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第24章 常なる陰が夢見た未来
第341話 絆、紡ぎし意味
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「なあ、どうにかして魔王城まで船は出せないのか?」
「出せへんな~。そもそもあの黒い霧のせいで、わしらも商売あがったりやねん」
俺は港町ウォウサカに来ていた。
理由はここの沖合にある、魔王城に行くためだ。
そしてウォウサカの漁師に頼んでいるのだが、断られっぱなしだ。
理由はこの黒い霧――<ナイトメアハザード>。
それはすでにウォウサカをも飲み込もうとしている。
「あの黒い霧は形となった悪夢や。あないなもんが発生しとる魔王城になんて、誰も近づきとうあらへん」
「そうか……」
漁師もその脅威を感じ取り、魔王城へ向かうことを拒む。
ウォウサカの街全体も、<ナイトメアハザード>によって以前見た活気が感じられない。
「どうすれば魔王城に行けるんだ……」
俺は一人悩みながら、港を歩いていた。
「ゼロラさーん!」
すると、遠くから聞きなれた声が聞こえてきた。
「ラルフル? それに、マカロンやリョウまで?」
「ゼロラさん! 急に黙ってどこへ行こうとしてるんですか!?」
「ボク達、みんな心配してたんだよ?」
続々と俺の元に知った顔が集まってくる――
「ゼロラはん。魔王城に行くつもりなんか?」
「ウォウサカから船で行こうにも、<ナイトメアハザード>のせいでとてもたどり着けないッスよ?」
「シシバ……。サイバラ……」
皆が俺を心配していることが、表情から伺える――
「魔王城に行くなら私に任せるのです! 父上から受け継いだ、<転移魔法陣>とジフウさんがいれば、魔王城にもひとっ飛びなのです!」
「ああ、あの魔法陣は"そいつが行ったことのある場所なら、どこにでも行ける"って代物なのか」
「ガルペラにジフウまで……」
そして俺が魔王城に行こうとしているのを理解し、行き方まで提案してくれる――
「確かに俺は魔王城に行こうとしてる。だが、あそこは危険な場所だ」
「そもそも、ゼロラさんはどうして魔王城に行こうとしてるんですか?」
<ナイトメアハザード>の発生源となり、より危険となっている現在の魔王城――
そんな場所に行こうとする理由を、ラルフルが尋ねてきた。
「魔王城……。あそこに俺の記憶の手掛かりがある。俺は……あの場所に行かなければならないんだ」
「魔王城にゼロラさんの記憶の手掛かりが……!? なんでそんなところに――」
「……ゼロラ殿。どうやら君は、少しずつ記憶が戻ってきているんだね?」
不思議がるマカロン。何かを察したリョウ。
そうだ。この俺の失った記憶――過去の全て――
――その答えは、魔王城にある。
「皆、これは俺一人の問題だ。駆けつけてくれたことは嬉しいが、ここは俺一人で――」
「水臭いな~、ゼロラはんは。そないなもん、今更遠慮することでもあらへんやろ。キシシシ!」
「オレもゼロラさんには色々迷惑かけて、世話になった身ッスからね。協力できることなら、いくらでも手ぇ貸すッスよ。ダハハハ!」
一人で魔王城に向かおうとする俺に、シシバとサイバラは笑顔で協力を申し出てくれた。
「<ナイトメアハザード>も大丈夫なのです! マカロンさんとリョウ大神官いれば、あの闇にも飲まれない対策はとれるのです!」
「それに、俺は一度魔王城の中まで入ったことがある。中を探索するなら、道案内があった方がいいだろ?」
ガルペラとジフウも俺に協力的だ。
「それでも、危険なことには――」
「ゼロラさん! ご自身の問題かもしれませんが、自分達のことも頼ってください!」
皆の協力を遮ろうとする俺に、ラルフルが喝を入れてきた。
他の皆も、俺に「頼ってくれ」と言わんばかりに顔を向けてくる。
本当に頼もしいな。
最初は記憶喪失で右も左も分からず、貴族から汚れ仕事を請け負い、どこか孤独だった毎日――
