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第6章
202話 不穏な気配……?
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今私の目の前には何人ものの人間が列を組んでジャングルを歩いている。
これから、二度目の遠征に向かう為に現在危険地域を目指している。
「一体、この中の何人が生き残れるやら……」
周りに聞こえない様に小さく呟く。
「おい、聞いたか?」
周りの誰かが何やら話し始めた。
「何をだよ?」
「前回の遠征で、今回と同じ位人数居たらしいが殆どがモンスターに食われちまったってさ」
「ハッ! 弱かっただけだろ?」
「いや、その中にはあの雷弾と剛力、鉄壁も居たってさ!」
「なら、そいつらの噂もデマだったんだな。その場に俺が居ればモンスター達を皆殺しにしてやったぜ」
男の一人は余程自信過剰なのか、言う事や態度がとてもデカい。
「今回、私は体力温存の為モンスターが出ても戦わないがな……」
ん? そういえば、雷弾達も全然戦っていなかったな。その時は、私も先程の男と同じで噂が大きく広がっただけで、実際は大した実力は無いと考えていたのだが、もしかして今の私と同じ事を……?
「いや、流石に無いか」
どうせ、もう死んでいると思い私は雷弾達の事を考えるのは止めた。
「よーし、今日はここで、野営の準備をする」
そう言って副官の号令で、私達は前回同様野宿の準備を行った。今回も食料や水はリンクス達が用意してくれたらしい。
「遠慮なく頂くか」
もしもの為にと非常食なども持ってきたが、これは本当に危なくなった時だけだな。
「お、おい。女一人だと不安だろ、俺達の所に来るか?」
「……はぁ」
私が準備などしていると、人間族の男が近付いて来て私に声を掛けてきた。
チラリと男の様子を観察すると、上手く隠しているつもりかもしれないが、私には分かる。
男は上から下まで私を舐め回す様に観察して最後は私の容姿で視線が留まる。
「ここはモンスターも危ないが、他にも危険な事がいっぱいだぜ?」
紳士的な笑顔を浮かべているつもりだろうが、私から見たら人間族の笑顔なんて全て醜悪な笑いにしか見えない。
「いや、結構だ。これでも武道の心得はあるので、何かあっても一人で対処出来る」
私は素っ気無い態度を示す。
「そんな事言うなよ。見張りだって俺らがやってやるから」
一度断られているのに、それでも諦められないのか男は食い下がる。
「はぁ……お前もしつこいな。必要無いと言っている」
これが親切心で言っているなら、私だって心がある分嬉しいが、人間族の男なんて全てが私の身体目的なのは明確だ。
「ッチ!」
私がハッキリとした態度で断った為、流石にそれ以上は絡まず自分の野営地に戻って行く。
だが、これが人通りの少ない場所だったりしたら、私達エルフは襲われていただろう。
「ここからは、モンスターだけでは無く、人間族にも注意しないとな……」
一人で遠征に参加した時から覚悟はしていたが、やはり宝箱を手に入れるのはなかなかに難しそうである。
私は無意識の内に胸に手を入れてトラクから貰った首飾りを握りしめる。
「絶対に生きて帰ってやる」
それから私は周りに気を張りながら眠りに就いた……
「全員起床!!」
副官の声で私は目を覚ます。夜の間に何度か足音が近付いて来る音が聞こえ、その度に寝返りなどうったりすると、去って行ったが、ゆっくりと寝る暇も無いなんてな……
「全員準備して出発する!」
私達は荷物を纏めて二日目の移動 行進を行う。前回はモンスターが異常に多くなる区域まで四日の行程が掛かり、その後更に三日進んでモンスター達の軍団に遭遇し引き返した。
「後は、三日で取り敢えず危険地帯の入り口に着くって事だな」
ここから危険地帯までは、前回もそうだったが、そこまでモンスターが多く無いので楽であったが、危険地帯になった瞬間モンスターの気配があちこちから感じ取れた。
「やはり、今は体力温存が正解だな」
私は周囲に気を配りながら、一歩一歩確実に足を進めていく。
「ッチ、なんだよ全然モンスターが現れねぇーな」
「本当だぜ。拍子抜けも良い所だ」
今回初参加の者達はモンスターが現れない為物足りないらしい。恐らく、前回の遠征時にも居たが、モンスターを一体でも多く倒して宝箱を貰う配分を増やしたいのだろう。
「そんな事を言ってられるのは今の内だな……」
この場で前回の遠征を知っている者は私とリンクス達とドワーフ達だけで、後は新規に参加した者達だ。
まだ、一度もモンスターが現れてない為、どれ程の実力者達が集まっているかは分からないが、恐らく前回よりも質は落ちているだろう。
「モンスターが出たら俺がバンバン倒してやるぜ!」
「馬鹿言え! 俺にやらせろ」
「雑魚どもは引っ込んでな!」
「「「あははは」」」
これから地獄を見るとは知らずに面白おかしく騒いでいるな。だが人間族の男がどうなろうと私には関係無いし、なんならこの遠征で捕食されて欲しいくらいだ。
それから二日目も三日目も四日目も危険地帯に着くまで結局一度もモンスターと遭遇する事は無かった。
何か変だと感じていたが、私以外は特に気にしている者は居なかった……
これから、二度目の遠征に向かう為に現在危険地域を目指している。
「一体、この中の何人が生き残れるやら……」
周りに聞こえない様に小さく呟く。
「おい、聞いたか?」
周りの誰かが何やら話し始めた。
「何をだよ?」
「前回の遠征で、今回と同じ位人数居たらしいが殆どがモンスターに食われちまったってさ」
「ハッ! 弱かっただけだろ?」
「いや、その中にはあの雷弾と剛力、鉄壁も居たってさ!」
「なら、そいつらの噂もデマだったんだな。その場に俺が居ればモンスター達を皆殺しにしてやったぜ」
男の一人は余程自信過剰なのか、言う事や態度がとてもデカい。
「今回、私は体力温存の為モンスターが出ても戦わないがな……」
ん? そういえば、雷弾達も全然戦っていなかったな。その時は、私も先程の男と同じで噂が大きく広がっただけで、実際は大した実力は無いと考えていたのだが、もしかして今の私と同じ事を……?
