【読者への挑戦状あり!】化け物殺人事件~人狼伝説・狼の哭く夜~

あっちゅまん

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エピローグ

エピローグ その1

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 雪山の向こうから、十数名の集団が姿を見せた。

 山岳救助隊のようだ。

 麓の村から派遣されてきた救助隊だった。



 その中には、かのアレクサンダー神父と同じ教会に属している神父の一団も含まれていた。

 そう……。アレクサンダー神父は言っていた通りで、村にはすでに教会の手の者が派遣され、警戒にあたっていたのだ。

 そして、その一団の中に、女子高生の姿があった。



 「おおーーいっ!! コンジ先生ぇーーーっ! 無事ですかぁーーーっ!?」

 そう、私ジョシュアでした。



 実は私はあの時、コンジ先生とカンさんの姿を見失った時、狼の襲撃を受けたのでした……。

 腕を怪我したのですが、上着を脱いで巻きつけ、それを噛ませて、狼には足蹴りを食らわせてやりましたよ。

 私は『霊悔永夢(レクイエム)』という実家の神社に伝わる謎の古武術の達人なのです。

 そう簡単に殺られたりしません!



 狼は私の上着と、地面に落とした荷物を奪って、吹雪の中に逃げてしまいました……。

 なんとか、腕に少し怪我はしましたが、狼の襲撃を迎撃した私。……ですが、狼との格闘で時間を取られてしまい、コンジ先生たちの姿を完全に見失ってしまったのでした……。

 さらに、その周辺の場所の雪も乱れてしまい、足跡を追うこともできません。

 なんとか探し当てた足跡は、来たときにつけてきた足跡でした。



 仕方なく、私は麓の村まで、引き返すことにしたのでした……。

 荷物もなくした私にとって、それが最良の判断だったのです。

 こうして、麓の村までなんとか引き返した私は、人狼を追ってきたという教会の神父さんたちと出会い、『或雪山山荘』の吹雪が晴れる8日後まで、村で待機していたのでした。

 なぜか、電話も繋がらなくなっていて、本当に心配しましたよ……。





 「ジョシュア! ……それに、ジニアスさんか!?」

 「ジニアスっ!!」

 「スエノ……! 無事……だったんだね……?」

 ジニアスさんも少し怪我をしていましたが、無事だったのです。




 「ここに来る途中、ジニアスさんが雪原の中を歩いているのが見えたのです!」

 「ああ。僕も方向がどちら向きなのか、わからなくなったのだが、急に晴れたのでなんとか麓に向かおうとしていたんだよ!?」

 「運が良かったんだな……。それにしても、ジョシュアくんがそこにいるってことは……?」

 「ああ。そうだ。そこに座り込んでいるジョシュアは……、人狼が化けたジョシュアってわけだ。」

 「え……!? ええ!? わ……、私!?」

 私は自分と全く瓜二つの姿をした人物を目の前にして、驚きを隠せませんでした。

 人狼が……?

 私に化けていた……!?





 私の姿に化けた人狼はぐったりしていました……。

 後ろ手に手錠をかけられ、座り込んでいました。

 どうやら、コンジ先生が人狼を確保したようですね。

 それにしても、私に化けるだなんて……。



 「コイツがジンロウですか?」

 神父の一人が近づいてきて問いかける。

 「ああ。そうだ。今はおとなしくしているようだが、気をつけろ? まあ、今はジョシュアに成り切っているから自分自身が人狼だったという事実にショックを受けているようだがな。」

 コンジ先生が答えた。



 「ところで、アレクサンダー神父の姿が見えませんが、彼はどこに……?」

 「そ……、それが、人狼に襲撃されたものと思われる。どこに行ったかはわからないんだよ。なあ? キノノウくん?」

 「ええ。ジェニー警視。ですが、彼は……、あそこにいましたね……。」

 そう言ってコンジ先生が指差したのは、『左翼の塔』の屋根でした。







 なんと……!

 『左翼の塔』の塔の先端、そこに突き刺さるようにして、神父らしき姿の者が見えます!

