過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
76 / 492
第3章

75話 ゴブリンの反乱

しおりを挟む
 ……ん?
 なんか外が少し騒がしいな。

「いま何時だ?」

 隣を見るとロピが気持ちよさそうに口からヨダレを垂らしながら寝ている。
 ロピのスキルをモロに食らって俺は気絶していたのか。
 あのスキルは見た目は派手では無かったが、実際食らってみると、凄さが分かった。

「あの電気は凄かったな……」

 第三者から見たら、俺が石を触っていきなり倒れた様に見えるが、実際は触った瞬間に手から全身に流れた感じになりいきなり力が抜けた。

「モンスターに効くか分からないが、人間に対してはかなり強いな」

 スキルについて考えていると、更に外が騒がしくなってきた。

 チルはベットに居ないけどトイレか?

 窓から見える景色はまだ暗い。
 だが、外からは走る音が聞こえたり偶に悲鳴的なのも聞こえる。

「なんか、ヤバそうだな……」

 俺はスヤスヤ眠っているロピを起こす。

「ロピ、起きろ」

 ロピは俺の掛け声にガバッと起きた。

「お兄さん、身体大丈夫!? 私のスキルの所為でゴメンね!」

 俺がスキルを試して見ると言ったのに、ロピは相当落ち込んでいる様子だ。

「気にするな。それよりも、なんだか外の様子がおかしい」
「え?」
「偶に、悲鳴や走る音が聞こえるんだよ。そして、チルが居ない」
「チルちゃん!」

 ロピは部屋中を見て回るがチルが居ない事に気付く。

「お兄さん、大変! チルちゃんどこにも居ない!」
「トイレは?」
「居なかった」

 一体チルはどこに行ったんだ?

「ロピ、とりあえずチルの分も含めて荷物をまとめてくれ」
「わ、分かった」

 ロピは慌てて、荷物を纏め始める。
 俺は、そっと部屋のドアを開けてディング宅に異変が無いか確認する。
 耳を澄ませると食堂の方が騒がしいので慎重に確認しに行く。

 食堂を覗き見ると、ディングの他に何人かのオーク達が騒がしく話し合いをしている。

「なんでこんな事が起きた!!」

 ディングは戦闘の準備をしているのか、家にある武器を集めてオーク達に装備する様指示している。

「分かりません! ただ、仲間のオーク半分はゴブリン共にやられました」
「クソが!! グダの野郎! 絶対許さん!」
「ディング様! こちらは半分減ったとしても、十人以上は居ます。ゴブリンが何人居ようが返り討ちです!!」
「「「そうだそうだ!」」」

 ディングは爆発寸前で、いつ怒りが爆発するか分からない状況に見える。

「ゴブリン共は、どうやって俺達同胞を倒した! 普通に戦えば俺達オーク族が負けるはずがないッ!」
「恐らく、寝込みや食事に毒を盛られたのが原因かと……」
「ますます汚らしい手口を使う奴らだ!! 同胞の仇はゴブリン共を皆殺しにする事によって晴らすぞ!!」
「「「「おう!!」」」」
 
 なんか、ヤバそうだな……。
 ディングは怒りが頂点に達しているのか、俺達の事は頭に入って無いらしく他のオークを連れて家から飛び出して行った。

 俺は急いでロピのいる場所に戻ると、ロピは荷物をまとめ終わり家を出る準備などを全て終えていた。

「お、お兄さん凄い勢いでオーク達が家から出て行ったけど、何があったの?」

 ロピは心配そうに聞いてきた。

「どうやら、ゴブリン達が反乱を起こしたっぽい……」
「反乱?」
「まぁ、ディング達オーク族がグダ達ゴブリン族に対しての態度とか扱いを見ていれば、別に不思議な事では無いが、とうとう何かがキッカケでオーク族に対しての不満が爆発したんだろう」

 恐らく、人間族の住処がモンスター達に壊滅状態にされたと言う話がキッカケだと思う……。

 グダ達が人間族の住処を偵察したのだろう。そこで、人間族は魔族を買い取るとか、そういう次元まで街の修復が追いついて居ない為、グダ達は魔族が売れないと判断したうえで反乱を実行したんだと思う。

 魔族を売り払ったお金でゴブリン達の食料を賄おうとグダは考えていたのだろう。
 だが、実際に売れないとなると、ゴブリン達が食べる分の食料が賄え無いので、後はオーク達をどうにかするしか無いという事だな……。

 いつか、こうなるとは思ったけど、まさかこのタイミングかよ……。巻き込まれない様に明日にはこの村を出るつもりだったのに。

「ロピ、チルを探すぞ!」
「うん!」
「ここからは、訓練でやってきた様に気配を消してチルを探す。チルがどこに行ったか心当たりはあるか?」
「うーん、どこだろう」

 俺とロピは二人して少しの間チルの行きそうな場所について考えた。そして、同じタイミングでチルの行きそうな場所に一つ心当たりがある事を思い出す。

「「あ!! 魔族の所!」」

 ロピと同時にチルの行きそうな場所を叫んだ。
 恐らくチルは牢屋に囚われている魔族の所に行ったんだろう。
 この前行った時は熱心に魔族の事を観察していたし、魔族を助けたいとも言っていた。

「チルは、一体どれくらい前に魔族の所に向かったんだ?」
「わ、分かんない。私は寝ちゃってたし……」
「何も無ければいいが」
「お兄さん、チルちゃんを早く探しに行こう!」
「そうだな、一度牢屋に行ってみよう」

 俺達は、チルを探す為に牢屋のある建物に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安
ファンタジー
ごく普通のフリーター・岩倉運命は謎の少年に刺され、命を落としてしまう。そんな岩倉運命だったが、サダメ・レールステンとして転生を果たす…

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...