「いや、流石に無いか」
どうせ、もう死んでいると思い私は雷弾達の事を考えるのは止めた。
「よーし、今日はここで、野営の準備をする」
そう言って副官の号令で、私達は前回同様野宿の準備を行った。今回も食料や水はリンクス達が用意してくれたらしい。
「遠慮なく頂くか」
もしもの為にと非常食なども持ってきたが、これは本当に危なくなった時だけだな。
「お、おい。女一人だと不安だろ、俺達の所に来るか?」
「……はぁ」
私が準備などしていると、人間族の男が近付いて来て私に声を掛けてきた。
チラリと男の様子を観察すると、上手く隠しているつもりかもしれないが、私には分かる。
男は上から下まで私を舐め回す様に観察して最後は私の容姿で視線が留まる。
「ここはモンスターも危ないが、他にも危険な事がいっぱいだぜ?」
紳士的な笑顔を浮かべているつもりだろうが、私から見たら人間族の笑顔なんて全て醜悪な笑いにしか見えない。
「いや、結構だ。これでも武道の心得はあるので、何かあっても一人で対処出来る」
私は素っ気無い態度を示す。
「そんな事言うなよ。見張りだって俺らがやってやるから」
一度断られているのに、それでも諦められないのか男は食い下がる。
「はぁ……お前もしつこいな。必要無いと言っている」
これが親切心で言っているなら、私だって心がある分嬉しいが、人間族の男なんて全てが私の身体目的なのは明確だ。
「ッチ!」
私がハッキリとした態度で断った為、流石にそれ以上は絡まず自分の野営地に戻って行く。
だが、これが人通りの少ない場所だったりしたら、私達エルフは襲われていただろう。
「ここからは、モンスターだけでは無く、人間族にも注意しないとな……」
一人で遠征に参加した時から覚悟はしていたが、やはり宝箱を手に入れるのはなかなかに難しそうである。
私は無意識の内に胸に手を入れてトラクから貰った首飾りを握りしめる。
「絶対に生きて帰ってやる」
それから私は周りに気を張りながら眠りに就いた……
「全員起床!!」
副官の声で私は目を覚ます。夜の間に何度か足音が近付いて来る音が聞こえ、その度に寝返りなどうったりすると、去って行ったが、ゆっくりと寝る暇も無いなんてな……
「全員準備して出発する!」
私達は荷物を纏めて二日目の移動 行進を行う。前回はモンスターが異常に多くなる区域まで四日の行程が掛かり、その後更に三日進んでモンスター達の軍団に遭遇し引き返した。
「後は、三日で取り敢えず危険地帯の入り口に着くって事だな」
ここから危険地帯までは、前回もそうだったが、そこまでモンスターが多く無いので楽であったが、危険地帯になった瞬間モンスターの気配があちこちから感じ取れた。
「やはり、今は体力温存が正解だな」
私は周囲に気を配りながら、一歩一歩確実に足を進めていく。
「ッチ、なんだよ全然モンスターが現れねぇーな」
「本当だぜ。拍子抜けも良い所だ」
今回初参加の者達はモンスターが現れない為物足りないらしい。恐らく、前回の遠征時にも居たが、モンスターを一体でも多く倒して宝箱を貰う配分を増やしたいのだろう。
「そんな事を言ってられるのは今の内だな……」
この場で前回の遠征を知っている者は私とリンクス達とドワーフ達だけで、後は新規に参加した者達だ。
まだ、一度もモンスターが現れてない為、どれ程の実力者達が集まっているかは分からないが、恐らく前回よりも質は落ちているだろう。
「モンスターが出たら俺がバンバン倒してやるぜ!」
「馬鹿言え! 俺にやらせろ」
「雑魚どもは引っ込んでな!」
「「「あははは」」」
これから地獄を見るとは知らずに面白おかしく騒いでいるな。だが人間族の男がどうなろうと私には関係無いし、なんならこの遠征で捕食されて欲しいくらいだ。
それから二日目も三日目も四日目も危険地帯に着くまで結局一度もモンスターと遭遇する事は無かった。
何か変だと感じていたが、私以外は特に気にしている者は居なかった……
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