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第10章 黒幕達
第132話 助かる道
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フォーレスの森。そこは元魔王軍亜人隊が時折拠点としても使っており、あまり人が寄り付かない。
だが、この日は数名の人間がいた。そして一人を除く人間たちが一体のオークを虐げていた。
「や、やめるでおじゃる! ボーネス公爵! もうオクバ殿を痛めつけないでほしいでおじゃる!」
そしてオークを虐げていない一人の人間……オジャル伯爵は、そのオーク……元魔王軍亜人隊隊長・オクバを庇っていた。
「黙れ! わしの派閥についていながら、勝手な真似ばかりしおって!」
オクバを虐げている人間の主格はボーネス公爵であった。
ボーネス公爵はオジャル伯爵とオクバが起こしたマカロン誘拐事件の件が露呈したことで"三公爵"内での立場もマズくなり、その怒りをオクバにぶつけていた。
「ぶ、ぶひぃい……。構うな、オジャル伯爵。おでが……悪いんだど」
「何を言うでおじゃ! そもそも首謀者はまろでおじゃ! やるならまろをやるでおじゃ!」
「フン! 貴様のような小童でも伯爵だ。下手に痛めつけて騒がれてはわしが困る」
ボーネス公爵はオジャル伯爵の訴えを無視して部下たちにオクバを痛めつけさせる。
オクバも自分が耐えればいいだけと思い、必死に耐え続けた。
そして一通りオクバを痛めつけてこれ以上は効果がないと思ったボーネス公爵は懐から一本の注射を取り出した。
「しぶといブタだ……! こうなれば少し手を変えてみるか」
そう言ってボーネス公爵は手に持った注射の中身をオクバの体内に流し込んだ。
「ブ、ブヒャァアアァア!!?」
「こいつはジャコウの研究の副産物だ。生物の体内に注入するとその内臓に腫瘍を作り出し、死に至らしめる毒だ。回復魔法も通用せん」
注射を打たれたオクバは激しくのたうちながら苦しみ始める。
「な、なんということをするでおじゃ!? オクバ殿はまろの友人でおじゃるぞ!?」
「ブタが友人とはブタ伯爵には似合いだな。まあいい。このブタも時期に死ぬ。貴様にはまだ利用価値が残っている。わしの派閥に残ることは許してやろう。だが、次はないぞ?」
そう言い捨ててボーネス公爵はフォーレスの森を出ていった。
「ブヒャァ……。苦しい……苦しいど……」
苦しみでのたうち回っていたオクバだったが、すでに体を動かすほどの体力も残っていなかった。
「ああぁあ! ど、どうすればいいでおじゃ!? どうすればオクバ殿を助けられるでおじゃるか!?」
種族は違えど、友人であるオクバを助けるためにどうすればよいのかをオジャル伯爵は必死に考えた。だがその方法が思いつかない。
回復魔法も効かない以上、黙って友人が死ぬのを待つしかないのかとオジャル伯爵は絶望した。
「ボーネスの狸ジジイがこんなところで何をしているのかと思えば、実にくだらんことをしているものだ」
そんなオジャル伯爵のもとに一人の男が二人の護衛をつけて現れた。
「あ、あなたは……バクト公爵!?」
「どけ」
ボーネス公爵と同じ"三公爵"の一人、バクト公爵。その男が急に現れたことに驚くオジャル伯爵だが、バクト公爵はその姿に目もくれずにオクバの方へと向かう。
そして苦しさで気を失ったオクバの口の中や目を確認する。
「腫瘍を作る毒か。あの狸ジジイが。本当にくだらんものを作りやがって……。だがこれならまだ助かるかもな」
オクバの容態を確認し終えたバクト公爵は、今度はオジャル伯爵に向かって問いかける。
「おい、オジャル伯爵。貴様はこのオークを助けたいのか?」
「た、助けられるでおじゃるか?」
「確実とは言えん。だが、俺に任せれば助かる見込みはある」
その言葉を聞いたオジャル伯爵の顔に希望の色が戻る。
「な、ならば是非助けてほしいでおじゃ!」
「助けるのは構わん。ただし条件がある」
懇願するオジャル伯爵を睨みながらバクト公爵は条件を突き出した。
「貴様はボーネスを裏切れ。そして俺の傘下に入れ」
「そ、それは……」
ボーネス公爵を裏切った後の報復を恐れてすぐには条件を飲み込めないオジャル伯爵。
「さっさと答えろぉ! 貴様はこのオークを助けたくないのか!? それよりもボーネスのクソの派閥に残る方が大事か!? あぁ!?」
痺れを切らしたバクト公爵はオジャル伯爵の胸倉を掴んで激しく問い詰める。
「わ、分かったでおじゃる! バクト公爵の傘下に入るでおじゃる! だから……我が友を助けてくれでおじゃああ!!」
バクト公爵の苛烈な問い詰めに、オジャル伯爵は泣きながら頼み込んだ。
だがそれはバクト公爵に対する恐怖からではなく、友人を助けたいという本心から流れた涙であった。
「……いいだろう。その言葉、忘れるなよ」
オジャル伯爵の胸倉から手を離したバクト公爵は、護衛二人に命令した。
「このオークを俺の屋敷の手術室に連れていけ。着き次第、すぐ手術を開始する」
「御意」
バクト公爵の命令に頷いた二人の護衛はオクバを馬車の中へと乗せた。
