婚約破棄されたショックで前世の記憶を取り戻して料理人になったら、王太子殿下に溺愛されました。

克全

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7話ナウシカ視点

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 肉好きのルーカス王太子殿下に何の肉を食べていただくか?
 これが一番の問題でしたが、普通なら亜竜種の肉を手に入れるべきです。
 この国で手に入る最高の肉は亜竜とされており、王族、特に王太子殿下に供するならば、なんとしてでも亜竜種の肉を手に入れるべきなのです。

 ですが今回は手に入れることができませんでした。
 私の事を、シンクレア伯爵家を妬んだ大貴族が、買い占めてしまったのです。
 元々希少で高価な亜竜種の肉です。
 公爵家や金満侯爵家を敵に回して、手に入れることなど不可能です。
 肉屋どころか、冒険者ギルドにある段階で、権力にモノを言わせて手に入れてしまいます。

 彼らは私に転売を持ちかけました。
 事もあろうに、ソルトーン侯爵家から得た賠償金の全額を払えと言うのです。
 私の反骨精神がムクムクと頭をもたげました。
 やってやろうじゃねぇか、腐れ貴族ども!
 そう心の中で啖呵をきって、普通の値段で手に入る食材を探しました。
 ありふれた食材で王家料理人を超える料理を作って見せる、と誓いました。

 私は記憶の中にある食材に近い肉を探しました。
 牛に近い獣は、農業に使われているので筋が多く硬いです。
 ミノタウロスの肉など、煮込みにするか挽肉にしないと硬すぎて食べられません。
 それは魔猪もオークも同じでした。
 魔力が残っているので、とても旨みがあるのですが、噛み切れないのです。
 まあ、ハンバーグという手はあるのですが、それは次回使う事にしました。

 選んだ食材は、庶民から下級貴族に好まれている豚肉です。
 記憶にある肉質に近いので、私の料理に応用しやすかったのです。
 問題は調味料でした。
 これが壊滅的にないのです。
 特に困ったのが、醤油と味噌と味醂がない事です。
 これには頭を抱えました。
 
 国中の商人に訪ねて、ようやく海岸部の田舎で作られていた、ガルムと言う名のアンチョビの内臓などから作られた魚醤を探し当てました。

 ガルムと生姜と玉ねぎを使って、豚肩ロース肉の生姜焼きを完成させました。

 豚肩肉は薄切りにして、野菜とオークの筋と骨からとった出汁、ダブルスープのコンソメに浮かべました。
 
 豚ロースは薄切りにして、食べやすい大きさに切った野菜の上にのせ、蒸し物にしました。

 豚ヒレ肉は今回のメインディッシュ、トンカツにしました。

 豚バラ肉は、生姜などの手に入る香味野菜と香辛料をガルムに加えてタレを作り、焼き豚にしました。

 豚モモ肉は次回の煮込み料理も考えて、今回はローストポークにしました。
 工夫したのはタレです。
 今の知識で組み合わせ出来る最高のタレを五種類創り出しました。

 耳や豚足はトロトロに煮込みました。

 豚肉のフルコース!
 ルーカス王太子殿下は喜んでくれるでしょうか?
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