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第一章 侯爵様と婚約が決まりました
3.甘い罠は藤の花が香る
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御者が手綱を引くと、馬が嘶く。十日間の長旅を終え、ノブルス家の馬車がファーブリック家の屋敷の門前に到着した。
窓越しに広がる庭園は、さすが王都にほど近い伯爵家といった趣深さ。ゆったりと広がる花壇の曲線や噴水の流れさえ、どこか計算された優雅さをまとっている。私は軽く息を飲む。
山奥に佇む大きなお屋敷といった印象の我が家とはまるで違う。婚約の申し込みは頂いているけれど、粗相があってはならない。
「大丈夫よ、マーガレット。あなた可愛いもの」
私の緊張を感じ取ったのか、隣に座るお母様が手を握ってくれた。
「自慢の娘を嫁にやるんだから、ちょっとでかい態度を取ったほうがいいのかな? ……なんちゃって」
お父様は冗談で場を和ませようとしてくれたけれど、その目尻にはわずかな不安が滲んでいる。この婚約が、家柄も財力もノブルス家を遥かに上回るファーブリック家との重要な縁組であることを、誰よりも理解しているからだ。
「さあ、行こうか!」
お父様にエスコートされて、外に出る。
話はすでに通っているようで、すぐに屋敷の中へと案内された。
応接間のドアが開けられ、中へと入っていく。
美しい風景画や鮮やかな花が活けられた壺。豪華な内装が目に飛び込んでくる。そして、そこにはすでに、婚約者のキルエン様が待ち構えていた。
「マーガレット嬢、お会いできて光栄です。長旅でお疲れでしょう、お茶でもいかがですか? 僕の気に入っている場所があるんです」
キルエン様は私を見つけると、すぐに立ち上がり、はにかんだような笑みを浮かべて頭を下げた。
背が高く、世の女性を虜にすると噂されるほどの美男子。藤の花を思わせる薄い紫色の髪は、柔らかく波打ちながら肩まで流れていく。分け目から覗く瞳は、吸い込まれそうなほどに透き通ったアメジストのよう。
浮世離れした美しさ。白いドレススーツも相まって、まるで月光の下で踊る妖精みたいな人。あの目に見つめられては、自然と頬が熱を持ってしまう。
「こちらこそ、キルエン様。お気遣いありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください」
私も丁寧にお辞儀を返す。
そのとき、真っ白な髪が肩からさらりと落ちて、視界に映る。
……はっとした。
癖、というか。この身に染み付いてしまった呪いのようなもの。肌で凍りついた空気を感じ、顔を伏せたまま視線だけを動かす。つい周囲を見渡してしまう。
「そうね、若い二人で楽しんでらっしゃい」
深紅の髪に緑の瞳。上品なドレスに身を包む、かつて夜会の薔薇と呼ばれたその人――モルガン夫人が優雅に笑う。しかし、かすかに目元が曇ったような。
彼女の視線は、私の髪に釘付けに。それから素早く、化粧を一切施していない顔へと移った。
「親同士で話すこともあるからな! さあキルエン、可愛らしいお嬢さんを案内してあげなさい!」
ダグルド卿は、わざとらしく朗らかな声を張り上げた。
それを合図に、メイド達が忙しなく動き始め、お茶の準備を始める。
お二人とも、私を歓迎してはくれているのだろう。でも……老婆令嬢と人々が陰で呼ぶあの嫌なあだ名が、頭をよぎる。
忌避されるこの見た目。慣れるものなのかは分からないけれど、家族同然に接していただけるまで時間はかかると思う。
これから義理のお父様とお母様になるのだ。愛してもらえるよう、私も頑張らないと。
「ではマーガレット嬢、こちらへ」
優雅な所作でエスコートされ、キルエン様の後をついていく。
お屋敷を出て、広い庭へ。よく手入れされた芝生の中に、白い石畳の道。苔の緑なんてこれっぽちも見えない。
胸いっぱいに空気を吸い込むと、自然豊かな香りがする。都会にあって、これほど清々しい気持ちになれるなんて。
「ふふ、我が家の庭は気に入ってくれました? 母が好きなんですよ。幼い頃、よく一緒に散歩したものです」
「はいっ、とっても素敵だと思います! うちの周りは、勝手に草木が生い茂っていますから、もっと荒々しくて」
キルエン様はとてもお優しい。
私の小さな動きや視線を見て、度々話題を振ってくれる。
