過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第3章

85話 戦闘が終わって……

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 オーク族の長であるディングがこちらにやって来た。

「アトスよ今回の事は、なんてお礼を言ったらいいのか」
「オーク族は大丈夫か?」
「あぁ。何人かは怪我をしたが、小型との戦闘による死者は出ていない。本当にありがとう」

 ディングは真摯にお礼を言ってくる。

「これからどうするんだ?」
「うむ。この村で再び再興していこうと思っている。グダが担当していた仕事も今後はオーク族でやっていくつもりだ」

 今までは、生活面ではゴブリン達に頼っていた為最初は苦労しそうだな。

「まずは、小型に壊された建物や柵などを直すしかないな」
「大変だと思うが頑張ってくれ」
「おう! 力だけはあるからな!」

 ディングは筋肉を見せつける様にポーズを取る。

「アトス達はこれからどうするつもりだ?」 
「二人のスキル儀式も終わったし自分達の家に帰るよ」
「そうか。ここの近くに寄ることがあれば是非顔を見せに来てくれ! 今は無理だが最高級のおもてなしをしよう」
「あぁ。そうさせて貰う」

 辛い出来事だと思うが、オーク族達はみんな前向きに村の復興の為動いている。小型との戦闘が終わったばかりだと言うのに疲れた様子も見せず働いている。

「オーク族はタフな奴らが多いな」
「おう! それはオーク族の特徴でもあるぜ」

 ディングも戦闘中やゴブリンとのやり取りの時は鬼の形相だったが、今は現実を受け止め前を向いている。

「そういえば、グダ達ゴブリン族はどうしたんだ?」
「分からん……。ゴブリン共は小型が現れた瞬間、俺達に背を向けて逃げ出しやがった」

 あれは、恐らくグダが計画的に小型をこの村に招き入れたのだろう。

「ゴブリン共の捜索はもちろんするつもりだが、やはり村がこの状況では探すのに人数を充てる訳にはな……」
 
 確かに。ただでさえゴブリンの策略によって同胞達も少なくない人数やられ、更に村を復興するなら探索に人数を充てる事は出来ないだろう。

「同胞達がやられた事は確かに許せない……」

 亡くなった仲間達の事を思い出したのだろう。とても悲しそうな表情をした後に怒りの形相になる。そして少し諦めた様な、なんとも言えない表情に戻る。

「だが、今は生きている同胞達が大事だから、村復興に力を入れるさ」
「そうか」
「何かアトス達にお礼がしたいところだが……」
「気にするな。もし気にするなら、あの魔族を貰っていくつもりだがいいか?」
「あぁ。もちろんだ」

 今更リガスの事で文句を言わせるつもりは無いが念の為聞いたら、快く承諾してくれた。

「それじゃ、俺達はそろそろ行く」
「そうだな。あまりアトス達を引き止めても悪い、気をつけろよ!」

 こうして、俺達はオーク族の村を後にした。オーク族総出で見送られ、村を出る際は一人一人からお礼を言われた。


「お兄さん、これからどうするの?」

 オークの村を離れて、木々が生い茂るジャングルを歩いているとロピが聞いてくる。

「家に帰ろうと思っているぞー」
「そっかー。これでグッスリ寝られるねー。他の場所だと熟睡出来なくて」

 ロピは十分熟睡していたと思うが……。

「そういえば、リガスのスキルって何だ?」
「ほっほっほ。実はあの小型との戦闘まで私自身スキルを持っていないと思っていました」
「持っていない?」
「そうです。まだ私が子供の頃にスキル儀式をしたのですが、スキルが発現しなかったんですよ」
「へー。そんなことあるんだー」

 ロピは不思議そうにリガスの話を聞いている。

「ほっほっほ。でも魔族だったからなのか戦闘で困った事はあまり無いですな」
 「なんで、魔族さんは自分のスキルに気付いたの?」
「あの小型との戦闘時に落ちていた盾を拾った瞬間頭の中に入ってきた感覚でしたね」

 リガスのスキルは通常の三つのスキルに該当されない為恐らく特殊スキルなのだろう。特殊スキルと言えば、凄い珍しい。俺のSランクスキルも相当珍しいが、リガスが所持している特殊スキルはそれ以上に珍しいとシクに習ったな……。

「魔族さんの、スキルは結局なんなの?」
「ほっほっほ。敢えて名前を付けるとしたら、【盾の極み】といいますかな」

 盾の極みか。なんかカッコいいな。俺の心をくすぐるぜ!

「リガス、なんかそのスキルカッコいい」
「ほっほっほ。チル様ありがとうございます」
「そのスキルはどんな能力を持っているの?」
「盾を使った防御がとても上手くなるらしいです。そして何個かの盾に変形させる事ができるみたいですな」

 変形? なんだよそれ! リガスのスキルいいなー!!

「リガス、盾の変形って?」
「まだ、全ては分からないですが先程使用した大きい盾に変形したのが一種類目ですな。どうやら衝撃に強い盾らしく小型の攻撃を受けきれました」
「そう! 魔族さん一人で小型の攻撃を受け切った時は本当に驚いたよ!」

 確かに、あの小型の体当りを一人で受け切った時は俺もかなり驚いた。やはり特殊スキルって言うのはずば抜けて性能が良いのかもしれないな。

「リガス、他の変形スキルはどんなの?」
「チル様、それは後のお楽しみと言うことで」

 リガスは主人であるチルにウィンクしながら微笑んだ。

「よし、仲間も増えた事だし家に帰るか!」
「はーい!」
「分かりました」
「ほっほっほ。皆さんこれからよろしくお願いします」

 こうして、ロピとチルのスキル儀式も終わり、俺達は家に帰る事にした。
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