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第6章 少年少女の思いの先
第60話 スタアラ魔法聖堂へ
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「ガルペラ侯爵とゼロラ様ですね。お話は聖女ミリア様より伺っています。どうぞこちらへ」
俺とガルペラはスタアラ魔法聖堂に到着すると、門番に聖堂内部へと案内された。
ルクガイア王国内の重要拠点というだけのことはあり、外装も内装も立派な造りだ。
一つ気になるのは俺につけられた衛兵が入り口の門番一人だったのに対し、ガルペラにつけられた衛兵は四人ということだ。身分の違いからだろうか?
「なあ、門番のあんた。なんでガルペラにはこんなに衛兵がついてるんだ?」
「ゼロラ様はリョウ大神官のご友人でしたよね……」
察した。ここはスタアラ魔法聖堂。あの腐女神官もいるんだった。
「私も聖堂の中に入るのは初めてなのです。それより衛兵の皆さんはなんで怖い顔をしながら前を見てるのですか?」
よく見るとガルペラの周りの衛兵は何かに強い警戒心を抱いている。いや、それが何かなのは分かり切った話なのだが。
「クフフフ。ガルペラ侯爵にゼロラ殿。ようこそスタアラ魔法聖堂へ。特にガルペラ侯爵と会うのは初めてですね。噂通り麗しい少女でボクも感激しております」
「うわぁ……」
思わず変な声が出た。聖堂の奥にある階段の上で待っていたのは俺の中での"会いたくない人間ベスト3"にランクインしている、リョウ神官だった。
「申し訳ございません、ガルペラ侯爵にゼロラ様。私は門番としての仕事もありますので、ここから先はリョウ大神官がご案内いたします。申し訳ございません」
「なんで二回も謝ったのですか?」
「……知らなくていい」
それにしても案内人はリョウ神官かよ……。ここから俺とガルペラとリョウ神官の三人で聖女様がいる部屋まで行かなきゃならねえのか……。
「君達も下がっていいよ」
「いえ。ミリア様がお待ちしている部屋まで護衛せよとの命を受けているので」
よかった。さっきの門番以外の衛兵四人は残ってくれるのか。
「これより先はミリア様のおわす場所。護衛は一層厳重に行います」
さらに衛兵が四人増えて八人になった。どんだけ信用ねえんだよ、リョウ神官……。
「チッ……。うまくゼロラ殿を撒いてガルペラ侯爵と二人きりになろうと思ったのに……」
本音を隠す努力をしろ。このダメ神官。
■
先頭を行くリョウ神官のすぐ後ろに俺、その後ろを少し離れて衛兵八人に超厳重に守られたガルペラがついてくるという、傍から見ると"ガルペラが聖堂の大権力者"に見えてしまいそうな構図で聖堂の奥へと進んで行った。
「ゼロラ殿も衛兵達も、どうしてボクの邪魔をするのかな?」
「むしろなんでお前は来客にまで手を出そうとするんだ?」
もうここが聖堂なんてことは知ったこともなく、俺はいつもの調子でリョウ神官にツッコミを入れる。
「まあ、表向きの理由はここまでにしよう。半分は本気だったけど」
半分も本気ならアウトだろ。だが、表向きの理由だと?
「ゼロラ殿達はミリア様とラルフル君のことについては聞いたかな?」
「お前……何か知ってるんだな?」
「ご名答。そのせいでミリア様のお心はひどく荒んでおいでなのさ。……今誰かに会うのは得策じゃないかもね」
仮にも大神官であるこいつの地位ならば、事情を知っていてもおかしくはない。だがそうなるとラルフルと聖女様の個人的な理由ではなく、何か立場的な問題か?
「理由を教えてはくれねえか?」
「それはボクの口からは言えないね。第一、君達は今回、協力の申し立てでやって来たと聞いたけど?」
「事情が変わった。ラルフルの件について話がしたい。お前が言わないなら本人から直接聞く」
「そうしてくれたまえ。……ボクにはどうにもできない話だ」
リョウ神官が真面目な顔で俺に言葉を返す。
リョウ神官の真面目な顔ってあんまり……いや、まったく見たことがない。それだけの事情があるってことか。
■
「お二方ともお待たせいたしました。こちらで当聖堂の聖女、ミリア様がお待ちです」
リョウ神官がひと際立派な扉の前でこちらにお辞儀をして案内を終える。
「ここに聖女ミリア様がいるのですか。それにしてもゼロラさんはこういうところは慣れてなさそうなのに、妙に落ち着いてるですね」
「悪友との話で緊張も何もなかった」
「ああ、ゼロラさんとリョウ大神官はお友達だったですね。……悪友ってどういうことです?」
ガルペラ。世の中には知らない方がいい、真っ黒な心を持った人間だっているんだ。それがスタアラ魔法聖堂の中であってもな。
「では我らもこれで失礼します。者ども! 部屋を守るものを残してリョウ大神官を連れて行くのだ!」
「え? いや? ボクまだ何もしてないのに?」
リョウ神官が衛兵にズルズルと引きずられて無理矢理部屋から遠ざけられる。
立場上一緒にここまで来たんだろうが、あいつがついてくる意味あったのか?
