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第一章
第1話追放劇
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「ふっふっふっふっ、もうこれでお終いよ、やっとお前を殺せるわ」
眼の前で王女が勝ち誇った顔で笑っている。
俺を殺せるのがよほどうれしいのだろうが、その顔は王女として品がなさすぎる。
もう少し王女として品格に気を付けた方がいいと思うが、まあ、無理だろうな。
幼い頃から残忍で品性下劣、心ある廷臣からは忌み嫌われていたからな。
その性質を何とかしようと、国王陛下も王妃殿下も苦心されておられたが、結局何をやっても無駄だったようだ。
「殿下、あまり具体的に口に出されてはいけません、バルドの護りが発動します。
そうなってしまっては、苦心した段取りが全て駄目になってしまいます」
恥知らずで極悪非道、半分とはいえ俺と血のつながった弟。
大公家を乗っ取るために、嫌われ者の王女と手を組んで、俺だけではなく実の父親まで殺してしまう人非人。
絶対に許さない、と言いたいところだが、父も決して褒められた人ではなかったから、いや、父も許し難い極悪非道な奴だったから、殺されたことは自業自得どころか当然の結果で、むしろ俺自身の手で殺したかったくらいだ。
父は多くの愛人を抱え、酒池肉林の生活をしていたが、愛人の一人をとても気に入り、いや、愛人に誑かされて、母上を殺しやがった。
それどころか、正妻の子で大公家の後継者と正式にお披露目までされていた私を、母上もろとも殺そうとしやがったのだ。
その愛人の子供というのが、俺の目の前で厭らしい笑いを浮かべて勝ち誇っている、腐れ外道の実の弟だ。
だが俺は、今もこうして生き続けている、全ては母上のお陰だ
偉大な魔法使いであった母上は、買収された乳母と侍女が俺を毒殺しようとしたのを、持てる魔力も全てを使って生き返らせてくださったばかりか、その後の事も考えてくださり、強力な守護魔法をかけてくださったのだ。
命を捨てて私を護ってくださった、母上の想いを無駄にはできない。
何を失っても、どれほどの恥辱を受けようとも、生き残る事を優先する。
「だったらどうしろと言うの、さっさと大公家を乗って、私に力を貸しなさい!」
恐ろしく身勝手で、自分の欲望に忠実な悪女、それが目の前の王女だ。
大公家を力を手に入れて、兄弟姉妹を押しのけて王位を狙うどころか、全員を殺してしまう心算だろう、王女の狂った眼つきはそれくらいの事はやりかねない。
弟も王女に触発されたのだろう、私が弟を殺す決断ができずにいるのに乗じて、大公家の実権を奪われてしまった。
母譲りの優しさが裏目に出てしまったが、後悔はしていない。
私が目指しているのは、大公でも王国を動かす権力者でもない。
母上のように、誰にも優しいく慈愛を示し、生命を大切にする、人間として大きな存在になりたいのだ。
だから、理想を理解できず、目先の利益に主人を殺そうとするようなモノばかりの大公家など、こちらから捨て去ってやる。
眼の前で王女が勝ち誇った顔で笑っている。
俺を殺せるのがよほどうれしいのだろうが、その顔は王女として品がなさすぎる。
もう少し王女として品格に気を付けた方がいいと思うが、まあ、無理だろうな。
幼い頃から残忍で品性下劣、心ある廷臣からは忌み嫌われていたからな。
その性質を何とかしようと、国王陛下も王妃殿下も苦心されておられたが、結局何をやっても無駄だったようだ。
「殿下、あまり具体的に口に出されてはいけません、バルドの護りが発動します。
そうなってしまっては、苦心した段取りが全て駄目になってしまいます」
恥知らずで極悪非道、半分とはいえ俺と血のつながった弟。
大公家を乗っ取るために、嫌われ者の王女と手を組んで、俺だけではなく実の父親まで殺してしまう人非人。
絶対に許さない、と言いたいところだが、父も決して褒められた人ではなかったから、いや、父も許し難い極悪非道な奴だったから、殺されたことは自業自得どころか当然の結果で、むしろ俺自身の手で殺したかったくらいだ。
父は多くの愛人を抱え、酒池肉林の生活をしていたが、愛人の一人をとても気に入り、いや、愛人に誑かされて、母上を殺しやがった。
それどころか、正妻の子で大公家の後継者と正式にお披露目までされていた私を、母上もろとも殺そうとしやがったのだ。
その愛人の子供というのが、俺の目の前で厭らしい笑いを浮かべて勝ち誇っている、腐れ外道の実の弟だ。
だが俺は、今もこうして生き続けている、全ては母上のお陰だ
偉大な魔法使いであった母上は、買収された乳母と侍女が俺を毒殺しようとしたのを、持てる魔力も全てを使って生き返らせてくださったばかりか、その後の事も考えてくださり、強力な守護魔法をかけてくださったのだ。
命を捨てて私を護ってくださった、母上の想いを無駄にはできない。
何を失っても、どれほどの恥辱を受けようとも、生き残る事を優先する。
「だったらどうしろと言うの、さっさと大公家を乗って、私に力を貸しなさい!」
恐ろしく身勝手で、自分の欲望に忠実な悪女、それが目の前の王女だ。
大公家を力を手に入れて、兄弟姉妹を押しのけて王位を狙うどころか、全員を殺してしまう心算だろう、王女の狂った眼つきはそれくらいの事はやりかねない。
弟も王女に触発されたのだろう、私が弟を殺す決断ができずにいるのに乗じて、大公家の実権を奪われてしまった。
母譲りの優しさが裏目に出てしまったが、後悔はしていない。
私が目指しているのは、大公でも王国を動かす権力者でもない。
母上のように、誰にも優しいく慈愛を示し、生命を大切にする、人間として大きな存在になりたいのだ。
だから、理想を理解できず、目先の利益に主人を殺そうとするようなモノばかりの大公家など、こちらから捨て去ってやる。
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