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第1章~チュートリアル~
ギルド証を手に入れましょう
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大通りを進んだ先にギルドはあった。中に入ると、受付カウンターと思しき場所で女性が微笑んできた。
タレ目の下には泣きぼくろがあって、包容力を感じた。
「あなた達はさっきの新入りさんね。どうしたの?」
「四人目を連れてきた。これでクエストを受けられるよな?」
「それはそうだけど、もしかして後ろの子が四人目?」
目は細められたままなのに、全身を隅々まで見つめられているような感覚に襲われる。
「ヤマトといいます」
「はじめまして。私はギルドのマユミです。変わった格好をしているけれど、冒険者歴は長いの?」
「は、初めてです!」
全身に感じる視線と、綺麗な女性と対面したことで、思わず気をつけの姿勢になってしまった。
おかげで声が上ずったよ…あー恥ずい…。
「そう。じゃあまずは登録からね」
「登録?」
「ええ、そうよ。まずはこれを持って」
手渡されたは、クレジットカードぐらいの大きさの錆びた金属だった。
「今から貴方を冒険者ギルドに登録します。力の鑑定をさせてもらうから着いてきて。他の子たちは待っていてね」
案内されたのは、ギルドの奥にある部屋だった。
壁一面には石板が敷き詰められていて、特別な場所なのはひと目で分かる。
部屋の中心には魔法陣があって、音ゲーでもできそうな石の台が置かれていた。
「魔法陣の上に立って、それから登録証を置いて」
言われるがままに前に進むと、台の中心にはカードと同じぐらいのサイズの穴があった。
ここに置けばいいんだよな?恐る恐るカードを置くと、魔法陣が光りだした。
俺を試すかのように、頭の中には知らない文字が流れ込んでくる。
不思議なことに、それは石版に書かれていることだと理解できたし、内容もすべてわかった。
冒険者にはそれぞれ適正が与えられる。武器ならば剣、槍、斧、弓、盾…その他無数にある。魔法ならば火、水、風、土、光、闇の計6属性。
そしてその力を司る存在、守護乙女ーヴァルキリーーがいる。彼女たちの加護を受けることで能力は格段に上昇する。ステータスがCであってもAやBに上がってしまうほどに。
「汝に力を与えましょう」
聞こえたのは女性の声だ。それも一つではなかった。
やがて、光は消えていき、もとの景色が戻ってくる。
体に触れてみるが、何かが変わったという感じはない。変わったことと言えば、錆びていたカードが輝いていることだ。
虹色。まるでガチャのあたりでも引いたみたいだ。
手に取るとステータスや適正が記されていた。
レベルは1。体力や攻撃なんかは軒並み一桁。いかにもな初期ステータスだ。
平凡な数字が並ぶ中で、目に留まったのは適正だ。
オールS。剣や槍、その他の武器に魔法。すべてに適正があった。
そしてもうひとつ。クラスと書かれた項目が気になった。
「契約師…?」
剣士とか魔術師とかだったら分からりやすかったのだが、何が出来るのか見当もつかない。
幻獣とでも契約して召喚すればいいのだろうか?
「契約師ですって!?」
俺とは違う声が、部屋の中に響き渡った。
振り向くと、マユミさんは慌てた様子で口をふさいでいた。
「すごいんですか?」
「すごいも何も…貴方以外にはいないわ」
つまりこれは転生特典というやつか。俺を呼んだ相手の顔はまだ見ていないが、一応は優遇してくれているようだ。
「それで、契約師ってのは何が出来るんですか?」
「ヴァルキリーと契約できるわ」
「えっと…加護を与えてくれる存在でしたっけ?」
さっきの光の中でそんなことを言っていたはずだ。
「そうよ。けど普通は加護どまり。契約すればもっと大きな力を使うことが出来るわ。それにその色…」
「虹、ですね」
二人してギルド証を見つめる。
階級なんだろうか?よくあるのはブロンズから始まり、シルバー、ゴールド、プラチナと上がっていくものだが、虹は聞いたことがない。せいぜいガチャのSSR確定ぐらいだ。
「その色はヴァルキリーの加護の数を現しているわ。本当だったら功績を上げることで彼女たちは力を与えてくれるのだけれど、貴方は最初から持っているようね」
「加護が0だったらブロンズだったりとか?」
「そうよ。冒険者に与えられる適正は多くて5つ。得られる加護の数もそれによって決まってきて、シルバー、ゴールドと上がっていって、加護が5個を越えるとプラチナになるわ」
「じゃあ俺は?」
虹なんてワードはどこにもなかった。7色だから7個の加護があるのか?
