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第25章 新たなる世界へ
第366話 たとえそうだとしても
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ゼロラさんの正体――それは、【伝説の魔王】ジョウイン。
その人が死の間際、娘であるミライちゃんを迎えに来るために必死の思いで転生したのが、ゼロラさんという"人間"。
あのダンジェロという魔王軍四天王にそそのかされ、私は【伝説の魔王】に実の父を殺してもらうように願った。
実の父はひどい人だったけど、それでも私の願いは許されざることだった。
そんな私を、ゼロラさんは受け入れてくれた。
そして、そのゼロラさんこそが【伝説の魔王】だった――
もしかしたら、私はゼロラさんにあの幼い日に見た【伝説の魔王】ジョウインの面影を感じていたのかもしれない。
私の悪魔の願いを聞き届けてくれて、その願いを叶えてくれた姿と、魔王軍に奴隷として捕まっていた私を助けてくれた姿を――
――そして私は今も、そんな悪魔な私を受け入れてくれたゼロラさんへの気持ちは変わらない。
「ゼロラさん。ミライちゃんの食事をお持ちしました。ギャングレオの人達が、食べやすいように雑炊にしてくれました」
「助かった、ラルフル。ほら、ミライ。ゆっくりと食べるんだ」
「う、うん……」
ラルフルが持ってきてくれた雑炊を、ゼロラさんがミライちゃんの口へと優しくスプーンで運ぶ。
ミライちゃんも二年ぶりの食事でおぼつかないが、それでも少しずつ飲み込んでいく。
「そうだ、ミライ。少しずつでいいから食べてくれ。お母さんだって、ミライには元気でいてほしいに決まってるしな」
「あむあむ……うん。わたし、ちゃんとごはん食べる……」
ゼロラさんはミライちゃんのお母さん――自身の奥さんのことを語りながら、嬉しそうにミライちゃんが食べる様子を見ている。
ゼロラさんには【慈愛の勇者】ユメ様という奥さんがいる。
その思いは、生まれ変わった今も変わっていない。
【伝説の魔王】さえ魅了したユメ様――
きっと、私とは比べ物にならない程、魅力的な女性だったに違いない。
それでも、私はゼロラさんへの思いを諦めきれない。
「ミライちゃん。ご飯おいしい? もっと食べられるようになったら、お姉ちゃんも作ってあげるからね?」
「うん……ありがと。わたし、ちゃんと食べれるようになって、おねえちゃんのごはんも食べたい……」
私はミライちゃんの頭を撫でながら、心の距離を縮めようとする。
この子との距離を縮め、ゼロラさんに取り入ろうとする。
私は卑しい女だ。
こんな幼い子供を出汁にして、ゼロラさんとの関係を繋げようとする。
私は弱い女だ。
ゼロラさんの正体が分かっても、私の過去の行いを悔いても、それでもこの人との関係を続けていきたい。
「お姉ちゃん? なんだか思い悩んでる表情をしてますけど?」
「え? あ、ごめんね、ラルフル。ちょっと考え事をしてただけだから……」
そんなどこか上の空だった私に、ラルフルが声をかける。
ミライちゃんを安心させないといけないのに、弟まで心配させちゃうなんて――
やっぱり、私はダメな女だなー……。
「マカロン、調子が悪いなら言ってくれ。お前には相当苦労を掛けさせたからな」
「そ、そんな。私の苦労なんて――」
「お前が俺を今日まで面倒見てきてくれたから、こうしてミライに会うことができたんだ。それにお前の光魔法がないと、みんなと一緒に魔王城に来ることもできなかった。感謝してもしきれない。本当にありがとうな……」
ゼロラさんはいつもの優しい笑みで私の頭を撫でてくれます。
この人は本当にいい人だ。
『かつて魔王だった』とか、『見た目が怖そう』だとかは関係ない。
二年ぶりに再会できた娘を心配しながら、私のような女のことまで気遣ってくれる。
「マカロンおねえちゃん? つらいの? 泣いてるよ? だいじょうぶ?」
そして、ミライちゃんが私の手の上に自らのその小さな手を乗せながら、心配そうに見上げてくる。
気が付くと、私はミライちゃんが言うように涙を流していた――
「ご、ごめんね、ミライちゃん。お姉ちゃん、ちょっと感慨深くなちゃって……」
「『かんがいぶかい』? 『つらい』とか、『かなしい』とかじゃないの?」
「うん、そうよ。どっちかって言うと――『嬉しい』かな?」
「よ、よかった。わたし、おねえちゃんのごはんも食べてみたいから……。おねえちゃんには元気でいてほしいから……」
