記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第15章 メカトロニクス・ファイト

第208話 対決?・元ルクガイア王国騎士団二番隊隊長

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「フオオ!? オオ!? フオオオン!?」

 司令塔である兄フロストを圧し潰してしまったフレイムは、「これどうしたらいいの!?」といった様子でこちらに訴えかけてくる。
 とりあえず、どけばいいんじゃないか?

 ギギギッ…… ゴゴゴゴ……!

「フ、フオオ?」

 そんなフレイムの後ろから、鉄が軋めく音が聞こえる。
 まさか、フロストの奴――!?



 ドガーン!

「フオオオ!?」
「だ~! こーの愚弟が~! 俺の指示がないとなーんにもできねーのかよ!? こんなことなら面倒でも、無線機能で指示を飛ばせるよーにしておくべきだったぜ~!」

 フレイムの巨体を押し飛ばして現れたフロスト。
 だがその姿は異形のものとなっていた。

 背中から生えた四本の機械の腕。
 いくつもの関節が繋がって尻尾のようにうねり、先端が四つの爪となった機械の腕。
 その四本の腕を使ってフレイムの巨体を押し飛ばし、フロストが現れた。

「おい、ロギウス。フロストもフレイムと同じ、"サイボーグ"ってやつなのか?」
「いや……。彼は自らの体を機械化はしていないはずだ。あの背中から生えた四本の腕は、おそらく外付けのものだろう」

 フロストは驚く俺達を見ながら、四本の腕を使って自らの肉体を支えながら、俺達の前へと躍り出た。

「まさかこのアームまで使う羽目になるとはな~。伸縮自在かつ、本来の人間の手足よりも精密な動作を可能とし、一本一本のパワーもフレイムと同レベル。この俺自らを最終兵器へと変化させる、全ての技術と知識を結集させた、最高傑作だ!!」

 そんな自らの発明の内容を語りながら、フロストは四本の機械の腕で自らの肉体を持ち上げて、俺達を見下ろす。
 フレイムに比べたら脅威は感じないが、自らの腕と同じように扱えるのなら、手強いことには変わりなさそうだ……!



 プシュウウ……

「――が。こいつはまだ試作品の段階だ。フレイムをどけるのにエネルギーを使い果たしちまったな~。やっぱ改善の余地ありか~……」

 フロストの背中から伸びていた四本の腕は力が抜けたように地面へとへたれてしまった。

「フロスト元隊長。もう戦わないのかい?」
「はいはい、降参しますよ~。どの道このアームを使えたところで、俺の戦闘力はフレイムよりはるかに下だ。そのフレイムにしても、俺の身を守れない状況じゃー、下手に戦わせるわけにもいかねーしな」

 両手を上げて降参のポーズをとるフロスト。
 どうやら本当にもう戦う意思はないらしい。

「だったら改めて俺達の話を聞いてくれ」
「その話はもう聞いてやっただろーが。俺が出した条件を飲めないのなら、手を貸す義理はねーな。適当な重火器ぐらいなら貸してやるけどよ~」

 フロストが俺達に協力してくれる条件はあくまで『レーコ公爵の殺害』だそうだ。
 フロストから適当な重火器を借りただけでは、王国騎士団とまともに渡り合える戦力にはならない。
 俺達に今必要なのは、フロストやフレイム自身の力だ。

「第一だぜ~、ゼロラ。てめーは俺に貸しがあるだろーが?」
「貸し……。ルクガイア城を脱出する時のことか。空からの攻撃……やはりあれはフレイムの仕業だったんだな。それについては感謝してる」
「だろ~? だったら今回の一件でお互い貸し借りなしになりそーなところを、重火器を貸し出すところまで譲歩してやってるんだぜ~? うまい話だろ~?」

 フロストの言い分はもっともだが、どうにかしてフロストとフレイムの兄弟が俺達の味方にならないようにしてくる魂胆が見える。

「そーれーに~。てめーらの仲間の中にはバクトのアホ公爵もいるんだろ~? 俺があいつ嫌いなことは、ロギウスも知ってるだろーが。あんな大馬鹿野郎と直接手を組むなんて、俺は死んでもゴメンだぜ~」
「本当に仲悪いよね、あなた達二人は……」

 フロストはバクトと味方になるのが嫌なことも持ちかけてくる。
 この二人……過去に何があったんだ?

「お前の言い分は分かった。だが、よくよく考えたら俺がお前に借りを感じる必要もない。お前ら兄弟が俺を助けたのなんて、"ついで"でしかなかったんだろ? 本当は俺のことなんてどうでもよかったんじゃねえか?」
「……何が言いてーんだ?」

 あまりに非協力的なフロストに業を煮やした俺は、こちらから交渉を仕掛けてみる。
 フロストもどこか興味がありそうな表情で俺の話に耳を傾ける。

「フロスト。お前はそもそも、"俺を助ける"気なんてなかったんだろ? 最初から、"ラルフルだけ助かればよかった"と考えてたんじゃねえか?」
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