ラルフルと出会い、その後も多くの人々と出会った俺には、いつの間にかたくさんの仲間ができていた。
俺のことを頼ってくれて、そして頼りになる仲間達が――
そう思うと、目頭が熱くなってくる。
「本当に頼っていいのか?」
「ゼロラさんは本当に水臭いですね。いいに決まってるじゃないですか。そもそも私は、ゼロラさんがいなかったら今頃どうなっていたことか……」
「マカロンを助けた時はボクもいたんだけどね。まあでも、ボクだってゼロラ殿とはもう長い付き合いだ。遠慮なんていらないよ」
マカロンとリョウも俺の気持ちを汲んでくれる。
こんな二人に惚れられるとは、当初の俺には想像もできなかった話だ。
「そないなこと言うて、リョウはゼロラはんと一緒にいたいだけやろが」
「普段通り素直に言え。この面倒妹が」
「……ボク、兄さん達のこと嫌い」
そんなリョウに茶々を入れるシシバとジフウの兄二人。
こんな他愛のない日常が今俺の目の前にあることが、素直に嬉しい。
「そろそろ本題に戻った方がいいんじゃないスかね? 話が逸れていきそうッス」
そんな話に割り込んでくる、サイバラの忠告。
こいつへの見方も度重なる戦いを経て、大きく変わってきた。
今のサイバラも、十分すぎるほど頼れる存在だ――
「……分かった。皆、頼む。俺の過去を知るために、魔王城へ行くことに協力してくれ」
その場にいた俺以外の七人は、無言で頷いてくれた。
「では、早速始めるのです。先程も話した通り、ジフウさんの記憶を頼りにして、私の<転送魔法陣>で魔王城までひとっ飛びなのです」
そう言ってガルペラは地面に魔法陣を描き始めた。
「それと、マカロンさんにリョウ大神官。二人の力を合わせてこの場にいる全員に、光魔法をかけてほしいのです」
「分かりました。<ナイトメアハザード>への対策ですね」
「ボクの力でマカロンの光魔法を増幅させれば、この場にいる八人全員に光魔法による防御をかけられるね」
そしてマカロンとリョウが協力して光魔法をかけようとするが――
「待ってくれ。一つだけ俺から頼みたいことがある――」
「出せへんな~。そもそもあの黒い霧のせいで、わしらも商売あがったりやねん」
俺は港町ウォウサカに来ていた。
理由はここの沖合にある、魔王城に行くためだ。
そしてウォウサカの漁師に頼んでいるのだが、断られっぱなしだ。
理由はこの黒い霧――<ナイトメアハザード>。
それはすでにウォウサカをも飲み込もうとしている。
「あの黒い霧は形となった悪夢や。あないなもんが発生しとる魔王城になんて、誰も近づきとうあらへん」
「そうか……」
漁師もその脅威を感じ取り、魔王城へ向かうことを拒む。
ウォウサカの街全体も、<ナイトメアハザード>によって以前見た活気が感じられない。
「どうすれば魔王城に行けるんだ……」
俺は一人悩みながら、港を歩いていた。
「ゼロラさーん!」
すると、遠くから聞きなれた声が聞こえてきた。
「ラルフル? それに、マカロンやリョウまで?」
「ゼロラさん! 急に黙ってどこへ行こうとしてるんですか!?」
「ボク達、みんな心配してたんだよ?」
続々と俺の元に知った顔が集まってくる――
「ゼロラはん。魔王城に行くつもりなんか?」
「ウォウサカから船で行こうにも、<ナイトメアハザード>のせいでとてもたどり着けないッスよ?」
「シシバ……。サイバラ……」
皆が俺を心配していることが、表情から伺える――
「魔王城に行くなら私に任せるのです! 父上から受け継いだ、<転移魔法陣>とジフウさんがいれば、魔王城にもひとっ飛びなのです!」
「ああ、あの魔法陣は"そいつが行ったことのある場所なら、どこにでも行ける"って代物なのか」
「ガルペラにジフウまで……」
そして俺が魔王城に行こうとしているのを理解し、行き方まで提案してくれる――
「確かに俺は魔王城に行こうとしてる。だが、あそこは危険な場所だ」
「そもそも、ゼロラさんはどうして魔王城に行こうとしてるんですか?」
