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第10章
423話
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「なんで居るんだよ……」
背後に居るチルとリガスの方を向くと、そこには傷だらけの中型がソコに居た……
俺の視線が自分達に向いて無い事に気が付いたチルとリガスが俺の視線を追う様に背後に振り向く。
「「ッ!?」」
二人は驚き直ぐに戦闘態勢を取ろうとするが、中型は既に攻撃モーションに入っていた。
「ガードッ!」
俺は少しでもチルとリガスへの威力を軽減させる為にスキルを発動させる。
そして、中型は俺達三人を纏めて尻尾のなぎ払いで吹き飛ばした。
「ック」
一昨日に引き続き、またもや中型の攻撃を直撃を受けてしまう。
イテぇーよ……
俺は吹き飛ばされながらも、二人の様子を見る。
すると、二人は俺のサポートもあってか、無事の様で、吹き飛ばされながらもも態勢を立て直しているのが見える。
流石だな……
そして、俺は木に激突してしまう。
「アトス様!」
「アトス殿!」
二人は俺と違い、綺麗に着地して俺の所まで走り寄って来る。
「大丈夫ですか?!」
俺は問題無いと伝える為、口を開くが前回同様、身体が動かない。
クソ……これじゃ、前回と同じじゃねぇーか……
チルは、どうして良いか分からず、俺の方を見ながら焦っている。
しかし、リガスは冷静で俺に怪我が無いかテキパキと見ている。
「ふむ、チル様。どうやらアトス様は大丈夫の様ですぞ」
「本当?!」
「えぇ。ただ、強い衝撃に加え、木にも激突された為、もう暫く動けないでしょ」
成る程……軽い脳震盪的なのになっているのかな?
現在、身体が動かず首を回せない為、目の前の光景しか分からない。
中型は何処にいる?!
俺が悩んでいると、目の前に移るチルとリガスの顔が急にぐるりと半周程回る。
何事かと考えていたら、どうやら中型が俺の倒れている位置まで移動して来た様だ……
「チル様、アトス殿を!」
リガスは素早く盾を構える。そしてチルは横たわっている俺を宝物でも扱うかの様に優しく持ち上げる。
「アトス様、少し揺れるかもしれませんが、絶対にあなたをお守りします」
そう言うと、チルは俺の事をお姫様抱っこの要領で抱き上げる。
「リガス、どうするの?」
「まずは、この中型の攻撃範囲から出る事だけを考えましょう」
目の前の中型は俺達の方を見下ろし、観察している様であった。
「なんで、攻撃して来ないの……?」
「……分かりませぬ、どうやら我々の事を観察している様子ですな」
中型からしたら、米粒の様に小さく感じるであろう俺達の事を、何故かジッと見ているのであった……
なんだか、分からないが俺達からしたら好都合!
俺、チル、リガスが中型に観察され続けている間に、どうやらロピ達の方は行動を開始していた様だ。
「……8……9……10」
ロピの姿は見えないが、その代わりバチバチと電気が放電している音が耳に届く。
「お兄さん達から離れてよ! ツェーンショットッ!!」
ロピが叫んだ後にバチバチと言う音がどんどんこちらに近付いて来るのが分かる。
明らかに食らってはいけない様な音がどんどん近付いて来る事に恐怖を覚えるが、ロピの狙いは俺達では無く中型だ。
ロピからツェーンショットを受ける相手は、いつもこの様な音を聴いているのか……
本来であれば、その様な事を考えるよりも、もっと他に考える事があるだろうと思うが、体が全く動かない為か、今は余計な事ばかりが頭の中をグルグル回る。
そして、ロピに攻撃された中型は、一瞬にして掻き消える様に移動し、ロピの攻撃を難なく避けた。
「あーッ避けられたよ!」
「雷弾、もう一度だ!」
「う、うん!」
ディングの言葉にロピは慌てて、次の攻撃の為のカウントを開始する。
しかし、ロピ一人だけで中型に攻撃を当てるのは無理だろう……
ロピのツェーンショットは確かに強力ではあるが、攻撃の軌道が分かりやすい為、中型の様な一瞬にしてマックススピードを出せるモンスターには、どうしても避けられ易い。
「ふむ。これは結構不味い状況ですな……」
リガスの言葉にチルは首を傾げる。
「アトス殿が動けない以上サポートは見込めませぬ。カネルが使用出来る時はどんな攻撃でも問題有りませんが、使用出来ない際は、いくら私でも攻撃を受け流す事が出来ませぬ……」
リガスの防御は鉄壁にして完璧だと思われている。
だがそうでは無い。鉄壁なのは、あくまでカネルを使用している時だけであり、カネルを使用していない時の防御は受け止めるのでは無く、受け流している事が多い。
その為、ある程度の威力の攻撃はリガスの技量で全て受け流す事が出来る様だが、中型ともなると、流石に威力を全て受け流し切るのは難しい様だ。
「せめて、アトス様のサポートがあれば、ギリギリ受け流せるのですが」
リガスは未だに動けないで居る俺をチラリと横目で確認する。
そんな視線を受けて、改めて身体を動かしてみると、少しだけ顔をや指先が動かせる様になっている事に気がつく。
「ふむ。もう少し時間稼ぎが必要の様ですな」
「逃げないの……?」
「恐らく、あの中型はもう我々を逃す気は無いでしょう」
空はどんどん暗くなっていき、仮に今から全力で走っても明るい内に村に帰る事は無理だろう。
もしかして、これすらも中型が考えての行動なのか……?