――この子は本当にいい子だ。
両親の愛情を一身に受けて育ってきたことが、この様子だけでも分かる。
こんなにいい子に、私の邪な気持ちなんて関係ない。
私は――この子が幸せに生きていけるよう、最善を尽くそう。
その人が死の間際、娘であるミライちゃんを迎えに来るために必死の思いで転生したのが、ゼロラさんという"人間"。
あのダンジェロという魔王軍四天王にそそのかされ、私は【伝説の魔王】に実の父を殺してもらうように願った。
実の父はひどい人だったけど、それでも私の願いは許されざることだった。
そんな私を、ゼロラさんは受け入れてくれた。
そして、そのゼロラさんこそが【伝説の魔王】だった――
もしかしたら、私はゼロラさんにあの幼い日に見た【伝説の魔王】ジョウインの面影を感じていたのかもしれない。
私の悪魔の願いを聞き届けてくれて、その願いを叶えてくれた姿と、魔王軍に奴隷として捕まっていた私を助けてくれた姿を――
――そして私は今も、そんな悪魔な私を受け入れてくれたゼロラさんへの気持ちは変わらない。
「ゼロラさん。ミライちゃんの食事をお持ちしました。ギャングレオの人達が、食べやすいように雑炊にしてくれました」
「助かった、ラルフル。ほら、ミライ。ゆっくりと食べるんだ」
「う、うん……」
ラルフルが持ってきてくれた雑炊を、ゼロラさんがミライちゃんの口へと優しくスプーンで運ぶ。
ミライちゃんも二年ぶりの食事でおぼつかないが、それでも少しずつ飲み込んでいく。
「そうだ、ミライ。少しずつでいいから食べてくれ。お母さんだって、ミライには元気でいてほしいに決まってるしな」
「あむあむ……うん。わたし、ちゃんとごはん食べる……」
ゼロラさんはミライちゃんのお母さん――自身の奥さんのことを語りながら、嬉しそうにミライちゃんが食べる様子を見ている。
ゼロラさんには【慈愛の勇者】ユメ様という奥さんがいる。
その思いは、生まれ変わった今も変わっていない。
【伝説の魔王】さえ魅了したユメ様――
きっと、私とは比べ物にならない程、魅力的な女性だったに違いない。
それでも、私はゼロラさんへの思いを諦めきれない。
「ミライちゃん。ご飯おいしい? もっと食べられるようになったら、お姉ちゃんも作ってあげるからね?」
「うん……ありがと。わたし、ちゃんと食べれるようになって、おねえちゃんのごはんも食べたい……」
私はミライちゃんの頭を撫でながら、心の距離を縮めようとする。
この子との距離を縮め、ゼロラさんに取り入ろうとする。
私は卑しい女だ。
こんな幼い子供を出汁にして、ゼロラさんとの関係を繋げようとする。
私は弱い女だ。
ゼロラさんの正体が分かっても、私の過去の行いを悔いても、それでもこの人との関係を続けていきたい。
「お姉ちゃん? なんだか思い悩んでる表情をしてますけど?」
「え? あ、ごめんね、ラルフル。ちょっと考え事をしてただけだから……」
そんなどこか上の空だった私に、ラルフルが声をかける。
ミライちゃんを安心させないといけないのに、弟まで心配させちゃうなんて――
やっぱり、私はダメな女だなー……。
「マカロン、調子が悪いなら言ってくれ。お前には相当苦労を掛けさせたからな」
「そ、そんな。私の苦労なんて――」
「お前が俺を今日まで面倒見てきてくれたから、こうしてミライに会うことができたんだ。それにお前の光魔法がないと、みんなと一緒に魔王城に来ることもできなかった。感謝してもしきれない。本当にありがとうな……」
ゼロラさんはいつもの優しい笑みで私の頭を撫でてくれます。
この人は本当にいい人だ。
『かつて魔王だった』とか、『見た目が怖そう』だとかは関係ない。
二年ぶりに再会できた娘を心配しながら、私のような女のことまで気遣ってくれる。
「マカロンおねえちゃん? つらいの? 泣いてるよ? だいじょうぶ?」
そして、ミライちゃんが私の手の上に自らのその小さな手を乗せながら、心配そうに見上げてくる。
気が付くと、私はミライちゃんが言うように涙を流していた――
「ご、ごめんね、ミライちゃん。お姉ちゃん、ちょっと感慨深くなちゃって……」
「『かんがいぶかい』? 『つらい』とか、『かなしい』とかじゃないの?」
「うん、そうよ。どっちかって言うと――『嬉しい』かな?」
「よ、よかった。わたし、おねえちゃんのごはんも食べてみたいから……。おねえちゃんには元気でいてほしいから……」
――この子は本当にいい子だ。
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