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第28章 勇者が誘う、最後の舞台
第418話 【慈愛の勇者】②
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「ユ、ユメ様……? このオーラは一体……?」
自分は驚きながらも、ユメ様に尋ねます。
自分が発する、<緑色のオーラ>。ユメ様が発する、<白色のオーラ>。
この二つは同じ力のように感じます。
自分は驚いていますが、ユメ様は非常に冷静です。
まるでこうなることが分かっていたような――
――いえ、"こうなるように仕向けた"ように感じます。
「この<緑色のオーラ>……。これはユメ様が自分に与えた力ですか?」
「いえ、私が与えた力ではありません。その力は、あなた自身が元々持っている力が、具現化したものです」
自分の持っている力が、具現化した……?
自分には状況が呑み込めませんが、ユメ様はふとお姉ちゃんへと視線を向けます。
「お姉さんの方ならば、弟さんのこの力も理解できますよね?」
「え、ええ……。ラルフルとユメ様がお互いに放っているオーラ……。これって、ゼロラさんの<灰色のオーラ>と同じものですよね?」
お姉ちゃんはまだ驚きが残っていますが、ユメ様の質問に答えます。
ゼロラさんが放ったと言われる、<灰色のオーラ>――
話には聞いていましたが、自分が放つこの<緑色のオーラ>も、それと同じものということですか?
「そのオーラは、戦う者同士の"心技体が同じ高レベル"に位置した時に現れるものです。私もあなたの力に合わせてそのオーラが発現するように調整はしましたが、その<緑色のオーラ>自体はあなたの力です」
その話を聞いていると、ユメ様は自分の実力に合わせて、手加減してくれていたようですね。
――ですが、それでも自分には感じることができます。
この<緑色のオーラ>が発現した今、自分の力はさらなる高みにたどり着いたということを――
「――さてと。それでは、続きを始めましょうか」
――ただ、これでユメ様との戦いは、終わりではないようです。
ユメ様はこれまで両手で構えていた刀を、右手のみに持ち替えました。
そして左手には、白く輝く光魔法――
「その光魔法は、まさか<勇者の光>……!?」
「その通りです。あなたはその<緑色のオーラ>に目覚めたばかり。まだまだ強くなれる余地があります」
<理刀流>と<勇者の光>の、二刀流――
ユメ様は全身から<白色のオーラ>を滾らせながら、再度こちらへと構えます――
「そこまでして、自分に強くなってほしいのですか?」
「ここまでしないと、あの人は超えられませんよ?」
ユメ様はこちらの心をくすぐるように、言葉を返してきます。
ユメ様にとっての目的は、『ゼロラさんがこの国を去ろうとしたら止める』こと――
そのためにも、ゼロラさんに負けない強さが必要です。
――ですが、ユメ様はどこか楽しそうにも見えます。
「もしかして、私が『楽しそうにしている』ことが分かっちゃいましたか?」
「本当に何でもお見通しですね……」
ユメ様は人の心でも読めるのでしょうか?
さっきから自分の心の声を、先に口にされてしまっています。
それでもユメ様は、自分の疑問に答えてくれます。
「実はですね。私にはあなた達姉弟が、我が子のようにも見えているのです」
「え? 自分とお姉ちゃんがですか?」
「そうです。あなた達二人は、ジョウインさんと特別に深い関係にあります。お二人には失礼かもしれませんが、ただこの世界からそんな光景を見ているしかなかった私にとって、あなた達二人もミライちゃんと同じように見えるのですよ」
ユメ様にとっては、自分とお姉ちゃんも我が子のように見えるのですか――
悪い気はしませんね。
ゼロラさん――いえ、【伝説の魔王】ジョウインの奥さんだったユメ様にそう言ってもらえると、なんだかこそばゆいものがあります。
「このまま仲良く談笑したいところですが、そうもいきません。時間もありませんので、ラルフル君には早速私の全力を受けてもらいます」
「ユ、ユメ様の全力ですか!?」
いくら自分がこの<緑色のオーラ>に目覚めたとはいえ、ユメ様に全力で来られては、それこそ命の心配が――
「安心してください。この世界で死ぬことはありません。夢の世界なので」
そういう問題なのですかね!?
後、当たり前のように自分の心を読まないでください!
――ダッ!
そんな自分の心の声も、今回は無視されたのでしょうか。
ユメ様は右手に刀、左手に魔法を宿した構えのまま、こちらへと駆け寄ってきました。
「くっ……! やるしかありませんね……!」
向かってくる以上、自分も迎え撃つしかありません。
自分も構えをとり、ユメ様の攻撃に備えます――
ガキンッ! バキンッ! ジャキンッ!
「な!? こ、この速さは……!?」
ユメ様の攻撃は、さっきよりも苛烈です!
刀を片手に持ち替えたのに、その手数はこれまで以上です!
一撃の威力を落とした分、速さ重視に切り替えてきたのですか――
「駄目ですよ。剣筋だけに気をとられていては――」
何とかユメ様の剣筋を捉えていましたが、突如左手をこちらの眼前へと掲げます――
――ズギャンッ!!
「うぐぅ!? これは……<勇者の光>!?」
ユメ様の左手の平から放たれる、強力な光魔法の波動。
怯んでしまった自分は、慌ててバク転して距離をとります。
――ですが、ユメ様の猛攻は終わりません。
「徒手空拳のあなたが私相手に距離を置いても、その場しのぎにしかなりませんよ?」
「光弾!?」
ユメ様は離れた位置から、今度は<勇者の光>による光弾の乱射で攻め立ててきます!
遠近両方ともに対応できる、今のユメ様の戦闘スタイル――
確かにこのままでは、こちらは押されるばかりです。
「テヤァア!」
「そうですね。近づかないと、私は倒せませんね」
なんとかユメ様との距離を縮め、接近戦へと持ち込もうとします。
ですが、ユメ様はこちらの動きを完全に読んでいます。
流れるような剣捌きで自分の攻撃をいなし、自在に距離を操るように、光弾も交えてきます。
光弾の威力も高く、無理矢理押し通ることもできません。
これが、【慈愛の勇者】の全力――
今の自分の力でも、とてもたどり着ける領域ではありません。
――それでも、一矢ぐらいは報いたいところです。
ユメ様にとって自分より圧倒的に優勢となっている要因は、<勇者の光>による魔法攻撃。
これがある限り、ユメ様の方が間合いで圧倒的に有利です。
自分に魔法は使えませんが、今なら"代わりになるもの"があります。
この体から湧き上がる、<緑色のオーラ>――
元魔法使いの自分だからこそよく分かりますが、この性質は魔法に近いです。
それならば、"魔法のように扱う"ことだってできるはずです――
自分は驚きながらも、ユメ様に尋ねます。
自分が発する、<緑色のオーラ>。ユメ様が発する、<白色のオーラ>。
この二つは同じ力のように感じます。
自分は驚いていますが、ユメ様は非常に冷静です。
まるでこうなることが分かっていたような――
――いえ、"こうなるように仕向けた"ように感じます。
「この<緑色のオーラ>……。これはユメ様が自分に与えた力ですか?」
「いえ、私が与えた力ではありません。その力は、あなた自身が元々持っている力が、具現化したものです」
自分の持っている力が、具現化した……?
自分には状況が呑み込めませんが、ユメ様はふとお姉ちゃんへと視線を向けます。
「お姉さんの方ならば、弟さんのこの力も理解できますよね?」
「え、ええ……。ラルフルとユメ様がお互いに放っているオーラ……。これって、ゼロラさんの<灰色のオーラ>と同じものですよね?」
お姉ちゃんはまだ驚きが残っていますが、ユメ様の質問に答えます。
ゼロラさんが放ったと言われる、<灰色のオーラ>――
話には聞いていましたが、自分が放つこの<緑色のオーラ>も、それと同じものということですか?
「そのオーラは、戦う者同士の"心技体が同じ高レベル"に位置した時に現れるものです。私もあなたの力に合わせてそのオーラが発現するように調整はしましたが、その<緑色のオーラ>自体はあなたの力です」
その話を聞いていると、ユメ様は自分の実力に合わせて、手加減してくれていたようですね。
――ですが、それでも自分には感じることができます。
この<緑色のオーラ>が発現した今、自分の力はさらなる高みにたどり着いたということを――
「――さてと。それでは、続きを始めましょうか」
――ただ、これでユメ様との戦いは、終わりではないようです。
ユメ様はこれまで両手で構えていた刀を、右手のみに持ち替えました。
そして左手には、白く輝く光魔法――
「その光魔法は、まさか<勇者の光>……!?」
「その通りです。あなたはその<緑色のオーラ>に目覚めたばかり。まだまだ強くなれる余地があります」
<理刀流>と<勇者の光>の、二刀流――
ユメ様は全身から<白色のオーラ>を滾らせながら、再度こちらへと構えます――
「そこまでして、自分に強くなってほしいのですか?」
「ここまでしないと、あの人は超えられませんよ?」
ユメ様はこちらの心をくすぐるように、言葉を返してきます。
ユメ様にとっての目的は、『ゼロラさんがこの国を去ろうとしたら止める』こと――
そのためにも、ゼロラさんに負けない強さが必要です。
――ですが、ユメ様はどこか楽しそうにも見えます。
「もしかして、私が『楽しそうにしている』ことが分かっちゃいましたか?」
「本当に何でもお見通しですね……」
ユメ様は人の心でも読めるのでしょうか?