<ナイトメアハザード>の発生源となり、より危険となっている現在の魔王城――
そんな場所に行こうとする理由を、ラルフルが尋ねてきた。
「魔王城……。あそこに俺の記憶の手掛かりがある。俺は……あの場所に行かなければならないんだ」
「魔王城にゼロラさんの記憶の手掛かりが……!? なんでそんなところに――」
「……ゼロラ殿。どうやら君は、少しずつ記憶が戻ってきているんだね?」
不思議がるマカロン。何かを察したリョウ。
そうだ。この俺の失った記憶――過去の全て――
――その答えは、魔王城にある。
「皆、これは俺一人の問題だ。駆けつけてくれたことは嬉しいが、ここは俺一人で――」
「水臭いな~、ゼロラはんは。そないなもん、今更遠慮することでもあらへんやろ。キシシシ!」
「オレもゼロラさんには色々迷惑かけて、世話になった身ッスからね。協力できることなら、いくらでも手ぇ貸すッスよ。ダハハハ!」
一人で魔王城に向かおうとする俺に、シシバとサイバラは笑顔で協力を申し出てくれた。
「<ナイトメアハザード>も大丈夫なのです! マカロンさんとリョウ大神官いれば、あの闇にも飲まれない対策はとれるのです!」
「それに、俺は一度魔王城の中まで入ったことがある。中を探索するなら、道案内があった方がいいだろ?」
ガルペラとジフウも俺に協力的だ。
「それでも、危険なことには――」
「ゼロラさん! ご自身の問題かもしれませんが、自分達のことも頼ってください!」
皆の協力を遮ろうとする俺に、ラルフルが喝を入れてきた。
他の皆も、俺に「頼ってくれ」と言わんばかりに顔を向けてくる。
本当に頼もしいな。
最初は記憶喪失で右も左も分からず、貴族から汚れ仕事を請け負い、どこか孤独だった毎日――
ラルフルと出会い、その後も多くの人々と出会った俺には、いつの間にかたくさんの仲間ができていた。
俺のことを頼ってくれて、そして頼りになる仲間達が――
そう思うと、目頭が熱くなってくる。
「本当に頼っていいのか?」
「ゼロラさんは本当に水臭いですね。いいに決まってるじゃないですか。そもそも私は、ゼロラさんがいなかったら今頃どうなっていたことか……」
「マカロンを助けた時はボクもいたんだけどね。まあでも、ボクだってゼロラ殿とはもう長い付き合いだ。遠慮なんていらないよ」
マカロンとリョウも俺の気持ちを汲んでくれる。
こんな二人に惚れられるとは、当初の俺には想像もできなかった話だ。
「そないなこと言うて、リョウはゼロラはんと一緒にいたいだけやろが」
「普段通り素直に言え。この面倒妹が」
「……ボク、兄さん達のこと嫌い」
そんなリョウに茶々を入れるシシバとジフウの兄二人。
こんな他愛のない日常が今俺の目の前にあることが、素直に嬉しい。
「そろそろ本題に戻った方がいいんじゃないスかね? 話が逸れていきそうッス」
そんな話に割り込んでくる、サイバラの忠告。
こいつへの見方も度重なる戦いを経て、大きく変わってきた。
今のサイバラも、十分すぎるほど頼れる存在だ――
「……分かった。皆、頼む。俺の過去を知るために、魔王城へ行くことに協力してくれ」
その場にいた俺以外の七人は、無言で頷いてくれた。
「では、早速始めるのです。先程も話した通り、ジフウさんの記憶を頼りにして、私の<転送魔法陣>で魔王城までひとっ飛びなのです」
そう言ってガルペラは地面に魔法陣を描き始めた。
「それと、マカロンさんにリョウ大神官。二人の力を合わせてこの場にいる全員に、光魔法をかけてほしいのです」
「分かりました。<ナイトメアハザード>への対策ですね」
「ボクの力でマカロンの光魔法を増幅させれば、この場にいる八人全員に光魔法による防御をかけられるね」
そしてマカロンとリョウが協力して光魔法をかけようとするが――
「待ってくれ。一つだけ俺から頼みたいことがある――」
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