25 / 29
第2章
24話
しおりを挟む
「ヴラド。
この後はどうする心算だ」
「まあ、そう慌てな、レオ。
お前の孫、カイが戻ってから、花が光り輝いているではないか」
「それは俺が言ったことだろうが。
月乙女が幸せでなければ、そもそも花が咲かんから、まず花が咲くように、幸せになってから考えようと」
吸血鬼ヴラド大公と狼男レオは、闇の眷属代表として、月乙女をどう護るか話し合っていた。
とにかく花はどうしても必要だ。
花から作った薬を一族の末端まで行き渡らせるには、毎日花を咲かしていただく必要があった。
大きな庭園を確保したから、新しく植えた花が咲き出したら、しばらく余裕が出来るのだが、今はまだ全然予備がなかった。
そこで仕方なく、子供は生まれないが、カイをスミス伯爵邸に戻し、アリスに幸せになってもらう事にした。
それが功を奏したのだ。
だが一番大切な事は、次代を引き継ぐ月乙女を産み育てる事だ。
その為には、アリスに産んでもらうか、オリバーに頑張ってもらうしかない。
魔眼が使えるのならば、オリバーを操って幾らでも性交させられるのだが、残念ながら月乙女の血統に効果がない。
だから百花繚乱の侍女を送り込んでいた。
衣装に工夫を凝らし、後遺症の残らない媚薬も使い、百戦錬磨の性奴隷上りの侍女が技量の限りを尽くし、オリバー卿をその気にさせた。
努力のかいもあって、性交自体は成功した。
問題は子種だった。
アリスが産まれているから、昔子種があったのは確かだ。
問題は今も子種があるかなのだが……。
「レオ。
また婚約話を勧めたいのだが、アリスはそう思うかな?」
「そうだな。
今はまだカイと結ばれていないからな。
貴族と契りを結び、子供さえ産めば、カイと契りを結べると言えば、婚約を受け入れるのではないかな」
「レオがそう言うのなら、花を作りつつ、子孫を残す事が可能なのだな?!」
「待ってくれ。
あくまでも予想だ予想。
人の気持ちなど分からん。
まして人間の女の気持ちだ。
どう揺れ動くかなど予想できるものか!」
「そうだな。
女心を理解するなど不可能だな」
「ああ。
頭で理解して、納得して始めた事が、現実になったら我慢出来なくなる事など、腐るほどある」
「そうだな。
だが何もしない訳にはいかん。
とにかくさっきの条件で婚約話を進めて、それで花が咲かなくなったら、また婚約を破棄させればいい」
「そうだな。
ヴラドの言う通りだ。
花を咲かせながら、アリスに子供を産んでもらう。
なあ、本当にいい男はいなか?
アリスがカイを忘れるくらいのいい男だ!」
この後はどうする心算だ」
「まあ、そう慌てな、レオ。
お前の孫、カイが戻ってから、花が光り輝いているではないか」
「それは俺が言ったことだろうが。
月乙女が幸せでなければ、そもそも花が咲かんから、まず花が咲くように、幸せになってから考えようと」
吸血鬼ヴラド大公と狼男レオは、闇の眷属代表として、月乙女をどう護るか話し合っていた。
とにかく花はどうしても必要だ。
花から作った薬を一族の末端まで行き渡らせるには、毎日花を咲かしていただく必要があった。
大きな庭園を確保したから、新しく植えた花が咲き出したら、しばらく余裕が出来るのだが、今はまだ全然予備がなかった。
そこで仕方なく、子供は生まれないが、カイをスミス伯爵邸に戻し、アリスに幸せになってもらう事にした。
それが功を奏したのだ。
だが一番大切な事は、次代を引き継ぐ月乙女を産み育てる事だ。
その為には、アリスに産んでもらうか、オリバーに頑張ってもらうしかない。
魔眼が使えるのならば、オリバーを操って幾らでも性交させられるのだが、残念ながら月乙女の血統に効果がない。
だから百花繚乱の侍女を送り込んでいた。