少しだけ動く様になった身体で、俺は中型を探す。
すると、先程ロピの攻撃を避けた中型はかなり遠くに移動しており、又もや俺達の様子を伺っているのであった……
背後に居るチルとリガスの方を向くと、そこには傷だらけの中型がソコに居た……
俺の視線が自分達に向いて無い事に気が付いたチルとリガスが俺の視線を追う様に背後に振り向く。
「「ッ!?」」
二人は驚き直ぐに戦闘態勢を取ろうとするが、中型は既に攻撃モーションに入っていた。
「ガードッ!」
俺は少しでもチルとリガスへの威力を軽減させる為にスキルを発動させる。
そして、中型は俺達三人を纏めて尻尾のなぎ払いで吹き飛ばした。
「ック」
一昨日に引き続き、またもや中型の攻撃を直撃を受けてしまう。
イテぇーよ……
俺は吹き飛ばされながらも、二人の様子を見る。
すると、二人は俺のサポートもあってか、無事の様で、吹き飛ばされながらもも態勢を立て直しているのが見える。
流石だな……
そして、俺は木に激突してしまう。
「アトス様!」
「アトス殿!」
二人は俺と違い、綺麗に着地して俺の所まで走り寄って来る。
「大丈夫ですか?!」
俺は問題無いと伝える為、口を開くが前回同様、身体が動かない。
クソ……これじゃ、前回と同じじゃねぇーか……
チルは、どうして良いか分からず、俺の方を見ながら焦っている。
しかし、リガスは冷静で俺に怪我が無いかテキパキと見ている。
「ふむ、チル様。どうやらアトス様は大丈夫の様ですぞ」
「本当?!」
「えぇ。ただ、強い衝撃に加え、木にも激突された為、もう暫く動けないでしょ」
成る程……軽い脳震盪的なのになっているのかな?
現在、身体が動かず首を回せない為、目の前の光景しか分からない。
中型は何処にいる?!
俺が悩んでいると、目の前に移るチルとリガスの顔が急にぐるりと半周程回る。
何事かと考えていたら、どうやら中型が俺の倒れている位置まで移動して来た様だ……
「チル様、アトス殿を!」
リガスは素早く盾を構える。そしてチルは横たわっている俺を宝物でも扱うかの様に優しく持ち上げる。
「アトス様、少し揺れるかもしれませんが、絶対にあなたをお守りします」
そう言うと、チルは俺の事をお姫様抱っこの要領で抱き上げる。
「リガス、どうするの?」
「まずは、この中型の攻撃範囲から出る事だけを考えましょう」
目の前の中型は俺達の方を見下ろし、観察している様であった。
「なんで、攻撃して来ないの……?」
「……分かりませぬ、どうやら我々の事を観察している様子ですな」
中型からしたら、米粒の様に小さく感じるであろう俺達の事を、何故かジッと見ているのであった……
なんだか、分からないが俺達からしたら好都合!
俺、チル、リガスが中型に観察され続けている間に、どうやらロピ達の方は行動を開始していた様だ。
「……8……9……10」
ロピの姿は見えないが、その代わりバチバチと電気が放電している音が耳に届く。
「お兄さん達から離れてよ! ツェーンショットッ!!」
ロピが叫んだ後にバチバチと言う音がどんどんこちらに近付いて来るのが分かる。
明らかに食らってはいけない様な音がどんどん近付いて来る事に恐怖を覚えるが、ロピの狙いは俺達では無く中型だ。
ロピからツェーンショットを受ける相手は、いつもこの様な音を聴いているのか……
本来であれば、その様な事を考えるよりも、もっと他に考える事があるだろうと思うが、体が全く動かない為か、今は余計な事ばかりが頭の中をグルグル回る。
そして、ロピに攻撃された中型は、一瞬にして掻き消える様に移動し、ロピの攻撃を難なく避けた。
「あーッ避けられたよ!」
「雷弾、もう一度だ!」
「う、うん!」
ディングの言葉にロピは慌てて、次の攻撃の為のカウントを開始する。
しかし、ロピ一人だけで中型に攻撃を当てるのは無理だろう……
ロピのツェーンショットは確かに強力ではあるが、攻撃の軌道が分かりやすい為、中型の様な一瞬にしてマックススピードを出せるモンスターには、どうしても避けられ易い。
「ふむ。これは結構不味い状況ですな……」
リガスの言葉にチルは首を傾げる。
「アトス殿が動けない以上サポートは見込めませぬ。カネルが使用出来る時はどんな攻撃でも問題有りませんが、使用出来ない際は、いくら私でも攻撃を受け流す事が出来ませぬ……」
リガスの防御は鉄壁にして完璧だと思われている。
だがそうでは無い。鉄壁なのは、あくまでカネルを使用している時だけであり、カネルを使用していない時の防御は受け止めるのでは無く、受け流している事が多い。
その為、ある程度の威力の攻撃はリガスの技量で全て受け流す事が出来る様だが、中型ともなると、流石に威力を全て受け流し切るのは難しい様だ。
「せめて、アトス様のサポートがあれば、ギリギリ受け流せるのですが」
リガスは未だに動けないで居る俺をチラリと横目で確認する。
そんな視線を受けて、改めて身体を動かしてみると、少しだけ顔をや指先が動かせる様になっている事に気がつく。
「ふむ。もう少し時間稼ぎが必要の様ですな」
「逃げないの……?」
「恐らく、あの中型はもう我々を逃す気は無いでしょう」
空はどんどん暗くなっていき、仮に今から全力で走っても明るい内に村に帰る事は無理だろう。
もしかして、これすらも中型が考えての行動なのか……?
少しだけ動く様になった身体で、俺は中型を探す。
すると、先程ロピの攻撃を避けた中型はかなり遠くに移動しており、又もや俺達の様子を伺っているのであった……
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