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第13章 王国が変わる日
第164話 円卓会議
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俺達は議場に入り、席へとついた。
ガルペラ、俺、ミリア、バクト、シシバの五名と向かい合うようにボーネス公爵とレーコ公爵、及び配下の貴族達が座っている。
そしてその間に入るように国王ルクベール三世、王子ロギウスが座り、その後ろでオジャル伯爵が議事進行をしている。
「バクト公爵……これはどういうことだ……!?」
「あなた……裏切るのね……!?」
ボーネス公爵とレーコ公爵はバクトを睨んでいる。どうやらバクトはこの場にこの二人を誘い出すために一芝居打ったようだ。
「裏切る? 何を馬鹿なことを言っている。俺は最初から貴様らと手を結んだ記憶も、信じたことも、一度としてない」
バクトは二人の発言を鼻で笑い返している。これほどの大物が揃う場であっても、バクトの傲慢な態度は崩れない。
「そ、それでは早速"円卓会議"を始めてもよろしいでおじゃるか?」
「うむ。ルクガイア王国現国王、ルクベール三世の名において、"円卓会議"を始める」
国王の合図とともに、ついに"円卓会議"が始まった。
「先にわしからよろしいですかな? 今回の"円卓会議"になぜチンピラやギャングレオ盗賊団まで関わっておりますのかな?」
俺達が話を切り出そうとする前にボーネス公爵が先手を打ってきた。どうにかしてこちらに話をさせないつもりだ。
「あなたがチンピラと申されたゼロラ様はガルペラ侯爵の優秀な側近です。彼には私やその友人も大変助けられました。また、ギャングレオ盗賊団が襲ってきた貴族はその後に暗躍が明るみに出た者達ばかりです。それに、ギャングレオ盗賊団は本来貴族が行うべき街道整備や建設事業を請け負っていたという事実があります。平民からはむしろ好意的な声も聞かれます。見た目と身分だけで相手を推し量るのはお止めください」
ボーネス公爵に反論を切り出したのはミリアだ。たとえ相手が"三公爵"であっても、凛々しく、己の主張を押し通す。
聖女としての明瞭さが垣間見える。
「でも実際にギャングレオ盗賊団に襲われたって報告はあるのよね? そんな人達がわざわざ不正をしてる貴族だけを狙うなんて真似――」
「せやったら、今ここでギャングレオ盗賊団が襲った貴族共とその悪事の数々、ぜ~んぶ喋ってもうてもかまわへんか? 全員、今俺らの向かいに座っとる貴族の配下やけどな~! キシシシシ!」
レーコ公爵も反論に出ようとするが、シシバが机に脚を乗せながらリストを手に持って不敵に笑う。
そのリストはこれまでのギャングレオ盗賊団の襲撃相手に関する記録が全てまとめられたものだ。
「……前置きはそのぐらいでよろしいですか? 早く本題に入りたいのです」
普段の態度からは想像もできないゆっくりと、だが重みのある声がガルペラの口から放たれる。
「私達が望むのは"貴族制度の撤廃"です。現在のルクガイア王国は貴族と平民の格差が大きくなりすぎなのです。あなた達のような一部貴族が利権を貪り、満足に生活することさえできない平民が大勢いるのです。この状況を打開するためには、今一度この国の根底を覆す必要があるのです」
強引で攻撃的な話し方。ガルペラの本気が伝わってくる。
「き、貴族制度を撤廃なんかしてみろ! 貴様らもただではすまぬのだぞ! ガルペラ侯爵! バクト公爵!」
「それらを全て承知の上で、この提案を述べているのです」
「貴様らは本当に馬鹿か? 俺が権力を欲したことなど一度もない。俺が望むのはこの国の制度の改革だけだ。医学の進展という制度のな」
ボーネス公爵はガルペラとバクトに訴えかけるが、二人は全く耳を貸さない。
二人とも、そんなことは覚悟の上でこの場に来ている。脅しは通用しない。
「国王陛下。ここに署名があるのです。センビレッジにウォウサカ、王都の"壁周り"の住人、その他多くの街や村の人間の署名なのです」
ガルペラは国王の前に大量の署名一覧を差し出した。
「全て"貴族制度の撤廃"に賛同する者達の声なのです! これらを踏まえた上で、どうかご決断願いたいのです!」
ガルペラが必死の剣幕で訴える。この大勝負にガルペラに一層気合いが入る。
「き、貴族制度を撤廃したら我々も――」
「こんな署名! 認められぬ!」
「歴史も格式もかなぐり捨てる気か!?」
「陛下! どうか冷静なご判断を!」
だが、ボーネス公爵とレーコ公爵の配下の貴族が難癖をつけてガルペラの訴えを遮ろうとする。己が身の可愛さだけのために、民の声を拒絶する。
醜い。あまりにも醜い。
己の保身を優先し、下々の声を拒絶する姿はあまりにも醜い。
こんな連中が本当にこの国の権力者なのか?
こんなかつて俺に汚れ仕事ばかり頼んできたような連中が?
こんなことでは……何も変わらない。
ドンッ!!