「オジャル伯爵。貴様も俺の屋敷に来い。嫌とは言わせない」
「わ、わかったでおじゃる」
バクト公爵とオジャル伯爵も同じ馬車に乗り込み、一同はバクト公爵邸へと急いで向かうのであった。
だが、この日は数名の人間がいた。そして一人を除く人間たちが一体のオークを虐げていた。
「や、やめるでおじゃる! ボーネス公爵! もうオクバ殿を痛めつけないでほしいでおじゃる!」
そしてオークを虐げていない一人の人間……オジャル伯爵は、そのオーク……元魔王軍亜人隊隊長・オクバを庇っていた。
「黙れ! わしの派閥についていながら、勝手な真似ばかりしおって!」
オクバを虐げている人間の主格はボーネス公爵であった。
ボーネス公爵はオジャル伯爵とオクバが起こしたマカロン誘拐事件の件が露呈したことで"三公爵"内での立場もマズくなり、その怒りをオクバにぶつけていた。
「ぶ、ぶひぃい……。構うな、オジャル伯爵。おでが……悪いんだど」
「何を言うでおじゃ! そもそも首謀者はまろでおじゃ! やるならまろをやるでおじゃ!」
「フン! 貴様のような小童でも伯爵だ。下手に痛めつけて騒がれてはわしが困る」
ボーネス公爵はオジャル伯爵の訴えを無視して部下たちにオクバを痛めつけさせる。
オクバも自分が耐えればいいだけと思い、必死に耐え続けた。
そして一通りオクバを痛めつけてこれ以上は効果がないと思ったボーネス公爵は懐から一本の注射を取り出した。
「しぶといブタだ……! こうなれば少し手を変えてみるか」
そう言ってボーネス公爵は手に持った注射の中身をオクバの体内に流し込んだ。
「ブ、ブヒャァアアァア!!?」
「こいつはジャコウの研究の副産物だ。生物の体内に注入するとその内臓に腫瘍を作り出し、死に至らしめる毒だ。回復魔法も通用せん」
注射を打たれたオクバは激しくのたうちながら苦しみ始める。
「な、なんということをするでおじゃ!? オクバ殿はまろの友人でおじゃるぞ!?」
「ブタが友人とはブタ伯爵には似合いだな。まあいい。このブタも時期に死ぬ。貴様にはまだ利用価値が残っている。わしの派閥に残ることは許してやろう。だが、次はないぞ?」
そう言い捨ててボーネス公爵はフォーレスの森を出ていった。
「ブヒャァ……。苦しい……苦しいど……」
苦しみでのたうち回っていたオクバだったが、すでに体を動かすほどの体力も残っていなかった。
「ああぁあ! ど、どうすればいいでおじゃ!? どうすればオクバ殿を助けられるでおじゃるか!?」
種族は違えど、友人であるオクバを助けるためにどうすればよいのかをオジャル伯爵は必死に考えた。だがその方法が思いつかない。
回復魔法も効かない以上、黙って友人が死ぬのを待つしかないのかとオジャル伯爵は絶望した。
「ボーネスの狸ジジイがこんなところで何をしているのかと思えば、実にくだらんことをしているものだ」
そんなオジャル伯爵のもとに一人の男が二人の護衛をつけて現れた。
「あ、あなたは……バクト公爵!?」
「どけ」
ボーネス公爵と同じ"三公爵"の一人、バクト公爵。その男が急に現れたことに驚くオジャル伯爵だが、バクト公爵はその姿に目もくれずにオクバの方へと向かう。
そして苦しさで気を失ったオクバの口の中や目を確認する。
「腫瘍を作る毒か。あの狸ジジイが。本当にくだらんものを作りやがって……。だがこれならまだ助かるかもな」
オクバの容態を確認し終えたバクト公爵は、今度はオジャル伯爵に向かって問いかける。
「おい、オジャル伯爵。貴様はこのオークを助けたいのか?」
「た、助けられるでおじゃるか?」
「確実とは言えん。だが、俺に任せれば助かる見込みはある」
その言葉を聞いたオジャル伯爵の顔に希望の色が戻る。
「な、ならば是非助けてほしいでおじゃ!」
「助けるのは構わん。ただし条件がある」
懇願するオジャル伯爵を睨みながらバクト公爵は条件を突き出した。
「貴様はボーネスを裏切れ。そして俺の傘下に入れ」
「そ、それは……」
ボーネス公爵を裏切った後の報復を恐れてすぐには条件を飲み込めないオジャル伯爵。
「さっさと答えろぉ! 貴様はこのオークを助けたくないのか!? それよりもボーネスのクソの派閥に残る方が大事か!? あぁ!?」
痺れを切らしたバクト公爵はオジャル伯爵の胸倉を掴んで激しく問い詰める。
「わ、分かったでおじゃる! バクト公爵の傘下に入るでおじゃる! だから……我が友を助けてくれでおじゃああ!!」
バクト公爵の苛烈な問い詰めに、オジャル伯爵は泣きながら頼み込んだ。
だがそれはバクト公爵に対する恐怖からではなく、友人を助けたいという本心から流れた涙であった。
「……いいだろう。その言葉、忘れるなよ」
オジャル伯爵の胸倉から手を離したバクト公爵は、護衛二人に命令した。
「このオークを俺の屋敷の手術室に連れていけ。着き次第、すぐ手術を開始する」
「御意」
バクト公爵の命令に頷いた二人の護衛はオクバを馬車の中へと乗せた。
「オジャル伯爵。貴様も俺の屋敷に来い。嫌とは言わせない」
「わ、わかったでおじゃる」
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