4 / 9
1章
3話クレア男爵令嬢視点
しおりを挟む
こんな早く、表立って動くとは思いませんでした。
さてどうすべきでしょうか?
悪名高いエミリーなら、堂々と呼び出して私を殺し、地位を笠に全てを闇に葬る事もやりかねません。
ですが、下手な断り方をしても、難癖をつけて家を取り潰そうとするでしょう。
「御使者殿には申し訳ありませんが、クレアは婚約破棄をされたばかりで、傷心が癒えておりません。
王女殿下にはその旨お伝えいただき、お断りいただきたい」
レイラが上手く断ってくれました。
硬軟とり混ぜた対応で、多くの士族令嬢を護って来たレイラです。
今回も上手く断ってくれたと思うのですが、問題は王女殿下です。
我儘勝手な方ですから、常識的な対応をして下さるかどうか……
「ならん。
王女殿下の思し召しだ。
それを断る事は許されぬ。
今直ぐ着いてまいれ」
御使者殿は引いてくれません。
確かに子爵令嬢だったはず。
最下級貴族ですから、ここで使者の役目を果たせなければ、王女にどのような仕打ちを受けるか分かりません。
なにがなんでも役目を果たそうと必死です。
ちょっと可哀想になります。
「それは随分と我儘勝手。
王女殿下らしい事でございますが、昔のように士族や平民を嬲り殺しにしようと言うのなら、腕にかけて止めさせていただきますよ」
今度はカルロが対応してくれました。
御使者殿も無意識に後ろに下がっています。
カルロの武勇は学園内に鳴り響いています。
特に貴族家が雇った暗殺者を十度まで返り討ちにして、最後には暗殺者組合まで壊滅させ、暗殺依頼をしたドルトン公爵家を取り潰しにまで追いこんでいます。
単に武芸だけではなく、寝技も完璧です。
父の情報網を駆使して、ドルトン公爵家と敵対するミゲル侯爵家の秘密を探り出し、その情報を公開しないという約束で、ドルトン公爵家を追い詰めるのを手伝ってもらったのです。
その事は学園内の全員が知っています。
さすがに王女殿下を修道院に送ることは難しいですが、他の貴族なら例え相手が公爵家でも、父の情報網とカルロの武芸で叩き潰す事は可能でしょう。
カルロは男爵公子でしかありませんが、正式な手続きを踏めば、相手が王族でない限り、決闘を申し込む事ができます。
カルロの投げつける白手袋を避けられる貴族公子など、この学園には一人もいません。
「ですが御使者殿、貴方も手ぶらでは帰れますまい。
自分の命ばかりか、家の浮沈までかかっているでしょう。
クレア一人をやるわけにはいきませんが、我ら一同で王女殿下の御尊顔を拝謁させていただきます」
カルロにはこう言う優しさと強かさがあります。
子爵令嬢を助けると同時に、恩も売っているのです。
この後どう王女をさばいてくれるのでしょう?
さてどうすべきでしょうか?
悪名高いエミリーなら、堂々と呼び出して私を殺し、地位を笠に全てを闇に葬る事もやりかねません。
ですが、下手な断り方をしても、難癖をつけて家を取り潰そうとするでしょう。
「御使者殿には申し訳ありませんが、クレアは婚約破棄をされたばかりで、傷心が癒えておりません。
王女殿下にはその旨お伝えいただき、お断りいただきたい」
レイラが上手く断ってくれました。
硬軟とり混ぜた対応で、多くの士族令嬢を護って来たレイラです。
今回も上手く断ってくれたと思うのですが、問題は王女殿下です。
我儘勝手な方ですから、常識的な対応をして下さるかどうか……
「ならん。
王女殿下の思し召しだ。
それを断る事は許されぬ。
今直ぐ着いてまいれ」
御使者殿は引いてくれません。
確かに子爵令嬢だったはず。
最下級貴族ですから、ここで使者の役目を果たせなければ、王女にどのような仕打ちを受けるか分かりません。
なにがなんでも役目を果たそうと必死です。
ちょっと可哀想になります。
「それは随分と我儘勝手。
王女殿下らしい事でございますが、昔のように士族や平民を嬲り殺しにしようと言うのなら、腕にかけて止めさせていただきますよ」
今度はカルロが対応してくれました。
御使者殿も無意識に後ろに下がっています。
カルロの武勇は学園内に鳴り響いています。
特に貴族家が雇った暗殺者を十度まで返り討ちにして、最後には暗殺者組合まで壊滅させ、暗殺依頼をしたドルトン公爵家を取り潰しにまで追いこんでいます。
単に武芸だけではなく、寝技も完璧です。
父の情報網を駆使して、ドルトン公爵家と敵対するミゲル侯爵家の秘密を探り出し、その情報を公開しないという約束で、ドルトン公爵家を追い詰めるのを手伝ってもらったのです。
その事は学園内の全員が知っています。
さすがに王女殿下を修道院に送ることは難しいですが、他の貴族なら例え相手が公爵家でも、父の情報網とカルロの武芸で叩き潰す事は可能でしょう。
カルロは男爵公子でしかありませんが、正式な手続きを踏めば、相手が王族でない限り、決闘を申し込む事ができます。
カルロの投げつける白手袋を避けられる貴族公子など、この学園には一人もいません。
「ですが御使者殿、貴方も手ぶらでは帰れますまい。
自分の命ばかりか、家の浮沈までかかっているでしょう。
クレア一人をやるわけにはいきませんが、我ら一同で王女殿下の御尊顔を拝謁させていただきます」
カルロにはこう言う優しさと強かさがあります。
子爵令嬢を助けると同時に、恩も売っているのです。
この後どう王女をさばいてくれるのでしょう?