だとしたら結構なチートじゃないだろうか?
「ヤマト、貴方は何者ですか?」
はっとした。さっきまで閉じられていたはずの瞼は開かれ、光を失った目が俺を向いている。右目は真っ黒で、左目は真っ白。正直、見えているのかは分からない。それでも、まるで0距離で見つめられているかのようなプレッシャーを感じる。
どうしたものかと頭をかき、思わず目をそらす。
「なぜ私のイービルアイを前にして動けるのですか?」
「え?」
「私の得意魔法はオブジェクト。それを強化するために闇魔法、光魔法、魔力強化、耐性貫通の加護を得ています。ギルド証はゴールドですが、相性次第ではプラチナの冒険者ですら動きを封じることが可能です」
俺が何も言えずにいると、マユミさんは目を閉じた。同意に、感じていたプレッシャーも消え去った。
「おかしなことを聞いてすみません。それだけの加護を授かっているのです。私の魔法が効かなくてもなんの不思議もありませんね」
よくわからないが納得してくれたようだ。っと、安心している場合じゃなかった。
「えっと、俺はこれからどうしたらいいですか?」
「まず言えるのは、ギルド証が虹色だということは隠すのをおすすめします。それとクラスが召喚師だということも」
「何者かに悪用されるかもしれないと?」
「そのとおりです。力のある者は得てして事件に巻き込まれるものです。冒険者になりたての貴方は相手の見極めができないでしょうから」
もし最初に出会っていたのがハヤテ達ではなく詐欺師や犯罪集団だったら、俺は間違いなくひどい目に合っていた。この世界のことを知るまではおとなしくしているのが無難なのは間違いないだろう。
「分かりました。えっと…契約師ということは、とりあえずヴァルキリーに会いに行けばいいのでしょうか?」
「そうですね。加護を与えてくれている相手であればすぐに契約も出来るでしょう」
契約もそうだが、力をくれた相手に挨拶をするのは礼儀ってもんだろう。
「あ、そうそう。冒険者カードはあくまで身分証ですので、ギルドでの冒険者ランクは別で存在します。ちなみにかけだしはDランクスタートね」
「わかりました」
☆☆☆
鑑定を終えて戻ると、ハヤテ達が駆け寄ってきた。それはもう待ちきれないと言った様子で、前のめりだ。
「どうだった?クラスは?適正はどんなだ?」
「えーっと…」
言わない方がいいと言われたしな。なんて答えるべきか…。
困っているとマユミさんが助け舟をくれた。
「問題なく冒険者として戦えるレベルよ」
「そうか。じゃあ4人パーティとして認定してもらえるよな?」
「ええ、クエストは決まっているの?」
ハヤテは頷くと、一枚の紙を差し出した。クエストがかかれているのだろう。壁の一部には同じような紙が貼られている場所があった。
「ウルフ討伐…初心者にしては少し難易度が高い気がするけれど」
「大丈夫だって!なにせ俺のクラスは剣士だからな!」
剣士って最初からなれそうだけど、そんなにいばるようなことなのか?
「剣士は剣使いの上位クラスだ」
確かタケヤと言っただろうか。三人のなかのごついやつが教えてくれた。
「ちなみに私は魔術師よ。杖使いの上位職業ね」
つまりこの世界では、得意な武器に対してなんとか使いで始まるのか。
じゃあタケヤも盾使い…いや、二人が上位ってことは騎士とかになるのか?
「俺か?残念ながら盾使いだよ。早く二人に追いつかないとな」
低い声ではっきりとした決意を口にした。
「確かに初心者にしては職業は高めだけど…そうね…まあ、いいかしら」
言いながらちらっとこちらを向いたのを、俺は見逃さなかった。おいおい、戦闘なんて一度もしたことがないのに期待値が高すぎないか?初心者冒険者に対して死なないようにの配慮がもっとあってもいいと思うんだけど。
そんなことはいざしらず、ハヤテ達はガッツポーズをしている。ったく…何かあっても責任は取らないからな?
