ!』っ!」

 エレクトニオスが密かに呪文を唱えていたのだった。

 砂の嵐が吸血鬼たちの接近を防いでいたのだ。



 「エリクトニオス! さすがね!」

 「いやいや……。とりあえず、こいつらは私が引き止めておきますゆえ、アテナ様は……、ピグチェンのヤツを!」

 「わかったわ! 任せなさい! おいで! ペガサス!」

 アテナが呼びかけると、空からペガサスが駆け下りてきて、アテナをその背に乗せたのだった。


 アテナが白い翼の天馬をさっそうと翻らせ、さらに上空へ飛んでいく。



 「アテナ様を頼んだよ! ニーケ!」

 「まっかせなさい! エリクトニオスも、グラウコーピスもご無事で!」

 「だーれに言ってんだって……。」

 「ふふ……。勝利の女神ニーケちゃんがいる限り! アテナ様に……、勝利は微笑むのだ!」



 そして、ニーケもペガサスに乗り、アテナを追いかけていくのであったー。




~続く~

 ©「ニーナの死」(曲:ペルゴレージ、チャンピ/詞:吉丸一昌)
 ©「仰げば尊し」(曲:文部省/詞:文部省)
 ©「歓喜の歌」ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章で歌われ、演奏される第一主題(作曲:ベートーヴェン/作詞:シラーの詩作品「自由賛歌」、最初の3行のみベートーヴェン)
 ©「砂山」(作詞:北原白秋/作曲:中山晋平・山田耕筰)

 ※『ミネルヴァの梟』は知恵と死の象徴。



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