過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第11章

474話

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「ベム、援護を頼む!」
「任せて……」
「レギュは、小型の注意を惹きつけてくれ」
「わかりました!」

 二人に指示した俺は踵を返して、小型に向かおうとするとラバが声を掛けてきた。

「デグさん、自分は何をすればいいッスか?!」
「お前は、先ずは息を整える事だけ集中しろ!」

 俺の言葉に、自分の非力さを再度認識してしまった様で、悲しそうな表情を浮かべる。
 しかし、この状況でラバに注意を向けながら戦うのは無理だ、すまん!

 心の中で謝った後に、俺とレギュは小型に向かって走り出す。

 非力な人間が、まさか自分に向かって来るとは思わなかったのか、小型はイラついた様な雰囲気を纏いながら、スピードを緩め無いまま、こちらに突っ込んで来る。

「レギュ、お前は攻撃しなくて良い。とにかく注意を惹きつけてくれるだけで」
「わかりました!」

 レギュの戦闘はシクさんに教えて貰った様だが、対人戦での訓練だけだったみたいだ。
 その為、レギュの攻撃方法は拳のみであり、とてもじゃ無いが小型にダメージを与えることは難しいだろう。

 だったら、避ける事だけに集中して貰った方がいいだろう。

「小型さん、私はこっちですよ!」

 レギュは素直に俺の指示に従ってくれている為、小型の前方をウロチョロする。

「そして、俺はその間にッ!」

 小型がレギュに気を逸らされている時に、小型の脇に回り込んだ俺は、大剣を振り上げ、思いっきり小型の脇腹に叩き込む。

 身体強化のスキルで腕を強化した俺の攻撃は自分くらいの大きさの岩でも叩き割るくらいには強化されるが、小型の外皮は硬い為、剣の刃は少しだけ傷を付ける程であった。

「ッチ、やっぱり俺一人だけじゃ火力不足だな」

 本来、炎弾や雷弾といった化け物の様な強さを持っていない人間は複数の前衛で同じ箇所を攻撃して倒すのが基本だ。

 時には順番ずつ傷を攻撃して傷を広げたり、時には同時に攻撃して強力な攻撃を与えて倒すか。

 だが、今小型に攻撃を通す事が出来るのは俺だけである。

「こうなったら、何度も傷跡を攻撃するしかねぇーなッ!」

 俺は先程小型の脇腹に付けた小さな傷を広げていくイメージで同じ箇所を攻撃し続ける。

 時折、小型の尻尾などが俺に向かって飛んで来るが、小型は直ぐにレギュに意識を向ける。

「はは、はじめての割にはしっかりと盾役を務めているな」

 レギュは真剣な表情を浮かべながら小型の攻撃に全神経を向けている。

 小型の頭突き、尻尾による攻撃などを一つ一つ丁寧に避けていく。

 時折、ヒヤッとする場面もあるが、そこはベムが弓でフォローする。
 ベムによる弓の攻撃は小型の外皮を貫ける程の威力は無い。
 
 しかし、ベムは自身のスキルを利用して小型の視界を奪うのが得意だ。
 弓矢を、小型の目に正確に当てて、一瞬だけ視界を奪う。

 時間にしたら一瞬だが、レギュにとっては、とても助かる時間である。
 一瞬だけ小型の攻撃が止まる為、その分避ける為の準備が出来るのだ。

「俺もやってやるぜッ」

 持っている大剣を上から、そして横からも振り抜き同じ箇所を執拗に狙い続ける。

 正確に傷跡を狙って斬撃を繰り返す。少しずつ傷跡が広がるが、決定打では無いので小型は攻撃を緩める事なくレギュに攻撃を続けていた。

「クソッ」

 タイミングや環境などが合えば、木に登って、落下の勢いなどを利用出来るが、こっちは三人で戦っているので、木に登っている暇も無さそうだな。

 小型はレギュがしっかり惹きつけているが、俺に対して全く注意して無いわけでは無い。

「俺が少しでも離れたらレギュに攻撃が集中しちまうな……」

 今は問題無く小型の攻撃を避け続けているが、小型がレギュに集中したら、避けられ無くなるかもしれねぇ……

 なんとも、モドカシイこの状況をどうにか打開出来ないものか?

 そんな事を考えていると、俺の名を呼ぶ声が聞こえた。

「デグさん、自分息が整ったッス! 何か手伝う事は無いッスか?!」

 少し遠目から俺に大声で聞いてくるラバ。
 普段であれば、何も手を出さず離れていろと指示するが、今はラバの手を借りる必要がありそうだ。

「ラバッ。武器を持ってこっちに来るんだ!」
「はいッス!」

 ラバは、使い慣れていない武器を片手に、こちらに来る。

「デグさん、自分は何をすればいいッスか?」
「お前は、俺の攻撃した後にスキルを使って思いっきり俺の剣をぶっ叩け!」

 俺一人の力では刃を小型の体内に押し込めないが、ラバと一緒であれば可能だッ!

「オラッ!」

 モンスターの攻撃を一度、避けた後に渾身の力で大剣で切り付ける。
 大剣は小型の硬い外皮の所為で、少ししか傷が付かないが、先程から何度も攻撃していた為、ある程度傷が深くなっており、大剣が突き刺さる。

「ラバッ、今だ!」
「は、はいッス!」

 小型の攻撃範囲外のギリギリにいたラバはこちらに向かって走って来て、その勢いのまま自身の持っている剣を俺目掛けて思いっきり振り下ろした。
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