「ははっ、そのうち僕もノブルス家にお邪魔しようかな。もっとマーガレット嬢のことをよく知りたいし」
「そ、そんな。……光栄です。ぜひ、いつでもいらしてください」
そして、心をくすぐる。ドキッと心臓が跳ねる。
……楽しい。弟と話すのとは違う。誰かと喋るのって久しぶり。てっきり私って、一人の時間が好きなんだと思い込んでいたけど、勘違いだったのかも。
私には友達と呼べる人がいない。一人のときは、勉強するか本を読んでいる。
すごく新鮮で、懐かしい。
そういえば昔、初めて参加したパーティで、変わった男の子とたくさん……あの子は誰だったかしら。
「着きましたよ。ここが、僕の一番好きな場所です!」
どんなときでも、思考を巡らせてしまうのが私の悪い癖。キルエン様の声で、自分の世界から現実に立ち戻る。
「わぁ……」
顔を上げると、目の前には幻想的な光景が広がっていた。
辺り一面に藤の花が垂れ下がった藤棚。所々から木漏れ日が差し込み、その一筋の光にキルエン様が照らされて、藤色の髪が輝いている。私に画力があったら、今すぐ絵にしてしまいたい。
「私も、ここがお気に入りの場所になりました。可愛らしい藤の花がこんなにたくさん!」
藤棚の下、石造りのテーブルに座ると、メイドがお茶の準備を始めた。
紅茶……いや、琥珀色をしているけれど、香りが違う。もっと甘く華やかだ。
「さすがマーガレット嬢、お気づきになりましたか。ここの藤はこだわって育ててまして、野山のものとは香りが違うでしょう? 乾燥させて紅茶に混ぜても面白いんですよ。どうぞ、お飲みになってください」
キルエン様に促され、一口すすってみる。
これはよく考えられた組み合わせだ。舌が紅茶の渋みを感じると、茶葉の甘味がそれを塗り替えて、藤の花の甘い香りが鼻を抜けていく。
こんなに美味しいお茶は初めてだ。
「どうです、なかなかいけるでしょう? いくつか調合してみて、この茶葉との相性が一番良かった。僕のオリジナルなんですよ。このお茶は、大切な人にだけお出ししています。マーガレット嬢、これからよろしくお願いします」
なんて素敵な方なのでしょう。
私のために、こんな美しい場所を用意していただき、特別なお茶まで。
「……はい。キルエン様、こちらこそ末永くよろしくお願いします。精一杯お支えいたしますので!」
甘い香りと、幸せな時間が流れていた。
窓越しに広がる庭園は、さすが王都にほど近い伯爵家といった趣深さ。ゆったりと広がる花壇の曲線や噴水の流れさえ、どこか計算された優雅さをまとっている。私は軽く息を飲む。
山奥に佇む大きなお屋敷といった印象の我が家とはまるで違う。婚約の申し込みは頂いているけれど、粗相があってはならない。
「大丈夫よ、マーガレット。あなた可愛いもの」
私の緊張を感じ取ったのか、隣に座るお母様が手を握ってくれた。
「自慢の娘を嫁にやるんだから、ちょっとでかい態度を取ったほうがいいのかな? ……なんちゃって」
お父様は冗談で場を和ませようとしてくれたけれど、その目尻にはわずかな不安が滲んでいる。この婚約が、家柄も財力もノブルス家を遥かに上回るファーブリック家との重要な縁組であることを、誰よりも理解しているからだ。
「さあ、行こうか!」
お父様にエスコートされて、外に出る。
話はすでに通っているようで、すぐに屋敷の中へと案内された。
応接間のドアが開けられ、中へと入っていく。
美しい風景画や鮮やかな花が活けられた壺。豪華な内装が目に飛び込んでくる。そして、そこにはすでに、婚約者のキルエン様が待ち構えていた。
「マーガレット嬢、お会いできて光栄です。長旅でお疲れでしょう、お茶でもいかがですか? 僕の気に入っている場所があるんです」
キルエン様は私を見つけると、すぐに立ち上がり、はにかんだような笑みを浮かべて頭を下げた。
背が高く、世の女性を虜にすると噂されるほどの美男子。藤の花を思わせる薄い紫色の髪は、柔らかく波打ちながら肩まで流れていく。分け目から覗く瞳は、吸い込まれそうなほどに透き通ったアメジストのよう。
浮世離れした美しさ。白いドレススーツも相まって、まるで月光の下で踊る妖精みたいな人。あの目に見つめられては、自然と頬が熱を持ってしまう。
「こちらこそ、キルエン様。お気遣いありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください」