「さっそく行くぞ!」
俺もついて行こうとすると、マユミさんに目があった。光のない右目を開いて、ウインクして来た。
そんなことされても頑張らないからな?うん…ちょっぴりドキッとしたのは秘密だ。
タレ目の下には泣きぼくろがあって、包容力を感じた。
「あなた達はさっきの新入りさんね。どうしたの?」
「四人目を連れてきた。これでクエストを受けられるよな?」
「それはそうだけど、もしかして後ろの子が四人目?」
目は細められたままなのに、全身を隅々まで見つめられているような感覚に襲われる。
「ヤマトといいます」
「はじめまして。私はギルドのマユミです。変わった格好をしているけれど、冒険者歴は長いの?」
「は、初めてです!」
全身に感じる視線と、綺麗な女性と対面したことで、思わず気をつけの姿勢になってしまった。
おかげで声が上ずったよ…あー恥ずい…。
「そう。じゃあまずは登録からね」
「登録?」
「ええ、そうよ。まずはこれを持って」
手渡されたは、クレジットカードぐらいの大きさの錆びた金属だった。
「今から貴方を冒険者ギルドに登録します。力の鑑定をさせてもらうから着いてきて。他の子たちは待っていてね」
案内されたのは、ギルドの奥にある部屋だった。
壁一面には石板が敷き詰められていて、特別な場所なのはひと目で分かる。
部屋の中心には魔法陣があって、音ゲーでもできそうな石の台が置かれていた。
「魔法陣の上に立って、それから登録証を置いて」
言われるがままに前に進むと、台の中心にはカードと同じぐらいのサイズの穴があった。
ここに置けばいいんだよな?恐る恐るカードを置くと、魔法陣が光りだした。
俺を試すかのように、頭の中には知らない文字が流れ込んでくる。
不思議なことに、それは石版に書かれていることだと理解できたし、内容もすべてわかった。
冒険者にはそれぞれ適正が与えられる。武器ならば剣、槍、斧、弓、盾…その他無数にある。魔法ならば火、水、風、土、光、闇の計6属性。
そしてその力を司る存在、守護乙女ーヴァルキリーーがいる。彼女たちの加護を受けることで能力は格段に上昇する。ステータスがCであってもAやBに上がってしまうほどに。
「汝に力を与えましょう」
聞こえたのは女性の声だ。それも一つではなかった。
やがて、光は消えていき、もとの景色が戻ってくる。
体に触れてみるが、何かが変わったという感じはない。変わったことと言えば、錆びていたカードが輝いていることだ。
虹色。まるでガチャのあたりでも引いたみたいだ。
手に取るとステータスや適正が記されていた。
レベルは1。体力や攻撃なんかは軒並み一桁。いかにもな初期ステータスだ。
平凡な数字が並ぶ中で、目に留まったのは適正だ。
オールS。剣や槍、その他の武器に魔法。すべてに適正があった。
そしてもうひとつ。クラスと書かれた項目が気になった。
「契約師…?」
剣士とか魔術師とかだったら分からりやすかったのだが、何が出来るのか見当もつかない。
幻獣とでも契約して召喚すればいいのだろうか?
「契約師ですって!?」
俺とは違う声が、部屋の中に響き渡った。
振り向くと、マユミさんは慌てた様子で口をふさいでいた。
「すごいんですか?」
「すごいも何も…貴方以外にはいないわ」
つまりこれは転生特典というやつか。俺を呼んだ相手の顔はまだ見ていないが、一応は優遇してくれているようだ。
「それで、契約師ってのは何が出来るんですか?」
「ヴァルキリーと契約できるわ」
「えっと…加護を与えてくれる存在でしたっけ?」
さっきの光の中でそんなことを言っていたはずだ。
「そうよ。けど普通は加護どまり。契約すればもっと大きな力を使うことが出来るわ。それにその色…」
「虹、ですね」
二人してギルド証を見つめる。
階級なんだろうか?よくあるのはブロンズから始まり、シルバー、ゴールド、プラチナと上がっていくものだが、虹は聞いたことがない。せいぜいガチャのSSR確定ぐらいだ。
「その色はヴァルキリーの加護の数を現しているわ。本当だったら功績を上げることで彼女たちは力を与えてくれるのだけれど、貴方は最初から持っているようね」
「加護が0だったらブロンズだったりとか?」
「そうよ。冒険者に与えられる適正は多くて5つ。得られる加護の数もそれによって決まってきて、シルバー、ゴールドと上がっていって、加護が5個を越えるとプラチナになるわ」
「じゃあ俺は?」
虹なんてワードはどこにもなかった。7色だから7個の加護があるのか?