17
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。
ぽっちゃりおっさん
恋愛
公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。
しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。
屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。
【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。
差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。
そこでサラが取った決断は?
義姉大好きな義妹が、義姉の婚約者をボコボコにする話
Ryo-k
恋愛
「フローラ・アンカーソン伯爵令嬢! 貴様との婚約を破棄すぶふぉわ――」
「ジョージ様!?」
ジョージ・ブリテニア第2王子が婚約破棄宣言を言い切る前に、その体が勢いよく吹き飛んでいき背後の壁にめり込んでいきました。
彼の横にいたアマンダ・オルコット男爵令嬢は何が起こったか理解できていない。
彼をぶん殴ったのは、婚約者フローラの義妹のサヤカ。
大好きで大好きな大好きな大好きな大好きな大好きな大好きな――
大好きな義姉を傷つけられらサヤカは、王子を完膚なきまでにボコボコにすることにした。
嘘吐きは悪役聖女のはじまり ~婚約破棄された私はざまぁで人生逆転します~
上下左右
恋愛
「クラリスよ。貴様のような嘘吐き聖女と結婚することはできない。婚約は破棄させてもらうぞ!」
男爵令嬢マリアの嘘により、第二王子ハラルドとの婚約を破棄された私!
正直者の聖女として生きてきたのに、こんな目に遭うなんて……嘘の恐ろしさを私は知るのでした。
絶望して涙を流す私の前に姿を現したのは第一王子ケインでした。彼は嘘吐き王子として悪名高い男でしたが、なぜだか私のことを溺愛していました。
そんな彼が私の婚約破棄を許せるはずもなく、ハラルドへの復讐を提案します。
「僕はいつだって君の味方だ。さぁ、嘘の力で復讐しよう!」
正直者は救われない。現実を知った聖女の進むべき道とは……
本作は前編・後編の二部構成の小説になります。サクッと読み終わりたい方は是非読んでみてください!!
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
婚約者を処刑したら聖女になってました。けど何か文句ある?
春夜夢
恋愛
処刑台に立たされた公爵令嬢エリス・アルメリア。
無実の罪で婚約破棄され、王都中から「悪女」と罵られた彼女の最期――
……になるはずだった。
『この者、神に選ばれし者なり――新たなる聖女である』
処刑の瞬間、突如として神託が下り、国中が凍りついた。
死ぬはずだった“元・悪女”は一転、「聖女様」として崇められる立場に。
だが――
「誰が聖女? 好き勝手に人を貶めておいて、今さら許されるとでも?」
冷笑とともに立ち上がったエリスは、
“神の力”を使い、元婚約者である王太子を皮切りに、裏切った者すべてに裁きを下していく。
そして――
「……次は、お前の番よ。愛してるふりをして私を売った、親友さん?」
清く正しい聖女? いいえ、これは徹底的に「やり返す」聖女の物語。
ざまぁあり、無双あり、そして……本当の愛も、ここから始まる。
婚約者が毒を使って私を消そうとするけど、聖女だから効きません
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私シルフは聖女になっていたけど、家族以外には伝えていない。
婚約者のズドラは侯爵令嬢のロゼスが好きで、私を切り捨てようと考えていたからだ。
婚約破棄を言い渡されると考えていたけど、ズドラは毒で私を消そうとしてくる。
聖女の力で無力化できたけど――我慢の限界を迎えた私は、やり返そうと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる