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7章
国王フェリックス ルシアを隠す
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アレクシーの願いは、ルシアとアレクシーの出会いを知らなかったフェリックスにとっては、まさに驚愕のことだった。
直ちに奥の宮の執事を呼び、事を質す。二人の出会いは一瞬のことで、出会いともいえるようなものではなかったとの説明に、一応の納得はする。
しかし今後は、ルシアの事に関してどんな些細な事でも報告するようにと、厳しく申し渡した。
怒りの激情から冷静になると、フェリックスは不安を覚える。アレクシーの言った、ルシアは、我が運命の人と言う言葉に……。
フェリックスには、ルシアが己の運命ではないことは感じていた。しかし、運命の相手に巡り合い、番になることは極めてまれなこと。先の国王と、ルシアの母のような関係は珍しいのだ。だから今までは、全く気にしていなかった。
フェリックスは、アレクシーを我が子ながら優秀な子だと思っている。若いながら王太子としても、着々とその地位を盤石なものにしている様には、頼もしさも感じていた。次代になんの憂いも無いと思っていた。
アレクシーは、王太子として己に直言することはあっても、逆らったことはない。そのアレクシーが、あそこまで言うのなら、多分運命の相手と言うのは本当なのだろう……。
だからと言って、ルシアとの番を解消する気は全くない。ルシアを、例え息子と言えど、他の男に譲るなど考えられない。いや、息子だからこそ譲れはしない。
しかし、困ったことにはなった……それがフェリックスの思いだった。
王太子としてのアレクシーに傷を付けず解決せねば、国の根幹を揺るがすことにもなりかねない。穏便に解決せねば、それがフェリックスの思いだった。
困ったことになった、それは国王の側近達の思いでもあった。
皆、自身もアルファ故に、オメガの番を囲っていた。中には複数のオメガを番にしている者もいるが、番のオメガに対する独占欲は強い。それがアルファと言える。
運命のオメガ、それが存在することは知っていても、出会ってはいなかった。運命の相手と出会い、そして番になることなど稀な事。それが普通のことだ。
王太子があそこまで言うなら、ルシアは王太子の運命の相手かもしれない。しかし、よりにもよって父王の番が運命の相手とは……。
傾国のオメガ、側近達の頭に浮かんだ言葉。国王と王太子の間に決定的な亀裂が入れば、そうなりかねない。
だからといって、ルシアに消えてもらう事など不可能。ルシアの存在は一気に厄介なものになった。
側近の一人が、王妃に事の次第を耳に入れた。聞いた王妃も驚く。今の今まで王妃にとってルシアの存在は何の害もなかった。むしろ好ましいと思っていたが、傾国のオメガ……王妃もそれを思った。
ルシアが、美しく魅力的なことは知っている。しかし、まさか王太子を、最愛の我が子を惑わすとは……。ルシアが、王太子の運命の相手とは……。
もしそうだとしたら、大変な事態だ。この問題が拗れて、国王の怒りが爆発すれば、廃太子もありうる。そうなると、次の太子も我が子エドワードではあるが、母として二人への愛情は違うものがあった。
末っ子のエドワードは、可愛いし甘やかしてもいる。しかしアレクシーは頼りになる嫡子。アレクシーの存在は王妃の誇りでもあり、最愛の息子と言えた。
アレクシーの王太子として地位を脅かす者は、誰たりとも許すことはできない。
傾国のオメガ……しかしさすがに消すわけにはいかない。そのような事国王が許すわけない、だが引き離さねばならない、出来るだけ穏便に……。
直ちに奥の宮の執事を呼び、事を質す。二人の出会いは一瞬のことで、出会いともいえるようなものではなかったとの説明に、一応の納得はする。
しかし今後は、ルシアの事に関してどんな些細な事でも報告するようにと、厳しく申し渡した。
怒りの激情から冷静になると、フェリックスは不安を覚える。アレクシーの言った、ルシアは、我が運命の人と言う言葉に……。
フェリックスには、ルシアが己の運命ではないことは感じていた。しかし、運命の相手に巡り合い、番になることは極めてまれなこと。先の国王と、ルシアの母のような関係は珍しいのだ。だから今までは、全く気にしていなかった。
フェリックスは、アレクシーを我が子ながら優秀な子だと思っている。若いながら王太子としても、着々とその地位を盤石なものにしている様には、頼もしさも感じていた。次代になんの憂いも無いと思っていた。
アレクシーは、王太子として己に直言することはあっても、逆らったことはない。そのアレクシーが、あそこまで言うのなら、多分運命の相手と言うのは本当なのだろう……。
だからと言って、ルシアとの番を解消する気は全くない。ルシアを、例え息子と言えど、他の男に譲るなど考えられない。いや、息子だからこそ譲れはしない。
しかし、困ったことにはなった……それがフェリックスの思いだった。
王太子としてのアレクシーに傷を付けず解決せねば、国の根幹を揺るがすことにもなりかねない。穏便に解決せねば、それがフェリックスの思いだった。
困ったことになった、それは国王の側近達の思いでもあった。
皆、自身もアルファ故に、オメガの番を囲っていた。中には複数のオメガを番にしている者もいるが、番のオメガに対する独占欲は強い。それがアルファと言える。
運命のオメガ、それが存在することは知っていても、出会ってはいなかった。運命の相手と出会い、そして番になることなど稀な事。それが普通のことだ。
王太子があそこまで言うなら、ルシアは王太子の運命の相手かもしれない。しかし、よりにもよって父王の番が運命の相手とは……。
傾国のオメガ、側近達の頭に浮かんだ言葉。国王と王太子の間に決定的な亀裂が入れば、そうなりかねない。
だからといって、ルシアに消えてもらう事など不可能。ルシアの存在は一気に厄介なものになった。
側近の一人が、王妃に事の次第を耳に入れた。聞いた王妃も驚く。今の今まで王妃にとってルシアの存在は何の害もなかった。むしろ好ましいと思っていたが、傾国のオメガ……王妃もそれを思った。
ルシアが、美しく魅力的なことは知っている。しかし、まさか王太子を、最愛の我が子を惑わすとは……。ルシアが、王太子の運命の相手とは……。
もしそうだとしたら、大変な事態だ。この問題が拗れて、国王の怒りが爆発すれば、廃太子もありうる。そうなると、次の太子も我が子エドワードではあるが、母として二人への愛情は違うものがあった。
末っ子のエドワードは、可愛いし甘やかしてもいる。しかしアレクシーは頼りになる嫡子。アレクシーの存在は王妃の誇りでもあり、最愛の息子と言えた。
アレクシーの王太子として地位を脅かす者は、誰たりとも許すことはできない。
傾国のオメガ……しかしさすがに消すわけにはいかない。そのような事国王が許すわけない、だが引き離さねばならない、出来るだけ穏便に……。
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