私も丁寧にお辞儀を返す。
そのとき、真っ白な髪が肩からさらりと落ちて、視界に映る。
……はっとした。
癖、というか。この身に染み付いてしまった呪いのようなもの。肌で凍りついた空気を感じ、顔を伏せたまま視線だけを動かす。つい周囲を見渡してしまう。
「そうね、若い二人で楽しんでらっしゃい」
深紅の髪に緑の瞳。上品なドレスに身を包む、かつて夜会の薔薇と呼ばれたその人――モルガン夫人が優雅に笑う。しかし、かすかに目元が曇ったような。
彼女の視線は、私の髪に釘付けに。それから素早く、化粧を一切施していない顔へと移った。
「親同士で話すこともあるからな! さあキルエン、可愛らしいお嬢さんを案内してあげなさい!」
ダグルド卿は、わざとらしく朗らかな声を張り上げた。
それを合図に、メイド達が忙しなく動き始め、お茶の準備を始める。
お二人とも、私を歓迎してはくれているのだろう。でも……老婆令嬢と人々が陰で呼ぶあの嫌なあだ名が、頭をよぎる。
忌避されるこの見た目。慣れるものなのかは分からないけれど、家族同然に接していただけるまで時間はかかると思う。
これから義理のお父様とお母様になるのだ。愛してもらえるよう、私も頑張らないと。
「ではマーガレット嬢、こちらへ」
優雅な所作でエスコートされ、キルエン様の後をついていく。
お屋敷を出て、広い庭へ。よく手入れされた芝生の中に、白い石畳の道。苔の緑なんてこれっぽちも見えない。
胸いっぱいに空気を吸い込むと、自然豊かな香りがする。都会にあって、これほど清々しい気持ちになれるなんて。
「ふふ、我が家の庭は気に入ってくれました? 母が好きなんですよ。幼い頃、よく一緒に散歩したものです」
「はいっ、とっても素敵だと思います! うちの周りは、勝手に草木が生い茂っていますから、もっと荒々しくて」
キルエン様はとてもお優しい。
私の小さな動きや視線を見て、度々話題を振ってくれる。
「ははっ、そのうち僕もノブルス家にお邪魔しようかな。もっとマーガレット嬢のことをよく知りたいし」
「そ、そんな。……光栄です。ぜひ、いつでもいらしてください」
そして、心をくすぐる。ドキッと心臓が跳ねる。
……楽しい。弟と話すのとは違う。誰かと喋るのって久しぶり。てっきり私って、一人の時間が好きなんだと思い込んでいたけど、勘違いだったのかも。
私には友達と呼べる人がいない。一人のときは、勉強するか本を読んでいる。
すごく新鮮で、懐かしい。
そういえば昔、初めて参加したパーティで、変わった男の子とたくさん……あの子は誰だったかしら。
「着きましたよ。ここが、僕の一番好きな場所です!」
どんなときでも、思考を巡らせてしまうのが私の悪い癖。キルエン様の声で、自分の世界から現実に立ち戻る。
「わぁ……」
顔を上げると、目の前には幻想的な光景が広がっていた。
辺り一面に藤の花が垂れ下がった藤棚。所々から木漏れ日が差し込み、その一筋の光にキルエン様が照らされて、藤色の髪が輝いている。私に画力があったら、今すぐ絵にしてしまいたい。
「私も、ここがお気に入りの場所になりました。可愛らしい藤の花がこんなにたくさん!」
藤棚の下、石造りのテーブルに座ると、メイドがお茶の準備を始めた。
紅茶……いや、琥珀色をしているけれど、香りが違う。もっと甘く華やかだ。
「さすがマーガレット嬢、お気づきになりましたか。ここの藤はこだわって育ててまして、野山のものとは香りが違うでしょう? 乾燥させて紅茶に混ぜても面白いんですよ。どうぞ、お飲みになってください」
キルエン様に促され、一口すすってみる。
これはよく考えられた組み合わせだ。舌が紅茶の渋みを感じると、茶葉の甘味がそれを塗り替えて、藤の花の甘い香りが鼻を抜けていく。
こんなに美味しいお茶は初めてだ。
「どうです、なかなかいけるでしょう? いくつか調合してみて、この茶葉との相性が一番良かった。僕のオリジナルなんですよ。このお茶は、大切な人にだけお出ししています。マーガレット嬢、これからよろしくお願いします」
なんて素敵な方なのでしょう。
私のために、こんな美しい場所を用意していただき、特別なお茶まで。
「……はい。キルエン様、こちらこそ末永くよろしくお願いします。精一杯お支えいたしますので!」
甘い香りと、幸せな時間が流れていた。
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