「よく分からないですけど、まずは目の前の課題からです。部屋に入るです」
「そうだな」
まあ、あのクソ神官がいないのは幸いだ。『まだ何もしてない』と言ってたが、言い換えれば『後で何かする』ともとれるし。
俺とガルペラは聖女ミリア様が待つ部屋へと入っていった。
俺とガルペラはスタアラ魔法聖堂に到着すると、門番に聖堂内部へと案内された。
ルクガイア王国内の重要拠点というだけのことはあり、外装も内装も立派な造りだ。
一つ気になるのは俺につけられた衛兵が入り口の門番一人だったのに対し、ガルペラにつけられた衛兵は四人ということだ。身分の違いからだろうか?
「なあ、門番のあんた。なんでガルペラにはこんなに衛兵がついてるんだ?」
「ゼロラ様はリョウ大神官のご友人でしたよね……」
察した。ここはスタアラ魔法聖堂。あの腐女神官もいるんだった。
「私も聖堂の中に入るのは初めてなのです。それより衛兵の皆さんはなんで怖い顔をしながら前を見てるのですか?」
よく見るとガルペラの周りの衛兵は何かに強い警戒心を抱いている。いや、それが何かなのは分かり切った話なのだが。
「クフフフ。ガルペラ侯爵にゼロラ殿。ようこそスタアラ魔法聖堂へ。特にガルペラ侯爵と会うのは初めてですね。噂通り麗しい少女でボクも感激しております」
「うわぁ……」
思わず変な声が出た。聖堂の奥にある階段の上で待っていたのは俺の中での"会いたくない人間ベスト3"にランクインしている、リョウ神官だった。
「申し訳ございません、ガルペラ侯爵にゼロラ様。私は門番としての仕事もありますので、ここから先はリョウ大神官がご案内いたします。申し訳ございません」
「なんで二回も謝ったのですか?」
「……知らなくていい」
それにしても案内人はリョウ神官かよ……。ここから俺とガルペラとリョウ神官の三人で聖女様がいる部屋まで行かなきゃならねえのか……。
「君達も下がっていいよ」
「いえ。ミリア様がお待ちしている部屋まで護衛せよとの命を受けているので」
よかった。さっきの門番以外の衛兵四人は残ってくれるのか。
「これより先はミリア様のおわす場所。護衛は一層厳重に行います」
さらに衛兵が四人増えて八人になった。どんだけ信用ねえんだよ、リョウ神官……。
「チッ……。うまくゼロラ殿を撒いてガルペラ侯爵と二人きりになろうと思ったのに……」
本音を隠す努力をしろ。このダメ神官。
■
先頭を行くリョウ神官のすぐ後ろに俺、その後ろを少し離れて衛兵八人に超厳重に守られたガルペラがついてくるという、傍から見ると"ガルペラが聖堂の大権力者"に見えてしまいそうな構図で聖堂の奥へと進んで行った。
「ゼロラ殿も衛兵達も、どうしてボクの邪魔をするのかな?」
「むしろなんでお前は来客にまで手を出そうとするんだ?」
もうここが聖堂なんてことは知ったこともなく、俺はいつもの調子でリョウ神官にツッコミを入れる。
「まあ、表向きの理由はここまでにしよう。半分は本気だったけど」
半分も本気ならアウトだろ。だが、表向きの理由だと?
「ゼロラ殿達はミリア様とラルフル君のことについては聞いたかな?」
「お前……何か知ってるんだな?」
「ご名答。そのせいでミリア様のお心はひどく荒んでおいでなのさ。……今誰かに会うのは得策じゃないかもね」
仮にも大神官であるこいつの地位ならば、事情を知っていてもおかしくはない。だがそうなるとラルフルと聖女様の個人的な理由ではなく、何か立場的な問題か?
「理由を教えてはくれねえか?」
「それはボクの口からは言えないね。第一、君達は今回、協力の申し立てでやって来たと聞いたけど?」
「事情が変わった。ラルフルの件について話がしたい。お前が言わないなら本人から直接聞く」
「そうしてくれたまえ。……ボクにはどうにもできない話だ」
リョウ神官が真面目な顔で俺に言葉を返す。
リョウ神官の真面目な顔ってあんまり……いや、まったく見たことがない。それだけの事情があるってことか。
■
「お二方ともお待たせいたしました。こちらで当聖堂の聖女、ミリア様がお待ちです」
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「悪友との話で緊張も何もなかった」
「ああ、ゼロラさんとリョウ大神官はお友達だったですね。……悪友ってどういうことです?」
ガルペラ。世の中には知らない方がいい、真っ黒な心を持った人間だっているんだ。それがスタアラ魔法聖堂の中であってもな。
「では我らもこれで失礼します。者ども! 部屋を守るものを残してリョウ大神官を連れて行くのだ!」
「え? いや? ボクまだ何もしてないのに?」
リョウ神官が衛兵にズルズルと引きずられて無理矢理部屋から遠ざけられる。
立場上一緒にここまで来たんだろうが、あいつがついてくる意味あったのか?
「よく分からないですけど、まずは目の前の課題からです。部屋に入るです」
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