さっきから自分の心の声を、先に口にされてしまっています。
それでもユメ様は、自分の疑問に答えてくれます。
「実はですね。私にはあなた達姉弟が、我が子のようにも見えているのです」
「え? 自分とお姉ちゃんがですか?」
「そうです。あなた達二人は、ジョウインさんと特別に深い関係にあります。お二人には失礼かもしれませんが、ただこの世界からそんな光景を見ているしかなかった私にとって、あなた達二人もミライちゃんと同じように見えるのですよ」
ユメ様にとっては、自分とお姉ちゃんも我が子のように見えるのですか――
悪い気はしませんね。
ゼロラさん――いえ、【伝説の魔王】ジョウインの奥さんだったユメ様にそう言ってもらえると、なんだかこそばゆいものがあります。
「このまま仲良く談笑したいところですが、そうもいきません。時間もありませんので、ラルフル君には早速私の全力を受けてもらいます」
「ユ、ユメ様の全力ですか!?」
いくら自分がこの<緑色のオーラ>に目覚めたとはいえ、ユメ様に全力で来られては、それこそ命の心配が――
「安心してください。この世界で死ぬことはありません。夢の世界なので」
そういう問題なのですかね!?
後、当たり前のように自分の心を読まないでください!
――ダッ!
そんな自分の心の声も、今回は無視されたのでしょうか。
ユメ様は右手に刀、左手に魔法を宿した構えのまま、こちらへと駆け寄ってきました。
「くっ……! やるしかありませんね……!」
向かってくる以上、自分も迎え撃つしかありません。
自分も構えをとり、ユメ様の攻撃に備えます――
ガキンッ! バキンッ! ジャキンッ!
「な!? こ、この速さは……!?」
ユメ様の攻撃は、さっきよりも苛烈です!
刀を片手に持ち替えたのに、その手数はこれまで以上です!
一撃の威力を落とした分、速さ重視に切り替えてきたのですか――
「駄目ですよ。剣筋だけに気をとられていては――」
何とかユメ様の剣筋を捉えていましたが、突如左手をこちらの眼前へと掲げます――
――ズギャンッ!!
「うぐぅ!? これは……<勇者の光>!?」
ユメ様の左手の平から放たれる、強力な光魔法の波動。
怯んでしまった自分は、慌ててバク転して距離をとります。
――ですが、ユメ様の猛攻は終わりません。
「徒手空拳のあなたが私相手に距離を置いても、その場しのぎにしかなりませんよ?」
「光弾!?」
ユメ様は離れた位置から、今度は<勇者の光>による光弾の乱射で攻め立ててきます!
遠近両方ともに対応できる、今のユメ様の戦闘スタイル――
確かにこのままでは、こちらは押されるばかりです。
「テヤァア!」
「そうですね。近づかないと、私は倒せませんね」
なんとかユメ様との距離を縮め、接近戦へと持ち込もうとします。
ですが、ユメ様はこちらの動きを完全に読んでいます。
流れるような剣捌きで自分の攻撃をいなし、自在に距離を操るように、光弾も交えてきます。
光弾の威力も高く、無理矢理押し通ることもできません。
これが、【慈愛の勇者】の全力――
今の自分の力でも、とてもたどり着ける領域ではありません。
――それでも、一矢ぐらいは報いたいところです。
ユメ様にとって自分より圧倒的に優勢となっている要因は、<勇者の光>による魔法攻撃。
これがある限り、ユメ様の方が間合いで圧倒的に有利です。
自分に魔法は使えませんが、今なら"代わりになるもの"があります。
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