記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第7章 家族

第79話 真実

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 俺とラルフルとマカロンは宿場村への帰りの街道を歩いていた。

「ねえ、ラルフル。今日はウチの宿で泊まっていきなさいよ」
「え? いいんですか?」
「もちろん!」
「いや、お前あそこの宿の店主じゃないだろ」

 まあ、事情を話せばラルフル一人ぐらいは泊めてくれそうだな。久しぶりの家族水入らずだ。存分に一緒にいればいいさ。

「そういえばゼロラさんとお姉ちゃんはどういう関係なのですか?」
「た、ただの宿泊客と店の従業員の関係よ!」
「……そんな風には見えなかったもので」
「まあ、友人ってところだ」
「……それも怪しいですね」

 ラルフルは何か言いたげだ。それも何やらニマニマしながら不敵に笑っている。こいつがこういう顔をするのって初めて見るな。
 マカロンが必死にラルフルの口を手で押さえる。なにをそんなにムキになってるんだ?

「……それよりもね。私、二人に言わなきゃいけないことがあるの」

 ラルフルの口から手を離したマカロンが急に神妙な面持ちになる。

「なんだ? 料理の盛り付けが下手なことぐらいなら許してやるぞ」
「あっ! もしかしてゼロラさん以外に好きな人が!?」
「ごめん……そういうのじゃないんだ。……アタシとラルフルが離れ離れになった時の話」

 よく見るとマカロンの目には涙が浮かんでいる。
 確かマカロンとラルフルは幼い頃に父親が領主をしていた土地に魔王軍が襲ってきて、両親を失い、マカロンは魔王軍の奴隷に。ラルフルはこの出来事を機に、勇者パーティーに入るために魔法使いとしての修行をスタアラ魔法聖堂でしてたんだったな。
 マカロンはそのことで責任を感じてるのか?

「ラルフルから話は聞いてる。あれは言うなれば事故だ。お前に責任はない」
「そうです、お姉ちゃん! あれは仕方なかったのです!」
「違うの! ゼロラさんもラルフルから話は聞いてるのよね? だったら、魔王軍が"最初の襲撃から三日後に再度襲ってきた"ことも知ってるでしょ!?」

 確かにラルフルは言ってた。最初の襲撃でラルフルとマカロンの母親が死に、その三日後に【伝説の魔王】自ら再度襲撃をしてきて、その時に父親を殺されたと。

「おかしいと思わない? 私達が住んでたところは魔王軍の情勢に大して影響のない辺境だったのよ? 確かに最初の襲撃は偶然だった! でも、そんなところにわずか三日後に再度……それも【伝説の魔王】自らが戦場に出てくるなんてことあると思う!?」
「確かにおかしいと思いました……。だから自分はあの時の真実を知るため頑張って勇者パーティーに入って――」
「その真実を……私は知ってるのよ!」

 マカロンが……【伝説の魔王】自らが戦場に出てきた理由を……真実を知っている……!?
 どういうことだ!? 訳が分からないぞ!?

「最初の襲撃の時、母さんは魔王軍に殺された! でも、父さんは何もしなかった! そんな父さんを私は許せなかった! 必死に戦った母さんが死んで、父さんだけがのうのうと生きていくのが許せなかった! そんな私に"魔王軍四天王"を名乗る男が近づいて、私に提案してきたの……。『望むならばもう一度襲撃してやろうか?』って……!」
「お……お姉ちゃん……! それじゃあ……まさか……!?」

 ラルフルは信じたくないようだ。俺だって信じたくない……!

「だから私は頼んだの! 『私の父を殺してください』って……!!」
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