俺は机を力任せに叩きつけて言い放った。
「てめぇら、いい加減にしやがれ……! そんなに身分が大事かよ……!?」
ガルペラ、俺、ミリア、バクト、シシバの五名と向かい合うようにボーネス公爵とレーコ公爵、及び配下の貴族達が座っている。
そしてその間に入るように国王ルクベール三世、王子ロギウスが座り、その後ろでオジャル伯爵が議事進行をしている。
「バクト公爵……これはどういうことだ……!?」
「あなた……裏切るのね……!?」
ボーネス公爵とレーコ公爵はバクトを睨んでいる。どうやらバクトはこの場にこの二人を誘い出すために一芝居打ったようだ。
「裏切る? 何を馬鹿なことを言っている。俺は最初から貴様らと手を結んだ記憶も、信じたことも、一度としてない」
バクトは二人の発言を鼻で笑い返している。これほどの大物が揃う場であっても、バクトの傲慢な態度は崩れない。
「そ、それでは早速"円卓会議"を始めてもよろしいでおじゃるか?」
「うむ。ルクガイア王国現国王、ルクベール三世の名において、"円卓会議"を始める」
国王の合図とともに、ついに"円卓会議"が始まった。
「先にわしからよろしいですかな? 今回の"円卓会議"になぜチンピラやギャングレオ盗賊団まで関わっておりますのかな?」
俺達が話を切り出そうとする前にボーネス公爵が先手を打ってきた。どうにかしてこちらに話をさせないつもりだ。
「あなたがチンピラと申されたゼロラ様はガルペラ侯爵の優秀な側近です。彼には私やその友人も大変助けられました。また、ギャングレオ盗賊団が襲ってきた貴族はその後に暗躍が明るみに出た者達ばかりです。それに、ギャングレオ盗賊団は本来貴族が行うべき街道整備や建設事業を請け負っていたという事実があります。平民からはむしろ好意的な声も聞かれます。見た目と身分だけで相手を推し量るのはお止めください」
ボーネス公爵に反論を切り出したのはミリアだ。たとえ相手が"三公爵"であっても、凛々しく、己の主張を押し通す。
聖女としての明瞭さが垣間見える。
「でも実際にギャングレオ盗賊団に襲われたって報告はあるのよね? そんな人達がわざわざ不正をしてる貴族だけを狙うなんて真似――」
「せやったら、今ここでギャングレオ盗賊団が襲った貴族共とその悪事の数々、ぜ~んぶ喋ってもうてもかまわへんか? 全員、今俺らの向かいに座っとる貴族の配下やけどな~! キシシシシ!」
レーコ公爵も反論に出ようとするが、シシバが机に脚を乗せながらリストを手に持って不敵に笑う。
そのリストはこれまでのギャングレオ盗賊団の襲撃相手に関する記録が全てまとめられたものだ。
「……前置きはそのぐらいでよろしいですか? 早く本題に入りたいのです」
普段の態度からは想像もできないゆっくりと、だが重みのある声がガルペラの口から放たれる。
「私達が望むのは"貴族制度の撤廃"です。現在のルクガイア王国は貴族と平民の格差が大きくなりすぎなのです。あなた達のような一部貴族が利権を貪り、満足に生活することさえできない平民が大勢いるのです。この状況を打開するためには、今一度この国の根底を覆す必要があるのです」
強引で攻撃的な話し方。ガルペラの本気が伝わってくる。
「き、貴族制度を撤廃なんかしてみろ! 貴様らもただではすまぬのだぞ! ガルペラ侯爵! バクト公爵!」
「それらを全て承知の上で、この提案を述べているのです」
「貴様らは本当に馬鹿か? 俺が権力を欲したことなど一度もない。俺が望むのはこの国の制度の改革だけだ。医学の進展という制度のな」
ボーネス公爵はガルペラとバクトに訴えかけるが、二人は全く耳を貸さない。
二人とも、そんなことは覚悟の上でこの場に来ている。脅しは通用しない。
「国王陛下。ここに署名があるのです。センビレッジにウォウサカ、王都の"壁周り"の住人、その他多くの街や村の人間の署名なのです」
ガルペラは国王の前に大量の署名一覧を差し出した。
「全て"貴族制度の撤廃"に賛同する者達の声なのです! これらを踏まえた上で、どうかご決断願いたいのです!」
ガルペラが必死の剣幕で訴える。この大勝負にガルペラに一層気合いが入る。
「き、貴族制度を撤廃したら我々も――」
「こんな署名! 認められぬ!」
「歴史も格式もかなぐり捨てる気か!?」
「陛下! どうか冷静なご判断を!」
だが、ボーネス公爵とレーコ公爵の配下の貴族が難癖をつけてガルペラの訴えを遮ろうとする。己が身の可愛さだけのために、民の声を拒絶する。
醜い。あまりにも醜い。
己の保身を優先し、下々の声を拒絶する姿はあまりにも醜い。
こんな連中が本当にこの国の権力者なのか?
こんなかつて俺に汚れ仕事ばかり頼んできたような連中が?
こんなことでは……何も変わらない。
ドンッ!!
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