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第23章 追憶の番人『ドク』
第338話 復讐の終焉
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あわやレーコ公爵を殺害しかけたフロストだったが、マカロンとラルフルの姉弟の介入により、間一髪のところで食い止めることができた。
それでも、まだ公爵の身分にあるレーコ公爵を殺害しようとした罪は重く、今回の騒動の実行犯であるフロストは、現在は監獄となっている魔幻塔へと収監されることになった。
「やれやれ……。久しぶりに君達に会えたと思ったら、こんな事態になっていたとはね……」
「すまないな、リョウ。久しぶりの再会だったのによ……」
そんな監獄となった魔幻塔を現在取り仕切っているのは、元々魔幻塔の大神官だったリョウだ。
リョウもリョウで忙しい身だったため、中々会う機会が作れず、こんな重たい場面での再会となってしまった。
「いや、気にしないでくれ。聞けばマカロンとラルフル君のために動いてくれたそうだね。あの二人はボクにとっても大事な友人だ。感謝するよ」
そんな俺の態度にも、リョウは笑顔で答えてくれる。
「お前、なんだかんだでいい女だよな」
「きゅ、急にそんなことを言わないでくれ、ゼロラ殿! ボクの気持ちは知っているのだろう!? いくらボクでも動揺してしまう!」
俺の言葉を聞いて、顔を赤くしながらそっぽを向くリョウ。
かわいい奴だ。変態性がなければ、さぞモテるだろうに……。
「ところで、フロストは今後どうなるんだ?」
「極刑にはならないだろう。幸い、レーコ公爵を殺害するまでには至ってないからね。釈放はいつになるか分からないけど……」
あの後、レーコ公爵は貴族街の本宅で相変わらず閉じこもっているらしい。
フロストの脅威が去ったとはいえ、現在のルクガイア王国は改革が成立し、貴族制度の撤廃を目指して動いている。
レーコ公爵はどうにか本宅で挽回の期を伺っているらしい。
もっとも、それを許すロギウスやガルペラ、そして国王でもないだろうが。
「それにだね。フロスト殿との面会はかなり自由に行えるようになっている」
「ああ、聞いてる。早速マカロンとラルフルが面会してるらしいな」
一応は収監されているフロストだが、これまでレーコ公爵が行ってきた悪事も明るみに出てきたためか、拘束はかなり緩い。
正直フロストがその気になれば脱獄できそうだが、当の本人は大人しく捕まっている。
おそらくはマカロンとラルフルに迷惑をかけないためだろう。
フロストが愛した女性、ルナーナの忘れ形見のことを思い――
◇◇◇
「――実はな、ルナーナは結婚する前はメイドを辞めて、冒険者になろうとしてたんだ」
「え!? お母さんって冒険者になるつもりだったんですか!?」
「なんでお母さんは冒険者に……?」
自分とお姉ちゃんは今、フロストさんが収監されている牢屋の前にいます。
鉄格子越しですけど、三人でお話はできます。
そして、フロストさんは自分達も知らないお母さんのことを色々教えてくれました。
「冒険者になることが目的って言うよりは……俺と結婚するためだったんだろうな。貴族の下働きを辞めれば、結婚も自由だ。ただ……そうしようとしている間に、ルナーナの縁談を強引に決められちまってな~……」
「お母さんとフロストさんは……本当に仲が良かったのですね」
聞けば聞くほど、自分達にとって"お父さん"と呼べる人はフロストさんのような気がします。
本当にこの人がお父さんだったら良かったのに……。
「それでもルナーナは冒険者になるために、魔法の適性検査は受けていたらしい」
「確か、その人がどんな属性魔法が得意かを判断する検査……でしたよね?」
「ああ、そうだ。……そしてルナーナの適正魔法は……"光魔法"だったんだ」
「お、お母さんの適正魔法が……光魔法……!?」
それならばお姉ちゃんが光魔法を使えるようになったことにも納得できます。
自分の魔力を引き継いだお姉ちゃんは、お母さんから引き継いだ才能で、光魔法を使えるようになったのでしょう。
他にもフロストさんとは色々な話をしました。
そのたびにフロストさんは鉄格子の向こう側から、笑顔で自分達に答えてくれました。
復讐という狂気が抜け落ちたフロストさんは、すごく優しい人でした。
――この人は、もう自分達にとっての"お父さん"と言っても過言ではないですね。
■
「お? 長々と話し込んじまったな~。随分と時間が経っちまったようだな」
「本当ですね。ふあ~……もう少しお話ししたかったのですが……」
「おいおい、欠伸してるじゃねえか。いい子は早く寝ろ」
「こ、子ども扱いしないでくださいよ~」
フロストさんとお話ししていると、いつの間にか夜になったようです。
眠り眼の自分を、お姉ちゃんが介抱してくれます。
「フロストさん……また来てもいいですか?」
「ああ、もちろんだ。俺も当分はここで大人しくしてる。こっちこそ、ルナーナの子であるお前達二人に来てもらえるのは嬉しいからな」
お姉ちゃんはまたフロストさんのところへ来る約束をとってくれました。
「あっ。それとフレイムとニナーナのことも頼む。あの二人もお前達の話なら聞くだろう。幸い、フレイムの言葉もラルフルには理解できるみたいだしな」
「分かりました。フロストさんがここから出るまでの間、フレイムさんとニナーナさんのことは自分達に任せてください!」
自分にフレイムさんの言葉が分かるのも、お母さんからの遺伝なのでしょう。
あの二人は今、この魔幻塔の外で戦いの傷を癒しています。