だとしたら結構なチートじゃないだろうか?
「ヤマト、貴方は何者ですか?」
はっとした。さっきまで閉じられていたはずの瞼は開かれ、光を失った目が俺を向いている。右目は真っ黒で、左目は真っ白。正直、見えているのかは分からない。それでも、まるで0距離で見つめられているかのようなプレッシャーを感じる。
どうしたものかと頭をかき、思わず目をそらす。
「なぜ私のイービルアイを前にして動けるのですか?」
「え?」
「私の得意魔法はオブジェクト。それを強化するために闇魔法、光魔法、魔力強化、耐性貫通の加護を得ています。ギルド証はゴールドですが、相性次第ではプラチナの冒険者ですら動きを封じることが可能です」
俺が何も言えずにいると、マユミさんは目を閉じた。同意に、感じていたプレッシャーも消え去った。
「おかしなことを聞いてすみません。それだけの加護を授かっているのです。私の魔法が効かなくてもなんの不思議もありませんね」
よくわからないが納得してくれたようだ。っと、安心している場合じゃなかった。
「えっと、俺はこれからどうしたらいいですか?」
「まず言えるのは、ギルド証が虹色だということは隠すのをおすすめします。それとクラスが召喚師だということも」
「何者かに悪用されるかもしれないと?」
「そのとおりです。力のある者は得てして事件に巻き込まれるものです。冒険者になりたての貴方は相手の見極めができないでしょうから」
もし最初に出会っていたのがハヤテ達ではなく詐欺師や犯罪集団だったら、俺は間違いなくひどい目に合っていた。この世界のことを知るまではおとなしくしているのが無難なのは間違いないだろう。
「分かりました。えっと…契約師ということは、とりあえずヴァルキリーに会いに行けばいいのでしょうか?」
「そうですね。加護を与えてくれている相手であればすぐに契約も出来るでしょう」
契約もそうだが、力をくれた相手に挨拶をするのは礼儀ってもんだろう。
「あ、そうそう。冒険者カードはあくまで身分証ですので、ギルドでの冒険者ランクは別で存在します。ちなみにかけだしはDランクスタートね」
「わかりました」
☆☆☆
鑑定を終えて戻ると、ハヤテ達が駆け寄ってきた。それはもう待ちきれないと言った様子で、前のめりだ。
「どうだった?クラスは?適正はどんなだ?」
「えーっと…」
言わない方がいいと言われたしな。なんて答えるべきか…。
困っているとマユミさんが助け舟をくれた。
「問題なく冒険者として戦えるレベルよ」
「そうか。じゃあ4人パーティとして認定してもらえるよな?」
「ええ、クエストは決まっているの?」
ハヤテは頷くと、一枚の紙を差し出した。クエストがかかれているのだろう。壁の一部には同じような紙が貼られている場所があった。
「ウルフ討伐…初心者にしては少し難易度が高い気がするけれど」
「大丈夫だって!なにせ俺のクラスは剣士だからな!」
剣士って最初からなれそうだけど、そんなにいばるようなことなのか?
「剣士は剣使いの上位クラスだ」
確かタケヤと言っただろうか。三人のなかのごついやつが教えてくれた。
「ちなみに私は魔術師よ。杖使いの上位職業ね」
つまりこの世界では、得意な武器に対してなんとか使いで始まるのか。
じゃあタケヤも盾使い…いや、二人が上位ってことは騎士とかになるのか?
「俺か?残念ながら盾使いだよ。早く二人に追いつかないとな」
低い声ではっきりとした決意を口にした。
「確かに初心者にしては職業は高めだけど…そうね…まあ、いいかしら」
言いながらちらっとこちらを向いたのを、俺は見逃さなかった。おいおい、戦闘なんて一度もしたことがないのに期待値が高すぎないか?初心者冒険者に対して死なないようにの配慮がもっとあってもいいと思うんだけど。
そんなことはいざしらず、ハヤテ達はガッツポーズをしている。ったく…何かあっても責任は取らないからな?
「さっそく行くぞ!」
俺もついて行こうとすると、マユミさんに目があった。光のない右目を開いて、ウインクして来た。
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