 建物の中からは決して見えない角度、また、反対の『右翼の塔』側からは後ろの方になり、完全に死角になっています……。

 また、この吹雪が止んだ今だからこそ、館から離れたこの位置で塔を見ることができ、神父がそこにいることが明白になったというわけです。


 さらに、その傍の屋根のくぼみに、ライフル銃とロープ銃、それにサーベルなんかも隠されているのが見える。

 どうやら、人狼はその奪った戦利品を、塔の屋根の上に隠していたようです。



 「オオ……。アレク……。ハナモチならない野郎でしたが、亡くなったとは……。」

 「ええ。アレク……。イケスカない野郎でしたが、亡くなったのですね……。」

 「アレク……。決してニンゲンテキには好きではアリマセンでしたが、神の元へ旅立ったのデスネ……?」




 アレクサンダー神父と同じ教会に属している神父たちが口々に、アレクサンダー神父の死を嘆き……悲しんで……は、いませんね……?

 つーか、どんだけ、神父、嫌われていたんだよ!?

 なんだか、かわいそうになってきました……。


 まあ、私は一度もお会いしたことがなかったので、知らない人が亡くなったということで、あまり悲しくはなかったし、ショックも少なかったのでした。

 コンジ先生やジェニー警視らは、少なからぬショックを受けていらっしゃったようですが……。



 「くっ……。アレクサンダー神父……。結局、役には立たなかったが、やはり殺されていたか……。」

 「ええ。ジェニー警視。神父はずっと引きこもっていただけでしたね……。しかし、殺されたのは、まあ、かわいそうではあるな……。」

 いや……。そんなにショックでもなさそうですね。

 つか、どんだけ、神父、その死さえ忍ばれないのかって……。



 「ジニアス!! ……無事でいらしたのね?」

 「ん……。ああ。そうだね。なんとかね……。」


 ジニアスさんとスエノさんは後からコンジ先生に聞いたところによると、この惨劇の8日間の間に急接近し、恋仲になったそうです。

 ですが、この時のジニアスさんは、スエノさんに対して、なんだか少しよそよそしい感じがしました。

 それは、やはり、人狼に襲われた恐怖から……だと、この時はみんな、感じていました。




 教会のみなさんが、私・ジョシュアに化けた人狼……この時はもう無抵抗だったが、その人狼を檻に入れ、本国に連れ帰る準備をしていた。

 ジェニー警視は地元の警察へ指示を出し、すべての殺害現場と死体の確認、その他諸々の作業を取り仕切っている。

 アレクサンダー神父の遺体や武器なども回収され、すべてが警察に押収された……。



 そんな作業の時間もそう長い時間がかかることはありませんでした。

 ……というのも、今日この日を過ぎてまた明日になれば館は猛吹雪に閉ざされてしまうからです。

 最低限の重要なことだけを済ませ、待機する警察官の人を数名残し、その他全員が麓の村に下山することとなりました。




 で、その作業の間、コンジ先生は何をしていたかと言うと、ジニアスさんと何やら秘密めいたお話をしていたのでした。

 男二人で身を寄せ合って、いったい何の話をしているんだか……?



 「ジョシュア様……。」

 「はい? えぇ……っと、あ! メッシュさん……でしたっけ?」

 「はい。やはり、あのジョシュア様とはまったく別人……なのですね。」

 「そ……そうですね。私は『或雪山山荘』にはたどり着くことさえできませんでしたから……。」



 「でも……、その記憶と人格は完全にコピーされていたのですよね? ……ならば、ジョシュア様にまたあっしの料理を食べていただきたく思います。いずれ、またその機会を持たせて頂けるよう願っています。」

 「ええ!! もっちろんです! 私、メッシュさんの料理が美味しかったってコンジ先生が言ってらしたの聞き逃しませんでしたよ!? こちらこそ、ぜひまたの機会に……!!」



 そう言って、私はメッシュさんのほうをキラリと見つめ……。


 「美味しく食らわせていただきますわ!!」




 ……と、そうつぶやいたのでした-。




 ~続く~




 エピローグはもう少し続きます。

※名探偵「黄金探偵」コンジの第二作目にあたる、
『化け物殺人事件 ~フランケンシュタインシュタインの化け物はプロメテウスに火を与えられたのか?~』をエピローグ終了と同時に公開する予定です。

そちらもよろしくお願いします(*´∀`*)b


あっちゅまん
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