過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第10章

408話

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「ん? お前アトスか?」
「よッ! ディング久しぶりだな」

 オークの村の前で騒いでいた為、村長であるディングが様子を見にきた様だ。

「おぉ……。おおッ!!!!」
「「!?」」

 ディングが少しの間を置いたと思ったら、いきなり大声を出し始めた。
 あまりにも大きな声にロピとチルがビックリしてお互い身を寄せあって抱き合う。

 そして、俺はディングと抱き合う……

「アトス、久しぶりだなッ!」
「いてぇーよッ! 加減しろ!」
「がははは、まぁそう言うな。俺はお前に感謝しているんだ、もう少しこうさせて来れ!」

 ディングの逞しい胸板に挟まれる俺は、抵抗してどうにか出来ると思っていないのでされるがまま身を任す。

「あはは、お兄さん喜んでくれて良かったねー!」
「ほっほっほ。これは面白い」

 クソ、あの二人……

「姉さんも、リガスも笑って無いでアトス様を助けないとッ!」

 唯一チルだけは俺の事を心配そうに見ながらオロオロする。

 やっぱりチルはいい子だ……

 チルはディングと知り合いの為、攻撃をして良いのか悩んでいる様子だ。

 結局俺はディングの気が済むまで、ずっと厚い胸板に押さえつけられる様にして抱擁を受けた。

「本当に久しぶりだな……それに……」

 ディングは一瞬だけ俺の無い筈の腕を見る。

「そうか……ここ最近噂になっている隻腕とはお前の事か?」
「え?」

 俺はまさか、ディング達の所まで噂が流されている事に驚く。

 そしてディングが説明してくれた。

「がははは。ここ最近、妙に噂を聞いてな──信じられない程強い四人組がいるってな」
「四人組?」
「あぁ、そうだ。その噂では二つ名でその四人の活躍を言い表していた」

 まさか、こんな辺鄙な所にも俺達の噂が?

「噂に出て来る者達はそれぞれ、隻腕、雷弾、剛腕、鉄壁と言われていたな」
「あはは。完璧に私達だねー」

 商人達は一体何処まで話しているんだらうか?

「アトス……頑張ったんだな」
「はは、まぁ……な色々あったよ……」
「かははは。立ち話もなんだし、入ってくれ。これまでの話を聞かせてくれよ」

 そして、ディングの前にリガスが姿を表す。

「ほっほっほ。お久しぶりです、あの時はどうもありがとうございますあなた方達のお陰でチル様に出会う事が出来ましたぞ?」
「そ、そうか。それなら良かった」

 いくら、副村長であるゴブリン族のグダが考えた作戦だとしても、ディングは村長として、その作戦を許している。
 その為、どうしてもリガスをボロボロになるまで放置したディングは気まずさを感じている様子だ。

 そして、恐らくリガスはそんなディングの心情を知って敢えてディングに近付いているのだろう。
 リガスの表情は実に楽しそうであった。

 リガスが一通りディングを揶揄った後は、ロピ達が挨拶をする。

「お久しぶりー! 元気してたー?」
「お久しぶりです」

 ロピとチルの言葉に反応したディングであったが暫くの間二人を見つめて、そして気がつく。

「アッ!? もしかして、この二人ってあの時の獣人のガキ達か?!」
「あはは、そうだよー!」
「あの時はお世話になりました」

 ディングは大きくなった二人にとても驚いている。
 それも、そうか……今では俺よりも全然身長が大きいロピとチルだが、当時はまだ俺の方が大きかった記憶がある。

 ディングは二人を懐かしむ様にして見つめる。

「がははは。これは驚いた。ここまで成長しているなんて思わなかったぞ。うん、実に大きくなったな」
「私達、獣人族は成長するのが早いんだって!」
「あの時は子供でした」

 俺から見れば、二人はまだまだ子供だけどな……

「ほっほっほ。私から見ればアトス殿も、まだまだ子供ですな」
「……俺の心を読むなよ」
「ほっほっほ」

 こうして、俺達は再会を喜び合う。
 そして、以前同様に村長であるディング宅にお邪魔する事になった。

「我が家だと思って寛いでくれ! それと、当分はこの村にいるんだろう?」

 ディングは、まるで友人の様に俺達に接してくれる。

「いや、用を済ませたら直ぐにでも立つよ」
「何を言うかッ! 折角再会したんだし、懐かしむ事は沢山あるはずだらう!」

 ディングの言葉に俺達は心が暖かくなるを感じた。

「はは、済まない。本当に急用なんだ──改めて、この村には遊びに行くよ」
「ぬぅ……それは……残念だ」

 本当に残念そうにしているディングを見て微笑む俺達は一息入れた後に現在起きている事を話そうと決める……
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