フロストさんが戻るまでの間、自分達でお二人を支えて行きましょう。
フロストさんの家族は、自分達にとっても家族ですから――
それでも、まだ公爵の身分にあるレーコ公爵を殺害しようとした罪は重く、今回の騒動の実行犯であるフロストは、現在は監獄となっている魔幻塔へと収監されることになった。
「やれやれ……。久しぶりに君達に会えたと思ったら、こんな事態になっていたとはね……」
「すまないな、リョウ。久しぶりの再会だったのによ……」
そんな監獄となった魔幻塔を現在取り仕切っているのは、元々魔幻塔の大神官だったリョウだ。
リョウもリョウで忙しい身だったため、中々会う機会が作れず、こんな重たい場面での再会となってしまった。
「いや、気にしないでくれ。聞けばマカロンとラルフル君のために動いてくれたそうだね。あの二人はボクにとっても大事な友人だ。感謝するよ」
そんな俺の態度にも、リョウは笑顔で答えてくれる。
「お前、なんだかんだでいい女だよな」
「きゅ、急にそんなことを言わないでくれ、ゼロラ殿! ボクの気持ちは知っているのだろう!? いくらボクでも動揺してしまう!」
俺の言葉を聞いて、顔を赤くしながらそっぽを向くリョウ。
かわいい奴だ。変態性がなければ、さぞモテるだろうに……。
「ところで、フロストは今後どうなるんだ?」
「極刑にはならないだろう。幸い、レーコ公爵を殺害するまでには至ってないからね。釈放はいつになるか分からないけど……」
あの後、レーコ公爵は貴族街の本宅で相変わらず閉じこもっているらしい。
フロストの脅威が去ったとはいえ、現在のルクガイア王国は改革が成立し、貴族制度の撤廃を目指して動いている。
レーコ公爵はどうにか本宅で挽回の期を伺っているらしい。
もっとも、それを許すロギウスやガルペラ、そして国王でもないだろうが。
「それにだね。フロスト殿との面会はかなり自由に行えるようになっている」
「ああ、聞いてる。早速マカロンとラルフルが面会してるらしいな」
一応は収監されているフロストだが、これまでレーコ公爵が行ってきた悪事も明るみに出てきたためか、拘束はかなり緩い。
正直フロストがその気になれば脱獄できそうだが、当の本人は大人しく捕まっている。
おそらくはマカロンとラルフルに迷惑をかけないためだろう。
フロストが愛した女性、ルナーナの忘れ形見のことを思い――
◇◇◇
「――実はな、ルナーナは結婚する前はメイドを辞めて、冒険者になろうとしてたんだ」
「え!? お母さんって冒険者になるつもりだったんですか!?」
「なんでお母さんは冒険者に……?」
自分とお姉ちゃんは今、フロストさんが収監されている牢屋の前にいます。
鉄格子越しですけど、三人でお話はできます。
そして、フロストさんは自分達も知らないお母さんのことを色々教えてくれました。
「冒険者になることが目的って言うよりは……俺と結婚するためだったんだろうな。貴族の下働きを辞めれば、結婚も自由だ。ただ……そうしようとしている間に、ルナーナの縁談を強引に決められちまってな~……」
「お母さんとフロストさんは……本当に仲が良かったのですね」
聞けば聞くほど、自分達にとって"お父さん"と呼べる人はフロストさんのような気がします。
本当にこの人がお父さんだったら良かったのに……。
「それでもルナーナは冒険者になるために、魔法の適性検査は受けていたらしい」
「確か、その人がどんな属性魔法が得意かを判断する検査……でしたよね?」
「ああ、そうだ。……そしてルナーナの適正魔法は……"光魔法"だったんだ」
「お、お母さんの適正魔法が……光魔法……!?」
それならばお姉ちゃんが光魔法を使えるようになったことにも納得できます。
自分の魔力を引き継いだお姉ちゃんは、お母さんから引き継いだ才能で、光魔法を使えるようになったのでしょう。
他にもフロストさんとは色々な話をしました。
そのたびにフロストさんは鉄格子の向こう側から、笑顔で自分達に答えてくれました。
復讐という狂気が抜け落ちたフロストさんは、すごく優しい人でした。
――この人は、もう自分達にとっての"お父さん"と言っても過言ではないですね。
■
「お? 長々と話し込んじまったな~。随分と時間が経っちまったようだな」
「本当ですね。ふあ~……もう少しお話ししたかったのですが……」
「おいおい、欠伸してるじゃねえか。いい子は早く寝ろ」
「こ、子ども扱いしないでくださいよ~」
フロストさんとお話ししていると、いつの間にか夜になったようです。
眠り眼の自分を、お姉ちゃんが介抱してくれます。
「フロストさん……また来てもいいですか?」
「ああ、もちろんだ。俺も当分はここで大人しくしてる。こっちこそ、ルナーナの子であるお前達二人に来てもらえるのは嬉しいからな」
お姉ちゃんはまたフロストさんのところへ来る約束をとってくれました。
「あっ。それとフレイムとニナーナのことも頼む。あの二人もお前達の話なら聞くだろう。幸い、フレイムの言葉もラルフルには理解できるみたいだしな」
「分かりました。フロストさんがここから出るまでの間、フレイムさんとニナーナさんのことは自分達に任せてください!」
自分にフレイムさんの言葉が分かるのも、お母さんからの遺伝なのでしょう。
あの二人は今、この魔幻塔の外で戦いの傷を癒しています。
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フロストさんの家族は、自分達にとっても家族ですから――
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