衣装に工夫を凝らし、後遺症の残らない媚薬も使い、百戦錬磨の性奴隷上りの侍女が技量の限りを尽くし、オリバー卿をその気にさせた。
努力のかいもあって、性交自体は成功した。
問題は子種だった。
アリスが産まれているから、昔子種があったのは確かだ。
問題は今も子種があるかなのだが……。
「レオ。
また婚約話を勧めたいのだが、アリスはそう思うかな?」
「そうだな。
今はまだカイと結ばれていないからな。
貴族と契りを結び、子供さえ産めば、カイと契りを結べると言えば、婚約を受け入れるのではないかな」
「レオがそう言うのなら、花を作りつつ、子孫を残す事が可能なのだな?!」
「待ってくれ。
あくまでも予想だ予想。
人の気持ちなど分からん。
まして人間の女の気持ちだ。
どう揺れ動くかなど予想できるものか!」
「そうだな。
女心を理解するなど不可能だな」
「ああ。
頭で理解して、納得して始めた事が、現実になったら我慢出来なくなる事など、腐るほどある」
「そうだな。
だが何もしない訳にはいかん。
とにかくさっきの条件で婚約話を進めて、それで花が咲かなくなったら、また婚約を破棄させればいい」
「そうだな。
ヴラドの言う通りだ。
花を咲かせながら、アリスに子供を産んでもらう。
なあ、本当にいい男はいなか?
アリスがカイを忘れるくらいのいい男だ!」
1
あなたにおすすめの小説
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
クラフター公爵家令嬢の婚約破棄騒動
青空鰹
恋愛
クラフター公爵家の長女、 リペア・ワークス・クラフター アバレス王子と婚約していたが、学園で開かれる卒業パーティーの場で婚約破棄を言い渡されてしまう!
彼女の運命は一体どうなってしまうのか?
※深夜のテンションで作った作品なので、多分ところどころおかしいとところがあると思います。
「失礼いたしますわ」と唇を噛む悪役令嬢は、破滅という結末から外れた?
パリパリかぷちーの
恋愛
「失礼いたしますわ」――断罪の広場で令嬢が告げたのは、たった一言の沈黙だった。
侯爵令嬢レオノーラ=ヴァン=エーデルハイトは、“涙の聖女”によって悪役とされ、王太子に婚約を破棄され、すべてを失った。だが彼女は泣かない。反論しない。赦しも求めない。ただ静かに、矛盾なき言葉と香りの力で、歪められた真実と制度の綻びに向き合っていく。
「誰にも属さず、誰も裁かず、それでもわたくしは、生きてまいりますわ」
これは、断罪劇という筋書きを拒んだ“悪役令嬢”が、沈黙と香りで“未来”という舞台を歩んだ、静かなる反抗と再生の物語。
婚約破棄された地味令嬢は、無能と呼ばれた伯爵令息と政略結婚する ~あなたが捨てたのは宝石でした~
新川 さとし
恋愛
「地味で可愛げがない」と婚約破棄された侯爵令嬢クリスティーヌ。
王子の政務を陰で支え続けた功績は、すべて無かったことにされた。
居場所を失った彼女に差し出されたのは、“無能”と噂される伯爵令息ノエルとの政略結婚。
しかし彼の正体は、顔と名前を覚えられない代わりに、圧倒的な知識と判断力を持つ天才だった。
「あなたの価値は、私が覚えています」
そう言って彼の“索引(インデックス)”となることを選んだクリスティーヌ。
二人が手を取り合ったとき、社交界も、王家も、やがて後悔することになる。
これは、不遇な二人が“最良の政略結婚”を選び取り、
静かに、確実に、幸せと評価を積み上げていく物語。
※本作は完結済み(全11話)です。
安心して最後までお楽しみください。
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる