過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
297 / 492
第8章

296話 マーズからの手紙

しおりを挟む
 ニルトン達と戦った次の日に部屋をノックされる。

「どうぞー」

 返事と共に入って来たのはシャレだった。

「アトス、昨日はお疲れ様──悪かったな」

 少し申し訳無さそうな表情と共に部屋に入って来たシャレ。

「いや、気にするな──ああするしかあの場は収まらなかっただろうし」

 ニルトン達と戦う事が正解だったかは分からないが、あのまま勝負をしなかったら更に状況は悪化していた場合があるからな。

「エルフ達を説得出来そうか?」
「出来る──してみせるとも!」

 シャレは出来ると言い切る。

 そして、シャレは思い出した様に話し始める。

「あぁ──そういえば今日来たのは昨日とは別でな」

 何やら紙の様な物をシャレが俺に渡して来る。

「これは?」
「アトス宛の手紙だ──中身はまだ見てないが、マーズからだな」
「マーズ?」

 何故、マーズから手紙が来るか疑問に思う。

「あぁ、何やら緊急らしくてな──村の入り口付近に人間族が居ると話を聞いて迎撃する為に慌てて確認しに行ったら、一人の人間族がその手紙をアトスと言う者に渡してくれと言って渡して来てな」

 人間族がエルフ族の住処付近に来る事自体が略奪目的が殆どの為シャレ達は慌てただろうな……

「その人間族ってマーズだったのか?」
「いや、話を聞く限りマーズの部下の様だ──危なかったよ、私が止めないと殺されていたからな」

 今は特に色々とエルフ族と人間族の間にしがらみがあるもんな……

「その人間族はどうしたんだ?」
「緊急って事らしいからな──手紙だけ貰って帰って頂いた」

 ふぅ……シャレがその場に居なかったら、その人間族は……

 俺はその先を考えるのをやめて手に持っている手紙に意識を向ける、

「それで、そのマーズの部下が持ってきた手紙って言うのがこれか?」
「あぁ」
「緊急ってなんだろ……」

 俺は手紙の中身を開けてマーズから来た手紙を読むと、そこには驚く内容が書かれていた。

「──ッ!?」

 手紙を読み進める程に俺の表情が険しくなっていくのが分かったシャレは恐る恐る手紙の内容を聞いてくる。

「ど、どうした? ──何かマーズにあったのか?」

 人間族とは言えドワーフの村で一緒に戦った仲の為心配の様だ。

 すると丁度ロピ達も起きてきた様で三人が俺の部屋に来た。

「お兄さん、大鎌さんおはようー! 今日も……どうかしたの?」

 勢い良く部屋に入って来たロピだったが俺とシャレの雰囲気を察した様だ。

「丁度良かった──皆んなに話す事が出来たから聞いてくれ」
「アトス様、どうかされたのでしょうか?」
「ふむ。どうやら深刻な問題のようですな」

 俺はまず皆に一言、マーズが送って来た手紙の内容を伝える。

「近々、人間族が戦争を起こすらしい」
「「「「──ッ!?」」」」

 皆の表情が険しく変わる。

「どういう事でしょうか?」
「今日の朝、マーズの部下という者から緊急で手紙が届いた」
「手紙?」
「あぁ──そこには人間族が一年後に人間族以外の種族を奴隷にする為に戦争を起こすとマーズの手紙には書かれていた」

 奴隷という言葉に皆が表情を歪ませる。

「この手紙では手始めに獣人族とエルフ族、ドワーフ族など住処が分かりやすい所が狙われるだろうとある」
「……確かに我々エルフ族は住処を移動したりしない……」

 シャレが呟く。

「アトス様、獣人族は移動こそしますが人間族程では無いにしても母体数が多いので見つけやすいと思います」

 獣人族の状況をチルが教えてくれる。

「ならドワーフさん達は、なんで狙われるの?」

「ドワーフ達は住処の移動はするが、移動する場所は決まって同じ場所だからな、比較的に狙い易い」

 ドワーフの説明もしてくれるシャレ。

「マーズの方で確認出来た種族はその三種族だけらしいが、実際にはもっと狙われている種族があるだろうと書かれている」

 一度に大量の情報を与えられて、俺も含めて、この場の全員が黙り込む。

「ど、どするのー?」

 不安そうなロピの表情に俺はなんて応えれば良いか分からなかった。

「アトス殿──手紙には、何か指示みたいなのは書かれていたのですかな?」
「いや、ただ気を付けてくれとしか──恐らく危険が迫っている事を教えてくれただけだとは思うが、他にもドワーフのキルと獣人族達にも同じく手紙を寄越したと書いてある」

 マーズは情報を手に入れて直ぐにこの手紙を書いたのだろう。
 時々、字が崩れていたりする所を見ると、相当慌てていたのが分かる。
 

「た、大変だ……同胞を取り返すだけでは済まなくなって来たと言う事か」

 ポツリと呟くシャレ

「こうしては、居られない──皆に今の事を話さないと!」

 シャレは慌てて、部屋を飛び出していく。

 そして、一瞬だけ部屋に沈黙が流れて、ロピが口を開けた。

「お兄さん、私達はこれからどうするー?」
「うーん、どうするか……」

 俺が悩んでいると、チルが話しかけて来る。

「私はアトス様の判断に従います──もしアトス様が人間族と戦争をすると言えば全力で戦います」
「ほっほっほ。私もチル様の意見と同じですな──相手が誰であろうと我々家族の敵ならば戦うだけですな」
「わ、私もだよ! お兄さんの敵を私も倒す!」

 そう言ってくれる三人に感謝をしながら、俺はどうするか考え始めるのだった……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』 誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。 辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。 だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。 学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

処理中です...